2016年9月29日木曜日

マキシム・ヴェンゲーロフ リサイタル / Maxim Vengerov Solo Concert

彼のコンサートはこれで3度目ですが、今回はだいぶ貫禄がついたように思いました。

一昨日の夜(9月27日 水曜日)は、マキシム・ヴェンゲーロフのリサイタルに行って来ました。妻は急にフィレンツエの義妹のところに行くことになったので、今回は僕一人。会場は楽友協会大ホール。彼は僕が大好きなバイオリニストの一人で彼のCDはほとんど持っています。伴奏はMarios Papadopoulos 。 オール・ブラームのプログラムで演目は以下の通り:

Sonate für Klavier und Violine Nr. 2 A-Dur, op. 100 (ヴァイオリンソナタ第2番 イ長調 )
Sonate für Klavier und Violine Nr. 3 d-Moll, op. 108 (ヴァイオリンソナタ第3番ニ短調)
Scherzo für Violine und Klavier c-Moll, WoO 2; 3. Satz der F-A-E-Sonate
(スケルツォ ハ短調 ) 
Sonate für Klavier und Violine Nr. 1 G-Dur, op. 78
(ヴァイオリンソナタ第1番ト長調『雨の歌』)

僕はブラームスのバイオリンソナタが好きで、それを大好きなバイオリニストのヴェンゲーロフが弾くとあってとても期待していきましたが、それに応えてくれたとても素晴らしいコンサートでした。彼のバイオリンの音色の素晴らしいこと! ただ、伴奏がもうちょっとよければという気がして残念でした。2人で録音してブラームスのバイオリンソナタ集のCDが今年出るようなのですが...。

でも、一晩のコンサートで大好きなバイオリニストによるブラームス・バイオリン・ソナタ全曲というのはとても美味しいご馳走を食べ過ぎた感じがしないでもなかったです。 な~んて、言いながら 翌日には復習がしたくなって、早速 ジョコンダ・デ・ヴィートのブラームス ソナタ集 CDを聴きました。

アンコールもブラームスででハンガリー舞曲第一番と第二番でした。 


僕が好きなヴェンゲーロフのCDです:

 
ブラームスとベートーベンのコンチェルトはヴェンゲーロフによるカデンツァです。とくにベートベンは好みが分かれるかもしれませんが、今日日、有名な曲に自らのカデンツァで挑んだヴェンゲーロフにエール!

2016年9月27日火曜日

ウィーンのレコード市 ー Internationale Vinyl und CD-Börse

先週の土曜日(9月24日)は、早起きしてイギリスの大学に進学する次女を空港に見送りにいってきました。イングランドの大学は新学年が10月から始まります。これで妻と僕は、エンプティー・ネスター。こうなってみると、なんかあっけない感じですね。まだ実感はわきませんけど…。

当日は素晴らしい秋晴れの天気だったので見送った後、妻は友人たちとテニスに行くと出かけ、じゃ、僕はレコード市があるからそれにいってくるね、とそれぞれ家を出ました。あまりにも気持ちのいい良い天気だったので、『こんな日にレコードのエサ箱を漁るのは…』と気が引けなかった訳でもないのですが、やはりマニアの性に勝てず会場へ。

この日に購入したレコードの一部。この写真のクラシックは一枚3か4ユーロ。このぐらいの値段だとついつい色々を買ってしまい、いつも妻には『…こんなにレコード増してどうするの…』と言われてしまいます。
特にこれはという掘り出し物には巡り合えませんでしたが、なぜか以下の日本盤のレコードを見つけて、大した値段ではなかったので購入。後の3枚はどう見ても日本からやってきたとしか思えなく、YMO以外は欧米のレコード店・市見るのは初めて(そんなにいろいろと回った訳ではないですけど…)なので、どういう経緯でウィーンにやってきたのか? 盤のコンディションは悪くなかったのですが、ジャケットはだいぶ年季が入ってました。


