2016年7月28日木曜日

ライカ ズミルクス 21mm ASPH のボケ味 / Bokeh of Leica Summilux 21mm ASPH

Leica M-P (240),  Summilux 21mm ASPH, F5.6, ISO 200, RAW

長いと思っていて沖縄の実家での滞在もあっという間に過ぎて、両親の経過も良好だったので当初の予定通りに沖縄を発ち所用の為、東京に来ています。

先日、Leica AkademieのLeica M Workshopに参加してことを書きましたが(こちら)その際に試したズミルクス21mm ASPHのボケ味についてちょっと書きたいと思います。超広角レンズは被写界深度が深いこともあって、そのボケ味に関しては通常あまり話題に上がりません。しかし、このレンズのように開放F値が1.4 と特に小さいレンズは、フルサイズとい比較的大きなカメラのセンサーと相成って、結構はっきりと背景がボケます。上の写真はF5.6で撮影したもの、下の写真は開放F1.4です。

Leica M-P (240),  Summilux 21mm ASPH, F1.4, ISO 200, RAW
写真をダブルクリックして拡大して比べていただくとよりはっきりと違い分かるかと思います。開放値で撮影したものは、ボケに加えて周辺光量の低下もより顕著に出ているので、被写体(銅像)がよりはっきりと前面に浮かび上がる立体的な写りとなっています。なだらかな美しいボケと、ピントがあった部分のシャープさ、そして開放F値での自然な(作為的に見えない)周辺光量の低下が、ライカMシリーズの開放F値の小いレンズの独特な魅力です。値段のとはさておいて、このような写りが自らの求める作品のスタイルに共鳴する・はまってしまうと、プロ・アマ問わず写真家はライカの虜になってしまうのだと思います。多くの写真家が開放F値が0.95のノクチルクス50mmに憧れるのも頷けるかと思います。

前にも書きましたが、ズミルクス 21mm ASPH は素晴らしいレンズで、使う前の想像に反してカメラとのバランスも良く、取り回しの楽なレンズでした。宝くじにでも当たれば是非欲しいレンズではあります。 作例を2点追加します:

Leica M-P (240),  Summilux 21mm ASPH, F4.5, ISO 200, RAW
Leica M-P (240),  Summilux 21mm ASPH, F4.5, ISO 200, RAW

英文ですがこのレンズに関して参考になる作例の入ったブログを紹介します:
http://www.ventspleen.com/21mm-1-4-leica-summilux-lens-review/


2016年7月20日水曜日

両親の愛犬、柴犬のアレキサンダー 

Leica M9, APO Summicron 75mm ASPH

母は入院が3泊4日から7泊8日に伸びたものの無事退院、現在は自宅療養中。その後、父が胸が痛いと言って、かかりつけの病院に電話するとすぐ救急車を呼ぶようにと言われ、父に付き添って救急車に乗って大病院まで行って色々と検査してもらった結果、肋骨が折れてたというパプニングもありましたが、なんとか落ち着きました。ご心配いただきありがとうございます。

さて上の写真は柴犬のアレキサンダー、由緒正しい御生れとのことなのですが、ご縁があり血統なんかに無頓着な僕の両親の元にやってきました。もう10年ほど前のことです。このブログでも、カメラやレンズのレビューで時々モデルとして登場しています。

お散歩ルートの首里城公園にて Leica M9, Summilux 35mm ASPH Pre FLE
群れに帰属する本能がとりわけ強い(ように思える)アレキサンダー、父曰く、母がボスで、父は彼の同列以下だと思われているとのこと。母の言うことはほとんど何でも聞くし、母が撫でると終わるまで喜んで尻尾を振ってます。父には撫でさせてあげようという態度、ちょっと撫でられるととっとと去っていくか、もういいと軽く噛み付くふりをする。僕が触ろうとするもんなら唸ってマジに噛み付こうとする…。数年前、実際に噛まれて結構たくさん血が出て大騒ぎになった。散歩に連れてく時も僕にはリードを付けさせない。一番困るのは、夜になると僕に吠えるとこ。なぜか日中はほとんど吠えません、でも夜になると、お客さんいつまで粘るんだよ〜とでも言わんばかりにギャンギャンと吠える。帰省するたびに朝晩、散歩に連れっていて、餌もやっているのに、、、母の入院中、見舞に行って、買い物をし帰宅が遅くなった時、急いで父の夕食を作っている脇で吠えまくくられたのはさすがにストレスでした。

