2015年10月31日土曜日

Leica M9 が やってきた (中古ですが...)


前に書いた、写真集とレンズの処分(こちらこちら)は、M9を入手する為のことでした。レンズと写真集のほかにもM8のボディー、コシナ・ヴォクトランダーのレンズ、若干のアクセサリーも下取りに出しました。ライカショップ(こちら)にもっていった際、お店にはM9の在庫が無く。M(Type 240) なら中古をさらに3割引するよ~(近々、M240の後継機が出るとの噂は本当なのか?)といわれたけど、それでもM9中古の相場価格より6割以上高かったので、M9の中古が入荷したら連絡をくれることで話がついた。なんにも連絡が無いので先日電話してみると一点入荷があったとのこと、早速、オフィスを早引けしてお店に行ってきました。仕事を早引けするほどの事かって? オーストリアではお店は早く閉まるので仕方の無いことなのです。しかも、休日は当然のこと土曜日も空けていないところが多く、ライカショップもご多分に漏れず、平日午前10時から午後6時まで、中古部門は土日、休日はお休み。隣りだけど別店舗になっている新品のセールス部門のみ土曜日半日営業なのであります。

心ワクワクで行ったのですが、現物を見てみてちょっとカッガリ、だいぶ使い込まれた個体でした。でも在庫はこれしか無いし、更にまけてくれると言ったので、購入することに(といっても、当方の持ち出しは処分した機器と写真集のみ)。ついでにElmarit 21mmF2.8もゲット。レンズの方は箱無しの新古品でした。ライカショップ経営者のピーター氏がライツカナダ(通称ELCAN)の在庫を最近すべてひきとってきたとのこと。こちらもだいぶ勉強してもらいました。ピーター氏曰く、ELCANは当時からライツ米軍向けの軍事用光学器機の製造も担当していたとのことで製造技術はドイツ本社に勝るとも劣らないものであったそうです。

ライカのレンズをフルフレームで使えるというのは良いですね。35mmを35mmの画角で使えるのはうれしいです。APS-HサイズのM8だと45mm相当でしたから...。写真を撮るのがまた楽しくなってきそうです。

尚、写真集の内の一冊はライカショップのオークションに出品することになっています。ご興味のある方は是非こちらをご覧下さい:http://www.westlichtauction.com/fileadmin/kataloge/photoauction13.pdf


ライカショップのHP:https://www.leicashop.com/

2015年10月28日水曜日

秋のウィーン




今月の始めは急に冷え込んで、ずっと曇りで薄暗く雨のよく降って、木々もまだ緑なのに今年は秋をすっ飛ばして冬になるか?と思わせられたのですが、先週末頃から例年の秋の気候になってきました。最高気温が12〜15度程度、最低が8度前後です。 先週末で夏時間が終わり、日もだいぶ短くなってきました。

2015年10月24日土曜日

Leitz (Leica) Summilux/ライツ(ライカ)ズミルクス 50 1.4 最初期型と第2期型を売りに出した




先日、写真集を処分することにしたと書きましたが(こちら)それと一緒にレンズも2本売りに出しました。それが写真のライツ(ライカ) ズミルクス 50mm F1.4。前モデルとされるズマッリット50mm F1.5のレンズ構成を引き継いだと言われる最初期型(上の写真の手前)と 1966年頃から発売された、当時新設計の第2期型(上の後方)。外見はほとんど同じですが中味は全く別ものです。それぞれマッチング・フードとキャップ、UV フィルターつき。ちなみに、このレンズは特別仕様の薄くて表の枠に出っ張りの無いフィルターでないの(判りづらいかもしれませんが下の写真)フードを取り付けることが出来ません。あらかじめこのような設計したのか、後でつじつまを合わせたのか判りませんが、このような変わったところ(idiosyncracy)は、ライカファンの心をくすぐる物であるのは事実です。


特に第2期型の光学性能は非常に優秀だったようで、非球面・フローティング・エレメントの新ズミルクス50mmF1.4ASPHが2004年にでてくるまで、基本的には同じレンズ構成が引き継がれて行きました。勿論、コーティング等は進歩して変わってくるのでレンズの描写(特にカラー)は60年代のモデルと90年代モデルとではだいぶ違いがありました。

