2018年2月28日水曜日

USBアイソレーター を Macと外付けSSDの間に導入

CESYS C028149 Galvanic isolation (GND-Lift) from host PC and USB device
Conrad.at  より引用


ヨーロッパを襲っている寒波の影響で、先週末から冷え込んでいるウィーン。昨日の通勤時はマイナス11度でした。今週末まで冷え込みは続くようです。

暫く前に、JSPCのブログに「リッピング用ドライブケースRP-EC5-U3AIを試す」という記事が連載され、その中でドライブとPCの間にUSBアイソレーターをいれたのが一番変化があったとかかれていたのを読みました(こちら)。 我が家のシステムではどうしても、SSDの音源よりストリーミング音源の方がいい音に聴こえてくるので、どうしたものかと悩んでいたので、一度試したいと思っていました。ただ、JSPCさんで扱っている製品はちょっと試してみるには高いものだったので、帰省の折に買ってくるのはあきらめて、こちらで似たようなものが無いかと探し、入手したのが上の写真のもの、CESYS社のUSB-ISOLATORで Galvanic isolation (GND-Lift) from host PC and USB deviceと能書のある商品(こちら)。手のひらにのる小さなものです。昨日、ようやく試してみました。

取り付けたのはMac Miniと外付けSSDの間。結果から先に述べると、驚くほど凄い効き目がありました! メガネが汚れていたのに気づかず、洗浄してみたら、こんなにハッキリときれいにみえるのか?!、と驚く感じでしょうか。 アイソレーターをいれると、拭いてきれいになった窓から外を景色を見ている感じで、音がクリアーで見晴らしよく、様々な楽器とそれらの位置がよりはっきりと聞き分けられます。音が若干きつめになった気もしますが、エージングでよくなりそうな感じ。まるでDACを入れ替えたかというぐらいの違いです。

これだけの効果のあるものですが、USBアイソレーターの中では最も安いものであったので、USB2.0のFullとLowスピードにしか対応していません。その為、数分ぶん程度の
音源ファイルをメモリに読み込んだ後でないと、再生が途切れ、途切れになります。とくにハイレゾファイルではそれが顕著。Audirvana Plusは、幸い音源をメモリに読み込んでから再生するのでなんとかなるのですが、それでも、一度Playをクリックし、Pauseさせて、読み込み具合をみて、再度Playをクリックという手順を踏まなければなりません。かといって、この音を聴いてしまうと後戻りもできないので、USB2.0 Highスピード対応のアイソレーターを物色中です。


2018年2月24日土曜日

スピーカー・ケーブル つづき Duelund DCA-12GA


先日、スピーカー・ケーブル5種、試聴したことを書きました(こちら)。で、その後どうなったかというと、昨年、Duelund社がDCAワイヤーの12awg の太さのDCA-12GAを発売、もともとDuelund DCAを使うきっかけとなった、アメリカのオーディオ評論家Jeff Day氏が、これぞスピーカー・ケーブルに最適!というような記事を書いたのを読んで (こちら)、Supra Swordがどうしても欲しいと思うケーブルでなかったのでお手頃価格のこれを試すことにしたのです。

他のケーブルをきいてしまったあとでDCA-16 GA(こちら)を聴くと、我が家のシステムでは低域の量感がもう一息という感じが否めなかったのと、そのせいか、ほんの少しだけ高域が強調され、やや線が細い感じがしていました。

DCA-12GAにかえると、低域の量感は増したもののちょっと音が太くなりすぎの感も合ったのですが、暫く使っているとエージングの成果か、耳が慣れたのが気にならなくなってきて、高域の伸びも若干よくなり、バランスよく聴けるようになりました。

ということで、今のところDCA-12GAにとくに不満も無く、満足しています。

Duelund社のDCAシリーズはちょっと手はかかりますが、価格もリーズナブルで高音質、コスパはとても高いと思います。お勧めの逸品です。

2018年2月20日火曜日

グスターボォ・デュダメル指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサート



去る土曜日 (2月17日)は、妻と、歯列矯正の治療で週末だけウィーンに戻ってきた次女と3人でデュダメル指揮、ウィーンフィルのコンサートに行ってきました。会場は楽友協会大ホール、プログラムは、

Charles Edward Ives : Symphony No. 2
Peter Ilyich Tchaikovsky : Symphony No. 4 in F minor, op. 36

チャールズ・アイヴズの「交響曲 第2番」は初めて聴きましたが想像していたよりも難解でなくメロディアスで後で調べると彼が20代の頃に書いた作品とのこと、ウィキベディアには『明確な調性を保っている...』と書かれていました(こちら)。演奏は、第一楽章がちょっとまとまりにかけるような気がしたのですが (もしかするとこのような曲なのかもしれませんが...。)それ以降は、素晴らしかったと思います。全体的にオーケストラも心なしか緊張して浮き足立っているような気がしました。 