でも、両親にとってはとても可愛い愛犬のようで、何よりも犬の散歩をしているおかげで二人とも高齢にもかかわらず足腰がしっかりしている、犬のことで会話も弾みQuality of Lifeにも貢献してるようなので、僕は我慢するかと心に決めてはいるのですが、、、相手は犬だから話し合いで解決ってわけにもいかないしね〜。

Leica M9,  APO Summicron 75mm ASPH

2016年7月14日木曜日

今聴いている音楽ー「バッハ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」 ヒラリー・ハーン / Hilary Hahn Plays Bach



今回の帰省で、よく聴いているCD。沖縄に着いてからなぜかバッハの器楽曲ばかり聴いています。他のCDには手が伸びません。他のCDだとなんかイガイガと気に触る感じがするのです。バッハだと自然に音が耳に入り、音楽に身が包まれる感じがします。今回の帰省は色々とあるので、自覚はないのですがストレスが溜まっているのかもしれません。

このCDは、数年前父に突然、『クラシックを聴きたいが何を聴けばいいか』と訊かれ、ちょっと驚いた僕は、じゃあ、アマゾンで何枚が見繕って注文しておくからね、と言って買ってあげたCDの中の一枚。当時、80代後半だった父にとって初めて保有するレコード・CDだったのではないかと思います。父は、自ら自分は音痴だと語ってくれことがあり中学校(旧制)の頃、合唱する際に音楽の先生に『…お前は、口だけ開け閉めして声を出さなければ甲をやる…』と言われて以来、音楽が嫌いになったとのこと。母はそれと対照的で、小学校高学年の頃からバイオリンを弾いており、僕が子供の頃の記憶にも、バイオリンを練習していた母の姿を思い出すことができます。僕が高校生の頃、芸術科目で音楽を選択、先生は母と親しかった高校時代の同期生の方で、入学後初めて受けた歌の実技の試験の際に『君はお父さん似か、お母さん似か…』と訊かれ、歌い終わった後、『…お母さんの血を受け継いだようだね…』と言われた時のことを今もはっきりと覚えています。

ヒラリー・ハーンのバッハ無伴奏のCDは彼女17歳の時のレコーディングで、デビュー作。全曲版ではなくパリティータ2番・3番、そしてソナタ3番のみ。何度、聴いても素晴らしく感じられ、飽きることはありません。このCDを聴くと音楽の神童というのは現代にも存在すると思わざるをえません。僕が個人的に知っている友人・音楽家の方々でこのレコーディングを聴いたことがある人はみんなこのCD・演奏を褒めます。先日もウィーンで知り合ったバイオリニストの方と話していて、たまたま僕が持っていて、彼女が聴いたことがないというバッハ無伴奏CD数枚お貸しすることになり、このCDもその中の一枚でした。とても気に入ったようで、CDを返してくれた時に、ヒラリーのだけはもう少し貸しといてねと頼まれました。彼女は音楽家仲間にもヒラリーのことを訊いたようで、ヒラリーは、ほぼ完璧なテクニックと素晴らしい音楽性、そして一緒にツアーをするオーケストラの面々にチョコレートを差し入れたり、冗談を言って愛嬌を振りまいたりと謙虚で明るく朗らか人柄も相まって評判が高く人気があるとのこと。

そんな彼女のデビューCD、17歳のアメリカ人バイオリニストの弾く無伴奏なんて…という聴かず嫌いの方も(僕も初めはそうでした)、是非一度聴いてみてください。



2016年7月12日火曜日

母の病室から見える景色

Leica M9, APO Summicron ASPH 75mm
沖縄の近くを通過した台風1号の影響もあってか、一昨日辺りまではにわか雨が降る曇り空、風が強く、暑さが和らいでいましたが、今日あたりから暑さ全開、真夏の天気です。まだ雲は多めです。

上の写真は母の病室から見える那覇新港。母は、色々な船が出入りする様子が見えて楽しいと言っていました。昨日は大きな貨物船が積荷を下ろしていましたが、今日が大型客船が見えます。

この病院は2000年に閉館した那覇東急ホテルが改装されて出来たところです。そのため、病院の入り口奥には3階吹き抜けで日本庭園が望めるロビーがあります。素晴らしいく綺麗な色の海が見える立地もその為だと思います。ちなみに那覇東急ホテルは、沖縄が返還される前は、琉球東急ホテルと呼ばれ、沖縄においてはいわゆるシティ・ホテルの草分け的な存在だったと思います。母が入院する際に付き添ってくれた叔母は、ここで結婚式を挙げたんだよと話してくれました。

