2012年12月30日日曜日

Rachel Podger(レイチェル・ポッジャー): Mozart Violin Concerti, Sinfonia Concertante ハイレゾ音源




クラシックのハイレゾ音源でお気に入りの一つ、Channel Classics からでているRachel Podger の「 Mozart Sinfonia Concertante/Haydn Violin Concerti」

Rachel Podger(レイチェル・ポッジャー)は、イギリスのバイオリストで古楽器演奏で有名です。僕は、だいぶ前に彼女のStravaganza: Violin Concerti Op 4 1-12 とバッハの無伴奏を聞いて彼女のファンになりました。いずれのCDも演奏も演奏も僕は大好きです。とくにバッハの無伴奏は愛聴盤で何度聴いてもバッハの音楽と彼女の演奏に引きずり込まれて行きます。

僕はチャネルクラシックからの24/192ファイルのダウンロード。 特にHaydnのバイオリン協奏曲はすばらしい音と演奏です。ただ、メインのモーツアルトはいい演奏ですが、音質はハイドンに及びません。ライナーノートを見るとハイドンとモーツァルトでは録音会場も録音機器もエンジニア(録音・マスタリング)とも同じなのですが録音日が数ヶ月も離れていました。これで音や演奏にこれだけの差がでるのですね。演奏が違うということは判らないでもないのですが音もこれだけ違ってくるとはちょっと驚きでした。PCMダウンロード以外にも、 DSDダウンロード、ハイブリッドSACDも発売されています。このハイドンは、ステレオシステムの可能性をフルに発揮させてくれる筈です。

Rachel Podgerのプロファイル-Channel Classic Recordsのサイト: http://www.channelclassics.com/productmedia/profile/view/id/3 

Channel Classic Recordsのハイレゾ音源ダウンロードのサイト:
http://www.channelclassics.com/high-resolution-audio-downloads.html
残念ながらバッハ無伴奏のハイレゾ音源はまだ出ていません。






2012年12月27日木曜日

Haunted Heart - Eddie Higgins Trio ・「魅せられし心」 エディ・ヒギンズ・トリオ 




Haunted Heart
僕が持っているのはこのアメリカ盤、日本盤アルバム名は「魅せられし心」です。

長い一日のあとの夜、静かに音楽に浸りたい、あまりホットでなくかといってあまったるくない音楽。 そういう感じのときに良く聴くアルバムの一つがこれ。リリカルで美しく知的でほんの少しセンチメンタル、そしていい感じにスイングしてます。2009年に亡くなった、エディ・ヒギンズは1950年代にシカゴで活動を始め、多くの著名ミュージシャンのレコーディングに参加し、自らのアルバムも多く残しているものの日本での知名度に比べると欧米では あまり知られていないピアニスト。僕も日本の雑誌で初めて彼のことを知りました。かれの古いレコーディングを探して聴いてみましたが、個人的には1990年代以降に日本のビーナス・レコードに残したレコーディングが彼の頂点ではないかと思います。音質も最高で僕のオーディオ試聴の定番の一つです。




2012年12月24日月曜日

Merry Christmas

ウィーンからクリスマスのお喜びを申し上げます。

シュテファン大聖堂前

焼き栗売りの屋台











 クリスマスツリーを街のいたるところで売っている


旧市街のデコレーション



2012年12月20日木曜日

Audirvana Plus 1.4 / 1.4.1 (12/21 追記!)

家でもここ一週間ほどAudirvana Plus 1.4.1 を試しています。最終ベータ版の1.3.9.11と比較してもハッキリと判る音の違いです。

第一印象としてはより情報量が多く、キレがあってエッジの立った音で録音がよりストレート/ダイレクトでクリアに再生されるというような感じがします。弦楽器の音が細く・やや神経質に感じられることが多くなったようなう印象も否めません。音源の良し悪しが今まで以上により強くハッキリと現れる感じもします。最終ベータ版は1.4に比べちょっとまろやかでややベールのかかったような音のようにも感じられますが心地良い聴き易さがある事も否めません。自分はどっちが好きなのか決めかねているというのが今の正直な気持ちです。どっちもそれなりに良いし、あら捜しをすればどちらにも気に入らないところが見つけられます。しばらく1.4.1だけで時間をかけて様々なレコーディングを聴いてみて不満を感じるようになるかどうか試してみようかと考えています。

作動にかんして
うちではベータ版が8月ごろのリリース以降とても安定して動いていたのですが1.4をインストールしてすぐに問題が起きました。使用しているAudio DeviceはDirect Modeをサポートしていないというエラーがでて、Direct Modeを切っても再生が途中で止まったりしました。iTunes Integrated Modeでないと問題が起きないことがあったので、ふと思いついて11にアップデートしていなかったiTunesをアップデートしたらなぜかエラーがほとんど起きなくなりました。一応エラーはDamienさんに報告しDebugレポートを送っておきました。その後にでた1.4.1にアップデートしたら今のところ安定して動いています。尚、OSはSnow LeopardでDAC はWeiss DAC2です。

Audirvana サイト :http://audirvana.com/


追記 (2012年12月21日)
上記を投稿して後にまた問題が発生。何が問題か見極めようとエラーを再現できる条件を探るうちに他の再生ソフトでも似たような現象が起きたので原因はAudirvana Plus 1.4.1では無いのではないかと判断しました。

この時点でもしからしたらWeiss DAC2の問題ではないかと考え、漫画だとスーと影が顔を斜めに横切る状態の気持ちなってしまいました。気分を持ち直して考え、自分でできる範囲はドライバー設定かファーム・ウェア(夏に修理に出したこともあり再アップデートが必要?)だからそれをいじってみようというところにたどり着きました。結論からいうと、Weiss Firewire Driver を再インストールした段階で問題が無くなりました。これでめでたしとなると良いのですが...。

2012年12月19日水曜日

Joshua Bell (ジョシュア・ベル) コンサート


12月10日 月曜日は、Joshua Bell (ジョシュア・ベル)のリサイタルに行って来ました。伴奏は、Sam Haywood(サム・ヘイウッド)、会場はコンツェルトハウスのモーツァルト・ザール。子供達は学校の宿題が大変だとのことで妻と2人。プログラムは:

Franz Schubert Rondo h-moll D 895 für Violine und Klavier «Rondo brillant» (1826)  

Richard Strauss: Sonate Es-Dur op. 18 für Violine und Klavier (1888)  

George Gershwin: Drei Préludes (Bearbeitung für Violine und Klavier: Jascha Heifetz) (1923-1926 
ca.)  

Sergej Prokofjew: Sonate D-Dur op. 94a für Violine und Klavier (1943/1944)  

アンコール曲
Pablo de Sarasate : Zigeunerweisen op. 20 für Violine und Klavier (1878)  

Frédéric Chopin:  Nocturne cis-moll op. 27/1 (Bearbeitung für Violine und Klavier: Joshua Bell) (1835)  


彼を見に行くのは3度目。汗をびっしょりかいて渾身の演奏。技術と音楽性の両方を極めた素晴らしいものでした。伴奏のSam HaywoodもJoshuaに勝るとも劣らない素晴らしさで2人の類まれな音楽家が作り出した世界に観客すべて引きずり込まれていきました。疲れも吹き飛んで心が洗われたような気持ちになりました。このような気持ちにさせてくれる音楽家はそんなにいませんし、そのような演奏者のコンサートでも今回は特別の何かがあったような気がしました。

アンコールには、ツゴイネルワイゼンを弾いてくれるという大サービス。この超技巧的難曲をコンサートの最後に軽々とひくJoshuaはすごいとしか言いようがありません。


コンサートの後は、サイン会を開いてファンにサービス。今回のツアーはとくにハードスケージュールなようで目の下に隈ができてきました。


譜面台のかわりにiPadがおかれている


もう一つ興味深かかったは、ピアノの楽譜はiPadにいれた電子版を使っていた事。足で操作するブルーツースのスイッチで譜めくりしていました! 