後半のチャイコフスキー「交響曲第4番」。前半とは打って変わって、余裕と貫禄を感じさせる演奏。冒頭のファンファーレから一気に惹きこまれました。文句なしの名演奏だったと思います。 ちなみに、音楽通の友人の話だとウィーン・フィルのウィーンでの公演は日曜日の朝の公演がとくに本番とされ、オーケストラが最も力を入れるコンサートのようです。日曜日を見に行きたかった~。

デュダメルとウィーンフィルは、1月初めからずっと一緒に公演ツアーをやっていますが、その〆が今週末から始まる南北米大陸縦断ツアーのようです。知り合いのウィーン・フィル関係者のお話だと、ウィーン・フィルが一人の指揮者とこんなに長い期間一緒に続けて演奏するのは非常に稀で異例なことであるとの事。彼が言うには、それだけ楽団員がデュダメルをかっており、彼に期待しているとのことでした。

今回のコンサートはウィーン・フィル定期公演の一部であったので、月曜日の朝、ウィーン・フィルの事務所に並んでかってきましたが、キャンセルが少なかったようで、前回に引き続き天井桟敷の席。ここは、ステージから最も離れていますが、音響的には、オーケストラのそれぞれの楽器の音が良く混ざり合って、低音も迫力が加わり、楽友協会大ホールの中でも特に音が良い場所のひとつだと思います。

天井桟敷の席から見るホールはこんな感じです。

デュダメル公式HP:http://www.gustavodudamel.com/


2018年2月16日金曜日

パトリシア コパチンスカヤ(Patricia Kopatchinskaja )/ポリーナ レスチェンコ(Polina Leschenko) コンサート



今週の月曜日(2月12日)は、妻と二人でパトリシア コパチンスカヤとポリーナ レスチェンコのコンサートに行ってきました。会場は、ウィーン・コンツエルトハウス、モーツアルト・ザール。プログラムは以下の通り:


Alfred Schnittke:Sonata No. 1 for violin and piano (1963)

Francis Poulenc :Sonata S 119 for Violin and Piano (1942-1943 / 1949)

Robert Schumann :Sonata for Violin and Piano No. 2 in D Minor, Op. 121
(当日モーツアルトからシューマンに変更)

György Kurtág:Tre pezzi op. 14e for violin and piano (1979)

George Enescu:Impressions d'enfance op. 28 for violin and piano (1940)

アンコールはモーツアルトのバイオリンソナタ(どれかはうまく聞き取れず)から一楽章を演奏。

数年前にテレビで観て以来、コパンチンスカヤをライブで聴きたいと思っていたのですがやっとその願いが叶いました。期待通りの個性的な演奏は、そのスタイルが当日のプログラムによくマッチしており、とても面白くて満足できたコンサートでした。音楽に対する情熱が全開で、完全に音楽にのめり込んで弾いているいるという感じながらお客さんを楽しませるインターアクションも...。あえて変わった演奏をするというのではなく、彼女にはこれしかないという自然体。まさに、リアル・ライフ「のだめ」と言う感じでしょうか? 妻曰く『...きっととても変わった人なんだろうね~。』 ちなみに、バイオリンを演奏するときは裸足、カーテンコールのときは靴を履いていました。


当日は、今月リリースのCDのプロモーションを兼ねていたようで演奏後にはサイン会。僕も買ってサインをしてもらいました。サイン会でもエネルギッシュにファンに対応してくれました。



今月発売の新作


僕がよく聴く お薦めのコパンチンスカヤのレコーディングです。とくにアルファ・レーベルの2点は音質も最高です。シューベルトはハイレゾ音源も売られていますのでそちらはネットで検索してみてください。:


2018年2月13日火曜日

鼓童コンサート


去る日曜日(2月11日)は妻と鼓童を観にいきました。ワン・アース・ツアー 2018 のウィーン公演です。会場はウィーン・コンツエルトハウス。 プログラムはEvolution (邦題「螺旋」)で坂東三郎演出なのだそうです。初めて見る鼓童のライブです。

強弱変化に富んだダイナミックな演奏に異なる趣向の演目で飽きることなく楽しめました。和太鼓・和楽器のみにこだわらず、西洋の大太鼓やティンパニーも取り入れたアレンジは洗練されており、同グループが掲げる『伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる』ということが体言されているものですばらしかったです。他の和太鼓グループは何度か見ていますが、完成度が高く洗練された鼓童の演奏は他の和太鼓グループと一線を画していると思いました。

