2019年11月8日金曜日

上原ひろみ(Hiromi)コンサート


先週の水曜日(10月30日)は、妻と二人で上原ひろみのソロ・コンサートに行って来ました。会場は、コンツエルトハウス・モーツアルト・ザール。主に最新のソロアルバム「Spectrum」からの曲が中心のプログラムでした。

アメリカにいた頃、僕のジャズの師匠であった退役軍人のボブが、『…日本人のジャズピアニストのHiromiを聴いたことがあるか? オスカー・ピーターソン以来の超絶技巧ジャズピアニストだよ、兎に角、ライブがすごいんだ…』といって教えてくれてくれたのが十数年前。ずっと観たいと思っていたHiromiのライブ、やっと叶いました。ちなみに、ボブは妻の従姉のご主人でセミプロでドラムとサックスを演奏していたジャズ・ミュージシャンでもあります。

彼女の演奏はAmazing!の一言。音楽性もテクニックも文句なしに最高なのですが特にすごいのは彼女の観客を音楽に惹きこむカリスマ。これは確かにライブでないとわかりません。今までウィーンで行ったコンサートのすべての中で最も観客の喝采が盛大であったような気がします。

最初から最後まで、にこやかな表情で全力を注ぐHiromiの演奏に感化され高揚した気分で、妻と二人、自宅に戻りましたが、そこで知ったのが首里城の火災。信じがたく、悲痛な思いで二人ともなかなか寝付けませんでした。

2019年11月1日金曜日

首里城焼失

一昨日の夜、コンサートから家に戻ってきてNHK World-Japanの速報で火事のことを知りました。信じがたい悲しい出来事でした。

僕が首里で育っていた頃は、首里城は城址の面影なんてまったく無い、父の勤め先の琉球大学がある場所でした。母が子供の頃よく遊んだという正殿は実家から数百メートルの場所にあるはずの建物なのに写真か博物館の模型でしか見ることのできない、自分にとっては戦争で失われたもの象徴であり、行ってみたかったという憧れでもありました。それだけに首里城が復元されたというニュースは海外で生活している自分にとっても、とても誇らしく嬉しいことでした。

首里城の丘のふもとに今もある僕が通っていた小学校では、1972年に祖国復帰するまで『…君たちは日本人なのだから、休日には必ず日本の国旗をあげるように…』(注)と教わり、時折、教室で『君が代』を歌っていたということが自分のアイデンティティー形成に大きな影響を及ぼしたと思っています。今考えると、ある意味で当時の琉球大学は琉球列島米国民政府(USCAR)が建てた米軍統治時代の象徴、第二次世界大戦で失われた首里城は明治維新後大日本帝国に統合された琉球王国の歴史の象徴、そして復元された首里城は民主化された日本国が建てた沖縄祖国復帰の象徴であったと思います。

物心ついた頃から、首里城は沖縄のおじいちゃんとおばあちゃんの家の屋上から見えるものだと思って育った娘たちにとっては自分以上にショックだったようです。

新聞の記事(こちら)によると、首里城にはスプリンクラーが設置されていなかったとのこと。どのような理由で設置されなかったかは知りませんが、『もし設置されていたのであれば』と、悔しい気持ちでいっぱいです。

別の記事(こちら)では、1500点以上の絵画、漆器、史料などの収蔵品うち400点以上が焼失、残りの品も確認できない状態であるということ。完全に永久に失われた琉球王国の文化の遺産に気持ちのやり場がありません。

(注)米軍統治下時代の沖縄では公休日のみ日本国旗の掲揚が許されていたということをだいぶ後で知りました。

2019年10月29日火曜日

ヴェルディのオペラ「マクベス」


今週に入り、ウィーンは最高気温10度前後と季節相応の気候になってきました。夏時間が終わったので夜が早く来ます。

さて、先週の金曜日(10月25日)は同僚からチケットを頂いたのでヴェルディのオペラ「マクベス」を観劇。会場はウィーン国立歌劇場。妻はまだ帰省中であったので僕一人。主要キャストなどは以下の通り:

指揮 Giampaolo Bisanti・監督 Christian Räth・舞台/衣装 Gary McCann
照明 Mark McCullough・舞台 Nina Dunn

Macbeth: Plácido Domingo;Banquo: Ryan Speedo Green;Lady Macbeth: Tatiana Serjan
Macduff: Jinxu Xiahou;Malcolm: Carlos Osuna;Spion(スパイ): Ayk Martirossian
Kammerfrau(侍女): Fiona Jopson


あのプラシド・ドミンゴがマクベス役が主演。彼はバリトンのパートを歌っているのですが、まったくテクニックを感じさせず、充分な声量で役になりきって感情をこめて歌う感じはさすがドミンゴ。78歳とは思えません。ニューヨークに住んでいた頃、現役バリバリでテノールのパートを演じていた頃のドミンゴをメトロポリタンで観た記憶はあるのですがそのときどう感じたかは残念ながら憶えていませんが、今回のドミンゴはオペラ界の大スターの名に恥じないパフォーマンスだったと思います。

他の主要キャストもみんなドミンゴに匹敵する力量で、これだけ素晴らしい歌手がそろうとオペラは最高の出来になるんだととても感動させられました。しかし最近セクハラ疑惑で告発されたドミンゴ主演のオペラを観て感動したということに対しては複雑な心境でもあります。ウィーンのオペラファンは、ブーイングなどせずに、彼に盛大な拍手を贈っていました。

観ていて「マクベス」は今の世情に合った物語だな~という思いが頭に浮かんできました。

4年ほど前の動画ですが、今回と同じの演出・舞台・衣装の「マクベス」の公式予告編を添付します:



11月1日の最後の公演は、ライブストリームで観れるようです:https://www.staatsoperlive.com/




2019年10月24日木曜日

パワーアンプのカップリング・コンデンサーの続き


ウィーンは、朝の通勤時の気温が10度前後、昼過ぎから日没まで19度前後になる日が1週間ほど続いています。朝は霧がかかり夕方にかけて晴れるというパターン。寒かったり、暑かったりするもいやですが、こんなに気温差がある日々が続くなんとなく体の調子が変な感じです。

一ヵ月半ほど前に書いたパワーアンプのカップリング・コンデンサーの続きです(前回はこちら)。帰省した際にオーディオの大先輩からTRTのStealthCapがお勧めと教わったので、悩みましたが僕はTRTのコンデンサーを使ったことが無くて未知の領域であったので、結構値も張るし、まずは好みの方向であると分っているものにしようとJupiter社の銅箔・オイルペーパーコンデンサー(こちら)と 欧米の自作派オーディオマニアの間で高い評価のDuelund社の銀箔・蝋紙・オイル・バイパス用コンデンサーにしました。いずれTRTのコンデンサーも試したい思っています。

