2020年1月29日水曜日

合研LABのMM用LCR型 フォノイコ:GK05LCR



先週金曜日にウィーンに戻ってきました。午前6時到着の便だったので、時差ぼけ対策のため、その日は出勤。しかし、年をとってくると時差ぼけが治るのに時間がかかるようで、その後、数日は朝4時に目が覚めてしまい、昼間は睡魔と格闘。晩は夜更かしすると逆に目が冴えてくるので早めに就寝していました。まだ、朝はいつもより早く目が覚めます。

さて、今回の帰省の自分用のお土産の一つは、合研LABのMM用LCR型 GK05LCR フォノイコライザー。知る人ぞ知る、個人事業の合研LABはリーズナブルな値段のフォノイコがその主な製品。以前からとても興味があったのですが、最近LCR型のフォノイコが発売されるに至り、どうしても欲しくなり、今度の一時帰国の際に購入。

ご存知の方は多いと思いますが、LCR型はコイルでレコードのイコライジング・カーブを補正する方式のフォノイコです。一昔前は、コンデンサーよりコイルのほうが安くて、コイルやトランスがよく使われていたとのこと。いまではハイエンド・フォノイコのしかも上位機種にLCR型が多いので僕にとっては憧れでした。現在市販されているLCR型のフォノイコでコスパに優れているとされる機器でも30万円ぐらいはします。それが2万7千円弱で手に入るので、試してみるには絶好かと思った次第です。僕が知っている唯一の安い価格のLCR型フォノイコはLounge Audioというアメリカのガレージメーカーが$340で出しているもの(こちら)。アメリカのオーディオ界ではとても評判が良い様なのですが、米国内以外には原則、その地域に代理店がある場合のみ購入可能。一時期ヨーロッパにも輸入されていましたが、そのときの価格はおよそ米国の倍ぐらいでした。それ以外ですと、台湾のガレージメーカーが$850でEbayを通して売っているValab LCR-1 (こちら)があります。これも欧米のオーディオファイルの間ではコスパがとても良いとの評価です(こちらなど)。

GK05LCRに戻ります。まずは、沖縄の実家で試して見ました(実家のシステムの概要はこちら)。実家では、オーディオ・テクニカのフォノイコAT-PEQ3(アマゾンで6千円ちょっと)を使っています。年に1~2回、2週間ほど帰省したとき聞くだけなのでAT-PEQ3で充分目的を達しているのですが、GK05LCRに替えると明らかに音が良くなりました(値段も4倍以上なので当然かもしれませんが...)。しかし、実家のシステムは音質的に限界があり、GK05LCRがどこまで音良いのか判らないので、ウィーンに戻ってきて我が家のシステムで聴くのを楽しみ戻ってきました。

ウィーンに戻った翌日の土曜日に、早速我が家のシステムつなぎ、週末から色々なLPを聴いています。一枚目のLPに針を落としたとき、思っていたよりずっと音が良い飛び出してきてびっくり。バランスがとても良くて、音楽性が非常に高く、充分な情報量、そして奏者・楽器・歌手の実在感が強く感じられる音です。低域もしっかりしており、聴感上のS/N比も優れています。いわゆるハイファイ的な音ではありませんが、リアリティのある説得力のある音だと思いました。僕のとても好きな感じの音の傾向です。

我が家のシステムでアナログ盤をGK05LCRで聴くと、アナログのよさが前面に出てきて、僕のオーディオマニアとしてのこだわりも充分に満足しつつ、音ではなく音楽に没頭できる感じ。妻はまだ帰省中なので、日曜日は一日中いろんなLPをあれこれと引っ張り出してきて聴き、とても楽しめる音で大満足。買ってよかった!

オーディオ・マニアの観点からすると、GK05LCRは極めてリーズナブルな価格の製品ですが、音質的に優れたフォノイコなので、音の違いハッキリとききわけられるシステムでそれなりのクォリティーをもったアナログソース機器(プレーヤー、カートリッジ、昇圧トランスなど)につないで聴くとその実力を満喫できるのではないかと思います。僕は、暫くはじっくりとGK05LCRを聴きこんでみたいと思います。LCR型フォノイコに興味があれば、試してみるだけの価値はあると思いますので、入手な可能なうちに購入をご検討されることをお勧めします。