週末に早速、4枚、聴いてみました。サディック・ミカ・バンドの「黒船」はCDで初めて聴いたアルバムで、その時はあまりピンとこなかったのですが、LPで聴いてその名盤たる所以に納得。YMOはさすがにちょっと色褪せたかな? 近田春夫&ハルヲフォンの「電撃的東京」は、初めて聴きましたが、歌謡曲を、今でいうパワーホップ的にアレンジした小気味良いサウンドに脱帽、大学時代に良く聴いていた思い出多き山下達郎の「For You」、CDもLPも持っているのだけどついつい買ってしまった。しばらくぶりに聴くと、プレスの違いなのか、なんとなく持っているLPと違った印象。早速、聴き比べると、こちらの方が若干鮮度が高いような...。今までだとこういう時にはご意見番の次女に聴いてもらっていたのですけどね、冬休みに帰省してくれる時の楽しみにしましょう。「For You」はアナログ盤のほうがだんぜん良いですね。20年ほど前にCDを買ってワクワクしながらかけて出てきた音にがっくりきたことを思い出しました。 

2016年9月25日日曜日

<続き>ルンダールのトランス使用のK&K オーディオ MC 昇圧トランス /K&K Audio MC Phono Step-Up -ハムも解決!ーその2

出来あがったMC昇圧トランスキット
ウィーンは今週に入り、急に気温が下がり、明け方は一ケタ台。 やっと秋になった感じです。

前回からの続きです...

ハムとの戦い
ちょっと大げさな見出しですが、ハムをなくそうと試行錯誤している間は、まさに戦っているという気持ちでした。アースのとり方、つなぎ方を色々と変えたり、長めのケーブルを買ってトランスの置き場をかえたり、奥向き・方向を変えたり、ケーブルをまとめたり、離したり、アルミフォイルで巻いたり などなど。

トランスを元のDenonのAU-300LCにかえるとピタリとハムはなくなるものの、何か物足りない音。値段が3倍近くちがうのですから当然ですよね、そうでないと僕は困ってしまいます。全くたちの悪いオーディオのどつぼにはまってしまいました。

別のトランスに買い換えるか、いっそのことヘッドアンプにしようか、あるいはフォノイコそのものを変えような?でもキットの昇圧トランスは高く売れそうにないし、無駄な出費だったかな?などと思いは悪い方向に進んでいきました。

で、あるときふと思いつき、DenonのAU-300LCのケースを開けて中を観察してみました(もっと早く思いつくべきでしたが...)。むろんトランスそのものは違いますが配線はK&KAudioと殆ど同じ、唯一感じたのは、AU-300LCはトランスからフォノイコ・プリアンプまでのケーブルが固定式になって変えられないようになっています。でそのケーブルのシールド線でその結線方法が違うような…

で、また思ったのは、我が家ではターンテーブルからトランスまでとトランスからフォノイコまでのケーブルは両方とも去年VH Audio から発売されたV-Quad Cu24という24 AWG のUniCrystal OCC (単結晶OCC)単線をつかった4芯スタークワッドのケーブルを使った自作品。シールド線ではありません。こちらで書いたように、ターンテーブルからAU-300LCの間で問題がなかったのだから、昇圧されたより高い出力では問題がないであろうと思ってトランスからフォノイコの間も同じものを使っていたのです。これをシールド線に変えるとどうであろうか?

幸い、使っていなくても手放せていないAudioNote UKの2芯+シールドのケーブルが2組あったのでそれを使って試すことに...。まずはターン・テーブルとトランスの間をシールド線にかえてみる。若干、ハムは収まった感じだけど気のせいと言われてもおかしくない微量。次にトランスとフォノイコの間を変えてみると、「あれ~、何で?」ハムは忽然として消えたのでした。

念のため、トランスをはずし、ターンテーブルとフォノイコと直結して、プリアンプのボリュームをあげどの時点から残存ノイズが気になるか?トランスを入れて同じようにするとどうなるか?AU-300LCと比べてどうかとか試してみて本当にハムがなくなったのかを確認。でもハムがなくなるとオーディオ・マニアの悪いところで、V-Quad Cu24のほうがAudio Note UKのケーブルより音がいい?なんて思ったりして、恐る恐る、ケーブルを戻すとハムの再来。でも、ターンテーブルとトランスの間はV-Quad Cu24でも大丈夫であるということを確認したところで、タイムアウト、一時帰国の出発日となってしまいました。