このバイパス用コンデンサーは容量が0.01uFなのに結構な大きさ。取り付けるには若干の工夫が必要ですので色々と考えて下の写真のようにしました。多くのカップリングコンデンサーを試してきた為さすがに基板のランドも剥がれきたので回路図を見て、テスターで通電を確認し、直接前後の部品に配線・半田付け。

本来だと、まずJupiter社の銅箔・オイルペーパーコンデンサを取り付けて暫く聴いてから、バイパス用コンデンサーをつけると効果がわかって良いのだと思うのですが、ちょっと面倒だったので、以前 Duelund社のCAST PIO Cu (銅箔・オイル/蝋紙)(こちら)から  CAST PIO Cu/Ag(銅・銀箔・オイル/蝋紙)換えたとき(こちら)に違いも聴けたからいいや…とバイパスコンデンサーも一緒に取り付け。

まだ、エージング中ですが、音は我が家のシステムが今のところ最も好ましく鳴ってくれているかと思っています。しょっぱなから音が良いとエージング後はもしかすると好みから外れるか?という懸念もあるのですが、現時点では良い方向に進んでおり、家で音楽を聴くのがとても楽しい状況です。たまたま妻が義理の両親の様子見に帰省していることもあって、ついつい音量を上げすぎてクリップし、あわててボリュームを下げるということもたびたびありました。回路設計にもよるのでしょうが、我が家のパワーアンプはこのカップリング・コンデンサーでこれだけ音が変わるのにはちょっと驚きです。

ま、これが趣味なのでそのうちに気になることも色々と出てくるとは思いますが…


僕は主に以下の2つのウェブ・ショップでパーツを買っています:

https://www.partsconnexion.com/

https://www.hificollective.co.uk/



2019年10月18日金曜日

第3回 ウィーン日本映画祭 (Japannual Japanische Filmtage Wien)


墺日協会主催のウィーン日本映画祭が10月1日~6日の間、開かれました。今年で第3回目、諸事情で過去2回、観に行くことができなかったので、妻と二人で今年こそはと、張り切って上映 さ れ る 映 画 す べ て に利用できる特別共通パスを買ったのですが、すでに書いたように色んなことが重なって、やっといけたのが5日土曜日…。元を取るぞと遅れを挽回すべく、2日で計5本、以下の映画を観ました:「日日是好日」、「サムライマラソン」、「メランコリック」、「引越し大名」、「翔んで埼玉」。どれも面白かったですが、個人的に特に印象が強かったのが、「日々是好日」と「メランコリック」でした。


僕は、小津安二郎が好きで、氏の映画に相通ずる、決して劇的ではなく多くの普通の人々が日常のなかで遭遇する日々のドラマを淡々と語る映画に惹かれます。良い意味で流れにあがわらず包容と受身の感覚に溢る中から自らの道を探し得る主人公の生き様を描くスタイルは多くの日本映画の魅力の一つではないでしょうか?「日々是好日」は、まさにその様な魅力のある映画でした。優れた監督、脚本、キャストでこの物語の魅力が十二分に表されていたと思いました。僕は大学時代に茶道を習っていたのですが、観ていてその頃の思い出が沸きだしてきました。



本邦では低予算映画として話題になったようですが、それを知ったのは観て後のこと。そんなことまったく感じさせない優れた出来栄えの映画だったと思いました。『さとり世代』や『子供部屋おじさん』といった今の日本の世情を反映した現実的設定のファンタジー。羨む学歴を持ちつつも世間一般の期待に沿った人生を歩めず(まず)にそのはざまで停滞してる主人公がシュールな状況に嵌って、結果的に学歴の呪縛から逃れ、自らの道を見つけ、自己実現を果たしていくというある意味で希望のあるストーリーでした。僕は、伊坂幸太郎の小説が好きなのですが、氏のユーモアに相通ずる可笑しさのある映画だったと思います。

ゲストでいらしていた、「メランコリック」監督・脚本の田中征爾氏、主演・プロデュースの皆川暢二氏、「翔んで埼玉」監督の武内英樹氏の談話と質疑応答もとても興味深かったです。


2019年10月13日日曜日

内田光子とイェルク・ヴィトマン(クラリネット)コンサート


先週の木曜日(10月10日)は、内田光子とイェルク・ヴィトマン(Jörg Widmann)のコンサートに行ってきました。会場は、コンツェルト・ハウス、モーツアルト・ザール。妻が用事と重なったので、職場関係のクラシック音楽ファンでオーディオファイルでもある友人と行ってきました。プログラムは以下の通り:

Johannes Brahms:Sonata in F minor op. 120/1 for clarinet or viola and piano (1894)

Alban Berg:Four pieces for clarinet and piano op. 5 (1913)

Jörg Widmann:Fantasia for clarinet solo (1993)

Franz Schubert:Impromptu in c minor D 899/1 (1827)

Jörg Widmann:Sonatina facile for piano (2016)

Robert Schumann:Three Fantasy Pieces op. 73 for Clarinet and Piano (1849)

アンコールは
Felix Mendelssohn Bartholdy:Sonata in E flat major for clarinet and piano (2nd movement: Andante) (1824)

デュオと各々のソロを交えた構成。クラリネット奏者のイェルク・ヴィトマン(Jörg Widmann)は、作曲家・指揮者としても活躍しているアーティストなので、ソロ2曲は氏の作曲。選曲も抜群、演奏も最高の素晴らしいコンサートでした。こういうコンサートはとても楽しめます。 大満足! しかし、内田光子のシューベルトは僕にはちょっと違和感があったかな〜。

写真はどれを載せるか迷ったので2枚アップしました。




2019年10月10日木曜日

コンサートシーズン開幕、二つのコンサート: ペトレンコとフジコ・ヘミング


このところウィーンは朝の通勤時に6度、日中は13度程度とコートが必要な肌寒い日々が続いています。 仕事も忙しいのですが、ここ10日ほど、プライベートの面で怒涛のごとく忙しく、会食、送別会、コンサート、海外からの来客、オーディオの集まり、そして、ウィーン日本映画祭(報告は後日書く予定)、ウィーン・デザイン・ウィークと何でこんなに重なるんだ?という感じです。

