2019年12月8日日曜日

Alison Jackson "Fake Truth"/アリソン・ジャクソン写真展「Fake Truth」

「Private 2016: Royal Cover」(Amazon.co.jp よりアフィリエイト・リンク


先日、修理から戻ってきたカメラを取りにLeica Shopに行った際、併設されている写真ギャラリーのWestlichtでイギリスの写真家、アリソン・ジャクソンの「Fake Truth」という写真展を見てきました。

考えありうるけれどもあり得ない、極めて超現実的な設定で撮られた実在の著名人の作品で構成された写真展。「Private 2016: Royal Cover」という写真集の表紙のも展示されていた作品の一つですが、全体のトーンとしては強烈な風刺、イギリス独特のユーモア。一部、スキャンダラスでショッキングなイメージも含まれていました。具体的にはジャクソン氏のHPをご参照 こちらです。(人前では見られない写真も多いのでご注意あれ) 

タネあかしをすると、特にイギリスでは多い、そっくりさん芸人をモデルにして撮った写真。メッセージは、しかも、インターネットで情報が氾濫している今の時代では何が真実がわからない、ということ。簡単に加工できるデジタルではなく、殆どが銀塩フィルムで撮影たれた写真という周到さ。こんな写真展を見てしまうと、フェイク・ニュースが蔓延し、事実を受け取り手 自らが見たい・読みたい・聞きたい・信じたいように表した情報を選び消費できるようになっている現在、何が最も客観的に事実を表しているかを判断しそれを見極めるスキルは必要でとても大切なものであるということを再認識。

でも、ここまで徹底すると、面白いですね。

2019年12月4日水曜日

Neotech DG-201 RCA プラグ




今週からウィーンもめっきり冷え込み朝夕は零度前後の気温。

久しぶりのオーディオ関係の投稿。 9月に帰省した際に大阪から沖縄に移住されたオーディオの大先輩でもある友人から強く薦められたNeotech DG-201 RCA プラグを購入。早速、フォノイコ⇔プリアンプ間のケーブルに使っていたWBT102Cu と交換。ちなみにこのケーブルにはVH AudioのV-Twist™ Cu24 (こちら)を使用。


届いた箱がRCAプラグ4本にしては大きくて重かったので「?」と思いながら開けると、立派な缶のパッケージング、それぞれのプラグはがっしりとして大きく重量もありますが、オーディオパーツにありがちな無骨さはなく洗練された作りとデザイン。これだけでも価格以上のクオリティーを感じさせます。2本のネジでケーブルを固定する構造も安心感があります(WBTは一本)。

まずは、WBTのプラグ付で聴いて、プラグを取り替えたのち、再試聴。 「うーん」、初っ端からNeoTechのほうが好みであると断言できる明らかな音の違い。値段はWTBの1/3以下なのに…やれやれです。たまたま妻が帰省して不在であることもあって、深夜までレコード鑑賞。

我が家のシステムでは、アナログ盤をかけてもちょっと線が細く若干ドライな音で、どうせLPかけるならもっと暖かくおおらかな音が良いなと思っていました。僕は、その原因が導体であるV-Twist™ Cu24と思っていたのですが、実はプラグのほうだったのですね。NeoTechは、WTBと比べると若干温かみを増した自然な感じの音。それいて、空間の広がりがより聞き取れて、情報量も勝るとも劣らぬ感じ。エージングでかなり良くなりそうな予感! この違いを聴くと、同社の上位商品のUP-OCC製のプラグを試してみたくなりましたが、そちらはDG-201のおよそ4倍の値段! ま、いずれ…。

僕はフランスはボルドーに拠点を置くネットショップから購入しました:https://www.audiophonics.fr/en/rca-plugs/neotech-dg-201-rca-plug-central-pin-ofc-o106mm-set-x4-p-11928.html


その他:以下のネットショップでも買えます(いずれも僕が時々使っているところです):

https://www.hificollective.co.uk/phono_plugs/neotech-gold-plated-rca-dg-201.html

https://www.partsconnexion.com/NEOTECH-76105.html

http://wp.neotechcable.com/rca-plug/  より引用

2019年11月30日土曜日

コンサート: イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団 +アンドラーシュ・シフ


今週の火曜日(11月26日)は、イヴァン・フィッシャー(Iván Fischer)指揮ブダペスト祝祭管弦楽団(Budapest Festival Orchestra)のコンサートに行ってきました。会場は楽友協会大ホール、ピアノのソリストは、サー・アンドラーシュ・シフ(Sir András Schiff)。 妻が急に一時帰国することになり、音楽好きの同僚にチケットを引き取ってもらい一緒にいってきました。プログラムは以下の通り:

Antonín Dvořák:
legend, op. 59/5
Lullaby. Chorlied, op. 29/2 (オーケストラのメンバーによる合唱)
Slavonic Dance for Orchestra A flat major, op. 72/8

Ludwig van Beethoven: Concerto for Piano and Orchestra No 5 E flat major, op. 73

Antonín Dvořák: Symphony No. 8 in G major, op. 88

ピアノのアンコールは Ludwig van Beethoven:Sonata for Piano F major, op. 10/2(No.6) - 1st movement