鼓童ブログ「ウィーン公演」リンク:http://www.kodo.or.jp/kodo_blog/membersblog/8270











2018年2月7日水曜日

Andás Schiff and Cappella Andreas Barca / アンドラーシュ・シフと カペラ・アンドレア・バルカ コンサート




今週に入り、ウィーンはめっきり冷え込んで日曜日以降ずっと氷点下、今朝は雪でした。時期相応の気温ではありますが、今まで暖冬で慣れない体にはちときついです。

さて、先週の木曜日(2月1日)は アンドラーシュ・シフと カペラ・アンドレア・バルカのコンサートに行ってきました。一緒に行くはずだった妻が都合が悪くなったので、職場の同僚と行ってきました。場所は楽友協会大ホール、プログラムは:

Johann Sebastian Bach : Concerto for two pianos, strings and basso continuo in C minor, BWV 1060
Wolfgang Amadeus Mozart: Serenade in C minor, KV 388, ”Nach Musique"
Johann Sebastian Bach:
 Concerto for two pianos, strings and basso continuo in C minor, BWV 1062
 Ricercare a 3 from the "Musical Offering", BWV 1079
 Ricercare a 6 from the "Musical Offering", BWV 1079
Wolfgang Amadeus Mozart: Concerto for Piano and Orchestra in C Minor, KV 491


シフが結成したCappella Andreas Barcaは、通常はそれぞれソリスト、他のオーケストラの楽団員として演奏している音楽家たちを集め、シフの元で不定期に活動するオーケストラ。当然ながらシフは弾き振り。バッハの2台の鍵盤楽器のための協奏曲(BWV 1060, BWV1062)の相方はトルコ系ドイツ人のピアニスト Schaghajegh Nosrati (シャハイェフ・ノスラーティ)。 まだ20代ながら、ヨーロッパではバッハの演奏家として高い評価を受けている新進ピアニスト。今回のコンサートでは、BWV1060はノスラーティが第一パートを、BWV1062ではシフが第一パートと交代して演奏していました。 Nach Musiqueは 管楽器のみの八重奏で、ピアニスト二人、オーケーストラともに演奏中もステージに残って聞き入っていました。アンコールはシューベルトの Impromptu for Piano in C Minor, D 899/1。

シフと カペラ・アンドレア・バルカを観るのはこれで3度目。今回はバッバ中心で、プログラムの半分の曲はオーケストラが入らない曲であったこともあったためか、若干地味な印象を受けたコンサートでした。個人的には、本領が発揮されたのはモーツアルトのピアノ協奏曲24番であったかなと思いました。


2018年2月1日木曜日

エレーヌ・グリモー(ピアノ)& テオドール・クルレンツィス指揮フィルハーモニア・チューリッヒ コンサート


先週の金曜日(1月26日)は、テオドール・クルレンツィス指揮フィルハーモニア・チューリッヒのコンサートに行ってきました。会場はウィーン・コンツエルトハウス大ホール。ソリストはエレーヌ・グリモー。わが道を行くと言われている二人の音楽家の協演は面白いから行こうかな?と思ったときには、既に全席売り切れであきらめていたら、いけなくなったからと同僚が切符を譲ってくれました。感謝!

プログラムは以下の通り:

Dieter Ammann:ember  

Maurice Ravel:Concerto for Piano and Orchestra in G major (ピアノ協奏曲)

Igor Stravinsky:L'oiseau de feu. Symphonic Suite (火の鳥組曲・1945 年版) 

一曲目は、現代の作曲家によるものでなぜかクルレンツィスではなく、別の指揮者(名前が貼り出されていたのですが失念しました)。いかにも現代曲と言う感じで聴いている間はおもしろかったのですが、残念ながら(僕は)後に残る物がありませんでした。

休憩のあと、ラベルのピアノ協奏曲。期待していたほど(?)ユニークな演奏ではありませんでしたが、グリモーの世界が繰り広げられたと思います。

再度、休憩があり、ストラビンスキーの火の鳥組曲。SF映画のサントラを彷彿させるスリリングでダイナミックな演奏でとても楽しめました。



この日はたまたま、ネオナチと関係が深いと言われている、極右ポピュリスト政党のオーストリア自由党(Freiheitliche Partei Österreichs、略称:FPÖ)主催の舞踏会が開かれた日。毎年開かれるものなのですが、例年、賛成派・反対派共に盛大なデモが行われるので、上の写真のよう多くのパトカー・おまわりさんが待機する厳戒体制が敷かれていました。