2013年5月30日木曜日

70s Classical !? (パールマンとプレビン指揮のロンドン交響樂団によるブルッフとメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲)

23 から13、ここ一週間のウィーンの日中最高気温の推移幅です。ここまで極端に暑くなったり寒くなったりするので衣替えがいまだにできません。ウィーンっ子の方々に聞いてもこれは普通でなないのだそうです。


 パールマンとプレビン指揮のロンドン交響樂団によるブルッフとメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲このレコード、中古屋で見つけてそのあまりにもの70'sさについついジャケ買いしてしまいました。(笑) 

 聴いてみるとこのジャケットからは想像もつかないとてもオーソドックスながら引き込まれる演奏でこれら2曲の定盤の一つになっても良いのではないかと思われる素晴らしい出来です。音質も素晴らしく、パールマンのバイオリンの甘美でリリカルな響きとオケの弦楽器の柔らかさがとてもよく録音されています。発売当時の人々はこのジャケットをみてどのような期待で買ったのか興味が湧くところです。

 ちなみに、パールマンは気に入っているバイオリニストの一人で多くのレコード・CDを持っていますが、一般的にいってこの時代に残したレコーディングに特に良いものが多いように思います。



うちでよく聴くパールマンのレコーディングです:

2013年5月23日木曜日

Audio Note Kits L3 Line Preamp



色々とプリアンプの改造のことを書いていますが、まだプリアンプそのもののことを紹介していなかったので簡単に説明を載せておきます。 僕が使用しているプリアンプはカナダにあるAudio Note Kits社のL3 Line Pre-Amplifierで特徴は:
  • 5687管による増幅段
  • トランス出力 (HiBカットコア)
  • 6X5管整流(B+電源)
Audio Note Kitsに関しては、僕のホーム・ページ (こちら)をご覧下さい。プリアンプを入れるまでは同社のKit1という300Bシングルのインテグレーテッド・アンプを使っていました。1年度ほど前にプリアンプを導入した際にKit1をパワーアンプ仕様に改造しましたが、プリの導入でこんなに音が変わるものかと驚きました。

作ってすぐの頃  (2012年5月)
ここ半年ほどちょこちょこと改造/アップグレードを行っていますがプリの部品一個換えるだけでシステム全体の音の印象ががらっと変わったりすることを経験しプリアンプがオーディオシステムの要であるということを実感することが出来ました。


およそ一年後、だいぶ手を加えました。

同社のキットやトランスのほとんどが、長年Quad で回路設計をやっていたAndy Groove氏が直接設計・デザインしたもので欧米ではその音質に定評があります。このプリアンプもストック・モデルでもとても良い、聴き疲れしない自然な音で僕の好みの音でした。今のところ、磨けば磨くほど光ってくるのでとても楽しませてもらっています。ちなみにGroove氏は新興Quadに戻ってクラシックシリーズのアンプの設計を担当したとのことです。 

〇  〇  〇


Audio Note Kits社 L3 ライン・プリアンプのページ: http://www.ankaudiokits.com/l3linemk2.html

良い意味でハイエンドで優れていると思うのですが、基本的にオーナーのブライアンが一人で切り盛りしている為か対応は真面目だけと結果が共なわずちょっと抜けたところがあるので、そのつもりで気長に付き合わないとワジワジーしてきますのでご注意あれ。

2013年5月20日月曜日

Midori: Bach Project in Wien



 5月17日金曜日は妻と2人でMidori(五嶋みどり)のリサイタルを観てきました。プログラムはバッハ無伴奏、会場はEhrbar-Saal。このリサイタルは Midoriのバッハ・プロジェクト、ヨーロッパツアーの一環でウィーンはその最終地。5月16日と17日の2回のリサイタルでバッハ無伴奏の全曲を演奏するというもの。16日がソナタ一番、三番とパルティータ二番。17日がソナタ二番とパルティータ一番、三番でした。本当は二日続けて行く予定でしたが、今週始めにお腹にくるひどい風邪をひいて、ホームドクターの指示で病院で点滴を受けないといけない羽目になってしまったので第一日目は自宅養生。楽しみにしていたのにトホホです。