このコンサートはオーストリア国営ラジオ「Ö1」で12月30日19:30(中部ヨーロッパ時間)から放送されるそうです。 番組のストリーミングはこちらから:http://oe1.orf.at/radiokolleg オーストリア国外でも聞けると思いますので試してみてください。




2012年12月17日月曜日

コネティカット州ニュータウンの銃乱射事件

また、とても悲しい事件がアメリカで起きました。アメリカでは多くの学校や職場がlock down drill (ロックダウンドリル)という外部からの乱入者・犯罪に備えた訓練を定期的に行っていることもあってアメリカの多くの人々にとっては我が身・我が子に起こりうる可能性を否定することができない事件でもありました。アメリカに住んでいた頃、銀行強盗が追ってきた警察とが近所で撃ち合い逃亡し娘達が通っていた小学校でロック・ダウンが実施される事態がおきたことがありました。ロックダウン解除後、親が学校まで子供達を引き取りに来るように連絡があり妻が迎えに行ったのですが娘がすぐに出てこなくて先生達も娘がどこにいったが把握しておらず見つかるまで時間がかかったということがあり、妻にとって、この事件の報道は涙を流さずには見れないものでした。

こういう事件がおきるとアメリカでは「銃の保持の規制を強化すべき」、「犯罪を起こすのは銃でなくて人間だ」、「銃を所持していれば、反撃できたはずだ」などの様々な議論が巻き起こりますが、銃器保持の自由化を推進する「全米ライフル協会」(NRA) がアメリカでもっとも政治に影響力を持つロビー団体の一つであることなどもあって、政治・規制上の十分な解決はできていないというのが実情だと思います。

英国ガーディアン紙のオンライン版によりますとアメリカの人口は世界全体の5%未満だが、世界全体で一般市民が保有する銃器類の35-50%はアメリカで保有されているとし、保有率が世界一とランクされています。
http://www.guardian.co.uk/news/datablog/2012/jul/22/gun-homicides-ownership-world-list#data

それに加え、「Stand-your-ground law」という自己防衛のために他人を殺害しても過剰防衛として罪に問われることは無いという法律が21の州で制定されており、銃を自己防衛に使うという考えがより一般的なものとして受け入れられています。確かに、銃器をつかった強盗事件は日常茶飯事、ら凶悪犯罪もしばしば起きるアメリカのような広大な国では何かが起きたときにもっと近い隣人や警察まで車で30分以上かかるなどというところに住んでいる人々も少なく無く、自己防衛はより身近な問題といえるかもしれません。「どうせ悪いやつは非合法に銃器類を入手するのだから、身を守るためには銃を保持する権利を守ることは必要」という意見もよく耳にしました。

このような銃器保持の環境に加え、アメリカの抱える社会的・文化的な問題が本件のような悲劇が引き起こされる要因となっていると僕は思います。アメリカは自由で個人を尊重する資本主義の国ですがその良い面もあれば、逆に勝者と敗者・持つものと持たざる者との違い差が大きい格差社会であり、さらに社会的セイフティー・ネットも十分に整備されているとは言いがたい国です。このことは文化的価値観の形成にもつながっていると思え、たとえば「自分のことは自分以外に頼れない」とか「勝てば過程は正当化できる」だとか言うこともよく聞きました。「正義は必ず勝つというわけでも無く、戦うためには政治力・財力が必要」という話も雑誌や本などでよく読みました。

また、オチこぼれにならないように小さいときから全力疾走で何事もベストな結果を目指して物事に取り組むような姿勢を教えられていくことも、病気で休むと人の2倍働いて・勉強して遅れを取り戻さないといけないということも身をもって経験しましたし、娘達にもそんなことがありました。僕はアメリカで23年暮らしましたが今振リ返るとその間に人々や様々な制度の寛容さが減ってきた様な気もします。やはりこのような厳しい生き様を求めらる世の中では弱者は追い詰められら、拠り所が無くなったりして、何かのきっかけで精神的に問題が生じ理不尽な行動に走ってしまう人が出てきてしまうのかもしれません。

2005年のアカデミー作品賞を受賞した「Crash (邦題:クラッシュ)」という映画があります。これがアメリカ映画かと思えるぐらいに暗いストーリーが展開していくする映画である観点からのアメリカ社会の問題と多くのアメリカ人の苦悩とが具象化された作品といえるでしょう。これ映画を観るとニュータウンの悲しい悲劇が起きうるアメリカのいままで観たことの無かった一面を垣間見ることができると思います。



2012年12月14日金曜日

バイオリン+バイオリン&ビオラ

前田朋子さん(左)とフーバー陽子さん(右)


先週は、12月5日水曜日にバイオリンを習っている次女がウィーン8区の区博物館で行われたコンサートでベートベンの「ロマンス」とバルトークの「ルーマニア民族舞曲」を演奏。

7日金曜日には、前にも紹介したウィーンを拠点に活躍されるバイオリニストの前田朋子さんとフーバー陽子さんのリサイタルに行って来ました。会場はSala Terrena Im Ferdinadihof という明かりがろうそくだけの会場。フーバー さんはビオラを演奏。

プログラムは:

Mozart: Duo for Violin and Viola in G major K.423 (モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲ト長調K.423)

Telemmann:  Fantasie No.12 in D minor for Solo Viola(テレマン:無伴奏ヴィオラによるファンタジー第12番イ短調)


Bach: Partita for solo violin No. 3 in E major BWV 1006 (バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調 BWV1006

Handel / Halvorsen: Passacaglia and Sarabande with Variations  (ハルヴォルセン:ヘンデルの主題によるバイオリンとビオラのためパッサカリアとサラバンデと変奏)

素敵な会場ですばらしい演奏でした!

暖炉の上のレリーフはこの会場のオーナー肖像です。

ろうそくだけ昔ながらの会場なのですが、暖房もこの暖炉だけ。バッハ・モーツアルト・ベートベン・シューベルトの頃はみんな寒い中、演奏していたのでしょうか? 

あとでお二人伺ったらとにかく寒かったとのこと。寒さを吹き飛ばすような素晴らしい演奏をありがとうございました。



前田朋子さんのブログ: http://blogs.yahoo.co.jp/tomoko_mayeda

前田朋子さんの公式サイト:https://www.onepoint.fm/#!/tomokomayeda


2012年12月12日水曜日

Christmas Illumination

ウィーン一の目抜き通り、グラーベン(Graben)

ウィーンの街の11月の寒くて暗い夜が、12月に入っていたる所にクリスマス・イルミネーションが灯され、明るくフェスティブな感じです。

2012年12月9日日曜日

Makers: The New Industrial Revolution



 つい最近、「Makers: The New Industrial Revolution」という本を読み終わりました。ここ数年の間にこんなにたくさんあたしいことが起こっているとは驚きでした。インターネットによって引き起こされたパラダイムシフトはまだ始まったばっかりということをよく聞きますがこの本を読むとまさにそのとおりだと思わざるをえません。まだ読んでいないのであればお薦めです!