僕はズミルクス50mmがとても好きなレンズで一時期ASPHを含め5本の異なるバージョンを持っていたことがありますが、一番好きだったのが第2期型と第3期型でした(基本的には同じ物ですが第3期モデルはブラック・クロームです)。描写に関しては、僕が持っっていた個体での比較では第2期型と第3期型(70代生産)とではあっけないほど同じ描写でありました。もちろん、銀塩フィルムでの比較です。

左から年代順。
上の写真は2009年3月に撮影したもの。M8購入の為に一本下取りにだすことに決めたときの記念撮影。今手元にあるのは中央の第3期型のみとなってしまいました。

2015年10月21日水曜日

Mozart Piano Sonatas by Walter Gieseking /ヴァルター・ギーゼキングのモーツァルト/ピアノソナタ全集


もう一月ほど前のことですがちょっと立ち寄ったレコードショーで見つけたLP集。前から欲しかったのですが特に珍しいものではないと思うのだけど中古レコード屋では見つけられず、時々eBayで入札するもなぜか値段が僕が払いたいと思う価格よりいつもだいぶ高くなって競り落とせずにいたレコード。5枚組、全19曲です。一枚、一カ所だけ傷があったのでどうしようか悩んだのですが、ついていた値札が12ユーロでしかもクラシックはすべて値札の半額と書いてあったので、一応買っておくことにしました。少しづつ聞いていますが、期待に違わぬ演奏に大満足。1953-54年の録音のようですが、音も悪くありません。傷も聞いていて我慢できる範囲なのでよかった。今まで買ったDacapoのロゴのついた復刻版LPには音の良いのが多かったですがこれもその例に漏れませんでした。

だいぶ前にNY Times がマレイ・ペライアや内田光子の自己表現をふんだんに盛り込んだ演奏に対し、ギーゼキングのあまりにもシンプルで自己を消し去ったかのようなピュアな演奏は、彼が(モーツアルトの)音楽そのものに対する絶対的な信頼を置いて、曲そのものにその美しさを語らせているかのような演奏と評していましたが(筆者による要約・翻訳)、まさにその通りの素晴らしいレコーディングだと思います。
(”Review/Music; Playing Mozart Sonatas With 2 Opposing Styles By Edward Rothstein, New York Times, October 19, 1991:  http://www.nytimes.com/1991/10/19/arts/review-music-playing-mozart-sonatas-with-2-opposing-styles.html

CDもでてますがアマゾンではプレミアムがついているようですね...。

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2015年10月18日日曜日

Brendan Goh Cello Recital / ブイレンダン・ゴ リサイタル



昨晩 (10月17日 土曜日)は、16歳の新進チェリスト、Brendan Goh (ブレンダン・ゴ)のリサイタルに行ってきました。妻は帰省中で娘は友達の誕生日とのことで僕一人。シンガポール出身でウィーンで学んでいるブレンダンは今年の6月に初めて聴いて以来 (こちら)注目している音楽家です。会場は St. Johannes Nepomuk Kapelle (ネポムクの聖ヨハネ教会)。 ウィーンシフラ財団主催、国際シフラ財団協賛のコンサート・シリーズの一環。ピアニストは同じくシンガポール出身の Joo Ann Koh プログラムは:

Boccherini  Cello Sonate No.6
Dawidow: Allegro de Concert a-moll für Violoncello un Orchestra Op.11
Brahms: Rhapsodie h-moll, op.79 No.1 (piano solo)
Brahms: Cello Sonata No. 2, op.99

音楽的も心の琴線に触れる素晴らしい演奏でした。ブレンダンを聴くのは今年の6月以来これで3度目ですが、 聴くたびに、技術も音楽性も大きく成長しているのには驚かされます。才能に富んだ伸び盛りのブレンダンの音楽家としての成長を見届けられるといいなと思っています。

Brendan GohのデビューCD:http://ml.naxos.jp/album/ARS38752




2015年10月14日水曜日

Piano Recital by Ingrid Marsoner (イングリッド・マルソナーのピアノリサイタル) 