 今コンサートシーズンはMidoriの30回目のシーズンだそうで、デビュー当時から彼女の活躍を知る我々の世代にとっては感慨深いものがあります。87年からアメリカで生活していた我々も機会があるごとに彼女のコンサートには行っていたので彼女の存在が身近に感じられるような気もしています。とても精力的に活動されているようで今回のツアーも6日間で5都市を回るハードスケジュール。ウィーンではさらに17日の午前9時から3時間のマスター・クラスがあり、バイオリンを習っている次女は学校を休んで妻と見学に行ってきました。

 バッハのバイオリン無伴奏ソナタとパルティータは演奏者による解釈/表現の違いが特により顕著に出てくる曲でそれが面白くて一時期色々とレコーディングを聴き漁ったことがありました。アメリカにいた頃は著名なバイオリニストがこの曲をコンサートで演奏すると言うプログラムはほとんどなかったのですが、ウィーンではすでに何度かその機会にも恵まれました。それでも今回のMidoriの演奏は今まで聴いたどの演奏ともはっきりとした違いがあり、この曲を初めて聴いたような気にさせられました。粛然として求道的、楽章ごとのテンポの違いが大きく、ストイックでもあり邪念を排した心の静けさを感じさせるようでもある演奏でした。良い意味でとても独創的でバッハを通してMidoriの世界が展開されていたような印象を受けました。

 単なる音楽愛好家の一人である僕がウィーンに来てから多くの音楽家の方々を接する機会がありそういう中で得た印象なのですが、バッハを始め多くのバロックから古典派にかけての音楽には多くの場合それぞれの楽章に舞曲の名前が付いています。従って、ヨーロッパの音楽教育者の多くと演奏家達はそれらの曲が踊るための音楽であるという前提でそこから個々の解釈/表現を発展させて行くことが多いようです。これがよくヨーロッパの伝統・文化を知らずして西洋クラシック音楽が演奏できるか?という風にいわれる由縁のようでもあります。ところが同じ西洋でもアメリカで育った音楽家たちにはそのようなしがらみのようなものがなくより自由奔放に自己解釈や表現を追求する人達が多くてMidoriもその典型であるような気がします。そうやって考えてみると僕が持っているCDの殆どはヨーロッパの演奏家達のものでありそれらを聴くことに培われて来たバッハのバイオリン無伴奏ソナタとパルティータのイメージと今回聴いた演奏が大きく異なっていたと言うことが説明出来るような気がしました。そうはいってもどちらが良いとかどちらが正しいということは議論としては面白いかもしれませんが音楽を聴く愛好家の観点からすればあまり関係の無いことで、僕も自分の心に感ずると事がある演奏が自分にとっての良い演奏だと思っています。

 コンサート会場にはこちらで知り合いになったウィーン子の音楽者、演奏家の方々もお見かけしたので今度それらの方々にお会いした際にMidoriの演奏をどう感じかられたお伺いするのが楽しみです。


Midoriの公式サイト:http://www.gotomidori.com/

僕の好きなMidoriのCD どれもお薦めです:









2013年5月17日金曜日

Canon PowerShot S95 

CanonPowerShot S95

  オーディオと音楽以外にも写真・カメラも僕の趣味なので、一応このブログのサブタイトルに写真・カメラと記しています。写真は結構沢山とっているのですがカメラは特に目新しい話題もなく何もかいていなかったので、少しずつ書いてみたいと思います。まずは常に持ち歩いているカメラ、Canon Power Shot S95に関して。 このブログの写真は殆どすべてこのカメラでとっています。キャノンのこのシリーズとしてはもう2世代前のモデルなのでいまさらなのですが、僕としては一年半ほど前に買ったお気に入りの優れものです。

 アメリカで知り合いだったプロカメラマンの方がいつもS90をポケットに入れて持ち歩いていてとにかくべた褒めで、アメリカのいろんなカメラサイトでも高評価。ただ当時はB&Hなどの安売り店でも実売価格$400以上しており他の製品と比べると割高感も感じていたので、我が家のコンパクト・デジタルカメラ買い替えの際には描写がより個性的でちょっと本物のライカぽかったLeica D-Lux5を購入したといういきさつがあります。D-Lux5にはフル・バージョンのAdobe Lightroomが付いてきたのでそれを勘案するとまあ妥当な値段でした。でも自分専用の小型で持ち歩きやすく写りの良い常用カメラが欲しかったので 帰省したときに新モデル発売伴う在庫処分で安売りしているのを見つけて購入。