2012年12月7日金曜日

Abbey Road Studio remastering Furtwangler


Abbey Roadスタジオのマスタリング・エンジニア Simon Gibson (サイモン・ギブソン)氏が去年、日本で発売されたフルトヴェングラー指揮ウィーンフィルのベートベン7番のSACD盤のリマスタリング過程に関しての解説したビデオです。


日本語の字幕はありませんので概要をまとめると以下のとおりです。

1.音は音源次第なので、できるだけよい音源を探すのに労力を費やした。

2.1950年録音当時は、直接原盤カッティングする方式がメインであった。テープ・レコーダーはまだ黎明期であり、原盤カッターと同時に実験的に使うのが主流であった。通常録音テープは2本作るのが一般的で、一つは保存用、もう一つはマスター・テープ編集用に利用されたのが普通。

3.SP時代の録音のデジタル復刻は、通常LP化した際のマスター・テープあるいはSPスタンパー作成用の金属原盤を使うのが一般的。しかし、今回は同時に録音された未編集のテープが思いのほかよい状態であったので、そのテープを使用することに決定した。

4.当時のテープレコーダーは電源が不安定でピッチが揺れるためピッチを決める必要があり、録音を聞いてA=443Hzが実際のピッチであったと判断。その結果、過去に発売されたCDなど等とは異なるものとなっている。

5.オリジナル音源から一旦デジタル・コピーを作り編集やノイズ削除を行い、その後アナログに変換してイコライジングなどの処理を加えて最後にデジタル変換し、デジタルマスターを作成。各種処理は音楽に悪影響を与えない程度で使うとの事で、ギブソン氏は多少ノイズがのこっても音楽性を優先させると事でした。

その他にも音源再生機器の説明などがあって、オーディオを趣味とするものにとってはとても興味深いものでした。僕らは結果だけ聞いて良し悪しを判断しああだこうだといっているだけですが、リマスタリング(特に古い録音)をちゃんとするのはいろいろと試行錯誤をし大変なことなのですね。音感や技術を持っているという事もさることながら真に音楽が好きできないことだなあと思いましたし、採算を考えると妥協せざる事も多いのではないかと思いました。

宣伝を兼ねてなのか、アビー・ロード・スタジオに関するオフィシャルなビデオがいろいろとYou Tubeに掲示されています。ご興味があれば検索してみてください。面白いですよ。

なお、このビデオのテーマとなっていたのは以下のSACD(ハイブリッド盤)です。僕も買って聞いてみようと思っています。


2012年12月5日水曜日

音楽づいた一週間

重なるときは重なるといいますが、先週は音楽づいた一週間でした。まず、24日(土)に次女がバイオリンの先生の紹介であるサロンの集まりに呼ばれてバルトークの「ルーマニア民族舞曲」を演奏。その後、私と妻は音楽好きの歯医者さんのDr. Ronayに招かれたサロンパーティーへ、そこで先生の患者さんでもある16歳の新進バイオリニスト方とウィーン国立歌劇場のソプラノ歌手の方がそれぞれミニ・リサイタル。

26日は先日書いたグルビンガーのコンサート


そして28日はORF RSOオーケストラ首席ビオリストのMario Gheorghiuさん率いるジャズバイオリントリオJazz CornerがJazzlandに出演したので妻と共に友人を誘って見に行きました。この間、他の知り合いの方のリサイタルを2つお断りしなければいけませんでした。




Jazz Cornerの演奏は、前回の完全アコースティックなハウスコンサートとは違ってバイオリンもウッドベースもアンプにつないだ演奏です。最初のセットは主にスタンダード。これは、前回と同様にノリの良いモダン・ジャズ。セカンドセットは、よりマリオさんの個性を出した演奏。Jazzlandのお客さんには保守的な人が多いのファーストセットは気を使ったのだそうです。マリオさんはバイオリンの音色を巧みにコントロールして、トランペット、サックス、オルガン、エレキギター等などを思わせる音を使い分けて観客を魅惑しました。ワウペダルをつかったり、ソロの途中でスモーク・オン・ザ・ワォーターのイントロ弾いてみたり(これが結構馴染んでいました)と楽しい演奏。マリオさんはノリに乗って弾きまくる大熱演!

29日は、Audio Eagle ことのベルトさんをお招きして家のオーディオを聞いてもらいました。

そして30日の金曜の夜は妻も子供達もそれぞれ出かけるというので、オーディオ工芸家のマーチンさんをお招きして家のオーディオを聞いてもらったあと、近くのアイリッシュ・パブでギネスを飲みならが夕食。試聴用といってプリアンプとDACとスピーカーケーブルをお土産においていってくれました。二晩続けてディープなオーディオ会話を楽しみました。

そして、とりは12月1日晩の娘達の学校の吹奏楽とオーケストラのコンサート。長女はクラリネット、今年からパーカションも始めた次女は、バイオリンにパーカションにと二人とも大活躍。妻も私も親として嬉しい一晩でした。

娘達の通うアメリカン・スクールでの生徒達のコンサート
追記:上記文中のリンクをクリックすると関連するブログのページが開きます。お時間があればどうぞ。

2012年12月2日日曜日

PunschStand

1区 Freyung のAltwiener Christkindlmarkt 

ウィーンの冬の名物はクリスマスマーケットとプンチスタンド。11月半ば過ぎからぽつぽつと出始めて、11月の3週目の終わり頃には出そろいます。11月半ばとは気が早いと思いきやオーストリアの子供たちは12月6日のセント・ニコラスの日にプレゼントをもらうのでそうでもないのです。プンチスタンドは、Glühwein ( グリューワイン・ホットワイン)や各種パンチ(ジュースとフレーバード・ティーにスパイスと砂糖を加え蒸留酒を足して暖めたもの)を売る屋台。この時期になるとクリスマスマーケット内や目抜き通りに立ち並びます。 

お菓子屋、軽食、おつまみを売っていることスタンドもある


1区Am Hof のVorweihnachtlicher Kunsthandwerksmarkt
一杯3ユーロ前後。大概が陶器のマグカップで売られており、そのカップの保証金が2ユーロ。カップが欲しければ持ち帰るのは自由です。 凝ったデザインのカップが多く、マーケット毎シーズン毎にカップが変わるので集めている人々もいるようです。ウィーンの人たちは寒い中、仲間達とマグカップ片手に夜更けまでおしゃべりを楽しんでいるようです。聞いた話だと、寒ければ寒いほどいいらしいです。

ウィーン一の高級ショッピング街 GrabenにたったKiwanis (キワニスクラブ)のプンチスタンド

Schottentor近くのライオンズクラブのプンチスタンド ボランティアでチャリティー目的です




2012年11月29日木曜日

Martin Grubinger with Camerata Saltzburg



Grubinger (左)Axelrod (中央) Hofstätter(右)


11月26日月曜日の夜は家族でMartin Grubinger(マルティン・グルービンガー)とCamerata Saltzburg(カメラータ・ザルツブルグ)のコンサートに行って来ました。前回のコンサートで子供達はすっかりマルティンのファンになってしまいました。 会場はコンツェルトハウス大ホール。指揮はJohn Axelrod (ジョン・アクセルロッド)。今回のソリストは、グルビンガーに加えてもう一人の打楽器奏者のManuel Hofstätter (マヌエル・ホーフシュテッター)とトルコ出身の双子姉妹のピアノデュオFerhan &Ferzan Önder(フェルハン&フェルザン・エンダー)という豪華版。

プログラムは
トルコの作曲家 ファジル・サイ (Fazil Say) の「2台のピアノと打楽器のための変奏曲 Op.32 (2010年作)」を4人のソリストで演奏。

オーケストラが加わり、

ベッラ・バルトークの「2台のピアノと打楽器と管弦楽のための協奏曲 Sz 115: (1940年作)」

休憩を挟んで
      
コダーイ・ゾルターンの「ガランタ舞曲 (1933年作)」

イスラエルの作曲家アヴネル・ドルマン(Avner Dorman)の 「スパイス、香水、毒素!(オーケストラと2人の打楽器奏者のための協奏曲、2006年作)」
でした。

ソリストたちもオケも平均年齢が若く、生き生きと情熱的に近代と現代の曲を演奏したのがとてもよかった。現代曲とはいっても芸術性のみならず娯楽性も兼ね備えた聴き応えのある楽しい曲でした。前にも言いましたが、クラシックが歴史にとどまる単なる伝統芸能ではなく、現在進行形のパフォーマンス・アートであるということを示す演奏とそうあることを支える人々に触れるとうれしく思い感動します。 

アンコールは2曲(曲名不明)、一曲目は舞曲を主題にしたクラシック曲のさわりの部分をつないだような曲。物悲しいバイオリンソロに始まりだんだんと盛り上がって観客は熱気と興奮の渦に巻き込まれます。2曲目にはFerhan &Ferzan Önder姉妹も参加、最後に太鼓と金管奏者で会場をねり歩いてパレード。観客も総立ちで手拍子を打ち大騒ぎの大喝采! 会場を去る人々の足取りも陽気で軽々しく楽しいコンサートでした。

アンコールの模様がYouTubeにアップにされていました!