去年の同じ頃にあったコンサート(こちら)の延長線にあるプログラムでしたが、今回はベートーベンのピアノ協奏曲5番とドボルザークの交響曲8番という有名曲。前回に勝るとも劣らぬ演奏でした。

とくにピアノが主役で前に出てくる協奏曲5番でのシフは最高。それ以上に僕は後半のドボルザークの8番にとても感激。これ以上の演奏はできるのか?と思うぐらい凄かったです。

最近はよく、シフのレコーディングを聞いているのですが、特にベートーベンやシューベルトの新しいECMのレコーディングが大好きです。今、一番好きなピアニストかもしれません。

ちなみに、僕は 以下のラファエル・クーベリックとベルリン・フィルのCDを9番が目当てで買っ他のですが、8番の方に魅力を感じ、この盤ではそっちの方がばかり聴いていました。



2019年11月26日火曜日

Rickie Lee Jones (リッキー・リー・ジョーンズ)コンサート




アムステルダムから戻った翌日の11月19日 火曜日は、妻と Porgy and Bessリッキー・リー・ジョーンズのコンサートを観てきました。バックのメンバーは以下の通り:

Rob Mangano: guitars, keyboards, vocals

Cliff Hines: guitars, vocals

Mike Dillon: percussion, drums



僕がJonesを良く聴いていたのは80年代半ばから90年代前半の間。このコンサートの告示を観たときには、まだツアーをしているのかと思い、イメージが壊れるのがいやで、チケットを買うのをちょっと躊躇もしましたが、杞憂でした。 独特のボーカル・スタイルも超えの音域も健在、プログラムの過去のアルバムからの有名曲が7~8割程度、残りが最近のアルバムから。昔良く聴いた好きなアルバムの収録曲が即興性を加えながらも曲の多くがオリジナルのイメージを崩さずにライブで聴けたのは嬉しかったです。

Jonesを含むメンバーすべてが、マルチ・イントラメンタリストでサウンド、アンサンブルもバッチリでした。 行けて良かったです。




2019年11月24日日曜日

アムステルダムへの小旅行


Eastern Docklands, Amsterdam
長女の様子見に、休暇を二日頂いて11月15日(金)~18日(月)の間、妻とアムステルダムに行ってきました。久しぶりに3人で美味しいものを食べて、美術館に行き、大学時代の友人と30数年ぶりの再会と楽しいひと時を過ごせました。

ディエゴ・ベラスケス(左)とレンブラントの自画像

アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam ライクスムゼーウム)では、『レンブラントとベラスケス』という特別展があり、この二人だけではなく、同じく17世紀活躍したオランダとスペインの画家の作品を関連・対比性でくぐりペアにして展示する企画で、それなりに面白かったです。最近のヨーロッパの美術館では,若い人の美術館離れに対応するべく、美術史のみの観点から離れてより一般の人がわかりやすい企画が増えている傾向のようです。

ここ以外に写真美術館「Foam」に行って、ブラッサイの特別展を見てきました。


デザイン大学を卒業後、自らの生きる道を模索し、それなりに悩んで苦労しているであろうて長女のことを考えると、親としては心配も大きいのですが、ささやかに経済的な援助する以外できることも無く、歯がゆい無力感にとらわれ、とても気が重くなりましたが、遠くからしっかりと見守る以外ないと自分を説得しようとしています。

2019年11月22日金曜日

ヴァレリー・ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(Münchner Philharmoniker )コンサート


今週のウィーンは雨模様の日もありましたが概ね良好、気温も日中11度前後の穏やかな日々が続いています。色々とあって、書きたいことは多いのですが、更新が滞りましたのでキャッチ・アップを急ぎます。

先週の水曜日(11月13日)は妻と共に楽友協会大ホールでValery Gergiev(ヴァレリー・ゲルギエフ)指揮 Münchner Philharmoniker(ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団)のコンサートに行ってきました。ソリストは、Janine Jansen (ジャニーヌ・ヤンセン)、プログラムは以下の通り:

Jörg Widmann:Con brio. Konzertouvertüre für Orchester
Max Bruch:Konzert für Violine und Orchester g-Moll, op. 26
Jean Sibelius:Symphonie Nr. 1 e-Moll, op. 39

ヤンセンのアンコールは:
Johann Sebastian Bach:Partita für Violine solo Nr. 2 d-Moll, BWV 1004 - Chaconne

とても満足行くコンサートでしたが、今回感じたのはヤンセンが控えめながらとても個性的な演奏をするバイオリニストであるということでした。ブルッフのバイオリン協奏曲はとても好きな曲で、一時期はまって、色んなレコーディングの聞き比べをしたことがあるので、ヤンセンの個性的なところがよく理解できました。後半のシベリウスも良かったですが、ゲルギエフは今年始めに聞いたチャイコフスキー交響曲全曲演奏ミニ・シリーズ・コンサート(こちら)のインパクトが強すぎて、期待しすぎであったかなとの印象でした。


2019年11月8日金曜日

上原ひろみ(Hiromi)コンサート


先週の水曜日(10月30日)は、妻と二人で上原ひろみのソロ・コンサートに行って来ました。会場は、コンツエルトハウス・モーツアルト・ザール。主に最新のソロアルバム「Spectrum」からの曲が中心のプログラムでした。

アメリカにいた頃、僕のジャズの師匠であった退役軍人のボブが、『…日本人のジャズピアニストのHiromiを聴いたことがあるか? オスカー・ピーターソン以来の超絶技巧ジャズピアニストだよ、兎に角、ライブがすごいんだ…』といって教えてくれてくれたのが十数年前。ずっと観たいと思っていたHiromiのライブ、やっと叶いました。ちなみに、ボブは妻の従姉のご主人でセミプロでドラムとサックスを演奏していたジャズ・ミュージシャンでもあります。

彼女の演奏はAmazing!の一言。音楽性もテクニックも文句なしに最高なのですが特にすごいのは彼女の観客を音楽に惹きこむカリスマ。これは確かにライブでないとわかりません。今までウィーンで行ったコンサートのすべての中で最も観客の喝采が盛大であったような気がします。

最初から最後まで、にこやかな表情で全力を注ぐHiromiの演奏に感化され高揚した気分で、妻と二人、自宅に戻りましたが、そこで知ったのが首里城の火災。信じがたく、悲痛な思いで二人ともなかなか寝付けませんでした。

2019年11月1日金曜日

首里城焼失

一昨日の夜、コンサートから家に戻ってきてNHK World-Japanの速報で火事のことを知りました。信じがたい悲しい出来事でした。

僕が首里で育っていた頃は、首里城は城址の面影なんてまったく無い、父の勤め先の琉球大学がある場所でした。母が子供の頃よく遊んだという正殿は実家から数百メートルの場所にあるはずの建物なのに写真か博物館の模型でしか見ることのできない、自分にとっては戦争で失われたもの象徴であり、行ってみたかったという憧れでもありました。それだけに首里城が復元されたというニュースは海外で生活している自分にとっても、とても誇らしく嬉しいことでした。

首里城の丘のふもとに今もある僕が通っていた小学校では、1972年に祖国復帰するまで『…君たちは日本人なのだから、休日には必ず日本の国旗をあげるように…』(注)と教わり、時折、教室で『君が代』を歌っていたということが自分のアイデンティティー形成に大きな影響を及ぼしたと思っています。今考えると、ある意味で当時の琉球大学は琉球列島米国民政府(USCAR)が建てた米軍統治時代の象徴、第二次世界大戦で失われた首里城は明治維新後大日本帝国に統合された琉球王国の歴史の象徴、そして復元された首里城は民主化された日本国が建てた沖縄祖国復帰の象徴であったと思います。

物心ついた頃から、首里城は沖縄のおじいちゃんとおばあちゃんの家の屋上から見えるものだと思って育った娘たちにとっては自分以上にショックだったようです。

新聞の記事(こちら)によると、首里城にはスプリンクラーが設置されていなかったとのこと。どのような理由で設置されなかったかは知りませんが、『もし設置されていたのであれば』と、悔しい気持ちでいっぱいです。

別の記事(こちら)では、1500点以上の絵画、漆器、史料などの収蔵品うち400点以上が焼失、残りの品も確認できない状態であるということ。完全に永久に失われた琉球王国の文化の遺産に気持ちのやり場がありません。

(注)米軍統治下時代の沖縄では公休日のみ日本国旗の掲揚が許されていたということをだいぶ後で知りました。

2019年10月29日火曜日

ヴェルディのオペラ「マクベス」


今週に入り、ウィーンは最高気温10度前後と季節相応の気候になってきました。夏時間が終わったので夜が早く来ます。

さて、先週の金曜日(10月25日)は同僚からチケットを頂いたのでヴェルディのオペラ「マクベス」を観劇。会場はウィーン国立歌劇場。妻はまだ帰省中であったので僕一人。主要キャストなどは以下の通り:

指揮 Giampaolo Bisanti・監督 Christian Räth・舞台/衣装 Gary McCann
照明 Mark McCullough・舞台 Nina Dunn

Macbeth: Plácido Domingo;Banquo: Ryan Speedo Green;Lady Macbeth: Tatiana Serjan
Macduff: Jinxu Xiahou;Malcolm: Carlos Osuna;Spion(スパイ): Ayk Martirossian
Kammerfrau(侍女): Fiona Jopson


あのプラシド・ドミンゴがマクベス役で主演。彼はバリトンのパートを歌っているのですが、まったくテクニックを感じさせず、充分な声量で役になりきって感情をこめて歌う感じはさすがドミンゴ。78歳とは思えません。ニューヨークに住んでいた頃、現役バリバリでテノールのパートを演じていた頃のドミンゴをメトロポリタン・オペラで観た記憶はあるのですがそのときどう感じたかは残念ながら憶えていません。しかし、今回のドミンゴはオペラ界の大スターの名に恥じないパフォーマンスだったと思います。

他の主要キャストもみんなドミンゴに匹敵する力量で、これだけ素晴らしい歌手がそろうとオペラは最高の出来になるんだととても感動させられました。しかし最近セクハラ疑惑で告発されたドミンゴ主演のオペラを観て感動したということに対しては複雑な心境でもあります。ウィーンのオペラファンは、ブーイングなどせずに、彼に盛大な拍手を贈っていました。

観ていて「マクベス」は今の世情に合った物語だな~という思いが頭に浮かんできました。

4年ほど前の動画ですが、今回と同じの演出・舞台・衣装の「マクベス」の公式予告編を添付します:



11月1日の最後の公演は、ライブストリームで観れるようです:https://www.staatsoperlive.com/




2019年10月24日木曜日

パワーアンプのカップリング・コンデンサーの続き


ウィーンは、朝の通勤時の気温が10度前後、昼過ぎから日没まで19度前後になる日が1週間ほど続いています。朝は霧がかかり夕方にかけて晴れるというパターン。寒かったり、暑かったりするもいやですが、こんなに気温差がある日々が続くなんとなく体の調子が変な感じです。

一ヵ月半ほど前に書いたパワーアンプのカップリング・コンデンサーの続きです(前回はこちら)。帰省した際にオーディオの大先輩からTRTのStealthCapがお勧めと教わったので、悩みましたが僕はTRTのコンデンサーを使ったことが無くて未知の領域であったので、結構値も張るし、まずは好みの方向であると分っているものにしようとJupiter社の銅箔・蝋・ペーパーコンデンサー(こちら)と 欧米の自作派オーディオマニアの間で高い評価のDuelund社の銀箔・蝋紙・オイル・バイパス用コンデンサーにしました。Jupiter社のコンデンサはだいぶ値上がりしており、ショック! いずれTRTのコンデンサーも試したい思っています。

このバイパス用コンデンサーは容量が0.01uFなのに結構な大きさ。取り付けるには若干の工夫が必要ですので色々と考えて下の写真のようにしました。多くのカップリングコンデンサーを試してきた為さすがに基板のランドも剥がれきたので回路図を見て、テスターで通電を確認し、直接前後の部品に配線・半田付け。

本来だと、まずJupiter社の銅箔・ペーパーコンデンサを取り付けて暫く聴いてから、バイパス用コンデンサーをつけると効果がわかって良いのだと思うのですが、ちょっと面倒だったので、以前 Duelund社のCAST PIO Cu (銅箔・オイル/蝋紙)(こちら)から  CAST PIO Cu/Ag(銅・銀箔・オイル/蝋紙)換えたとき(こちら)に違いも聴けたからいいや…とバイパスコンデンサーも一緒に取り付け。

まだ、エージング中ですが、音は我が家のシステムが今のところ最も好ましく鳴ってくれているかと思っています。しょっぱなから音が良いとエージング後はもしかすると好みから外れるか?という懸念もあるのですが、現時点では良い方向に進んでおり、家で音楽を聴くのがとても楽しい状況です。たまたま妻が義理の両親の様子見に帰省していることもあって、ついつい音量を上げすぎてクリップし、あわててボリュームを下げるということもたびたびありました。回路設計にもよるのでしょうが、我が家のパワーアンプはこのカップリング・コンデンサーでこれだけ音が変わるのにはちょっと驚きです。

ま、これが趣味なのでそのうちに気になることも色々と出てくるとは思いますが…


僕は主に以下の2つのウェブ・ショップでパーツを買っています:

https://www.partsconnexion.com/

https://www.hificollective.co.uk/



2019年10月18日金曜日

第3回 ウィーン日本映画祭 (Japannual Japanische Filmtage Wien)


墺日協会主催のウィーン日本映画祭が10月1日~6日の間、開かれました。今年で第3回目、諸事情で過去2回、観に行くことができなかったので、妻と二人で今年こそはと、張り切って上映 さ れ る 映 画 す べ て に利用できる特別共通パスを買ったのですが、すでに書いたように色んなことが重なって、やっといけたのが5日土曜日…。元を取るぞと遅れを挽回すべく、2日で計5本、以下の映画を観ました:「日日是好日」、「サムライマラソン」、「メランコリック」、「引越し大名」、「翔んで埼玉」。どれも面白かったですが、個人的に特に印象が強かったのが、「日々是好日」と「メランコリック」でした。


僕は、小津安二郎が好きで、氏の映画に相通ずる、決して劇的ではなく多くの普通の人々が日常のなかで遭遇する日々のドラマを淡々と語る映画に惹かれます。良い意味で流れにあがわらず包容と受身の感覚に溢る中から自らの道を探し得る主人公の生き様を描くスタイルは多くの日本映画の魅力の一つではないでしょうか?「日々是好日」は、まさにその様な魅力のある映画でした。優れた監督、脚本、キャストでこの物語の魅力が十二分に表されていたと思いました。僕は大学時代に茶道を習っていたのですが、観ていてその頃の思い出が沸きだしてきました。



本邦では低予算映画として話題になったようですが、それを知ったのは観て後のこと。そんなことまったく感じさせない優れた出来栄えの映画だったと思いました。『さとり世代』や『子供部屋おじさん』といった今の日本の世情を反映した現実的設定のファンタジー。羨む学歴を持ちつつも世間一般の期待に沿った人生を歩めず(まず)にそのはざまで停滞してる主人公がシュールな状況に嵌って、結果的に学歴の呪縛から逃れ、自らの道を見つけ、自己実現を果たしていくというある意味で希望のあるストーリーでした。僕は、伊坂幸太郎の小説が好きなのですが、氏のユーモアに相通ずる可笑しさのある映画だったと思います。

ゲストでいらしていた、「メランコリック」監督・脚本の田中征爾氏、主演・プロデュースの皆川暢二氏、「翔んで埼玉」監督の武内英樹氏の談話と質疑応答もとても興味深かったです。


2019年10月13日日曜日

内田光子とイェルク・ヴィトマン(クラリネット)コンサート


先週の木曜日(10月10日)は、内田光子とイェルク・ヴィトマン(Jörg Widmann)のコンサートに行ってきました。会場は、コンツェルト・ハウス、モーツアルト・ザール。妻が用事と重なったので、職場関係のクラシック音楽ファンでオーディオファイルでもある友人と行ってきました。プログラムは以下の通り:

Johannes Brahms:Sonata in F minor op. 120/1 for clarinet or viola and piano (1894)

Alban Berg:Four pieces for clarinet and piano op. 5 (1913)

Jörg Widmann:Fantasia for clarinet solo (1993)

Franz Schubert:Impromptu in c minor D 899/1 (1827)

Jörg Widmann:Sonatina facile for piano (2016)

Robert Schumann:Three Fantasy Pieces op. 73 for Clarinet and Piano (1849)

アンコールは
Felix Mendelssohn Bartholdy:Sonata in E flat major for clarinet and piano (2nd movement: Andante) (1824)

デュオと各々のソロを交えた構成。クラリネット奏者のイェルク・ヴィトマン(Jörg Widmann)は、作曲家・指揮者としても活躍しているアーティストなので、ソロ2曲は氏の作曲。選曲も抜群、演奏も最高の素晴らしいコンサートでした。こういうコンサートはとても楽しめます。 大満足! しかし、内田光子のシューベルトは僕にはちょっと違和感があったかな〜。

写真はどれを載せるか迷ったので2枚アップしました。




2019年10月10日木曜日

コンサートシーズン開幕、二つのコンサート: ペトレンコとフジコ・ヘミング


このところウィーンは朝の通勤時に6度、日中は13度程度とコートが必要な肌寒い日々が続いています。 仕事も忙しいのですが、ここ10日ほど、プライベートの面で怒涛のごとく忙しく、会食、送別会、コンサート、海外からの来客、オーディオの集まり、そして、ウィーン日本映画祭(報告は後日書く予定)、ウィーン・デザイン・ウィークと何でこんなに重なるんだ?という感じです。

9月に帰省したこともあって、今シーズン初コンサートは10月3日木曜日。妻と一緒にコンツェルト・ハウス 大ホールで行われた、キリル・ペトレンコ(Kirill Petrenko)指揮のバイエルン国立管弦楽団(Das Bayerische Staatsorchester)を聴きに行って来ました。「ドイツ統一の日」に行われたコンサートの演目はスメタナの「わが祖国」。東西ドイツの統合の一つの契機となった出来事が、西側に亡命を希望する東ドイツの難民がプラハの西ドイツ大使館に数千人押しかけた一件であることも、この演目を選ぶ理由となったようです。

「わが祖国」はあまり演奏されない曲で、コンサートで聴くのはこれが2度目(前回はこちら)、偶然ではありますがペロレンコを聴くのも2度目でした(こちら)。席がステージに近かったので、表情豊かに体全体で指揮をするペトレンコ氏の様子をじっくりと観れたのは面白かった。演奏は、明るい希望にあふれる「わが祖国」という印象で記念すべきこの日にピッタシだったと思います。座っている席が関係したのか、一部オーケストラのアンサンブルが「?」というところが数箇所あり、妻は気になったようでした。 残念なことに、なぜか曲の途中で休憩が入り、僕はそれでちと興ざめ。 アンコールはドヴォルザークのスラブ舞曲 第一番でした。



一昨日の10月8日火曜日は、日本オーストリア友好150周年の一環のイベントで、フジコ・ヘミングとAuner Quartet+Dominik Wagner(コントラバス)のコンサート。会場は楽友協会ブラームス・ザール。妻と二人で行って来ました。プログラムは以下の通り:

Franz Schubert: Impromptu for Piano G major, D 899/3
Frédéric Chopin: Etude for Piano C Minor, op. 10/12、Etude for piano in A flat major, op. 25/1
Polonaise for piano in A flat major, op. 53

Franz Liszt: Un sospiro. Concert work in D flat major、La Campanella

Wolfgang Amadeus Mozart:String Quartet in C major, KV 157

Franz Schubert:Quintet for Piano, Violin, Viola, Violoncello and Double Bass A Major, D 667, "Trout Quintet"

86歳のヘミング氏、初めて聴きましたが、とても魅惑的で音楽性の高い演奏は今まで聴いた、どの巨匠の演奏にも勝るとも劣らないものでした。プログラム最後のシューベルトの鱒もポピュラーで僕もとても好きな曲なのですが、あまりライブでは演奏されないので、コンサート聴いたのは初めて。若手弦楽演奏家のホープたちがヘミング氏を支えて一丸となった演奏には心打たれるものがありました。

フジコ・ヘミング公式サイト:http://fuzjko.net/

Auner Quartet HP: https://www.aunerquartett.at/

Dominik Wagner: https://dominikemanuelwagner.com/



2019年10月3日木曜日

今回の帰省で...



今回の帰省は両親の様子見が主な目的だったのですが、その合間に旧交を温める機会そして新たな発見がありました。

旧交を温めた:

まずは、沖縄のオーディオ仲間とも再会。皆さんお忙しい中、3連休の中日に集まっていただき嬉しかったです。ありがとうございました! このグループのオーディオ以外の共通項が「首里」であるというのも面白いなあと思っています。

そして、大阪から移住された友人でオーディオの大先輩のお宅への再訪。前回お邪魔した時から、クロックがGrimmに変わったことと、そして、細かな箇所で色々とアップグレードされているとのことでしたが,それらが見事に「シナジー効果」を生み出しており、主だった機器を変えなくてもこんなに音が向上するこか?ということで驚きました。あくまでも主観ですがオーディオというよりも生演奏を聴いているときのような気持ちで音楽を楽しめました。特に印象に残ったのは「The Roy Haynes Trio Featuring Danilo Perez & John Patitucci」のレコーディングのPattiucciのベースの音。弦を爪弾くアタックとボワーンという胴鳴りとのリアルなバランスと音量で、これはライブだと特に珍しい聞こえ方ではないのですが、オーディオでここまで再生されたのを聴いたのは初めてでした。


新たな発見二つ:



「Coffee Potohoto」:長女が去年の11月から今年の6月の間、母から沖縄料理を習う目的で実家に滞在していたのですが、そのとき教わった美味しいコーヒー屋があるからと、最近コーヒーに凝っているの僕に勧めてくれたお店。那覇市安里の栄町市場の中にあります。店主直接買い付けの古来種の希少豆フィリピンミンダナオ島カラサンスウィートを淹れていただきました。美味しかった! HPはこちらです:http://www.potohoto.jp/index.html
ちなみに、栄町市場は僕が子供の頃から殆ど変わらず昔の姿を保っているとても懐かしさあふれる場所です。


もう一つは、「Wolf Bräu(ウォルフブロイ)」。実家から徒歩10分程度のところに今年8月にオープンしたという、クラフト・ビール屋さん。ドイツ人のご主人がブロイ・マイスター。デュッセルドルフの地ビールであるAltをいただきましたが、蒸し暑い沖縄の気候でも飲み易いようにアレンジされたさっぱりとしたのど越しのよいビールでした。涼しくなるにつれて本格的なAltを造られるようです。FB ページはこちら:https://www.facebook.com/pg/WO.BRAU/reviews/?ref=page_internal 

このような場所はとても大切だと思いますので、皆さんご贔屓にしてあげてくださいね。僕も帰省するたびに飲みにいきます!

2019年9月30日月曜日

オーディオ・マニアの(オーディオ・マニアとしては)ささやかな贅沢


先週の木曜日(9月26日)にウィーンに戻ってきました。秋晴れの気持ちの良い気候です。

実家には、僕と弟が中学から大学生にかけて買ったLPが二百枚ほど置いてあるので、帰る度に聞きたいと思っており、3年程前に格安の新品国産レコード・プレーヤーを買ったのですが、レコードプレーヤー名門であったことも今のこの会社にとっては過去の栄光。回転数がまったく安定せず、時には極端に悪くなりワオワオ状態で聞けたものではなかったのでどうしたモノかと気になっていました。まさに安物買いの銭失いとはこのことで、今回思いきってRegaのPlanar1を実家用に導入しました。年に長くても4~5週間しか沖縄の実家には、滞在しないのでオーディオ・マニアの(オーディオ・マニアとしては)ささやかな贅沢であります。

今回の帰省では、小・中・高校が同窓でオーディオ大先輩の友人に多くの素晴らしいレコードを頂き、二つの台風の影響で天候が優れず、実家に篭っている時間も長かったので新しいレコード・プレーヤーを充分に活用できました。カートリッジもすでにマウントされており、アームもウェイトを取り付けるだけで調整がいらないというまさにプラグ・アンド・プレーという手軽さがある反面、オート・リフターは無く、回転数を変えるにもスイッチではなく、手でベルトをプーリーの別の溝にかけ替るという、基本機能に特化し、作動・音質に関係の無い部分は徹底にコストカットされた飾り気の無い100%マニュアル操作のプレーヤーです。2~3日で音もこなれ、オーディオ・マニアでも充分に納得(妥協?)できる音質ではないか?と、思いました。これだったら、最初からケチらずにPlanar1を買っとけばよかった…。REGAはコスパに優れたこのような製品を創れる会社だから50年近く続いているのだと納得した次第。アナログ盤再生を始める・再開されるかたで予算に限りのある方は迷わずPlanar1を! と、お勧めしたくなる逸品かと思います。

ちなみに実家で使っているシステムは:


Onkyo のCDレシーバー CR−555と



Infinity の InfiniTesimalです。

これらについては、こちらをどうぞ:
https://isakusphere.blogspot.com/2013/11/infinity-infinitesimal-onkyo-cr555.html


2019年9月20日金曜日

帰省中


95歳の父が家で転んで脚を骨折し入院した事もあり、両親の様子を見に帰省しています。台風16号、そして、17号の影響でずっと天気はすぐれません。明日は沖縄本島も暴風雨圏に入るようです。明後日、沖縄を発つ予定ですが、どうなることやら…。

年老いた両親が暮らす様子を見ていると、色々と考えさせられます。

9月に沖縄に帰ってくるのはずいぶんと久し振り。気温は28~30度でまだかなり蒸し暑いのですが、蚊もめっぽ少なく、トンボが飛び交っており、沖縄なりの秋の始まりという感じです。


2019年9月9日月曜日

パワーアンプのカップリング・コンデンサーの悩み


8月終わりの去る土曜日(8月31日)は一日中雨で15度前後に冷え込み、翌日からは、最高気温が20度前後の秋の気候になりました。今朝起きたら10度でピリッとした空気。押入れの奥から秋・冬用のスーツを出して着て出勤。

さて、7月の初めにV-Cap CuTF (銅箔 テフロン)フィルムコンデンサーを 追加導入 した事を書きました(こちら)。ほぼ2ヶ月ほどたっても、聴いていて気持ちが良いという音ではなく、なんか気になる音。どうも響きが自然でないのです。耳の良い次女に聞いてもらうも、『前の方が良い音がしていたんじゃない?なんか、中途半端...。』とのお言葉。音響エンジニアのDavid Haigner さん(こちら)と話す機会があってこのことを伝えると、『...うーん、僕はテフロンの絶縁体をつかったコンデンサーは色々と試したけど、どれも好きになれないんだよね~、テフロンがね~』との返答。日本風に言うと『テフロン臭さが鼻につく』という感じ。我が家のオーディオの音が気になると、どうしてもそれが頭の片隅に残って気分が晴れないので、土曜日が雨で寒かったの言い訳に、家にいてコンデンサーを交換することにしました。

とりあえずは、Jupiterの銅箔・蝋・ペーパーコンデンサ(こちら)に戻そうとしたのですが、ちょっと注意を怠ってしまった結果、下の写真のようにリード線が切断!やっちまったぜ~。かなり前に一度やってもう絶対しないぞと決心したのに...情けないやら悔しいやら...。




半田でくつっけられるかと思って試すも無駄な努力と悟り、ひと昔前に使って取り外してとってあったムンドルフ社スプリームシリーズの銀箔・オイルコンデンサ Mundorf Supreme Silver in Oil (こちら)を取り付けました。暫く聴いていないからまた試してみようと思った次第。


基盤を戻して、底板を付け直して音出しするも、音が左に偏っている!良く聴いてみると右ちゃんねんるは音がこもっており、左は逆に煩い感じ。漫画だとここで顔の半分が翳って汗がぽたりと落ちるシーン。どうしようかと思ったのですが、暫く電気を切って、コンデンサから電流が放出されたであろう頃を見計らい(このアンプは最高400V以上の電圧が流れるのではやる気持ちを抑えて安全第一)アンプを開いてどうしたモノかと暫く眺め、とりあえずそれぞれのカップリング・コンデンサーの容量を測ってみることにした。そうすると上の写真の真ん中の2個の値でおかしかったので、それらを取り外して再度測るもやはり変である。


しかたがないので今度は、Clarity Cap社のMR (こちら)を取り付け。これも数年前まで使っていたが取り外してあったもの。再び基盤を戻して、底板を付け直して音出し。今度はちゃんと左右バランスよく鳴りました。めでたし、めでたし。で音はというと、V-Cap CuTF の気になるところは無くなったけど、改善の余地ありといった感じ。後の2個もClarity Cap MRに換えると良いのかなとも思ったけど夜は出かける約束があったので時間切れ。

僕はV-Cap CuTF以外にテフロンを使ったコンデンサを聴いたことがないので、 テフロンが良くないのかどうか分かりませんが、結果として我が家のシステムとは相性が良くなかったのでしょう。やはり、本命はJupiterの銅箔・蝋・ペーパーコンデンサか?とも思うのですが、明後日から一時帰国・帰省するのでそれは帰ってきてからの楽しみですね。



2019年8月29日木曜日

最近良く聴いているレコード:ELO 「Time」(ハイレゾ盤)



先週末から、ウィーンは連日30度を越える暑さ。例年この時期は涼しくなってくる季節なのですがね。夏も終わりに近づき、仕事も忙しくなってきたので更新が滞ってしまいました。

懐かしいELOのこのアルバム、Qobuzでハイレゾ盤(24/96)が出ていたのを最近見つけたで、試しに聴いてみたら思いのほか音が良かったのでこのところよくかけています。

高校生の頃に「Out of The Blue」を聴いてELOのファンになり、暫くリアルタイムでフォローしていましたが、83年の「Secret Message」と 86年の「Balance of Power」にはとてもがっかりさせられた思い出があります。ELOというと、きらきらするシンセの装飾音がめだちkitschyなところが好きでした。

SFテーマのいわゆるコンセプトアルバムである「Time」は、「Out of The Blue」と並び僕が最も好きなELOのアルバムです。個人的には、ELOの音楽はこの「Time」がピークであると思っています。贔屓目かもしれませんが、今聴いても新鮮さを失っていません。

デジタルの時代になって、なぜかELOのCDは音が悪く、LPもプレスによって当たりはずれがより大きく、我が家のオーディオがよくなるにつれて、かけるたびにがっかりすることが多かったのですが、このハイレゾファイルは、僕の昔の思い出の中の音質を超えたかという印象です。






2019年8月13日火曜日

Verona 2019 Arena Opera Festival / ヴェローナ野外オペラ音楽祭 2019


我々の友人でイタリア人のヴァイオリニストの方が、今シーズン、助っ人でヴェローナ野外オペラ音楽祭のオーケストラに参加しており、お誘いを受けたので、8月8日〜11日の間、妻と二人でヴェローナに行ってきた。



7日の夜、夜行寝台列車でウィーンを出発、翌朝6時半にヴェローナに到着。駅を出ると既にアイーダ。

ホテルまでは徒歩20分程度とのことだったので、歩く。チェックインし、荷物を預けて、部屋が空くまで、街を散策。




ホテルからほど近い、野外オペラの会場 「アレーナ」周りの広場には、舞台装置があちこちに…


リハーサルが2時に終わった友人と一緒にとった遅めの昼食後は、ぶらぶらと街を散策。


9日の夜はアイーダ観劇だったので、朝は早めに起きてしっかりと朝食をとった後、妻のお買い物に同行。セールの期間の最後だったので軒並み半額セールで妻は大収穫。僕は残念ながらレコード屋さんに巡り会えず…。リハーサルを終えたバイオリニストの友人と遅めの昼食ののち、夜に備えてお昼寝。



夕食代わりにエノテカで軽く飲んでつまんだ後、アレーナへ。今でも一万六千人の観客を収容できるという二千年以上前にできた闘技場を生かした舞台と演出のアイーダはまさにスペクタクル。歌と演奏は生(PA無し)。オーケストラは大編成、ソリストたちはオケに負けずに会場に歌を響かせられる声量。アレーナならではのスタンドの中頃の席でも(上の写真を’ご参照)十分な音量。演奏・歌唱ともにすばらくとても満足。終了後、友人を労わりホテルに戻ったら午前一時すぎ。


さすがに翌朝は起きるのが辛かったのだが、それでも8時半頃には起きて朝食。1日中ぶらぶらと観光。小さな街なので徒歩で見所はほとんど回れるのだが、連日気温が36度を超える猛暑でクタクタ。ヴェローナは美しい場所で、今まで行ったイタリアの他の街と比べると、とても綺麗で整然としているように感じた。

シニョーリ広場のダンテ像。彼はフィレンツェ追放の後、一時期ヴェローナに滞在していた








11日(日曜日)は、チャックアウトの日。友人に昼食をご馳走になった後、電車に1時間ほど揺られて、ボローニャに。駅からバスで空港まで行ったらなんと手荷物処理のシステム不具合とかで、人がごった返し、長蛇の列。余裕を持って行ったので、無事に飛行機には乗れたのだが、離陸待ちで遅れ、ウィーンの我が家に着いたのは夜の10時半過ぎ。幸い12日(月曜日)は回教の犠牲祭(イード・アル=アドハー)で職場はお休み。職場である国際機関の休日は年間10日あるのだが、それらを世界の主な祝日にどう割り当てるかは、いつも議論の対象となる。

今回の旅行の目的のオペラ以上にイタリアは何と言っても食が楽しみ。レストランに行くとついつい写真を撮ることより食べることに気が向くのでブログ用の写真がないのだけど、ヴェローナも美味しかった。暑かったので、アイス(シャーベットとシチリア発祥の氷菓子「グラニータ」)にはお世話になった。




楽しい長めの週末。誘ってくれた友人に感謝。彼女がいなかったらおそらくヴェローナにも野外オペラ音楽祭にも行くことは無かったのではないかと思っている。

ヴェローナ野外オペラ音楽祭の公式サイト: https://www.arena.it/