 写りが良いことはもちろんのこと、ポケットにスッポと入るコンパクトなデザイン。ボディ表面にも滑り止めの質感の付いた加工がされています。使ってみてユーザー・インターフェイスの良さに感服。ほぼマニュアル無しで使えました。僕が特に重宝しているのがコントローラーホイールで露出補正ができること。これはロックがかからないので慣れなかったり焦ったりすると意図せず補正をかけてしまったり、ケースからカメラを出す時に補正がかかってしまったりすることがあるので、かなり賛否両論あったようです。僕の場合は、常用していることもあるのでしょうがすぐ慣れて勝手良く使っています。残念ながらS100からこの機能は廃止されたようです。写真を撮るという目的からするといらないものは付いていなく、電池も長く持つし、よく考えられてつくられたカメラだと思います。毎日カバンやポケットに入れて持ち歩く用のカメラとしては充分以上に満足しています。尚、撮影は大体RAWでLightroomで現像しています。


2013年5月13日月曜日

Die Entführung aus dem Serail in Budapest

ブダペスト国立歌劇場、旧オーストリア・ハンガリー帝国の盛栄ぶりが感じられルゴージャスな建物 (D-Lux5で撮影)

 ウィーンに来てから知り合あったオペラ歌手の ライナー・トロストさんがブダペストで歌うと聞いて、家内と二人で行ってきました。僕らが観たのは5/11(土)のマチネだったので金曜の夜に行って一泊しました。ウイーンから車で3時間弱。  演じられたオペラはDie Entführung aus dem Serail (後宮からの逃走)で彼はベルモンテ。素晴らしい歌唱に勝るとも劣らぬ演技で劇を盛り上げとても面白く楽しむことが出来ました。オーケストラ・指揮者の演奏のレベルもウィーンに退けをとらずという感じでとても素晴らしかったです。ヨーロッパではオペラ主役級の歌手たちは様々な劇場から声が掛かってくるようで、何処で観てもレベルの高いパフォーマンスが観れる様です。また、ブダペストの国立歌劇場はチケットがウィーンの6分の1程度、この値段でこのようにレベルが高くて素晴らしい演奏が観れるのは信じられません。 

カーテンコール (D-Lux5で撮影)


オペラの後は、トロストさんご一家とブダペスト在住の彼らのお友達と一緒に昼食を頂きました。そのお友達のご一家のご主人が何とアメリカで我々が住んでいた街で生まれ育ったということで話が盛り上がりました。ご縁というのは不思議なものです。

トロストさんのDVDとCD:
特にシューベルトの歌曲集CDは我が家の愛聴盤です。




2013年5月11日土曜日

P!nk (ピンク)コンサート



一昨日(5/9)の夜は娘たちと一緒にP!nk (ピンク) のコンサートに行ってきました。場所はWiener Stadt Halle、一万人以上入 るウィーンで多分一番大きい屋内イベント会場の一つです。
 
 下の娘がP!nk の大ファンで、iTunes版と豪州盤CDにはそれぞれ◯◯と言う曲の違うテイクのボーナストラックが入っているから言って同じアルバルでも3枚買ったりするほど。僕も大好きなレコードのオリジナル盤LPを持っているにも関わらずの異なるリマスタリングのCDを4枚持ってたりするので、子は親の鏡とは正に此の様なことかもしれません。僕は特にP!nkのファンという訳でもないのですが中学生の娘を一人で大コンサートに行かすのは心配で一緒に行くことにしたら上の娘の行きたいといったので親子三人で行ってきました。

 さて、このコンサート、シルク・ドゥ・ソレイユとモダンダンスとラスベガスのレビューとロック・コンサートが一緒になったような凄いショーでした。P!nkは踊り、ステージをところ狭しと走り回り、宙づりになったり、命綱も付けずにカゴにぶら下がって空中に上がったりとするのですがその間ずっと息を切らすこともなく歌い続けるという超人的なパフォーマンス。しかもその歌がまた良かった。本当に素晴らしい歌唱力でした。生で聴いて、観て、P!nkを改めて評価することが出来ました。安くないチケットでしたがその価値は充分にあったと思います。