アンコールのあとにマルティンが記念に皆さんの写真を!といってカメラを取り出しパチリ。みんな大騒ぎでした!


カメラータ・ザルツブルグのオフィシャルサイト:http://www.camerata.at/en/

ファジル・サイのオフィシャルサイト:http://fazilsay.com/en/

ファジル・サイのプロファイル(日本語):http://www.kajimotomusic.com/jp/artists/k=84/

アヴネル・ドルマンのオフィシャルサイト:http://dormanavner.com/

フェルハン&フェルザン・エンダーの オフィシャルサイト:http://www.ferhan-ferzan.com/

ジョン・アクセルロッドのオフィシャルサイト:http://www.johnaxelrod.com/

ジョン・アクセルロッドのプロファイル(日本語):
http://amati-tokyo.com/artist/pdf/John-AXELROD.pdf

マルティン・グルービンガーのオフィシャルサイトは工事中のようですので、ユニバーサル・ミュージック・ジャパンのサイトを載せて起きます:  http://www.universal-music.co.jp/martin-grubinger/


2012年11月28日水曜日

よく見るとちがうけど...

Urania Strasse 運河を望む (ウィーン1区と3区の間)


トラム(路面電車)に乗っていてふと外をみるとどっかで見たような景色。急いでいなかったので次の駅で降りて歩いて戻り写真を撮りました。よく観ると全然ちがうのですが、なんとなく御茶ノ水駅付近の神田川の景色を思い出してしまいました。


2012年11月26日月曜日

栗屋さん


国立歌劇場(バック)近くの焼き栗の屋台


秋終りからから冬かけてウィーンの街角の至る所に焼き栗の屋台が出てきます。焼き栗と一緒にkartoffelpufferというジャガイモでできたパンケーキとせんべいの間のような物やジャガイモ(せんべい見たいなもの)、bratkartoffel という焼きジャガイモ(日本ではジャーマンポテトとも呼ばれているようです)などもうっているのが一般的です。 小腹が空いている時にはちょうど良いおやつになります。寒い中、ほくほくの栗やポテトをつまみながら街を歩くのは我が家の冬の楽しみの一つになりました。屋台毎に値段が若干異なり、味(というか出来工合)も微妙に違います。でも、ウィーンの人たちは特に 『この屋台で!』というこだわりはないようです。

2012年11月22日木曜日

冬の始まり

ウィーンの冬の始まり。クリスマスシーズンの目前です。

 出勤時にクリスマス・イルミネーションの飾り付けをやっていて...


帰宅時にはこんな感じに灯がともっていました。




2012年11月21日水曜日

真空管製造 -その2- KR Audio





前回、ムラード最盛期のビデオを紹介しましたが、これは今。 チェコのKR Audioでの製造工程のビデオ。この手工業はまさにボヘミア・ガラスの伝統を受け継ぐかのようですね。 先日のムラードと比べると、真空管のタイプは異なるとはいえ隔世の感じです。作家物の工芸品のような価格になっているのも仕方の無いことかも知れませんね。 

2012年11月19日月曜日

秋の終わり


今年は例年に比べ暖かかったというウィーンの秋も終わり、冬になってきています。上の写真は先週末、職場のハイキングクラブにゲストとしてついていったときのもの。ウィーン南東のブルゲンランド州まで電車で行って、五時間ほど歩き、レストランでガチョウ料理を食べ、電車でウィーンに戻ってきた。オーストリアでは11月11日の聖人マルティンの日の前後にMartiniGansl といってガチョウ料理を食べる習慣があるのです。皮はパリパリで身はジューシな、オーブンで焼いたガチョウに紫(赤)キャベツの料理とポテトかパン粉でつくった団子(クネーデル)が添え物としてついてくるのが主流なようです。11月11日はワインの新酒解禁の日でもあるので、今年の新酒と一緒に食べたガンスルはとてもおいしかったです。

ウィーンの街の公園の木々すっかり葉がなくなりました。木の実が落ちているのか鳩がたくさん群れていました。

2012年11月16日金曜日

やっぱり、Snow Leopard

Mountain Lion(マウンテン・ライオン)に替えてみて、真空管やケーブルを替えたり、スピーカーセッティングをいじったりとここ2週間ほどいろいろと試してみましたが、やはりどうもしっくりとこなくて音楽を聴くことを楽しめないでいました。システム・リインストール用のDVDが見つかったこともあって、ダウン・グレードをすることを決断! ちょっと面倒でしたが、我が家のMacMiniは音楽・映像再生専用としてあったこともあって、特に大きな問題もなくSnow Leopard (スノー・レパード) に戻すことができました。失った音が戻ってほっとしているところです。

あくまでも我が家のシステムで僕の耳が感じた音という前提で述べますが
Mountain Lionは良く言うと情報量、鮮度のたかい見通しの良い音で低域の量感も増します。録音のエコー感やホールトーンが良く聞こえ、コントラバスのぶるん・ぶるんという感じも良く出てきます。シンバルを打つカツーンという音も良く聞こえます。その反面、高域がきつくなって中域が細身、とくにバイオリンやギターなどの音は厚みがなくなり弦だけが鳴っているように聞こえます。そのせいか、生楽器が本来の音色とは違った不自然な感じに聞こえます。 小さめの音だとシャカシャカした感じが強く、音量を上げるとドンシャリ傾向になります。

それに比べるとSnow Leopardは落ち着いた音でより中域に厚みがあり、リラックスして聴き疲れの無い音です。ボーカルはより肉感的になり、弦楽器は胴の響きがいい具合に加わったより自然な音に聞こえます。オーケストラの音は分厚くかつ個々の楽器をちゃんと聞き分けられる情報量は保たれています。全体的にバランスよくまとまっており、音量を変えても大きく音の傾向が変わらないような気がします。高域が余り強調されないのかシンバルは後ろに引いた感じ、エコー感やホールトーンは弱くなり、スピード感・リズム感も若干劣る感じもします。低域は押しが弱まり録音によっては若干やさしめな感じすらします。ダウン・グレードして直後は若干物足りない感じがしたことも否めません。でも、しばらく聴いていると自分にとってはSnow Leopardのほうが好みであるということがハッキリしました。

OSの変更で音がだいぶ変わるということは前にも経験したことがあるのですが、家で実験したのは初めてだったので聴きなれたシステムの音がOSをアップグレードそしてダウングレードしただけでこんなに変わると驚かざるを得ませんでした。アンプを変えたほどの違いはあるかと思われます。僕にとってMountain Lion とSnow Leopardは音の傾向・方向がだいぶ違う様に感じられ、必ずしも同一線上で比較し良し悪しを論じられるものではないように思えました。アンプに例えると真空管 対 半導体とでもいう感じでしょうか? どちらが完璧ということではなく、どちらがより自分の音の好みにあっているかということであるような気もします。でも、旧バージョンのOSが良いという事は悩ましいことですね。


追記: 
僕は以下のアップル・サポートの記事にしたがって、HDを消去しSnow Leopardを再インストール(いわゆるクリーン・インストール)することによりダウングレードができました。この方法ですとHDを完全に初期化するのでソフトの再インストール、各種設定のやり直し、ユーザーファイルのバックアップとリストアなどが必要です。Boot Campを使っている場合、OSX以外のOSのパーティションもすべて無くなってしまいます。

そこまでしても必ずしもダウングレードが成功しない場合もあるようですし、Lion やMountain Lion下でハードのファーム・ウェアのアップグレードをしてある場合、Snow Leopardを再インストールするとコンピュータが正常に動かなくなることもおおいに考えられます。したがって、それぞれのシステム環境、バックアップ、ファームウェアアップフレード歴などを考慮し、正常に作動しなくなる可能性のリスクをよく検討することを薦めます。OSのダウングレードはアップルもサポートしていないことなので、各々の自己責任で行ってください。自分にはこれ以上の知識も経験もありませんので、なんらサポートはできませんし、当然ながら責任をとることもできませんのでご了解ください。