トランス本来の音の良さ
家族より2週間ほど早くウイーンに戻ってきたので、しばらく色々とレコードをかけて本当にハムがでなくなったことを確認。そうすると、このトランス本来の実力がもっとわかるようになってきました。多分、今まではハムにかき消されていたであろう音量の小さな音楽情報もよく聴こえてくるようになり、このレコードにはこんな音も入っていたのか?と驚く事もしばしば。これがこのトランス本来の音の良さだったのでしょう。

毎度ながら月並みな表現でもうしわけありませんが、AU-300LCと比べてどのようによくなったかというと、情報量が上がり鮮度も高くなったということだと思います。前述したように今まで聴こえなかった音が聴こえるようになりました。音量を上げなくてもはっきりと音のよさがわかります。レコーディングの違いもよりはっきりわかるようになりました。アナログ盤を聴く楽しみがさらに増えてきました。

MC昇圧トランスをアップグレードして本当によかったと思えるようになりました! やはり、MC昇圧トランスがよくなるとカートリッジの実力も十分に発揮されているようで、DL103シリーズがなぜ世界的なロングセラーなのかよくわかったような気がしてきました。

欲が出てくる...オーディオ・マニアの悪い癖
一時期あんなに悶々としていたのに、問題が解決すると現金なもので色々と欲が出てきます。やはりV-Quad Cu24のほうがよさそうだから、それを使ってシールド・ケーブルをつくろうか、カートリッジを替えるともっと音がよくなる? といったものです。

よい音を求める旅は続く? なーんて書くとキザで気恥ずかしいですが、そんな気持ちです。

高音質なMC昇圧トランスをお探しであれば、このK&K Audioのトランスを御検討されてもよろしいかと思います。

K&K Audio に関してはアフィリエイトでもなくその他の利害関係もまったくありません。念のため...


僕の現在のアナログ環境は以下の通り (こちらもどうぞ):

ターンテーブル:VPI HW-19 Jr. と(スピンドルとプラッターは上位機種のものにアップグレード)

アーム: VPI JWM-9

カートリッジ: Denon DL-103R

フォノイコ:Audio Note Kits L1 Phono (改)

トランス:K&K Audio Premium MC Step-Up

ケーブル:
ターンテーブル、トランス間:VH Audio V-Quad Cu24 をつかった自作 
トランス、フォノイコ間: Audio Note UK AN-V
フォノイコ、プリアンプ間: VH Audio V-Quad Cu24 をつかった自作


K&KAudioのHP: http://www.kandkaudio.com/




2016年9月22日木曜日

フーバー・早乙女・陽子さんとPatricia Pagnyのリサイタル / Yoko Saotome Huber Violin Recital



今シーズン初コンサートはフーバー・早乙女・陽子さん(バイオリン)とPatricia Pagnyさん (ピアノ)のリサイタルで、昨日 (9月21日)に家族三人で行ってきました。会場はGesellschaft für Musiktheater。 Palais Khevenhüller という元貴族の宮殿だった建物(ウィーンはこのような建物だらけでなので特筆することでもないのですが)にあるこじんまりとした会場。我が家から徒歩5分ほどのところにあるのですが、僕は今回が初めて。若手音楽家中心のコンサートが定期的に行われている場所です。

プログラムは以下の通り:
モーツアルト:バイオリンソナタ第26番 変ホ長調 K.302 
ベートーヴェン:ロマンス第2番ヘ長調 Op.50
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第8番ト長調 Op.30/3
シューベルト:バイオリンソナタ イ長調 D.574
ブラームス:スケルツォ ハ短調 WoO 2  

久しぶりのコンサート。やはり、生演奏は良いですね。奇しくも昨シーズン最後のコンサートがフーバーさんのリサイタル(こちら)だったのですが、前回に勝るとも劣らぬ素晴らしい出来で、とくにピアノとのアンサンブルが絶妙だったと思いました。


2016年9月17日土曜日

ルンダールのトランス使用のK&K オーディオ MC 昇圧トランス K&K オーディオ MC 昇圧トランス /K&K Audio MC Phono Step-Up - ハムも解決!ーその1