ウィーンは先週の金曜日の夜から急に寒くなって昨晩は氷点下。まだ木々の葉は緑が多いのですが、秋を飛ばして急に冬になった感じです。

もう一週間たってしまいましたが先週の水曜日(10月7日)は、Ingrid  Marsonerの
ミニ・リサイタルに行ってきました。会場はAltes Rathaus(旧市庁舎)Barocksaal、プログラムは
シューベルト (歌曲をピアノにアレンジしたものでしたが曲名を失念)とベートーベンピアノソナタ28番 Op.101。前にも書きましたが (こちら)私と妻は偶然にラジオで彼女のゴールドベルグ変奏曲を聴いて以来のファン。そんなに有名ではないこともあるのか、ウィーンでのリサイタルはあまり行われないようで、生で聴いたのはこれがはじめて。彼女のCDをだしているウィーンのインディペンデント・クラシック・レーベルのグラモラ(Gramola)主催で入場料は無料。

好きなピアニストなので当然ではあるのですが、素晴らしい演奏でした。特にベートーベンは印象に残りました。親しみがあまり無かった曲だったので、家にかえってから他の演奏家のも聞いてみましたが、マルナソナーは彼女なりに消化して、自らのスタイルを入れた良い演奏だったと確認できたような気がしました。いまさらですがベートベンの後期の作品には斬新なものが多かったのだということも再確認できました。

思っていたよりもだいぶ小柄で内気な感じのするマルソナーさんでしたが、アンコールで感極まったのか突然弾けなくなったアクシデントもあったのですがいいリサイタルでした。

もっていなかったCDを一枚お土産に買って雨のウィーン旧市街のなかを帰途につきました。

マルソナーのHP:http://www.ingridmarsoner.com/

ナクソスのストリーミングサイトで彼女の作品が聴けるようです:http://ml.naxos.jp/artist/158654

マルソナーのCD::


2015年10月9日金曜日

リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団+ ラドゥ・ルプ コンサート (Concert byt Leipzig Gewandhaus Orchestra, Riccardo Chailly(conductor), Radu Lupu (piano)




今週の月曜日(10月5日)の晩はリッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートに行ってきました。次女が音楽理論を習っている音楽家の先生が都合が悪くなったからとチケット頂いてきて、二人でいってきました。会場は楽友協会大ホール。プログラムは以下の通り:

Richard Strauss:  "Don Juan" -  Tone poem by Nikolaus Lenau for large orchestra, op. 20  (ドン・ファン)

Wolfgang Amadeus Mozart: Concerto for Piano and Orchestra in C major, K. 467  Concerto for Piano and Orchestra in C major, K. 467 (ピアノ協奏曲21番)

Richard Strauss  ”Ein Heldenleben” -  Tone poem for large orchestra, op. 40(英雄の生涯)


ピアノはラドゥ・ルプ(Radu Lupu)。

おそらく、楽友協会でシャイーが指揮するゲヴァントハウス管弦楽団を聴ける機会は暫く無くなるかもしれません。ご存知だと思いますが、今年1月からバレンボイムの後任としてスカラ座の音楽監督に、そして8月にはアバドの後任としてルツェルン祝祭管弦楽団の音楽監督任命されたことがあって、シャイーは任期半ばですが今シーズンを最後にゲヴァントハウス管弦楽団の楽団長を辞任することを発表しました。

僕は、ラドゥ・ルプが好きなのですが機会に恵まれず、ライブで聴くのはこれが初めて。わくわくと期待していきましたが、特にこれは!ということが無かったのでちょっとガッカリ。でもストラウスの演奏は良かったです。特に後半の「英雄の生涯」にはどっぷりと引き込まれました。



ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のHP: http://www.gewandhausorchester.de/

楽友協会HP (日本語): https://www.musikverein.at/?lang=jp

僕が好きなルプのCDです。特にシューベルトは僕のお気に入り、お薦めです:




2015年10月7日水曜日

Lee Friedlander(リー・フリードランダー)の希少な写真集2点ー「American Monument」と「CRAY at Chippewa Falls」 


アメリカに住んでいたころ、一時期写真集の収集を始めたことがあった。この2冊はそのときに買い求めたもの。当時はまだプレミアが殆ど付いていなくて普通の値段で買えた。僕の持っている写真集の中ではもっとも価値のあると思える2冊だが、ちょっと考えあって手放すことにした。