僕は、うまく動かなかったらもう一台買うさと腹をくくってダウングレードを敢行しました。

http://support.apple.com/kb/HT3910?viewlocale=ja_JP






2012年11月13日火曜日

Meet Me in London (naim label)

イタリア出身のギタリストAntonio Forcine(アントニオ・フォルチオーネ) と ボーカリストのSabina Sciubb (サビナ・シウバ)が 1997年にNaim Label に録音したジャズ・ボーカル・アルバム「Meet Me in London」。 このレーベルは、文字通りイギリスのオーディオメーカーNaim社の音楽レーベル。同社サイトによると、1991年にNaim初のCDプレーヤー「CDS」を発売した際にその音質を十分に発揮させることができるCDがなく、自らCDを作ったのがその始まりだという。 当然、高音質が売りであるので欧米のオーディオ雑誌でNaim Labelはよく試聴音源としてでてくる。

Naim Label 初の24bit/192KHz音源となったのがこのアルバム。リミックス・リマスタリングを担当したのはローリング・ストーンズやレッド・ツェッペリン等の録音に関わり、自らボブ・マーリーやAC/DC らを手掛けたプロデューサー/エンジニアのTony Platt (トニー・プラット)氏。 高音質と音楽性との両方を伴ったレコーディングはそれほど多くないが、これはその一枚だと思います。日本では.e-onkyo.comからも購入できるようですので興味があれば試聴してみてください。 ちなみに、僕が購入したのはWAVファイルです。

このアルバムのマスタリング・プロジェクトのショート・ドキュメンタリーがYouTubeで観れます(以下)。イギリスの名エンジニア・プロデューサーがDA やADで音が変わるからまずは最適な機器を選択することが大切、マスター・テープを保護するために一旦デジタル化するが、デジタル・ドメインのみでのミックス・マスタリングだとすべてが24bit/192KHzで行えるとは限らないのでないので、いったんアナログに変換して処理を施し最後にデジタルに変換する、などということを淡々と説明しているのは説得力があり、オーディオファイルとして興味をそそられるものでした。とくにプラット氏が、「...普段はあまり良くない再生装置でもそれなりの音に聞こえるようにすることに気を使うのだが今回はその逆だったので気持ちの切り替えが必要だった...(拙訳)」と述べているところはなるほどな~と納得させられました。

リマスタリング・プロジェクトのショート・ドキュメンタリー


2012年11月8日木曜日

Mac OSX Mountain Lion に変えて音は?

Mac OSX 10.8 Mountain Lion(マウンテン・ライオン)の音はそんなに悪くないらしいとの噂。思い切って音楽再生とビデオストリーミング用に使っているMac Mini (2010年モデル)をアップグレード。今までは友人のアドバイスもあって 10.6 Snow Leopard(スノー・レパード)のままにしていたもの。 本来だと、聴き比べテストをしてからしたほうが良いのでしょうが、ちょっとめんどくさかったでエイヤーとやってしまった。 (笑)

ダウンロードとインストールには結構時間がかかり、夜にダウンロードして、翌朝インストールを走らせて出勤、帰宅後に試聴くという段取りだったが、来客・接待があったりとなかなか時間がとれず、結局数日後に聴いてみました。 最初の印象は、この変化は好みと違ったなということでした。情報量は増えて、よりエッジの立った音で、低音の量感もまずますなのですが、僕の耳には中・高域の線が細くなって温かみが減った様にも聞こえます。楽器の音色もなんとなく違って違和感あり。これは、あくまでも僕個人の好みの問題で客観的には。こちらが良いと思う人も多いのではないかとも考えられる変化ですので簡単に良し悪しを論じられないところが悩ましいところでもあります。

僕にとっては機器を替えたときのエージング不足の音を聞いたときの印象に近い感じです。思わずエージングで直る?という思いがふーっと頭をよぎったのですが、ソフトウェアのエージングなんてあるわけ無いしとお馬鹿な考えを振り切って、システム・レストアのDVDはあったっけ?・ 引越しでどっかいってしまった!・ じゃ~10.6 Snow Leopardのインストールディスクは?・ なんと、アマゾンで120ユーロ!・ 友人のアドバイスにもかかわらず血迷ったことをした...てな感じでしばらく悶々としていたのでした。(涙)

数日たった今、聴き続けると耳が慣れるのか少しは冷静なって、もうしばらく聞いてみて他のどっかで調整してみようという気になってきました。パソコンのOSアップグレードはあまり遅れると将来的に困ることもあるし避けて通れないことなんだと正当化。面倒でもアップグレードは不精せず聞き比べのテストをして納得した上でしなければいけませんね。 パソコンを介さなくても良いWeiss Man 3.1 がとても欲しくなったここ数日でした。先立つものが無くてよかった。(笑)

ちなみに再生ソフトはAudirvana ディレクトモード・ベータ版1.3.9.10。他のソフトも試したのですが、Mountain LionでもAudirvanaディレクトモード・ベータ版が一番好ましかったです。

2012年11月6日火曜日

The XX -Coexist



ここ2〜3年の間に出てきたバンドの中で特に気に入った、ザ・エックス・エックスのセカンドアルバム。 ファーストのサウンドを継承しつつ新たな境地も切り開いた秀作。  一般的にはミニマルなエレクトリック・インディー・ロックとも呼ばれているようです。僕にとっては80年代にでてきたFra Lippo Lippi を思い出させてくれたちょっとメランコニックなサウンド。でも彼らほど暗い感じではなく、どちらかというと癒される心地の好い継続性という感じかな? ファースト・アルバムと共にお薦めです。





参考まで、Fra Lippo Lippiを試聴できます:


2012年11月3日土曜日

真空管製造 Mullard



最盛期のムラードの工場での真空管製造のビデオ。当時の最新製造技術を誇示しているよう。 こんな映像が残っているのですね!



2012年11月1日木曜日

Hauskonzert



ローマに行く前の話なのですが、Jazz Corner というジャズトリオのハウスコンサートに行って来ました。妻と長女は先約があったので、僕とバイオリンを習っている次女と2人。ハウスコンサートは文字通り誰かの自宅で開かれるプライベートなコンサートで、今回は画家のスタジオ兼アパートで彼女の個展も兼ねて開かれました。ウィーン近郊のワインナリーを経営する若いカップルがPRとしてワインとおつまみを提供。20人ほどのお客さんでとてもリラックスした集いでした。

Jazz Cornerは、オーディオ工芸家のマーチンさんの紹介で知り合った、ウィーン放送交響楽団( ORF Radio-Symphonieorchester Wien)の首席ビオラ奏者のMario Gheorghiuさん率いるバイオリン、ベース、ギターからなるグループ。本人は趣味だといっているものの一流ジャズプレーヤーに勝るとも劣らぬすばらしい演奏でした。特にスタンダードの演奏でのソロはすごかった。ぜんぜんクラシック奏者臭くない。それに、小さい空間での演奏に合わせた音量であったにもかかわらず力強く美しいトーンで弾いていたこと。 次女のバイオリンの先生が小さな音量で弾くということはは弱くということでな無いとよく言っていたけど、まさにその通り。 技術と耳のよさはさすが。プログラムもオスカー・ビーターソンのSushi の後にパガニーニのカプリースを弾き始めたかと思ったらそれがLover Manに続いたり、ビートルズのアレンジがでてきたりと面白かったです。次女が宿題がたくさんあるとかでファースト・セットの後に出てきたのでそれが心残り。でも今月末には、Jazz Landで演奏するとの事で楽しみです。

Jazz Corner の演奏

Jazz Corner のオフィシャルフォト(先頭がマリオさん)

追記:ローマに向かう飛行機でスチュワーデスのお姉さんに 「あんた知ってる(I know you!)」 といわれて、!?。  なんとこのコンサートでワインを提供していたワイナリーの若奥さんでした。本業の傍らスチュワーデスをしているとのこと。