母の容態ですが、手術はうまく完了したものの、不整脈はあまり改善されなかったようで、当初の予定より入院が長引く模様。担当医のお話だと、ペース・メーカーを入れないといけないかもしれないとのこと。母の見舞いと、父と両親の愛犬アレキサンダーのお世話と、買い物・掃除などの家事で1日はあっという間…。

2016年7月7日木曜日

帰省中です

Leica M9 Summilux ASPH 50
母が不整脈・心房細動のカテーテル治療の為、入院することになったので、職場の上司にお願いして急遽予定を変更し早めにそして長めに一時帰国することにして、今沖縄の実家です。父は92歳、母は今年81歳、弟はアフリカのザンビアに赴任中ですので、僕が帰ってくることにしました。母にとっては自分の体のこと以上に父の世話のことが最も気がかりだったようです。

色々と気忙しく、ブログの更新どころでもないのですが、時差ぼけで寝付けず、パソコンに向かっています。こんなことしてると余計寝れ無くなると云われているのですけど… とりあえず、近況報告。


2016年7月2日土曜日

フーバー・早乙女・陽子さんのリサイタル / Yoko Saotome Huber Violin Recital in St.Michael

Leica M9, Elmarit 21mm Pre-ASPH
先週の日曜日 (6月26日)に家族3人でフーバー・早乙女・陽子さんのバイオリン・リサイタルに行ってきました。場所はウィーン19区のSt. Michael教会。朝のミサのすぐ後に行われる教会主宰のコンサート一環だったようです。フーバーさんはウィーンを拠点に活躍されているバイオリニストでこのブログでもおなじみの方です

ブログラムは以下の通り:
A. Corelli (1653 – 1713): Sonate op. 5 / 9. 4 Sätze (Mit Verzierungen von Geminiani)
J. S. Bach (1685 – 1750): Ciaccona – aus Partita Nr. 2 für Violine solo BWV 1004
H.I.F. Biber (1644 – 1704): Sonate c-Moll Nr. 6
T. A. Vitali (ca.1665 – ca.1747): Ciaccona g-Moll
J. Pachelbel (1653 - 1706): Canon D-Dur
J. S. Bach (1685 – 1750): Air sul G

教会で、ミニチアながらパイプオルガンの伴奏で聴く、バロックのバイオリン名曲は、素晴らしい響きで、これが作曲者が意図していた音だったのかなと想像が膨らみました。

フーバーさんの演奏はいつもながら素晴らしいものでしたが、今回は特別な何かかが加わって特に心に曲の印象・メロディが残ったものが多かったです。

ビーバーというとしばらく前にJohn Halloway というバロック・バイオリン奏者が出した以下のCD「Der Türken Anmarsch」を聴いてはまったことがあります。いまでも時々聞きますが、心が清められ・癒される演奏だと思います。日本は絶版のようですが中古とデジタル・ダウンロードが出ているようなので是非聴いてみてください。


アマゾンはこちら:Der Turken Anmarsch

オーストリア大統領選のやり直し!


先日、『オーストリアで危うくネオナチとの関係があるとされる極右政党の候補が大統領に当選しそうなったり...』 と書きましたが、何と昨日 (7月1日)オーストリアの憲法裁判所が5月に行われた大統領選の開票手続きに不備があったとして、その結果を無効とし大統領選挙をのやり直すように命ずる判断を下しました。異例のことのようです。極右政党の自由党は、反難民・EU離脱を主張しており、英国のEU離脱の国民投票の結果が自由党の支持を増やすのではないかと懸念する人たちも多いようです。

今年行われた大統領選挙では、どの候補者も過半数をとれず、中道候補が敗退し、上位2候補のリベラル左派と極右の一騎打ちの決選投票の末、0.6%という僅かな票差でリベラル候補当選下という経緯があります。

その結果、オーストリアは人口850万人弱の小さな国で、アメリカと違い大統領の実権はかなり制限されているのですが、今年の大統領選挙はヨーローッパの政局を占う試金石と評されていました。再投票は9〜10月の間に行われるとのこと。同国の政局不安定に繋がらないと良いのですが...

本件に関する日経新聞の記事:
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM01H9F_R00C16A7FF1000/