合研LAB HP: https://sites.google.com/site/gohkenlab/Home


2020年1月16日木曜日

帰省中です



両親の様子見に帰省中です。昨日の夕方、近くの首里城まで行ってきました。



火災に耐えて残った龍柱。


TV番組の取材で具志堅用高氏が…

2020年1月11日土曜日

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサート



話は前後しますが、同僚からチケットを頂き(感謝)ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに、12月12日に行ってきました。クリスマス休暇中に寝込んだため、書けなかったコンサート日記です。会場はコンツエルト・ハウス大ホール。指揮はウラディーミル・ユロフスキー(Vladimir Jurowski)、ソリストはベアトリーチェ・ラナ(Beatrice Rana)。プログラムは以下の通り:

Peter Iljitsch Tschaikowsky:Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 b-moll op. 23 (1874–1875)

Dmitri Schostakowitsch:Symphonie Nr. 11 op. 103 »Das Jahr 1905« (1956–1957)

ソリストのアンコールは: Frédéric Chopin Etude As-Dur op. 25/1 »Harfenetude« (1836)

チャイコフスキーのピアノ協奏曲は、とても有名な曲なのにあまり、9年前に越してきて以来、ウィーンでは殆ど演奏されていない曲なのでとても期待していきました。でも期待が大きすぎたのが、ちょっと感激が薄かった。どこが悪いという言える演奏ではなかったのですが、強いて言えば、ラナのピアノがもっと多様なトーン(音色)で弾かれていればよかったのかもしれません。アンコールのショパンはすごく良かったですし、まだ駆け出し中の若手なので今後に期待したいと思います。ちなみに最初にラナを聞いたのは4年程前、佐渡裕氏のトーンキュンストラー管弦楽団音楽監督就任後初の演奏会ででした(こちら)。

今月はお休みを頂き、両親の様子見に里帰りしますんので、またまた更新が遅れるかと思いますが、悪しからず、よろしくお願いします。


2020年1月7日火曜日

遅ればせながら、、、明けましておめでとうございます! - 楽友協会ホール落成150周年記念コンサート




 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。昨年も拙ブログを読んで頂き感謝しております。

2019年の職場のクリスマス休暇がカレンダーの具合で運良く10連休となり、とても嬉しい気持ちでクリスマスの週を迎えた途端、ひどい風邪で一週間ちょっと寝込んでしまいました、トホホホ...。お正月の週は何とか動けましたが、どちらかというと普通の生活に戻るためのリハビリ期間になってしまいました。そして、今日からやっと8~9割がたもとの調子に復活。やれやれです。

さて、今年初のコンサートは、楽友協会ホール落成150周年記念コンサートでした。1870年1月6日に行われた楽友協会こけら落とし演奏会のプログラムを再現したもの。記念コンサートは1月5日と6日に開かれたのですが、諸般の事情で僕は一人で1月5日に行って、妻と帰省中の長女が6日に行きました。プログラムは以下の通り。

ベートーヴェン《劇音楽「エグモント」序曲 op. 84》
ハイドン《オラトリオ「天地創造」より“弦の調べを合わせよ” Hob. XXI:2》
J.S.バッハ《ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調BWV1042よりアダージョ》
モーツァルト《歌劇「後宮からの誘拐」よりアリア“コンスタンツェよ、君に再会するのだ”、KV 384》
シューベルト《汝らに平安あれ D.551》
ベートーヴェン《交響曲 第5番 ハ短調「運命」op. 6 》

ソリストは、Anne-Sophie Mutter(バイオリン)とPiotr Beczała(テノール)。合唱は、ウィーン楽友協会合唱団、オーケストラはウィーン・フィル という贅沢なキャスト。指揮は当初予定されていた故マリス・ヤンソンスの 代わりにSemyon Bychkov(セミヨン・ビシュコフ)。

特別なコンサートで著名なソリストの出演ということもあってか、前半は特に素晴らしい演奏。後半のベートーベンの5番もよくて、最終楽章の演奏が特に良かったと思いました。

公現説(三賢者の日とも呼ばれる)の6日(落成記念日)は、オーストリアでは公休日でもあり、特別イベント(落成記念式典の再現、シャンパン・サービス)があったようで演奏も、妻曰く 「...これで暫くは他のコンサートに行かなくてもよい...」、娘曰く「...ムッターはロックだった...」というぐらいの熱演だったようです。 僕もできれば6日に行きたかったのですが、職場である国際機関は通常勤務日で、休暇中の上司の代理を仰せつかっていたのでそれは適いませんでした...

今年もよろしくお願いします。