 
Jazz Corner オフィシャルサイト:http://www.jazz-corner.com/

ウィーン放送交響楽団オフィシャルサイト:http://rso.orf.at/orchester




2012年10月30日火曜日

ローマ


ローマの街 (M8/Summilux ASPH 53)

先週は、子供達の学校が秋休みだったので家族でローマに行って来ました。僕は仕事の都合で、水曜日に合流。今はハイ・シーズンとのことで観光客で溢れ返っており、バチカンなどは夏休みのディズニーランド以上の込みようでしたが、暑くもなく寒くもない理想的な気候で体はリラックス。2千年以上の歴史が街中に感じられつつも、活気があり、今を生きている街といった感じ。写真やテレビで何度も観たところでも、じかに観るローマ時代の遺跡にはインパクトがありました。

アメリカと比べると、ウィーンは垢抜けして食べ物もおいしいと思えるのですが、ローマは(当然ながら)それ以上。同じデザイナーブランドのお店にももっと格好がいいものがあり、ディスプレーもしゃれています。野菜料理が豊富なのもうれしかったです。おいしいイタリア料理を食いだめし、満足して帰ってきました。

パンテオン (Leica M8+Voigtländer Super-wide Helier 15mm Asph II)

2012年10月21日日曜日

VH-Audio V-Cap CuTF (銅箔 テフロン コンデンサ)



先日行った、パワーアンプの改造(と、いってもパーツアップグレードですが...)のエージングも進んで、好む方向で落ち着いたので、もう一つ工作をしました。プリのカップリング・コンデンサーをVH AudioのV-Cap CuTFに変更。このコンデンサ、実は発売当初に買って、Weiss 導入以降ほとんど使っていなかったAudio Note Kits DAC3.1 Signatureに取り付けてあったもの。それを外してプリアンプに入れてみました。

VH Audio は日本ではおそらく馴染みがないブランドだと思われますが、欧米のオーディオDIY派には高い評価を受けているブランドで、主に自作ケーブル用の配線材とパーツをネットで販売。特に配線材は独自に開発・発注した商品が目玉で、僕も電源ケーブルに始まりインターコネクト、スピーカーケーブル、デジタル同軸ケーブルにここの配線材を使った自作ケーブルを使っています。オーディオファイルを納得させる情報量を持ちながら、とても自然で音楽性の高い聴き疲れの無い音でとても気に入っています。多くのハイエンド・オーディオ製品にありがちな不自然な派手さなどはまったくありません。 

VH Audio は、独自に開発した錫箔テフロンコンデンサ(TFTF)を2004年ごろから発売、2005年にはオイルコンデンサ、そして2010年にこの銅箔テフロンコンデンサ(CuTF)を発売し現在に至っています。 TFTFは、発売当初から欧米、香港・中国等のオーディオ雑誌、ネット・マガジン、DIY 掲示板等で非常に高い評価を受け、今でもDuelund VSF・CAST PIO などと共に常にトップレベルの評価を受けてるフィルムコンデンサです。CuTFは、そのTFTFに温かみを加えより自然な音を目指した商品です。

今までは、Audio Note UKの銀箔・マイラー・コンデンサをつかっていました。これは、Audio Note UKのなかでは最上ものです。我が家のシステムはここ最近何かしっくりとしないところがあって、どうしたものかと考えていた所 CuTFを付け替えてみようと思った次第。パーツを2個換えるだけで何でこんなに音が変わるのだろうと思うぐらい変わりました。ケーブルや真空管を換えるより音の変化大きいかもしれません。曇ったメガネを拭いてとてもはっきりとものが見えるようになったような見晴らしいいの音になりました。取り付けてすぐはちょっと細身で高域が強調された音でしたが一週間ほどエージングをしたら、音の見通の良さはそのままで厚みが増してきました。当分はこれで行ってみようと思っています。僕が使っているプリアンプは、Audio Note Kits L3 Line でトランス出力なので音楽信号が通るコンデンサは各チャンネル一個づつだからこのコンデンサを変えることによって音が劇的に変化してのかもしれません。
グーグルで調べたのですが、ウェブ上に日本語でVH Audioのコンデンサに関しての記述があまりまりません。ここぐらいかな?:  79-Lab.HPのネットワーク用パーツ雑感 。これは 安くはない部品ですが、考慮するだけの価値はあると思います。

VH Auidioのサイト:http://www.vhaudio.com/




2012年10月19日金曜日

寒くなってきました




ウィーンは、先週から気温が急にさがって、秋深い感じになってきました。もうすぐ冬。 寒くて、日が短くなり、空が曇りがちで街も灰色に見えてくる、春が待ち遠しい時期になってきます。

2012年10月14日日曜日

Martin Grubinger


もう2週間ほど前になってしまいましたが、マルティン・グルービンガー (Martin Grubinger)とクシシュトフ・ウルバンスキ(Krzysztof Urbański)指揮ウィーン交響楽団(Wien Symphonikar)のコンサートに娘達と3人で行ってきました。妻は、実家の用事があって里帰り中。プログラムは、HK グルーバー(HK Gruber)のRough Music - Concerto for percussion and orchestraとドボルザークの交響曲7番。会場は、 コンッェルトハウス大ホール。

今回の目的はグルービンガー。彼はザルツブルグ出身のパーカッショニスト。一年ほど前にウィーン・フィルの公開リハーサルを見に行った時のソリストで、それまで彼のことを知りませんでした。そのときの彼の演奏ぶりはとにかく凄くて強烈なインパクトを受け、それ以来彼に注目。スーパー・パーカッショニストと呼ばれているようですが、まさに超人的。テクニック以上に高い音楽性と演奏中は水を得た魚のように生き生きと楽しそうに演奏するエンタテイナーの資質も持ち備えた類希な音楽家。まずは下のYouTubeのビデオを見て下さい。







今回のコンサートは、グルービンガーが健康上の理由で十分な準備ができていないとのことで当初予定のHK Grubers氏の新作から旧作にプログラムが変更されたのですが、期待以上に良かった曲と演奏でした。もちろん2部のドボルザークの良かったです。演奏後には、作曲家のHK Grubersもステージに上がって観客の拍手に応えていました。

ウルバンスキ(左)、グルーバー(中央)、グルービンガー(右) 

お薦めのグルービンガーのCD。現代音楽です。

2012年10月6日土曜日

久々のオーディオ工作




つい最近まで、ウチのオーディオシステムはハム・ノイズに悩まされていて、多分グラウンドループであろうと思われたのだが、決め手となる解決方法がなく困っていた。オーディオ工芸家のマーチンに相談。結果的には、プリとDAC のグランドの取り方を変えてかなり改善された。 パワーアンプのノイズは、大阪の友人のアドバイスで信号系のワイヤーをしっかりとしたツイストペアにして、アルミ箔を巻いて、これも大幅に改善された。あとは、300Bのヒーター電源をいじってみようと思っている。

さて、ハム・ノイズの問題が大幅に解決されたので、音質の方が気になって来た。ふと思いたって、パワーアンプの電源回路の高圧電源平滑用に Continental Capacitor Incの Oil-Filled Polypropylene PS Capsを追加し、その回路の電解コンデンサーのうち手持ちのブラックゲートと耐圧・容量の値があっていたものが一個あったのでそれを付け替えた。これだけなのだが、パワーアンプ(Audio Note Kits のKit 1)はもう5年ほど前に作って以降ほとんどいじっていないこともあってか、ねじが緩んでいたり半田の付け方が悪かったりなどの不具合見つかったのでそれらを直したりしていたら結構時間がかかってしまった。まだエージング中だけどいい感じです。

2012年10月4日木曜日

Youth Orchestra of Caracas



9月29日土曜日に、バイオリンを習っている次女とユースオーケストラ・オブ・カラカスを聴いてきました。プログラムは、ワーグナー:「リエンツィ」序曲、アルベルト・ヒナステラ: エスタンシア組曲 Op. 8a、そしてチャイコフスキー交響曲4番。会場は、ウィーン・コンッェルトハウス 大ホール。指揮は、Andres Rivas (アンドレ・リーバス)。デュダメルを生んベネズエラのエルシステマの一部を担うオーケストラです