コンサート・フィナーレにハーネスを付けて歌いながらコンサート会場中を飛び回ったのは圧巻でした。

 演奏とは関係ないのですがPAから出て来たバスドラの重低音の音圧が凄かったです。正にホールを揺るがす感じで、着ている服がパタパタ揺れて凄かったねと子供たちも話していました。


P!nkのCD:
僕は、Truth About LoveとI'm not deadが特に良いと思います。



2013年5月8日水曜日

CPMとLCM (Black Gateの続き...)

この前ブラックゲートコンデンサを電源回路に導入したら音がちょっときつめになってしまったことを書きました。でもとりあえずブラックゲートはそのままにして次のステップとして用意してあったCPMとLCMを取り付けて見ることにしました。増幅回路の真空管のB+電源用です。CPMとLCMはあの出川式電源の出川三郎氏が考案・開発したパーツで氏が代表するA&R Labから製品化されています(詳細は同社ウェブサイトをご覧ください)。 LCMを使うのは初めてですがCPMは前にフォノアンプとDACに使ったことがあって、その際に音の煩さが減ってとても自然な音になったので今回も効くのではないかという期待があったわけです。本来だとCPMをつけてしばらくしてからLCMをつけるのがそれぞれの効果がはっきりとしていいかとも思ったのですが、両方一緒に使うことが薦められているし、早く試してみたい気もあっていっぺんに両方つけてしまいました。電源平滑用オイルコンデンサの位置を変えたり、コンデンサをもう一個追加する必要もあったので一緒に取り付けてより効率的に作業もできたと思っています。

LCM


CPM

取り付けてすぐの音だしから期待通りの方向にいっていったような気がしましたが、判断は1週間ほどエージングの後にじっくりと聴いた後に行いました。結果としては音のきつさがとれより自然によりディテールが聴こえる音にステップアップしたと思います。導入後3週間ほどたった今ではより洗練された音になってきて楽器それぞれの音がより本物らしく聴こえるような方向で落ち着いたと思います。ちょっと大袈裟かもしれませんがプリアンプが一ランクあがったような気持ちです。

出川氏/A&R Labの各種パーツも ブラック・ゲート・コンデサのように世界中のDIY Audiophileにブレークするといいのですけど...それに値する素晴らしいパーツだと思います。 

上の写真でCPMとLCMが取り付けられているのは、前にも書いたContinental  Type A ポリプロ・オイル・コンデンサです。高圧電源平滑用には優れたものだと思います。今、カナダのパーツ・コネクションで余剰在庫整理半額セールをしていますので是非試してみてください。ここで取り扱うまでは個人での入手は非常に困難なパーツでしたのでこれで終わりということにならないと良いのですが...。

尚、今回使用したCPMとLCMはプラクト・サウンド・システムさんより購入。PayPal決済で海外に発送してくださるので助かっています。

2013年5月5日日曜日

Neubaugasse Flohmarkt

朝十時半でこの人出


第7区はウィーン市内で一番大きいショッピング地域です。デパート、チェーン店、量販店もありますが小規模の小売り店、ブティック、アート・ギャラリーなどが集まっているところで面白いお店が沢山あります。中古レコード店やカメラ・写真機材店もこの区に集まっており世界的に有名なライカ・ショップもここにあります。その区の中心部分を縦断するNeubaugasseで毎年春と秋にFlohmarkt(蚤の市)が開かれます。ウィーンで多分一番大きな蚤の市で個人、ディーラー、近所の店舗から出店がでます。今年の春は一昨日と昨日(金曜と土曜日)がその開催日でした。オーストリアでは飲食店と一部特別許可を得ている小売店しか日曜日の営業は出来ないのでこのような市も通常は日曜日には開かれません。 いろんな面白いものが出てくるのですが僕の主な目的はレコード。 アメリカと比べるとオーストリアの人々はものを大切にするのか蚤の市にでてくるレコードも傷一つない良いコンディションのものが沢山あります。好天に恵まれ凄い人手でしたが、特に今年は当たり年でついつい買いすぎてしまいました(笑)。


今回の収穫