今年の2月に購入、製作して使っていたのですが、ハムにずっと悩まされており、このブログで紹介するのを躊躇していました。それが6月末、日本に一時帰国するちょっと前に解決、ウィーンに戻ってから色々と聴いていますが、ハムは無事に退治できたようなので、記事を書くことにしました。

K&K Audio はスウェーデンのルンダール(Lundahl) トランスのアメリカ総代理店をやっている会社で、主にオーディオ用パーツ販売、自社製オーディオ機器、コンポーネント、キットの製造・販売もやっている会社です。アメリカのオーディオファイルの間では特に同社が開発したDACがとても評判になったことがありました。僕は同社のアッテネータも使っています(こちら)。

K&K Audio のMC昇圧トランスはキットでも完成品でもかえるようになっており、当然ながら、ルンダールのトランスを使用したもの。Basic とPremiumバージョンがあり、主な違いは使われているトランス。詳しく比べると以下の通り:

使用トランス:
Basic:Lundhal LL9226 (よりゲインの高いLL1678への変更も可能)
Premium:Lundhal LL1931(よりゲインの高いLL1941への変更も可能)

両方とも負荷抵抗は差し替え式で簡単に変えられる。

Premiumはさらに、
  • アースのとり方(つなぎ方)を基板上のコネクタの差し替えで簡単に変えられる。
  • ゲインを基板上のマイクロスイッチで簡単に変られる。
  • パーツも銀線リード、カルダスのロジウムメッキのRCAジャックといった一ランク上のものを使用。
価格:ベーシックのキットがUS$325、完成品は$385。
プレミアムはキットがUS$600、完成品は$650です。 

キットでもプリント基板がベースなので、ハンダ付けをやったことがある方であれば比較的簡単で短時間に組み立てることができると思います。

今使っているカートリッジはDenon DL-103R。昇圧トランスは同じくDenonのAU-300LCを使っていました。カートリッジを替えるかトランスを先に変えるか迷っていた際に、沖縄のオーディオの先輩に相談したところ、『カートリッジの音の傾向に特に不満が無ければトランスを変えると、その傾向で音のグレードが上がるよ』との助言を得て、一番コストパフォーマンスがよさそうであったK&K オーディオのMC 昇圧トランスを導入するすることに決めたのでした。ベーシックを買ってもいつかきっと欲しくなるのは明白であったので、奮発してプレミアムを選択。

2月に初めてこの昇圧トランスを使った際には音の変化にとても驚き、これはカートリッジを替えるのと同等かそれ以上の変化があると感激しました。その喜びから落ち着いて色々と聴いていくと、ハムが気になります。小さい音量ならまだしも、ちょっとあげるとはっきりと聴こえてきます。それからは常に頭の隅っこにハムのことが引っかかるようになり、悶々とした日々が始まりました...。


ちょっと長くなってきたので、続きは次回!


2016年9月14日水曜日

やり直し大統領選が延期に



極右自由党候補のホーファー国民議会(下院)第3議長

不正開票があったとして、憲法裁判所がやり直しを命じたオーストリアの大統領選挙(http://isakusphere.blogspot.co.at/2016/07/blog-post.html)、10月2日に投票が予定されていましたが、郵送票の封筒にのりが剥がれるという欠陥あったことがわかり、延期されることになったそうです。11月末から12月初めになるとのこと。

二週間ほど前のドイツのメルケル首相の地元の選挙で反移民を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勝利を収めるということがあったばかりですが、この延期はどのように影響を及ぼすのでしょうか? 