椅子を外したメインフロア

このコンサートでは、メインフロアの椅子を取り去って立ち見席にして16ユーロ。しかも、子供と若人(26歳以下)は、半額という粋な計らい。家族連れや若者達がたくさん来ていました。このようなことは、新たなクラシックの観客層を獲得するのに役に立つのではないかと思います。 僕達も立ち見席でしたのでステージの近くに陣取りました。その辺りだと、みんな床に座って、いい雰囲気です。

とても楽しいコンサートでした。若い演奏家達が楽しそうに、持つ力をすべて出し切ったかのような演奏。まさに、『音楽』そのものです。荒削りかもしれないけど、ラテン気質全開で聴衆に凄くアピールしていたとおもいます。この中から、どれだけプロになる音楽家が出てくるのか楽しみです。ベネズエラは、クラシック音楽を未来に継承して行く重要な国となってくるでしょう。

アンコールでは、ホールが真っ暗になり、灯が着いたら全員がベネズエラ国旗のジャケットを着て、シュトラウスのラデツキー行進曲で観客を沸かせます。大喝采の観客に応えて、ティコティコやマンボなどのラテンの曲を演奏。音楽に合わせて演奏者達は楽器をまわしたり、踊りだしたりして、立ち見席の観客も身体と手拍子でリズムを取って、まるでロックコンサートのような盛り上がりでした。アンコール5曲の大サービス。


アンコールのあとは、メンバーがジャケットを脱いで、客席に投げてプレゼント。娘は運良くキャッチして、ぶかぶかだったけどそれを着て家路に着きました。

2012年10月1日月曜日

アメリカの学生ローン




 夏休みに帰省した際に買った本の一冊 『知らないと恥をかく世界の大問題 3』(池上彰著)に 「第2のサブプライムローンか?」との見出しでアメリカの学生ローンのことが書かれていた。 その章の締めくくりの方に『...サブプライムローンを組んで無理してマイホームを買ったように、無理してでも大学に進んでる人たちがおおいのですね。』(p.101)と記されている。なぜアメリカで大学に行くには借金する必要が出てきたのか、なせそれまでしてでも大学に行かなければならないと思う人たちが多いのかについて、23年のアメリカ滞在の経験と大学進学を2年後に控えるアメリカ生まれアメリカ育ちの子供を持つ親の観点から、説明を付け加えてみたいと思う。尚、この本に書かれている事に対して批判しているのではないので誤解のなきようにお願いします。

 アメリカ人が借金までして大学や大学院に行くというのにはアメリカの雇用環境の変化、高等教育学費の高騰などの背景があると考えられる。1970年代終わりごろまでは、大学に行かなくてもそれなりの生活水準を保てる職につくことができる可能性が高かった。これは、工場労働者に対する需要があり、その多くで労働組合に高いレベルの賃金と福利厚生が守られていたからである。工場以外にも水道工、電気工のような様々な職種で組合が組織され賃金、福利厚生その他の既得権が保全されていた。 そのような雇用環境を脅かしたのがオイルショックであり、経済のグローバル化であり、経済環境の変化や技術革新に触発されて起きた様々な産業の再編成・再構築であったと思われる。たとえば、アメリカ人々を生活を支え経済の原動力であった製造業は、その多くが低賃金の国に生産拠点を移し、残った工場はロボットの導入などで求める労働力が肉体労働から知的労働に大きく変化したのである。結果的に、組合によって保障されていた賃金体系と福利厚生が大きく崩れ、より良い仕事、より良い報酬を得る為の競争が過当化し差別化要因の一つとして学歴の必要性が見直されてきたのだと思う。日本のように国民健康保険が一般化している国では想像しにくいことかもしれないが、アメリカでは良い待遇の条件の一つに充実した健康保険があげられる場合が多い。 もともと医療費が極端に高いうえ、健康保険のほとんどが民間保険会社によって提供されている実情では、各々の雇用主がどのような条件の保険に加入しているかによって、自己負担金額も異なれば、保険の対象となりうる治療、検査、薬も異なるのである。加入している健康保険に限りがあるため病気の発見が遅れた、治る病気も治らなかったという悲しい話を聞くのはそれほど珍しいことではない。それでも保険があればいい方で雇用されていても保険が無いという人たちも多くそれらの人々の悩みは深刻なものであろう。このことは中小の自営業者にとっては特に深刻な問題であり、アメリカの選挙で健康保険制度が大きな争点・公約として取上げられているのはこのためである。 

 もう一つの背景は、学費の高騰。 端的な比較で日本の慶応大学と同校と姉妹校のスタンフォード大学と比べると、慶応が年間100万円ちょっとであるのに対しスタンフォードは4万ドル、今の為替レートで換算すると320万円程度でおよそ3.2倍。国民一人当たりの平均GDPと比較すると、慶応が日本のそれに対し約28%、スタンフォードがアメリカのそれに対し約83%。公立は学校によって違うが、アメリカでトップ水準とされるカルフォルニア大学バークレー校は、州民に対する学費は年間1万3千ドル、州民以外の学生に課される学費は3万6千ドルである。それに対し東京大学は年間54万円。

学費の高さもさることながら、日米間の課税後の所得を差ということも見落とせない。一概にアメリカのほうが中所得者層の個人所得の実行税率が高く、たとえば年収1千万の子供が2名いる家庭の場合、日本の11.3%に対しアメリカは18.6%。その上に、健康保険の自己負担分、年金積み立てなどの費用もアメリカのほうが一概に高いことを考えると、同じ所得レベルでは一般的にアメリカの家庭の可処分所得のほうが低いことが多く、其の中から日本より明らかに高い学費を捻出するのは容易でない。これのため、大学に行くのに奨学金やローンに頼らざるをえない人々が大多数であるという現状があるのだと思う。 

ローンを組んで大学にいった人々が卒業後にその支払いに応じられるだけの報酬を得られる仕事に就けるかというと、そうでない場合のほうが多いので学生ローンが次のサブ・プライムになるのではという警告が発せられているわけである。学生ローンを払える人でも、可処分所得はそれだけ減るわけであり、アメリカ経済の足枷の一つともなっている。

付け加えだが、高額所得者に対する累進課税率の上限はアメリカのほうが日本よりだいぶ低く、そのうえ様々な控除により節税手段がありことから、高額所得者の実効税率は一概にアメリカのほうが更に低い。このような現実が、ウォール街占拠運動、1%対99%運動を引き起こし、共和党の候補者ロムニー氏の納税率が大統領選挙の争点になるのである。


個人所得課税の実効税率国際比較(財務省)




Call Me Maybe...


たまたま、旅先のホテルで娘達とみていたMTVでオチが面白かったミュージック・ビデオ。 Cary Rea Jepsenは、カナダのシンガーソングライター。この曲もアメリカのiTunesストア上位に位置いています。



若い人たちによるとYouTubeにはこのビデオのパロディーがたくさんあって面白いのだそうです。


2012年9月28日金曜日

チャリティーコンサート



ウィーンは、ここ2週間ほど日々の気温差が大きく、26度でちょっと汗ばむの翌日は13度で肌寒いといった感じで風邪がはやっており、僕もやっと治りかけたところです。

先週の木曜日に、日本の震災復興のためのチャリティーコンサートが楽友協会ブラームス・ザールでひらかれ、風邪をおして家族で行って来ました。広島出身で国際的に活躍しているチェンバロ奏者、光井安子さんらの呼びかけで、日墺の音楽家の方々が中心となって開かれたもの。 パリ室内楽アンサンブル、ウィーン少年合唱団、男声合唱団コルス・ヴィエネンシス、Ildiko Raimondi(ソプラノ)、 Yun Hong Zhao(ソプラノ)、小林真理(メゾソプラノ)、 Andrea Eckert(朗読)、光井安子(チェンバロ) が出演。とてもすばらしい催しでした。PRが足りなかったようで、観客席に空席が目立ったのがとても残念でした。