9月に帰省したこともあって、今シーズン初コンサートは10月3日木曜日。妻と一緒にコンツェルト・ハウス 大ホールで行われた、キリル・ペトレンコ(Kirill Petrenko)指揮のバイエルン国立管弦楽団(Das Bayerische Staatsorchester)を聴きに行って来ました。「ドイツ統一の日」に行われたコンサートの演目はスメタナの「わが祖国」。東西ドイツの統合の一つの契機となった出来事が、西側に亡命を希望する東ドイツの難民がプラハの西ドイツ大使館に数千人押しかけた一件であることも、この演目を選ぶ理由となったようです。

「わが祖国」はあまり演奏されない曲で、コンサートで聴くのはこれが2度目(前回はこちら)、偶然ではありますがペロレンコを聴くのも2度目でした(こちら)。席がステージに近かったので、表情豊かに体全体で指揮をするペトレンコ氏の様子をじっくりと観れたのは面白かった。演奏は、明るい希望にあふれる「わが祖国」という印象で記念すべきこの日にピッタシだったと思います。座っている席が関係したのか、一部オーケストラのアンサンブルが「?」というところが数箇所あり、妻は気になったようでした。 残念なことに、なぜか曲の途中で休憩が入り、僕はそれでちと興ざめ。 アンコールはドヴォルザークのスラブ舞曲 第一番でした。



一昨日の10月8日火曜日は、日本オーストリア友好150周年の一環のイベントで、フジコ・ヘミングとAuner Quartet+Dominik Wagner(コントラバス)のコンサート。会場は楽友協会ブラームス・ザール。妻と二人で行って来ました。プログラムは以下の通り:

Franz Schubert: Impromptu for Piano G major, D 899/3
Frédéric Chopin: Etude for Piano C Minor, op. 10/12、Etude for piano in A flat major, op. 25/1
Polonaise for piano in A flat major, op. 53

Franz Liszt: Un sospiro. Concert work in D flat major、La Campanella

Wolfgang Amadeus Mozart:String Quartet in C major, KV 157

Franz Schubert:Quintet for Piano, Violin, Viola, Violoncello and Double Bass A Major, D 667, "Trout Quintet"

86歳のヘミング氏、初めて聴きましたが、とても魅惑的で音楽性の高い演奏は今まで聴いた、どの巨匠の演奏にも勝るとも劣らないものでした。プログラム最後のシューベルトの鱒もポピュラーで僕もとても好きな曲なのですが、あまりライブでは演奏されないので、コンサート聴いたのは初めて。若手弦楽演奏家のホープたちがヘミング氏を支えて一丸となった演奏には心打たれるものがありました。

フジコ・ヘミング公式サイト:http://fuzjko.net/

Auner Quartet HP: https://www.aunerquartett.at/

Dominik Wagner: https://dominikemanuelwagner.com/



2019年10月3日木曜日

今回の帰省で...



今回の帰省は両親の様子見が主な目的だったのですが、その合間に旧交を温める機会そして新たな発見がありました。

旧交を温めた:

まずは、沖縄のオーディオ仲間とも再会。皆さんお忙しい中、3連休の中日に集まっていただき嬉しかったです。ありがとうございました! このグループのオーディオ以外の共通項が「首里」であるというのも面白いなあと思っています。

そして、大阪から移住された友人でオーディオの大先輩のお宅への再訪。前回お邪魔した時から、クロックがGrimmに変わったことと、そして、細かな箇所で色々とアップグレードされているとのことでしたが,それらが見事に「シナジー効果」を生み出しており、主だった機器を変えなくてもこんなに音が向上するこか?ということで驚きました。あくまでも主観ですがオーディオというよりも生演奏を聴いているときのような気持ちで音楽を楽しめました。特に印象に残ったのは「The Roy Haynes Trio Featuring Danilo Perez & John Patitucci」のレコーディングのPattiucciのベースの音。弦を爪弾くアタックとボワーンという胴鳴りとのリアルなバランスと音量で、これはライブだと特に珍しい聞こえ方ではないのですが、オーディオでここまで再生されたのを聴いたのは初めてでした。


新たな発見二つ:



「Coffee Potohoto」:長女が去年の11月から今年の6月の間、母から沖縄料理を習う目的で実家に滞在していたのですが、そのとき教わった美味しいコーヒー屋があるからと、最近コーヒーに凝っているの僕に勧めてくれたお店。那覇市安里の栄町市場の中にあります。店主直接買い付けの古来種の希少豆フィリピンミンダナオ島カラサンスウィートを淹れていただきました。美味しかった! HPはこちらです:http://www.potohoto.jp/index.html
ちなみに、栄町市場は僕が子供の頃から殆ど変わらず昔の姿を保っているとても懐かしさあふれる場所です。


もう一つは、「Wolf Bräu(ウォルフブロイ)」。実家から徒歩10分程度のところに今年8月にオープンしたという、クラフト・ビール屋さん。ドイツ人のご主人がブロイ・マイスター。デュッセルドルフの地ビールであるAltをいただきましたが、蒸し暑い沖縄の気候でも飲み易いようにアレンジされたさっぱりとしたのど越しのよいビールでした。涼しくなるにつれて本格的なAltを造られるようです。FB ページはこちら:https://www.facebook.com/pg/WO.BRAU/reviews/?ref=page_internal 

このような場所はとても大切だと思いますので、皆さんご贔屓にしてあげてくださいね。僕も帰省するたびに飲みにいきます!

2019年9月30日月曜日

オーディオ・マニアの(オーディオ・マニアとしては)ささやかな贅沢


先週の木曜日(9月26日)にウィーンに戻ってきました。秋晴れの気持ちの良い気候です。

実家には、僕と弟が中学から大学生にかけて買ったLPが二百枚ほど置いてあるので、帰る度に聞きたいと思っており、3年程前に格安の新品国産レコード・プレーヤーを買ったのですが、レコードプレーヤー名門であったことも今のこの会社にとっては過去の栄光。回転数がまったく安定せず、時には極端に悪くなりワオワオ状態で聞けたものではなかったのでどうしたモノかと気になっていました。まさに安物買いの銭失いとはこのことで、今回思いきってRegaのPlanar1を実家用に導入しました。年に長くても4~5週間しか沖縄の実家には、滞在しないのでオーディオ・マニアの(オーディオ・マニアとしては)ささやかな贅沢であります。

今回の帰省では、小・中・高校が同窓でオーディオ大先輩の友人に多くの素晴らしいレコードを頂き、二つの台風の影響で天候が優れず、実家に篭っている時間も長かったので新しいレコード・プレーヤーを充分に活用できました。カートリッジもすでにマウントされており、アームもウェイトを取り付けるだけで調整がいらないというまさにプラグ・アンド・プレーという手軽さがある反面、オート・リフターは無く、回転数を変えるにもスイッチではなく、手でベルトをプーリーの別の溝にかけ替るという、基本機能に特化し、作動・音質に関係の無い部分は徹底にコストカットされた飾り気の無い100%マニュアル操作のプレーヤーです。2~3日で音もこなれ、オーディオ・マニアでも充分に納得(妥協?)できる音質ではないか?と、思いました。これだったら、最初からケチらずにPlanar1を買っとけばよかった…。コスパに優れたこのような製品を創れる会社だから50年近く続いているのだと納得した次第。アナログ盤再生を始める・再開されるかたで予算に限りのある方は迷わずPlanar1を! と、お勧めしたくなる逸品かと思います。

ちなみに実家で使っているシステムは:


Onkyo のCDレシーバー CR−555と



Infinity の InfiniTesimalです。

これらについては、こちらをどうぞ:
https://isakusphere.blogspot.com/2013/11/infinity-infinitesimal-onkyo-cr555.html


2019年9月20日金曜日

帰省中


95歳の父が家で転んで脚を骨折し入院した事もあり、両親の様子を見に帰省しています。台風16号、そして、17号の影響でずっと天気はすぐれません。明日は沖縄本島も暴風雨圏に入るようです。明後日、沖縄を発つ予定ですが、どうなることやら…。

年老いた両親が暮らす様子を見ていると、色々と考えさせられます。

9月に沖縄に帰ってくるのはずいぶんと久し振り。気温は28~30度でまだかなり蒸し暑いのですが、蚊もめっぽ少なく、トンボが飛び交っており、沖縄なりの秋の始まりという感じです。


2019年9月9日月曜日

パワーアンプのカップリング・コンデンサーの悩み


8月終わりの去る土曜日(8月31日)は一日中雨で15度前後に冷え込み、翌日からは、最高気温が20度前後の秋の気候になりました。今朝起きたら10度でピリッとした空気。押入れの奥から秋・冬用のスーツを出して着て出勤。

さて、7月の初めにV-Cap CuTF (銅箔 テフロン)フィルムコンデンサーを 追加導入 した事を書きました(こちら)。ほぼ2ヶ月ほどたっても、聴いていて気持ちが良いという音ではなく、なんか気になる音。どうも響きが自然でないのです。耳の良い次女に聞いてもらうも、『前の方が良い音がしていたんじゃない?なんか、中途半端...。』とのお言葉。音響エンジニアのDavid Haigner さん(こちら)と話す機会があってこのことを伝えると、『...うーん、僕はテフロンの絶縁体をつかったコンデンサーは色々と試したけど、どれも好きになれないんだよね~、テフロンがね~』との返答。日本風に言うと『テフロン臭さが鼻につく』という感じ。我が家のオーディオの音が気になると、どうしてもそれが頭の片隅に残って気分が晴れないので、土曜日が雨で寒かったの言い訳に、家にいてコンデンサーを交換することにしました。

とりあえずは、Jupiterの銅箔・オイルペーパーコンデンサ(こちら)に戻そうとしたのですが、ちょっと注意を怠ってしまった結果、下の写真のようにリード線が切断!やっちまったぜ~。かなり前に一度やってもう絶対しないぞと決心したのに...情けないやら悔しいやら...。




半田でくつっけられるかと思って試すも無駄な努力と悟り、ひと昔前に使って取り外してとってあったムンドルフ社スプリームシリーズの銀箔・オイルコンデンサ Mundorf Supreme Silver in Oil (こちら)を取り付けました。暫く聴いていないからまた試してみようと思った次第。


基盤を戻して、底板を付け直して音出しするも、音が左に偏っている!良く聴いてみると右ちゃんねんるは音がこもっており、左は逆に煩い感じ。漫画だとここで顔の半分が翳って汗がぽたりと落ちるシーン。どうしようかと思ったのですが、暫く電気を切って、コンデンサから電流が放出されたであろう頃を見計らい(このアンプは最高400V以上の電圧が流れるのではやる気持ちを抑えて安全第一)アンプを開いてどうしたモノかと暫く眺め、とりあえずそれぞれのカップリング・コンデンサーの容量を測ってみることにした。そうすると上の写真の真ん中の2個の値でおかしかったので、それらを取り外して再度測るもやはり変である。


しかたがないので今度は、Clarity Cap社のMR (こちら)を取り付け。これも数年前まで使っていたが取り外してあったもの。再び基盤を戻して、底板を付け直して音出し。今度はちゃんと左右バランスよく鳴りました。めでたし、めでたし。で音はというと、V-Cap CuTF の気になるところは無くなったけど、改善の余地ありといった感じ。後の2個もClarity Cap MRに換えると良いのかなとも思ったけど夜は出かける約束があったので時間切れ。

僕はV-Cap CuTF以外にテフロンを使ったコンデンサを聴いたことがないので、 テフロンが良くないのかどうか分かりませんが、結果として我が家のシステムとは相性が良くなかったのでしょう。やはり、本命はJupiterの銅箔・オイルペーパーコンデンサか?とも思うのですが、明後日から一時帰国・帰省するのでそれは帰ってきてからの楽しみですね。



2019年8月29日木曜日

最近良く聴いているレコード:ELO 「Time」(ハイレゾ盤)



先週末から、ウィーンは連日30度を越える暑さ。例年この時期は涼しくなってくる季節なのですがね。夏も終わりに近づき、仕事も忙しくなってきたので更新が滞ってしまいました。

懐かしいELOのこのアルバム、Qobuzでハイレゾ盤(24/96)が出ていたのを最近見つけたで、試しに聴いてみたら思いのほか音が良かったのでこのところよくかけています。

高校生の頃に「Out of The Blue」を聴いてELOのファンになり、暫くリアルタイムでフォローしていましたが、83年の「Secret Message」と 86年の「Balance of Power」にはとてもがっかりさせられた思い出があります。ELOというと、きらきらするシンセの装飾音がめだちkitschyなところが好きでした。

SFテーマのいわゆるコンセプトアルバムである「Time」は、「Out of The Blue」と並び僕が最も好きなELOのアルバムです。個人的には、ELOの音楽はこの「Time」がピークであると思っています。贔屓目かもしれませんが、今聴いても新鮮さを失っていません。

デジタルの時代になって、なぜかELOのCDは音が悪く、LPもプレスによって当たりはずれがより大きく、我が家のオーディオがよくなるにつれて、かけるたびにがっかりすることが多かったのですが、このハイレゾファイルは、僕の昔の思い出の中の音質を超えたかという印象です。