無所属として立候補したリベラル左派「緑の党」前党首のファン・デア・ベレン氏

2016年9月9日金曜日

ファーウェイ P9 /Huawei P9 スマートフォン を買いたくなった作例の紹介



ライカと共同開発したカメラ機能を備えたとの謳い文句で発売されたファーウェイ P9 /Huawei P9 スマートフォン。 マーケティングのためにライカの名前を使った? ライカも落ち込んだな?と勝手に思い込んで全く興味が沸かなかったのですが、前にも紹介した(こちら)、Robin WongさんのブログにあったP9レビューの作例を見て一転、気が変わりました。よく調べると、かなり大掛かりにライカが開発に関わっていたということ:
(https://www.dpreview.com/news/7828473307/huawei-clarifies-leica-involvement-inp9-camera-design) 。

百聞は一見にしかず、よく調べないで判断した思い込みはいけませんね、反省しました。是非、ロビンさんのブログの3回の連載記事をご覧ください。作例だけでもすごいです:

総論と「ワイドアパーチャ機能」によるボケ味:

https://robinwong.blogspot.co.at/2016/08/huawei-p9-review-is-this-photographers.html


ファーウェイ P9 で夜景を撮影

https://robinwong.blogspot.co.at/2016/08/kuala-lumpur-after-sundown-with-huawei.html


ファーウェイ P9 で撮った白黒写真

https://robinwong.blogspot.co.at/2016/08/a-full-monochrome-image-sensor.html



僕は職場から支給されたサムソンのスマホを使っていますが使い勝手よくないので自腹でiPhoneを買おうかと迷っていましたが、でもロビンさんのP9の作例を観たら、アンドロイドでも良いからにHuawei P9にすべきかと今真剣に悩んでいます。P9のほうが安いし、ヨーロッパではデュアルSIMバージョンなので一時帰国や旅行の時も便利だし...。


2016年9月2日金曜日

Canon キャノン PowerShot G9X ファースト・インプレッション


キャノン PowerShot G9X が届いてから2週間ちょっと。 ファースト・インプレッションをまとめました。作例はクリックすると拡大してみることが出来ます。

僕にとっての、G9Xは、日常的に使うサブ・カメラです。平日は通勤カバンの中、週末はケースをベルトに通して常に持ち歩いています。いままではS95の役割でした。旅行や行事、あるいは写真を撮影するために外出する際は、目的に応じ、ニコンD750、Leica M9, オリンパスOM-D EM-5がお供に加わります。

カメラの外見、手触りですが、とても質感が高く、高級感あふれるものです。デザインも、よい意味でレトロな要素も取り入れ、カメラ!という感じを前面に出した形。ローレット加工の金属を使ったダイヤル、樹脂に独特の塗装を施した革のようなグリップ、さりげない赤いラインのアクセント(上の写真を御参照)、持つ喜びを感じさせる逸品に仕上がっています。

Canon G9X , 1/250, F4.9, ISO 125 
今まで使ったデジカメで慣れ親しんだ カメラ背面のコントローラーホイール(十字コントローラー)が省略され、操作感はどうかと不安でしたが杞憂に終わりました。お店でカメラに触れ大丈夫だとは思っても実際に使うとチョッと?ということはよくあるので...。

Canon G9X, 1/60, F4.0,  ISO125, -1/3
レンズの周りのコントロール・リングとタッチパネルを各々あるいは組み合わせて行うカメラ及び設定メニューの操作は思った以上に快適でほぼ直感的にできるものでした。

とくに、ズームレバー操作感とズーミングの動きは同じくキャノンのS95やS120と比較し、はっきりとわかる違いでよくなっています。コンデジ一般にありがちな、ギクシャクした動きや、すぐ行き過ぎになったり、足りなかったりすることなく、とてもスムーズに思ったとおりに動いてくれます。



Canon G9X,  1/250, ISO 125、+1

僕は通常プログラム・モードとRAWフォーマットの組み合わせで撮影しています。現像はAdobe Lightroom。このページの作例は『忠実設定』で若干トリミングや露出補正をしてあります。

ポケットに入るコンデジとしては、ダイナミックレンジが広くなり、現像による絵作りの幅も広がりました。色合い、解像感、シャープさなど素晴らしく フルサイズ、APS-C, マイクロフォサーズなどの大きいフォーマットのカメラと比べても、ひけをとらない写りです。
Canon G9X , 1/60, F4.0, ISO800、-1 1/3
写真を趣味とする方のサブ・カメラの目的でも、スマホより一歩上のメインのカメラとしての目的でも十分に納得いく品質・画質です。特に価格を考えると、素晴らしいコストパフォーマンスだと思います。一ランク上のコンデジをお探し方はG9Xも検討されることをお薦めします。