2012年9月26日水曜日

歯医者さん (エレーヌ・グリモーのソロ・コンサート)


 昨年の秋の暮れ、家族でエレーヌ・グリモーのソロ・コンサートに行ってきました。 場所は、ウィーン・コンツェルトハウス。アメリカから遊びに来ていた妻の従妹2人も一緒です。プログラムは、グリモー2010年のアルバム『レゾナンス』全曲。モーツアルト、リスト、アルバンベルグ、そしてバルトーク。

 会場は満席。著作もすべてドイツ語訳が出版されている彼女はウィーンでも大人気のようです。 休憩時間トイレに行く途中、どっかで見た顔にバッタリ。僕の顎の噛み合わせの問題と次女の歯列矯正で親子ともどもお世話になっている歯医者さんのDr. Ronayです。いつもの開襟シャツとジーンズという格好とはうって変わって、今日はダークグレーのスーツに真っ赤なネクタイ! 先生は、『あ、僕の患者だけど名前が出てこない…』 という表情でしたがにこやかに握手。 『明日予約が入っているので、よろしくお願いします。』と別れました。

 翌日、診療室に入るなり、『昨日の演奏はどう思いましたか?』  面白かったけど、モーツアルトは変わっていましたねと答えると、先生はニヤリとして、『そうなんだよ~彼女は、作曲家の意図を完全に無視して自分を表現するタイプだからね。 そういう意味では、グールドと一緒』 ...『昨日のバルトークは、ダイナミックスが足りなかったね。あそこのホールなら、もっとフォルテシモが出るはずだけどな~、ピアノのせいか彼女が疲れていたのかわかないけどね』...云々と診療後回しでしばらく音楽談義。

 先生はウィーン生まれ・育ちで思っていたよりだいぶ年上であるらしいということ、小さいころから音楽に親しみよくコンサートに行っていた。 グルダのベートーベン・ピアノ・ソナタ全曲演奏のコンサート・チクルスをすべてみた, ブレンデルが好きだ、などなど、15分程度で終わるはずの予約が40分近くかかってしまいました。 外に出ると患者さんが3人ほど待っていました。 

 グリモーが弾いたリストのピアノ・ソナタ・ロ短調を14歳のときにはじめて聴いて以来 好きな曲だという、DR. Ronayが一番好きだという ジョルジュ・シフラの演奏のCDをこれまた、先生に教えてもらった、jpc.de から早速買って聴きました。録音は、古いけどよかった。
グリュモーの『レゾナンス』も持ってなかったので一緒に買いました。 このCDのモーツアルトも独創的ですがコンサートの演奏はこれよりも格段にわが道をいっていました。 




2012年9月20日木曜日

2012-13 コンサート・シーズンの始まり (クラウディオ・アバドとルツェルン祝祭管弦楽団とマウリツィオ・ポリーニ)


いよいよ、2012-13 コンサート・シーズンが始まりました! 日曜日はシーズン始めにクラウディオ・アバドとルツェルン祝祭管弦楽団を聴きに行って来ました。 プログラムはモーツアルトピアノ協奏曲17番ト長調(KV 453) とブルックナー交響曲一番。会場は楽友協会大ホール。 ソリストは、マウリツィオ・ポリーニ。妻と長女は別の用事があったので、次女と二人。


ウィーンはだいぶ日が短くなってきましたが、開演まえの7時ちょっとすぎでもまだ明るいです。

今回は2階のバルコニー席です。

拍手に応えるアバドとオーケストラ

数年前の出張で、生まれて初めてウィーンにきたのが丁度この時期で、そのときに初めて楽友協会でコンサートを聴き、その際の演奏者が、アバド、ルツェルン、ポリーニだったので、感深いものがありました。そのときは、まさかウィーンに越してくるなぞ夢にも思わず。今度来れるのはいつのことやらと思っていたので人生わかりません。

コンサートはとてもすばらしいものでした。ブルックナーの一番は初めてだったのですが、とても楽しめました。アバドとルツェルン祝祭管弦楽団の演奏は特にすごいものだと思います。CDもいいのがありますが、ライブはもっとすごい。世界トップの名指揮者と技術・音楽性・経験を兼ね備えた世界トップクラスの音楽家達が音楽祭とこのツアーの為だけに集まって繰り広げる渾身の演奏は、バイタリティーと成熟を兼ね備え、音楽の魂を熱気を添えて観客に伝える類まれなものだと思います。



2012年9月16日日曜日

PSY







 いま、YouTube でバイラルになっているPSY(サイ)の「Gangnam Style (江南スタイル)」ミュージック・ビデオ。韓国で今年の7月15日に発売された同曲はYouTubeにオフィシャル・ビデオが公開され2ヶ月ほどで1億8千300万回の再生。34歳のK−ホップのラッパー (本名:パク・ジュサン)は、この成功でアイランド・レコード、そして、ジャスティン・ビーバー のマネージャー Scooter Braun (スクーター・ブラウン)と契約。アメリカで数多くのテレビ・ラジオ番組でインタービューを受け、同曲はiTunes シングルチャート一位を記録する等の快進撃。アメリカでは、オーバー・ナイト・サクセスとして大きな話題になっているようだ。 アメリカの公共放送NPRのインタビューでは、ボストン大学とバークリー音楽院に留学経験を持つサイが今後も韓国語で歌って行きたいと答えたことに、僕としては好感が持てた。英語以外でも世界に歌を広められるということは、ポップミュージックがインターネットによりグローバル化している証だと思う。

このビデオ、かっこよさを追わずにユーモアたっぷりでわかり易いということとキャッチーで聞覚えやすい「♫〜 ガンナム・スタイル〜♫」というリフレインが言葉の壁を越えて受けているのだと思う。

日本のミュージシャンもオフィシャル・ビデオをYouTubeでどんどんと公開すればいいのにと思う。サイのようにグローバルにブレイクするアーチストが出てくるかもしれない。どうせ海賊版がでまわるのだから、ケチらずに広告・PRに一部だと思えば良いのだ。


NPRのインタビュー:http://www.npr.org/2012/09/15/161147846/k-pops-new-king

PSY YouTube チャンネル、累計再生回数2億7千8百万回!: http://www.youtube.com/user/officialpsy?feature=results_main

本ビデオ関する楽天InfoseekWomen記事:http://woman.infoseek.co.jp/news/k-pop/kstarnews_kpop1305186175

2012年9月14日金曜日

Ruggiero Ricci (ルジェーロ・リッチのパガニーニ)






Ruggiero Ricci(ルジェーロ・リッチ)が先月亡くなった。享年94歳。アメリカ生まれのリッチは幼いことから神童として活躍。10歳でカーネギー・ホール初演、その際に花束の代わりに模型飛行機を送られ、楽屋にはおもちゃとお菓子が山のように届けられたと言う逸話もある。第二次世界大戦時に徴兵され、 “entertainment specialist” (娯楽専門兵)として慰問公演で各地を回った。そのときの経験が彼が多くの無伴奏曲をレパートリーにしたことに寄与しているという。パガニーニの再評価に貢献し、世界で初めてカプリース全曲を録音。彼は生涯で合計4回、この曲のレコーディングを行っている。


リッチ4度目のカプリースはパガニーニが使っていた、グルネリ・デル・ジェスの「カノン」を弾いて録音。五嶋みどりのCDを聴きなれていたので、初めて聴いた時は荒々しく感じた。でもアクロバティックでスリリングな演奏は、まさに、悪魔かと称されたパガニーニの意図する所だったのであろう。録音は、ちょっとラフな感じがしないでもないが、雰囲気は良く録れていると思う。
米ザ・アブソリュート・サウンド誌主宰のハリー・ピアソン氏絶賛のJVC/XRCD盤。ピアソン氏によるとオリジナルに匹敵するらしい、残念ながらオリジナルを聴いたことがないので何とも言えないが、いい音のCD。演奏も素晴らしい。オリジナルのデッカLPはかなりのプレミアムがついているようだからこのCDはお薦め。

お薦めのRicciのアルバム: