2019年3月16日土曜日

スピーカーの試聴 その2 Haigner社 Tau


ウィーンでのオーディオ友達のノベルトさん (こちら)使用のスピーカーを作っている
Haigner社の商品で僕の手に届きそうなものはどれかな?と相談したら、『Tauがいいんじゃない? ちょっと無理できるならBetahornはもっといいよ』との答えで、早速試聴をアレンジしてくれました。同社主宰のDavid Haigner さんがTauはいま完成品の在庫が会社にないから、自宅にある自分用のものを聴きにいらっしゃいお招きを受けたとのことで、お言葉に甘えてダビッドさんの自宅に伺ってきました。2月20日のことです。

上の写真で、いわゆる普通のスピーカーの形をしたのが、Tau。その後ろにある、まるで流しを縦につけた洗面台のようなものが、Betahorn。ノベルトさんのGamma Hornと同じくホーン部分はコリアン削り出しであるとのこと。Betahornはネットワークの改良プロジェクト中なのでそれが出来上がってから聴いて欲しいと、今回はTauのみを試聴しました。

まえにも書きましたが、ダビッドさんは、本業が音響エンジニアでウィーン市役所、市立コンサートホール、アルベルティーナ美術館などのPAシステムの構築・導入の実績を持ち、ウィーンの幾つかの大学でも教鞭をとっている方です。

上流のシステムが良かったということもあるのでしょうが、とにかく情報量・透明感が物凄いスピーカーであるという印象を受けました。自らの主張・色付けがほぼ皆無で、音源・上流機器の違い・変化がはっきりと判りつつも、高い音楽性が保たれて、悪い録音でも聴き辛くならないところはさすがでした。『うーん、欲しいかな?』と僕が言うと、『まずはBetahornを聴いてからだね』とノベルトさん。3月末~4月上旬ごろに再会する約束をしてダビッドさん宅を後にしました。 


ちなみに、この日持参した、音源で特に評判が良かったのが下の3点でした:

(アマゾンより引用:https://amzn.to/2NQvlE4
今まで聴いた中で一番好きなチャイコフスキーヴァイオリン協奏曲のCD。音もかなり良いほうだと思います。ダビッドさん宅で聴いたときにソロが入る部分とオケだけの部分の録音のミックス、マイクの位置などの違いがはっきり判って、目から鱗の経験をしました。それでいて、音楽的に惹きこまれるところは、デビッドさんのシステムの凄いところだなと感激。最近なぜかチャイコフスキーに嵌っているといっていた、デビッドさんはこの演奏が気に入ったようで、僕も買うからといってカバーの写真を撮らせてねと言ってパチリ。

(アマゾンより引用:https://amzn.to/2H6e1KD

去年9月に帰省で、オーディオの大先輩宅に伺った際に(こちらに聴かせていただいたCD。5曲入ったEP版ですが、ライブ・バージョンの「Somewhere over the Rainbow (虹の彼方に)」が音楽的にもオーディオ的にも凄く、ファンの歓声と喧騒に包まれ、まるで会場にいるような音場感のなか、エイモスの(静かに)という「shhh 」で静まり返った観客に向かって、ため息のように囁くトーリの歌声とそれとは対照的にガツーンと来る力強いピアノのソロパートが素晴らしく、そのリアルさに鳥肌がたちました。ウィーンに戻って早速、そのCDを購入、早速期待に胸を膨らませてかけましたが、我が家のシステムから聞こえてきたトーリの歌声は記憶にあったものからは程遠いものでした。デビッドさん宅では音場感とピアノは素晴らしかったですが、歌声は沖縄で聴いたものが良かった。凄くレベルの高いシステムでないと、この3つは揃わないのでしょう。

(アマゾンより引用:https://amzn.to/2NNYtLO


以前、ノベルトさん宅でもかけてもらったこのCD。ダビッドさんは直ぐに『これはペアマイクのみでの録音だね』、『きっと会場も音がいいところなんだね』とさすがは音響エンジニア、『ペアマイクでこれだけ素晴らしい音にピアノを録音できる技師はウィーンにもいないね~素晴らしい!』との感心されていました。

ダビッドさんが説明してくれたところによると、ホーン型は聴き手がレコーディングの場に入っていくような感じ、それ以外のスピーカーはレコーディングの現場が部屋に入ってくる感じに聴こえるものなのだそうです。Betahornの試聴が楽しみです。と、言うわけで、パート3にも乞うご期待。

Haigner社のサイト:http://www.haigner.com/

本記事で紹介したCDです。





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