2017年2月28日火曜日

Leopold Museum / レオポルド美術館


シーレの自画像(左)と恋人であったWalburga Neuzilを描いた「ワリーの肖像」(左)


書きたいことは沢山あるのですが、このところ仕事が忙しく更新ができていません...。

ウィーンはここ2週間ほどで日がだいぶ長くなり、気温もだいぶ穏やかになってきました。特にここ数日は気温が10度以上で春が近づいてきた感じがします。

もう10日ほど前のことですが、あごのかみ合わせの治療でウィーンに数日帰省した次女が、レオポルド美術館にまだ行っていないから、行きたいと言ったので、2月19日 日曜日の午後に妻と私と家族3人で行ってきました。僕は、4年ぶりぐらい。展示室の壁の色が塗り替えられていました。

「熱烈な美術愛好家」と評される故ルドルフ・レオポルド氏が個人で収集したオーストリア現代美術を代表する多くの名作が展示されている美術館で、見所は28歳の若さで他界したオーストリア表現主義の巨匠エゴン・シーレの世界最大のコレクション。

レオポルド美術館のある、ミュージアム・クォーターは、旧オーストリア・ハンガリー帝国の厩舎であった敷地に作られた、ウィーン近代美術館(こちら)等複数の美術館とイベントホールがある統合施設で、道を渡ると自然史博物館(こちら)、美術史博物館(こちら)もあり、ウィーン最大のアート・カルチャー・スポットです。

故ルドルフ・レオポルドの本業は眼科医、奥様のお医者さんだったようですが特にお金持ちというわけでもなかったようで、氏の絵画収集のために、家計は大変だったようです。お金に困って、絵を売りにいっても、別の絵を買って帰ってきたというエピソードも有名なようです。置く場所が無いからと家人に言われ、レコードを売りに行って、そのお金でまたレコードを買って帰ってきて...と、身に憶えのあるような逸話で、次元もお金の桁もだいぶ違ってもコレクターの習癖は似通っているんだな~と思ってしまいました。


レオポルド美術館のHP(日本語のページ): http://www.leopoldmuseum.org/de/sprachen/ja

エゴンシーレに関して:ウィキペディア



2017年2月17日金曜日

Netflix (ネットフィックス) 『シェフのテーブル』





先週のブログ(こちら)で触れた、我が家がはまったネットフリックスの 「シェフのテーブル」。現在、シーズン1、シーズン2、そして フランス編が公開されていますが、2月17日にシーズン3が公開されるとのことで、楽しみにしています。

今、最もイノベーティブといわれているシャフをエピソードごとに一人ずつ取り上げた番組編成。これを観ると、この今、「食」が大きく変化しつつあるのかということを、その先端を行っているシェフ達と各々のレストランを通してみることができます。破壊的革新ともいえるこの動きの源には、長年にわたって引き継がれてきた各地方の人々の食文化と素材への原点回帰がある、という言葉にすると逆説的に読めるかもしれないことが、説得性を持った主張として映像と語りで認識できるかと思います。それに、織り込まれるように、淡々と映し出されるシェフたちの人生と生き様、世界のトップの名声を得るまでの紆余曲折、苦労、なだらかでなかった道程等がこのドキュメンタリー番組を魅力的で惹きつけられるドラマへと昇華していると思います。

これを観るためだけにでもネットフリックスに加入する価値があると思われる番組でお勧めです。 是非、ご覧あれ。


ストリーミング・サービスでこのような素晴らしい番組が出てきているということは、いわゆる「テレビ番組」はその中心が、従来のテレビ局からインターネット・ストリーミング・サービス・プロバイダーに移り変わってきているということの証なのかもしれませんね。

2017年2月13日月曜日

Nikon が DLシリーズの発売中止を発表...



う~む、ニコンがDLシリーズの発売を中止するとの事です。 収益性重視の為であるとのこと。 世の中、世知辛くなってきましたね~。特にDL18-50は本気で欲しかったカメラだけに残念。

DLに関するブログはこちら:http://isakusphere.blogspot.co.at/2016/04/nikon-dl-18-50-panasonic-lumix-dmc-gx7.html  

日経新聞の記事はこちら:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13IP8_T10C17A2000000/?dg=1&nf=1

ニコンのプレスレリースはこちら:http://www.nikon.co.jp/news/2017/0213_dl.htm

2017年2月12日日曜日

アンナ・ネトレプコ 、ロベルト・アラーニャ共演 ヴェルディの『イル・トロヴァトーレ』(Il Trovatore )ウィーン国立歌劇場

衣装・ステージはスペイン内戦を思い起こさせるものでした

一昨日のお昼前、職場の同僚が『…今晩のシュタッツ・オーパーの切符が一枚あるんだけどどう?』、もしかしてイル・トラヴァトーレ?、『そうだよ』、行く、行く! という訳で、妻は里帰り中ということもあり、2月9日木曜日の晩は、ウィーン国立歌劇場でヴェルディの『イル・トロヴァトーレ』を見てきました。

アンナ・ネトレプコ 、ロベルト・アラーニャ、リュドヴィク・テジエなどの錚々たるキャストでウィーン国立歌劇場今シーズンの目玉の一つ。僕は特にオペラ・ファンではないので、行きたいかなと思った時には、チケットがすべて売り切れ。エージェントではかなりのプレミアムで諦めていたので、同僚には大感謝です! 

カーテン・コールのネトレプコ
主なキャストは以下の通り、

Il Conte di Luna = Ludovic Tézier
Leonora = Anna Netrebko
Azucena = Luciana D`Intino
Manrico = Roberto Alagna
Ferrando = Jongmin Park
Ines = Simina Ivan
Ruiz = Bror Magnus Tødenes

指揮は、Marco Armiliato、監督はDaniele Abbado (Claudio Abbadoの息子)

文句なしに最高でした。特に第4幕のアリアと重唱で最高に盛り上がり感動が頂点に達する素晴らしいもの。

オペラ史上最も有名なテノール歌手といられるエンリコ・カルーソーは、4人の偉大な歌手さえ揃えるだけで『イル・トロヴァトーレ』の名演はできる(出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Il_trovatore)と言ったそうですが、今回上演は4人の偉大な歌手、素晴らしい演出とオーケストラと、すべてが揃ったものだったと思います。

以前、知り合いのオペラ歌手の方から、『…オペラ歌手としてプロになるには演技ができないといけないんだよ…』と伺ったことがありますが、メイン・キャストネト4人の演技もどのような舞台俳優・女優に勝るとも劣らぬ、観客を惹きつける素晴らしいものだったと思いました。

すっかりネトレプコのファンになって、大満足で帰途につきました。

楽屋出口でファンに囲まれるネトレプコ
蛇足ですが、帰宅してから調べたら、ネトレプコはオーストリアに帰化してウィーンが拠点となっているとのこと。そして、今のご主人は去年5月に観に行ったデュダメル指揮 プッチーニの「トゥーランドット」でカラフ役を演ったYusif Eyvazovとのこと(その際のブログはこちら)。

僕が持ってるネトレプコのレコーディング:特に右のヴェルディのアリア集はオススメです。オペラ歌手は40〜50代がピークというのを聞いたことがありますが、2004年に最初に発売された左の「花から花へ」と2013年発売の「ヒロイン-ヴェルディ・アリア集」を比べるといかに彼女が歌手として音楽的にも声、テクニックも成熟し「オペラの女王」と呼ばれるようになってきたのかがよくわかると思います。




2017年2月8日水曜日

最近よく聞いているアルバム - その三  「RECOMPOSED BY MAX RICHTER: VIVALDI FOUR SEASONS 」



去年~今年の年末年始は旅行せずウィーンですごしたのですが、その際に我々へのクリスマス・プレゼントと言うことでテレビを買い替え。今までのがあまりの旧型(37インチ、720p)だったので、一気に50インチ、4K、ウルトラHDなんてものにしたので、画質の違いに愕然 (当然ですけど...)、帰省していた娘たちと夜な夜な、テレビ・ウォッチングしてました。

そのときに観たのがネット・フリックスの「シェフのテーブル」シリーズ。そのイントロ(下の動画)で使われていたのがこの曲で、妻と二人,はまってしまいました。

ドイツ生まれでイギリス育ちの現代音楽作曲家Max Richiter(マックス・リヒター)がビバルディーの四季を作曲しなおした(recompose)という作品。演奏は ベルリン室内管弦楽団、ソリストはDaniel Hope(ダニエル・ホープ)、指揮は  André de Ridder(アンドレ・デ・リッダー)。

これを聴いて初めてRichiterに関して調べたのですが、ミニマリスト、ポスト・ミニマリストとして知られている作曲家との事。 こう書くと、この曲は『際物?』なんて思われるかもしれませんが、至極まとも。ジュリアーノ・カルミニョラ  や ファビオ・ビオンディを聴きなれた方には、むしろ「あっと驚く」斬新さにかけるかもしれませんが、現代のセンシビリティーで「四季」のエッセンスを昇華させたこの曲で、クラシック・ファンもそうでない人もヴィヴァルディを再発見出来ると思います。 録音も現代風で良好。聴いてみる価値はあると思いますよ。

尚、このアルバムには、「四季」とは別に、Richeterの「Shadows」電子音楽の曲(ムーグらしい)もはいています。小鳥のさえずりも録音されているので、「四季」と繋がる漢字はありますが、こちらはRichiterの本領発揮(?)の現代音楽です。


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2017年2月4日土曜日

ドナウ川支流運河が凍りついた~!

ドナウ川支流運河の中州にある地下鉄U1線のDonauinselの駅から(2月1日水曜日)

今週前半はずっと雪。寒さはちょっと和らぎました、といってもー5~6度からー1~2度に替わった程度で相変わらず寒く、連日の氷点下の気温のせいで治水のために作られたドナウ川支流の運河も凍りついていました。上写真のように人々が繰り出して運河の上を歩いていました。 行ってみたいような気もしたのですが、氷が割れたらどうしようと思うとやっぱり怖いですよね。

やっと昨日(2月3日金曜日)から久しぶりにプラスの気温。雪が溶けてぐちゃぐちゃになるのはいやですけど、厳しい寒でなくなるのは嬉しいです。予報では来週前半まで日中は零度以上の模様。

2017年2月2日木曜日

最近よく聞いているアルバム - その二 Emeli Sandé の 「Long Live the Angels」





ザンビア出身と父親とイギリス人の母親を持つ、イギリスはスコットランド出身のシンガー・ソングライター、エミリー・サンデーのセカンド・アルバム 「Long Live the Angels (ロング・リヴ・ジ・エンジェルズ)」。

昨年の秋に次女を訪ねイギリスに行った際(こちら)、BBCテレビの歌番組で歌っているのを観て好きになったアーチスト。ファースト・アルバムよりこちらのほうが僕のお気に入りです。



メロウでソウルフルで聴かせる歌いっぷり。静けさがあって、ノリもあるアルバムです。曲も粒ぞろいで録音も優秀です。是非、聴いてみてください。