Lee Friedlander(リー・フリードランダー)は、アメリカを代表するファインアート・フォトグラファーの一人で、70年代の日本で起こったコンホラ写真・ムーブメントを触発した写真家の一人でもある。 

The American Monument はFriedlanderがアメリカ各地の名所・記念碑をとったもの。超大型の本で豪華な装丁で2000部限定の初版本200枚の写真がそれぞれ一ページ・片面のみで収録されている。CRAY at Chippewa Fallsは、1970~80年代に当時世界の頂点に立っていたスーパー・コンピューター・メーカーのCRAY Research(クレイリサーチ社)がその15周年記念に、Friedlanderに依頼し同社とその本社・工場所在地のChippewa Fallsを題材とした写真集を創り、従業員に配布したもの。したがって非売品。Friedlanderのサイン入り。

考えてることは何かって? それはうまくいって時のお楽しみ。

Lee Friedlanderについて
http://www.atgetphotography.com/Japan/PhotographersJ/Friedlander.html

「CRAY at Chippewa Falls」に関して:https://translate.google.at/translate?hl=ja&sl=en&u=http://museum.stanford.edu/news_room/friedlander.html&prev=search

アマゾンに出品されているフリードランダーの写真集へのリンクはこちらフリードランダーの写真集


ちなみに、Lee Friedlander は60年代にNYでレコードのジャケットの撮影をして生計を立ていてようです。アトランティックのコルトレーンやミンガスの有名なアルバム、ベラフォンテのカーネギーホール・ライブなど。暇なときにでもレコード・CDのクレジットを見て調べてみてください。

2015年10月3日土曜日

佐渡裕とニーダーエスタライヒ州トーンキュンストラー管弦楽団音楽監督デビューコンサート



一昨晩(10月1日)に佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団のコンサートに妻と二人で行ってきました。氏の音楽監督就任後、初の演奏会です。会場は楽友協会大ホール。もともとのプログラムではマリア・ジョアン・ピリスとのモーツアルトのピアノ協奏曲が入っていたのですが、彼女が公演直前に病気でキャンセルしたので、プログラムが以下のように変更されました。ピアニストは22才の新人、ベアトリーチェ・ラナ。

Joseph Haydn Symphonie D-Dur, Hob. I:6, „Le Matin”
Ludwig van Beethoven Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 C-Dur, op. 15
Johannes Brahms Symphonie Nr. 4 e-Moll, op. 98

僕にとっては今シーズ初めての楽友協会でのコンサート。出だしのハイドンで久しぶりに楽友協会で聴くオーケストラの音のよさに感激。 でも演奏に関して言えば、正直いってちょっと期待はずれで残念。自分としてはピリスとのモーツアルトが本来のお目当てだったということも影響しているのかもしれませんし、知り合いの音楽家から佐渡裕とトーンキュンストラーはすごく良かったときいて期待しすぎていたのかもしれません。とくにブラームスは出だしが危うく第一楽章のおしまいごろから持ち直してきたというところもありました。妻曰く、「...特にどこが悪いというんじゃ無いけど、味のある演奏では無かったね...」 まさに言いえて妙だと思いました。

ニーダーエスタライヒ州トーンキュンストラー管弦楽団は様々なオーケストラがあるウィーンにおいっても根強い忠実なファン層をもつと言われるオーケストラ。音楽監督が変わるに際し、トーンキュンストラーは様々な指揮者と演奏したのちに一番相性がよかったと判断された佐渡氏が選ばれたとの事。僕と妻にとっては、佐渡氏の指揮を聴くのもトーンキュンストラー管弦楽団を聴くのもはじめてなので、たまたまこの日の調子が悪かったのかどうかわかりませんが、音楽監督が正式に変わってからはじめての演奏会でものあるので、今後に躍進に期待します。

ベアトリーチェ・ラナに関して: http://www.pianohihyou.com/beatrice-rana

ベアトリーチェ・ラナHP: http://www.beatriceranapiano.com/

佐渡裕ファンサイト:http://yutaka-sado.meetsfan.jp/

トーンキュンストラー管弦楽団HP: https://www.tonkuenstler.at/en