2019年8月13日火曜日

Verona 2019 Arena Opera Festival / ヴェローナ野外オペラ音楽祭 2019


我々の友人でイタリア人のヴァイオリニストの方が、今シーズン、助っ人でヴェローナ野外オペラ音楽祭のオーケストラに参加しており、お誘いを受けたので、8月8日〜11日の間、妻と二人でヴェローナに行ってきた。



7日の夜、夜行寝台列車でウィーンを出発、翌朝6時半にヴェローナに到着。駅を出ると既にアイーダ。

ホテルまでは徒歩20分程度とのことだったので、歩く。チェックインし、荷物を預けて、部屋が空くまで、街を散策。




ホテルからほど近い、野外オペラの会場 「アレーナ」周りの広場には、舞台装置があちこちに…


リハーサルが2時に終わった友人と一緒にとった遅めの昼食後は、ぶらぶらと街を散策。


9日の夜はアイーダ観劇だったので、朝は早めに起きてしっかりと朝食をとった後、妻のお買い物に同行。セールの期間の最後だったので軒並み半額セールで妻は大収穫。僕は残念ながらレコード屋さんに巡り会えず…。リハーサルを終えたバイオリニストの友人と遅めの昼食ののち、夜に備えてお昼寝。



夕食代わりにエノテカで軽く飲んでつまんだ後、アレーナへ。今でも一万六千人の観客を収容できるという二千年以上前にできた闘技場を生かした舞台と演出のアイーダはまさにスペクタクル。歌と演奏は生(PA無し)。オーケストラは大編成、ソリストたちはオケに負けずに会場に歌を響かせられる声量。アレーナならではのスタンドの中頃の席でも(上の写真を’ご参照)十分な音量。演奏・歌唱ともにすばらくとても満足。終了後、友人を労わりホテルに戻ったら午前一時すぎ。


さすがに翌朝は起きるのが辛かったのだが、それでも8時半頃には起きて朝食。1日中ぶらぶらと観光。小さな街なので徒歩で見所はほとんど回れるのだが、連日気温が36度を超える猛暑でクタクタ。ヴェローナは美しい場所で、今まで行ったイタリアの他の街と比べると、とても綺麗で整然としているように感じた。

シニョーリ広場のダンテ像。彼はフィレンツェ追放の後、一時期ヴェローナに滞在していた








11日(日曜日)は、チャックアウトの日。友人に昼食をご馳走になった後、電車に1時間ほど揺られて、ボローニャに。駅からバスで空港まで行ったらなんと手荷物処理のシステム不具合とかで、人がごった返し、長蛇の列。余裕を持って行ったので、無事に飛行機には乗れたのだが、離陸待ちで遅れ、ウィーンの我が家に着いたのは夜の10時半過ぎ。幸い12日(月曜日)は回教の犠牲祭(イード・アル=アドハー)で職場はお休み。職場である国際機関の休日は年間10日あるのだが、それらを世界の主な祝日にどう割り当てるかは、いつも議論の対象となる。

今回の旅行の目的のオペラ以上にイタリアは何と言っても食が楽しみ。レストランに行くとついつい写真を撮ることより食べることに気が向くのでブログ用の写真がないのだけど、ヴェローナも美味しかった。暑かったので、アイス(シャーベットとシチリア発祥の氷菓子「グラニータ」)にはお世話になった。




楽しい長めの週末。誘ってくれた友人に感謝。彼女がいなかったらおそらくヴェローナにも野外オペラ音楽祭にも行くことは無かったのではないかと思っている。

ヴェローナ野外オペラ音楽祭の公式サイト: https://www.arena.it/




2019年8月5日月曜日

フォノイコ キット 作成中



今週のウィーンは、30度前後と暑さが戻るようです。

さて、9年近く前、アメリカを離れる際に買ってきて、まだ作っていなかったフォノイコ・キットを少しづつ作り始めました。もちろん、自分なりに色々と手を加えながらです。なぜ、今まで手をつけていなかったかというと、我が家のアナログ再生環境の問題を解決出来ずにいたからです。

家のアナログ再生はなぜか、音が全体的に左に偏る傾向があって、ウィーンに来てから、悩んであれこれ試していたのですが、それがやっと解決。 とても単純なことで、フォノイコの入力段の真空管のヒーター電源の配線を一対の組から左右に送っていたのを、左右個別、合計二組に変えただけ。ちゃんとキットの組み立て要領を元に配線していたので今まで疑問すら持たず、アームが悪いと思っていました。しかし、最近他のフォノイコを試す機会があって(こちら)、フォノイコのほうが疑わしくなり、開けて、ばらしていろいろと考え、調べた結果、疑わしきはヒーター電源の配線しか思い当たらず、こんなことで変わるか?と思いつつも変えてみたら大当たりでした。まあ、色々と調べると当然のようなことなので、自らの及ばないとろでもありますが、そんなこと最初から組み立て要領に入れといてくれと、いまさらながら文句の一つも言いたい気もします。

で、これがなぜ、8年以上眠らせていたフォノイコ・キットを作り始めさせるきっかけとなったかというと、2ヶ月ほど前に現役フォノイコの真空管を変えたこと(こちら)とも相成って、我が家のアナログ再生が俄然よくなって、欲がでてきた為。寝かせていたといえ、少しずつプレミア・パーツを集めていたのでちょっとワクワクです。オーディオ・マニアの性ですね。

再生環境が良くなったのでここ2ヶ月ほどの間、アナログ盤に散財してしまいました~。

ま、あせらず、ゆっくりとやっていますので夏の終わりごろにはできあがるかな? 


2019年7月25日木曜日

「木ですら涙を流すのです」Even A Tree Can Shed Tears: Japanese Folk & Rock 1969-1973

出典:Light In the Attic Records (http://lightintheattic.net/artist_press_images/)


今週のウィーンは最高が30度を超える夏の日が続いています。

もう一年半ほど前のことですが、NY タイムスの記事 ( https://nyti.ms/2iDzy2d ) を読んで買ったこの2枚組みレコード。主にアングラ・レコード・クラブ (通称: URC)などの日本のインディペンデント・レーベルから 1969~73年に出されたフォーク、ロックが収録されているこのコンピレーション・アルバムは自分にとってはとても新鮮でした。長い間、海外で生活していることもありますが、殆どの曲が初めて聞くものばかり。この時代、僕はちょうど小学校1年~5年生の頃なので、このレコードに収録されている曲になじみが無くても当然かという気もしますが、残念ながらその後も触れる機会がありませんでした。

僕も今までの60年近い人生の中、過ぎた年代の日本の映画・音楽といったいわゆるポップ・カルチャーに遭遇したのはいつも国外でした。黒澤明の「七人の侍」や小津安二郎「東京物語」を始めて観たのはアメリカで、80年代後半だった当事、黒澤/小津の映画監督としての経歴と彼らのフィルムグラフィーを含む映画について書かれた最も包括的な本はドナルド・リチー氏のものしか見当たりませんでした。そして、このアルバムです。灯台下暗しというか、自らの良いところが見えにくいというのは、日本だけのものではなく、アメリカでもとくに50~60年代のジャズに関しては、レコード・CDはあまり多く出ていなくて本も学術的な専門書以外、一般の人がジャズを知るための本というのは殆ど無く、日本に帰国するたびに本やCDを買って戻っていましたら、ある意味で人間の文化の本質的なところにあるものかもしれません。「青い鳥」や「オズの魔法使い」もそのようなテーマでしたね。

さて、このアルバムには以下の曲が収録されています:

遠藤賢司「カレーライス」
山平和彦 & ザ・シャーマン「そっと2人で」
金延幸子「あなたから遠くへ」
古井戸「ろくでなし」
加藤和彦「アーサー博士の人力飛行機」
はっぴいえんど「夏なんです」
西岡たかし「満員の木」
南正人「夜をくぐり抜けるまで」
浅川マキ「こんな風に過ぎて行くのなら」
布谷 文夫「水たまり」
細野晴臣「僕は一寸」
吉田拓郎「蒼い夏」
赤い鳥「竹田の子守唄」
愚「マリアンヌ」
斉藤哲夫「われわれは」
ジプシーブラッド「過ぎし日を見つめて」
はちみつぱい「塀の上で」
加川 良「ゼニの効用力について」
ディランII「男らしいってわかるかい」

立派な小冊子がついており、それには解説、それぞれの歌手・バンドの紹介、そして日本語の歌詞と英語での対訳が含まれています。日本という異文化のメンタリティーで書かれた示唆に富む歌詞がそのソウルを失わずにとても巧みに英訳されていると思いました。

Even A Tree Can Shed Tearsは一昔前の失われた名盤・珍盤・迷盤を発掘し正式にライセンスを取ったリイシューとして世に出しているアメリカ、シアトルのインディペンデント・レーベル、Light In The Atticが日本の過去の名作を復刻するシリーズ「Japan Archival Series」発足の第一作目。コンピレーション・プロデュースは Jake Orrall (DJ)、Yosuke Kitazawa (北澤洋祐) 同社Reissue Producer 兼フリーランス・ライター/編集者、 Matt Sullivan 同社創立者・共同経営者、そしてPatrick McCarthy, 同社 Project Manager and Reissue Producer(敬称略)とクレジットされています。ジャケットはイラストレーターの北澤平祐(きたざわへいすけ)氏、上述の北澤洋祐氏のお兄様だそうです。

ちなみに、前述のNYTimesに記事によると、このアルバムを出すにあったって一番大変だったのは、『こんなのがいまさら海外で売れるのか?』という懐疑心から版権を持つ日本のレーベルがライセンスすることを渋ったということだったらしいです。残念というかなんと言うか...。

第一作目に売れ行き・評判が良かったと思われ、同社からは次々と70~80年代の日本のポピュラー・ミュージックのコンピレーション・再発盤が発売されています。(海外在住の邦人を含む)海外の若者達によって、集められ、再び世に出され、紹介されている、これらの音楽を、まだ聴いたことが無い日本の若者から我々の年代の中年層までの方々に是非聞いていただき再発見して欲しいと思います。忘れられた宝物です。




関連リンク

Discogs Blog ”Your Guide To Japanese Music, By Light In The Attic’s Yosuke Kitazawa” 
https://blog.discogs.com/en/your-guide-to-japanese-music-by-light-in-the-attics-yosuke-kitazawa/

細野晴臣インタビュー:http://www.vinylmeplease.com/magazine/interview-haroumi-hosono-brian-wilson-japan/  

2019年7月18日木曜日

Bill Charlap Trio (ビル・チャーラップ・トリオ)コンサート




ウィーンは今のところ天候に恵まれ快適です。先週の土曜日(7月13日)の晩は、帰省している次女とBill Charlap Trioのコンサートに行ってきました。妻は友人たちと小旅行中なので二人。会場はPorgy&Bess。ピアニスト、ビル・チャーラップを支えるのはピーター・ワシントン、ケニー・ワシントン、元トミー・フラナガン・トリオのリズム・セクションであるとのこと。

ジャズが好きな今の職場の同僚に教えてもらったこのトリオ、往年のメインストリームなジャズに70~80年代のスパイスを加えたような他とは一線を画した独自なスタイルが面白いと感じています。

この日のコンサートは、ジャズピアノトリオの本流という感じで始まり、だんだんとノリが高まるにつれて独自のスタイルが前面に出てくる流れでした。

夏休みでウィーンの人々は街を離れているのか、お客さんは少なめでしたが、その分ジャズ好きとビル・チャーラップのファンが殆どだったようで、数を少なさを補って余りある熱く盛大な拍手と歓声を送っていました。

2019年7月14日日曜日

VH Audio V-Quad™ Cu24 と V-Twist™ Cu24ケーブル


24 AWG UniCrystal OCC 銅単線4芯スタークワッドのV-Quad™ Cu24 (https://www.vhaudio.com/ より引用)

今のところウィーンは、日中23度前後、夜は15度前後ととても快適な日々が続いています。 さて、今日は我が家のアナログ周りで使っているVH-Audio  V-Quad™ Cu24 とV-Twist™ Cu24ケーブルの紹介。

日本ではおそらく 馴染みがないVH Audioは、2000年代初めにインターネットで自作ケーブルの作り方を紹介していたChris VenHausが、あまりの反響に応えるために起こしたネットショップ。今では自社ケーブル、独自に開発した自社ブランドのコンデンサー、各種アクセサリー、自社開発・特注の配線材等を自作派やメーカーに販売するまでに成長しています。欧米では非常に高い評価を受けているブランドです。VH Audioの製品は僕好み音質傾向なので、もう15年近く、愛用しています。

V-Quad™ Cu24は、上のイラストのようにフッ素発泡樹脂で被覆した24 AWG UniCrystal OCC (単結晶OCC)銅単線4芯スタークワッドで構成されたケーブル。実際には下の写真のように見えます。


僕は、このケーブルをターンテーブル(こちら)から昇圧トランス(こちらこちら)そしてフォノイコとの間に計2組使っています。このケーブルはシールドされていないので、両方ともハム対策でシールドを施しました(こちら)。 一般的にシールドされていないピンケーブルのほうが僕好みの音であるほうが多いのですが、ハムを抑えるためには仕方ありません。RCAプラグはEichmann Silver Bullet、KLECopper Harmony (こちら) 、とWBT - 0102 Cu を試した結果、WBT - 0102 Cuのほうが僕の好みでした。

4 AWG UniCrystal OCC (単結晶OCC)銅単線2芯のV-Twist™ Cu24 (https://www.vhaudio.com/ より引用)

フッ素発泡樹脂24 AWG UniCrystal OCC (単結晶OCC)銅単線2芯で構成されてV-Twist™ Cu24はフォノイコとプリアンプの間に使っています。上のイラストでは4芯のように見えますが、2本と導線と2本テフロンスタビライザー(実際には太目の釣り糸のように見えます)を撚って作られています。こちらのほうはシールド無しで使用。プラグはWBT - 0102 Cuです。

肝心の音ですが、V-Quad™、V-Twist™共に中庸でバランスの取れたストレートで素直な音質のケーブルだと思います。僕がDAC-プリアンプ間とプリアンプーパワーアンプ間につかっているVHオーディオの木綿被覆OCC銀単線で作ったケーブル(後日紹介します)のほうが帯域レンジ感が広く、解像度の若干高い気がします。しかし、比較しなければV-Quad™、V-Twist™共に十分に満足のいく音です。エージングには時間がかかるほうだと思いますが、それが終わると煩さもまったく無く、自然な音で音楽を楽しめるケーブルだと思っています。

V-Quad™ と V-Twist™を比べると同方向の傾向ながら、前者のほうがより落ち着いて豊かで滑らかな音、後者はより解像度が高く、機器・音源の違いをハッキリと聞き分けやすい音であるかと思っています。どちらかというとV-Quad™のほうがより僕の好みかな。しかし、いずれもお勧めです。



2019年7月9日火曜日

スピーカー・ケーブル 上がりか(?) NVA -TSCS



ちょっと前に、NVA(Nene Valley Audio)のスピーカー・ケーブルLS6を導入したことを書きました(こちら)。 実は、そのブログの記事掲載のすぐ後に同社のフラッグシップであるTSCS(The Speaker Cable Statementの略)にアップグレード交換して。3ヶ月ほど使っています。

LS-6が、片チェンネルの+とーそれぞれが20本銀メッキ絶縁単線と細め銀合金絶縁単線28本で作られたスピーカー・ケーブルであるのに対し、TSCSは銀合金絶縁単線156本で作られたケーブル(具体的な素材は未発表)。それにTSCSには上の写真のようにシールドが施されています。

エージングに結構時間がかかりましたが、システムの音が全体的に向上したと思っています。LS-6のとき同様に顕著にどこがどうなったという言い方は難い変化なのですが、音楽性があがって多少劣る録音でもより楽しく音楽にのめりこんで聴けるようになったということと、より解像度が上がって音数も上がりオーディオ的興味もより満たせるようになったという印象です。これら2点は、自分の経験では相反するトレードオフ・ポイントのようで両方同時に高いレベルに保つことが難しく、どちらかというと不満が少ない妥協点を見つけるということに腐心していましたが、TSCSはこれらをほぼ妥協せずに両立させることができたスピーカー・ケーブルかと思っています。安いケーブルでは無いですが、今までいろんなケーブルを試してみた経験からすると類い稀なケーブルで、同等なレベルのものは少なくとも自分はこの数倍の価格のものしか聞いたことがありません。

とても悲しく残念なことに、NVAの創設者で事業主であったRichard Dunn氏は5月にお亡くなりになられました。RIP, Mr. Dunn.

今後、事業は継続するのか、後継者が誰になるのかが決まっておらずそれまでは営業休止中となっています。 同社のHPはまだアップされています。

NVA HiFiのHP: https://www.nvahifi.co.uk/

2019年7月3日水曜日

V-Cap CuTF (銅箔 テフロン)フィルムコンデンサーを 追加導入



ウィーンを襲った熱波は今週月曜日(7月1日)がピークでなんと38度まで気温が上がり、同日午後の夕立の後、とりあえず収まりました。予報によるとこれから数日は最高が27度前後、最低が15度前後の気温のようです。ほっと一息つけました。

先週の土曜日(6月29日)は熱波の最中にちょっとだけ気温が下がったので、パワーアンプのカップリングコンデンサ(後段部分)2個を3年以上まえに取り付けたJupiterの銅箔・オイルペーパーコンデンサ(こちら)からVH-Audio V-Cap CuTF (銅箔 テフロン)に交換しました。VH-Audio社がV-Capの北米で流通をすべて直売に切り替えたことによるPartsConnexionの在庫処分で45%引きだったのでついつい...ポチってしまった次第。

最適な音質に至るエージングに400時間かかるといわれているCuTFなので、音の変化を評価するには早すぎるのですが、とりあえずの印象としては低域に締まりと深みが出た感じで、解像度の若干上がったのか音数が少しだけ増えたような気がします。バイオリンやチェロなどはやや固めで細身の音ですがこれは経験上エージングでかなり向上すると思います。今のところ全体的に大きな変化というよりは漸進的な向上という感じです。もっと、ハッキリと解像度が上がり音数が増えるかなと思ったのですが、ちと、期待はずれ。エージングに望みを託します。

下のリンクで過去のブログの記事を読んでいただけると分かっていただけるかとも思うのですが、欧米で評価の高いハイエンドの(当然ながら価格もですが...)フィルム・コンデンサをいくつか使ってみた、とりあえずの自分なりの結論ですと、厳密にいって絶対的に良いのがVH-Audio V-Cap CuTFと Duelund社のCAST PIO Cu/Ag(銅・銀箔・オイル/蝋紙、こちら)。これら2種は甲乙つけがたくどれが良いかは、好みとオーディオシステムとの相性次第だと思います。僕はDuelund社のCAST PIO Cu/Agのほうがより好みですが、その形状と大きさから取り付けできないことも多いかと思います。我が家のパワーアンプには無理なのでV-Cap CuTFがベストチョイス。

ジュピター・コンデンサ社の銅箔・オイルペーパーコンデンサの音質は上述ベスト2種のコンデンサに肉薄、しかもこれらの3種の中で最も小型。価格も半分以下なので最高のコストパフォーマンスといえるでしょう。

本ブログのコンデンサに関する記事:

VH-Audio V-Cap CuTF (銅箔 テフロン コンデンサ):
http://isakusphere.blogspot.co.at/2012/10/vh-audio-v-cap-cutf.html

http://isakusphere.blogspot.com/2016/02/vh-audio-v-cap-cutf.html

プリアンプ用カップリング・コンデンサー3種比較:
http://isakusphere.blogspot.co.at/2013/03/blog-post_17.html

ムンドルフ・銀箔・オイル・フィルム・コンデンサ:
http://isakusphere.blogspot.co.at/2014/01/mundorf-supreme-silver-in-oil-capacitor.html

ClarityCap MR :
http://isakusphere.blogspot.co.at/2014/04/claritycapmr.html


Duelund Silver Copper 銀・銅箔ハイブリッド コンデンサ:
https://isakusphere.blogspot.com/2017/05/duelund-silver-copper.html

Jupiter CU PIO / ジュピター・コンデンサ社銅箔・オイルペーパーコンデンサ:
https://isakusphere.blogspot.com/2016/08/jupiter-cu-pio.html

VH Auidioのサイト: http://www.vhaudio.com/

PartsConnexionのサイト:https://www.partsconnexion.com/

2019年6月27日木曜日

熱波到来!  暑い~...


サハラ砂漠から強い熱風が吹いてきて、ヨーロッパ各地で観測史上最高気温を更新中。

昨日、ウィーンの気温は36度まで上がりました! 我が家を含め、ほとんどの家庭はクーラーが無く、多くの店舗・レストランも同様なので大変です!

通常は多くの日光浴者で賑わう近所のジークムント・フロイト公園(写真上)も さすがにみんな木陰にいました。でも一人だけ日向に...

この暑さはあと数日続きそうです。
Heatwave map of Europe, showing forecast temperatures
出典:BBC https://www.bbc.com/japanese/48781665

2019年6月17日月曜日

ヒラリー・ハーン バッハ無伴奏リサイタル ・ Hilary Hahn Bach Unaccompanied Solo Recital


ウィーンは昨日からやっと暑さが和らぎ今日は最高気温が26度です。

さて、先週の木曜日(6月13日)は、妻と二人でヒラリー・ハーンのリサイタルに行ってきました。会場はコンツエルト・ハウス、モーツァルト・ザール。プログラムは、JSバッバ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータから:

ソナタ第2番イ短調 BWV1003
パルティータ第3番ホ長調 BWV1006
ソナタ第3番ハ長調 BWV1005

アンコールは、JSバッバ パルティータ第2番ニ短調 BWV1004の第3楽章「Sarabande(サラバンデ)」と第4楽章「Gigue(ジーグ)」

このリサイタルは、ヒラリーが未録音であった、ソナタ1番、2番そしてパルティータ1番を収録したレコーディングの発売に合わせ行ったバッハ無伴奏演奏世界ツアー最終日。ウィーンではツアー初日の2018年10月9日に行ったリサイタル(こちら)の続きです。

このリサイタルの前夜(6月12日 水曜日)には、同じくコンツエルト・ハウスで開かれたヒラリー・ハーンがバッハ無伴奏について語るというイベントにも行ってきました。その際にも ソナタ第2番を演奏、アンコールはパルティータ第3番 第7楽章「Gigue(ジーグ)」でした。ヒラリーが語ったことで特に強い印象を受けたことは以下の通りです:JSバッバ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの楽譜には演奏記号がほぼ皆無であるので、演奏家はどう弾くかという多くの判断を迫られる。彼女の場合はいろいろと試すも最終的には自らの直感に頼り自分らしさが出る表現を選ぶとのこと。ただし、それは毎回同じではなく、コンサート会場とお客さんの雰囲気で代えることも多いとのこと。ただし、これは観客の望む表現を忖度するということではなく、いかに曲に弾きこむかを考えてやるとのことで、例として、観客の集中力が散漫であると感じたときには敢えて弱くソフトに弾いて顧客の傾注を促すといったことだとのことでした。

リサイタル当夜の演奏は、去年10月の演奏よりもさらに感激的で、3曲目が終わると客席は大喝采。アンコール2曲を弾き終えた後は、いつも通りのサイン会。毎回同じことを書きますが、いつでも疲れも見せずににこやかにファンに対応してくれるヒラリーには感服の極みです。僕たちは、12日のトーク・イベントのあとに、バッハ無伴奏のLPとプログラムにサインを頂きました。

6月12日のトークイベントで

ヒラリー・ハーン公式HP: http://hilaryhahn.com/

僕が好きなヒラリーのCD:

2019年6月10日月曜日

Audirvana 3.5.11 for Mac を試しています。



http://www.highresmac.de/より引用

ウィーンは相変わらず暑い日々が続いています。今週末には35度になるとの予報!

さて、ここ2週間ほどAudirvana 3.5.11 for Macを試しています。今年4月の終わりにリリースされた3.5は、コードをすべて書き換え、音質が向上との謳い文句でしたので、重い腰を上げてアップグレードしました。3.1.X以降、我が家のシステムでは、どうもアップグレードのたびに音質が落ちるような気がして去年ダウングレードして(こちら)以来ずっと3.0.6を使っていました。そんな訳で、今回は3.0.6と関連ファイルのバックアップを取りいつでも戻せる体制で挑みました。

Audirvana 3.5for Macは、UI (User Interface・ユーザー・インターフェイス)が大幅に変更。Windowsバージョンとの整合性を取った結果のようです。慣れの問題かも知れませんが、今までのシンプルなUIのほうが個人的には好ましく思えます。一部、ナビゲーションにバグが残っているように見受けました。

あとは、ロゴが変わり、名称がAudirvana+から+無しのAudirvanaに変更されています。

肝心の音質ですが、3.0.6とは受ける印象がそれなりに違います。我が家のシステムですと明らかな大きな違いではありません。どちらかというと情報量が増えて、全体的により洗練され落ち着いた感じです。いろいろと聴いて一番感じたのは、音の実体感が若干あがったなか?と言う事です。ライブ・レコーディングの音場感、優秀録音のアコースティック楽器がよりリアルに聞こえます。あと、Qobuzなどのストリーミングの音質が全体的に上がった気がしました。まあ、今のところ、好ましく無いという印象は受けていないのでしばらく3.5を聴いていこうかと思っています。

すでにAudirvana+ 3.0.X、3.1.X、3.2.Xをお使いの方は、アップグレ-ドが無料で出来るので試される価値はあると思います。

AudirvanaのHP: https://audirvana.com/product/


追伸:


Forecast Image
今日(6月10日)の最高気温 https://climatereanalyzer.org/ より引用