2019年1月30日水曜日

僕のオーディオ・システム - スピーカー








ウィーンはこの所、寒い日が続いています。仕事が忙しくで更新が滞っていますがあしからず。

去年の夏の帰省でお目にかかった、オーディオ仲間の友人の何人かから、使っているシステムの事を聞かれたので、少しづつ紹介させて頂きます。 

まず初めは、このブログではまだ書いていなかったスピーカーに関してです。

日本では、Relaxa という磁石で浮かせたアイソレーション・フローティングボードで有名なS.A.P. というイタリアのメーカーの製品で「Quartette」。エス、エー、ピーというと僕の本業の分野では、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)システムのなかで最も有名なソフトウェア・パッケージを指しますが、ここでは、Strumenti Acustici di Precisione (精密音響楽器とでも訳される)という会社名の略です。

多くのオーディオ・メーカーが生まれては、消えていくのが現状ですが、このメーカーもほぼ消えていったメーカーのひとつだと思います。『…ほぼ…消えていった』というのは、この会社、存在が確認できないのですが、ときどき、Relaxaを限定・リバイバル生産・発売しているからです。



95dbという高能率のこのスピーカー、

ユニット構成 (各チャンネル)・主な仕様は以下の通り:

5インチ Comtex ポリプロ・アルニコ・フルレンジユニットX2
2インチ ホーンツイーター x1
ピエゾ式スーパー・ツィータ x1
12インチ ウーハーx1

周波数特性:32Hz-40kHz

およその大きさは 高さ:110cm、幅:30cm、 奥行き:45cm。重さは約20kg。

ネットワークの詳細は不明ですが、だいぶ前にショップで受けた説明によると、フルレンジ・ユニット×2に、ハイ・パス、ロー・パスのフィルターを通してツイーター、スーパー・ツイーター、ウーハーを鳴らしているとの事でした。

ちょっとちぐはぐで風変わりで見方によればチャチに見えるとも言える外見とは裏腹にとてもまともでまとまりのある音で鳴ってくれます。スピーカーで音を作るというよりも、自己主張はあまり無く、音源・上流の機器の音の違いがハッキリと聞き分けられますが、無機質ではなく人肌の音であると思います。上質の合板でできたエンクロージャーは軽くて、箱鳴りを計算に入れた設計と思われますが、うまく設置すると、広い音場感とハッキリとした定位・音像で音楽が再生されます。軽いということは、一般的にはあまり好ましくないとされているようですが、これだけ鳴ってくれれば、扱いやすく軽い事は良いなと思っています。

アメリカに住んでいたとき、たまたま近所のオーディオ・ショップがS.A.P.の機器を扱っており、そこで聴いたのが初めて。18年ほど前のことです。たまたま、妻と一緒で、そのとき彼女が生よりもよい音だと店主の方にお世辞を言ったぐらい、凄くよい音で鳴っていました。しかし、結構なお値段でもあり、関連機器もそれなりのものが必要であると思われたので、僕にとっては憧れのスピーカーでしかありませんでした。それが、あるときネット・オークションに出ており、出品者も近郊の人だったので、余興で最低価格で入札してみると、他に入札者がなくてあっけなく落札。焦って、手持ちの機器を売り飛ばして金策し入手したペアです。およそ12年ほど前のこと。売りに出した機器も直ぐにそれなりの値段で買い手が見つかり、スピーカーは新品価格の4分の1以下でやってきたので、いわく付きというより、縁があったのだと思っています。


予想していたとはいえ、家に来た当初は憧れとは程遠い音でしか鳴ってくれず、がっくりしましたが、少しづつ周辺機器をアップグレードしてきた、だいぶ記憶にある憧れの鳴りっぷりに近づいたとおもっています。良く鳴ってくれるようになった一番の転機は300B シングルのアンプを導入したことでした。強いて言うともう少し、リスニングのスイート・スポットが大きいと良いなと思っています。

我が家はオーディオがリビングになるので、スピーカーの設置が場所が限られてしまうということもあるのかもしれませんが、もっと奥行きのある音場感をだすのが今の目標です。


追伸:写真を撮る暇が無かったのでとりあえずネットから引用しましたが、近々自分がとった写真と入れ替えます → 入れ替えました!(2019・02・04)


2019年1月19日土曜日

Valery Gergiev 指揮 Mariinsky Orchestra コンサート チャイコフスキー交響曲全曲

1月12日 土曜日

中国からウィーンに着いたのは、1月12日土曜日早朝午前6時。なぜこのような行程にしたのかというと、この日の晩から3日連続で行われるヴァレリー・ゲルギエフ指揮・マリインスキー管弦楽団によるチャイコフスキー交響曲全曲演奏ミニシリーズ・コンサートのチケットを買ってあったからで、今回を逃すと現役のロシア出身の指揮者では最高峰ともいえるゲルギエフ率いる、これまた今のロシアのトップにあるといえるオーケストラによるチャイコフスキー交響曲全曲を演奏するコンサート は恐らく聴ける機会が無いと思ったからです。コンサートに合わせて日程を決めるとは...と妻には呆れられましたが...


と言うわけで、1月12日 土曜日、1月13日 日曜日、1月14日 月曜日の晩は、ゲルギエフ指揮・マリインスキー管弦楽団に妻と二人でいってきました。会場はウィーン・コンツエルトハウス大ホール。 プログラムは以下の通り:

1月12日 チャイコフスキー交響曲1番、6番 
      (アンコール無し)

1月13日 チャイコフスキー交響曲2番、5番
      (アンコールは、エフゲニー・オネーギンのポロネーズ)

1月14日 チャイコフスキー交響曲3番、4番 
      (アンコールは、くるみ割り人形のロシアの踊り)


1月13日 日曜日
結論から言うと、この3日間に亘るミニシリーズはそのどれもが自分が今までいったコンサートの中ではトップ10に入ると思われる素晴らしいものでした。最初は呆れていた妻も、旅も疲れも時差ぼけも吹っ飛んだように聴き惚れていた様子で、最終日の月曜日のコンサートの後に、これはいままで行ったコンサートの中で一番良かったかもしれないというほど感激ぶりでした。

オーケストラは、他の欧米のオーケストラと比べると人種がより多様で最も女性が多かった。それに、若いミュージシャンが大多数で、そのせいか真摯な姿勢と演奏することの喜びが湧き出るように伝わってくるようでした。指揮台を使っていなかったゲルギエフの指揮も若い音楽家たちを奮い立たせて彼らのエネルギーと実力を十二分に引き出しているという印象を受けました。

特に馴染み深い。6番「悲愴」に関して言うと、うつ病気味で自殺願望もあったとも伝えられるチャイコフスキーが、その葛藤を表している曲であるという、解釈もあるようですが、ギルギエフの指揮は、正にその葛藤を語り伝えているという印象を大いに受け、とても感動しました。

6番と同じぐらい好きな4番は、とてもダイナミックで飛び跳ねながら走るような躍動感に満ち溢れた演奏。 

その他の曲もそれぞれ、曲のエッセンスが前面にでてくる文句の無い出来で、自らのスタイルよりも、演奏家たちが汲み取ったであろう作曲家の意図を優先させているともわれる演奏で3日間、飽きも疲れも全く感じさせない、稀有なコンサートであったと思いました。

蛇足ではありますが、4,5,6番は、それぞれレコード・CDを数枚もっていて、3曲とも好きな曲で6番はライブでも何度か聴いたことがあります。しかし、正直いって1番~3番はあまり馴染みが無く、事前に聞いておこうかとQobuzで検索するもレコーディングも少ないのには驚きました。

1月14日 月曜日



2019年1月12日土曜日

北京

金融街(ホテルの窓から)
明けましておめでとうございます。

新年早々、急な仕事関係の野暮用で北京に行ってきました。1月5日土曜日に発ち、今日(1月12日土曜日)早朝ウィーンに戻ってきました。中国に行くのは初めてだったので、3日ほど休暇をいただき、妻も合流し、観光しました。

うまく印象をまとめられませんが、行けてよかったと思いました。

天安門

故宮

万里の長城の観光に行った日は零下8度!寒かったですが、そのおかげか空気は澄んでいました。