2016年2月26日金曜日

パワーアンプのカップリングコンデンサをVH-Audio V-Cap CuTF に変えた



もう数週間前になりますが、パワーアンプのカップリングコンデンサー(前段部分)を2個VH-Audio V-Cap CuTF (銅箔 テフロン)に交換。音もだいぶ落ち着いてきました。これらはPartsConnexion の中古品セールで購入。市価の半額以下。オーディオ用コンデンサとしては値段の高さで5本指に入るかと思われるものなので、その割引額の大きさに引かれて、しかも必要な容量ものがペアであったので、ふらふらと在庫確認のメールを出したらところ、早速、『ありますよ~前回購入時に使用したカードでいいですか?』との返事。ついつい、衝動買いしてしまった...。いくら中古でもこのコンデンサをこの値段で買える事はまず無い!(言い訳です)

肝心の音ですが、前に2度使った事のある部品なので予想していた傾向での変化。しかし、思っていたよりも変化の度合いは少ない感じです。情報量がより増えて、聴感上の高音域の伸びが感じられ、エコーやいわゆるホールの響きが極端ではありませんがよりはっきり聞こえるようになりました。レコーディングによる音の違いがよりはっきりと聞き分けられるようになりました。それでいて煩い感じはまったくありません。気になる点は、若干低域が締まった感じになったこと。音が軽くなったというわけでもなく、細くなったというわけでもないのですが、僕の好みとしては、もう少し低音がふくよかで重心が低くなった方が総合的な音の豊かさ感じられて良いのにな~と思います。これはジャズのウッドベースやフルオーケストラのレコーディングで特に感じました。前回、プリアンプでAudio Note UKの銀箔・マイラー・コンデンサからV-Cap CuTFに変えたときは、より重心が低くなり満足できたのでこれはコンデンサの固有の傾向というより相対的なものなのかもしれません。いずれにせよ、好みの問題なので、締まった低音のほうが良いという人も多くいたとしても不思議ではありません。

全体的には良い方向で音が変わったので今まで使っていたClarity Cap MRに戻すつもりはありませんが、中古で安く買えたとはいえ対コスト効果は低かったかもしれません。まあ、前からV-Cap CuTF をパワーアンプのカップリングコンデンサーに使ってみたかったのでその欲求が満たされたのは良かったです。 負け惜しみではありませんよ! (笑)


関連する同ブログの記事はこちら:

 VH-Audio V-Cap CuTF (銅箔 テフロン コンデンサ)
http://isakusphere.blogspot.co.at/2012/10/vh-audio-v-cap-cutf.html

プリアンプ用カップリング・コンデンサー3種比較
http://isakusphere.blogspot.co.at/2013/03/blog-post_17.html

ムンドルフ・銀箔・オイル・フィルム・コンデンサ:
http://isakusphere.blogspot.co.at/2014/01/mundorf-supreme-silver-in-oil-capacitor.html

ClarityCap MR :
http://isakusphere.blogspot.co.at/2014/04/claritycapmr.html

2016年2月23日火曜日

ドボルザーク のオペラ『ルサルカ』/Dvorak's Opera Rusalka Op.114


2月21日日曜日に、ウィーン国立歌劇場でドボルザーク のオペラ『ルサルカ』を観ててきました。奥様が都合が悪くなったとのことで友人がご招待して下さいました。しかも前から2番目の凄く良い席!(ありがとうございました!) いくら地元とはいえ、オペラは結構高いのでさすがにこんな良い席には座りません。主なキャストは以下の通り:

指揮:Tomáš Netopil、監督:Sven-Eric Bechtolf | Regie
王子:Klaus Florian Vogt 、外国の王女:Elena Zhidkova 、
ワッサーマン:水の精: Jongmin Park 、ルサルカ Camilla Nylund 、
魔女:Monika Bohinec 。

初めて観ましたが、ドボルザークのメロディアスな音楽も相成って面白いオペラでした。実力派の歌手ぞろいでしたが特にバリトンのJongmin Parkそしてメインの役ではありませんでしたが狩人をやったManuel Walserが特に良かったと思いました。

ウィーン・フィルの面々によるオーケストラの音色は素晴らしいとしか言いようがありません。

2016年2月19日金曜日

コンサート三昧!



物事が続くときは続くもので、前回のエントリーで書いたIAEA舞踏会の翌日の2月14日(日曜日)の夜は当地で人気上昇中の新進バイオリニスト、Yury Revichさんがプロデュースする『Friday Nights with Yury Revich2016年コンサートシーズンのプレ・ビュー・コンサートに妻と次女と3人で行ってきました。場所はAltes Rathaus (ウィーン旧市庁舎)のBarocksaal。インビテーション・オンリーのこのコンサートで、YuryさんがシンガーポールのGoh Family Foundation Singaporeからストラディバリウスのバイオリン(1709年製)を貸与されるイベントも兼ねており、その甘美な音色にうっとりさせられました。


翌日の2月15日(月曜日)の夜は昨晩は、ウィーン・フィルのコンサート・マスターの一人、Volkhard Steude (フォルクハルト・シュトイデ)のリサイタルに妻といってきました。氏のリサイタル・シリーズの第2回目です。会場は、ウィーン少年合唱団付属のコンサートホール「Muth」(MuTHに関する前の投稿)。この日のプログラムは同じくウィーン・フィルのソロ・チェリストのPeter Somodariとの競演プログラムで、それぞれがソロ・ソナタを演奏。そのして伴奏のAndreas Rentschとピアノ三重奏を共演するというもので、曲目は以下の通り;

Johannes Brahms: Sonata in G major for violin and piano, Op. 78
Felix Mendelssohn: Piano trio in D minor, Op. 49
Johannes Brahms: Sonata in F major for cello and piano, Op. 99
Anton Dvorak Trio in E minor, Op. 90 the “Dumky”

野村三郎先生は氏の著作『ウィーン・フィルハーモニー―その栄光と激動の日々』のなかで、ウィーンフィルの演奏の基礎は室内楽のアンサンブルだというようなことを書かれているのですが、このコンサートはウィーン・フィルのメンバーのアンサンブルの強みが表された演奏で、それぞれのソロ演奏もよかったのですが、三重奏の2曲は格別で3人の音楽性・技量が掛け合わされ幾何級数的に増幅されたような素晴らしいものでした。特にドボルザークがよかったです。

昨年9月の行われた、シュトイデ氏シリーズ第一回目のリサイタルのブログはこちら:
http://isakusphere.blogspot.co.at/2015/09/volkhard-steude.html

娘は前列左端、一応コンサートマスターです。
で、翌日2月16日(火曜日)は楽友協会大ホールで中国の児童・生徒の楽団・合唱団とオーストリアの児童・生徒楽団が演奏するというコンサートがあり、次女の学校も招待され、今回娘はオーケストラでバイオリンを演奏。同様な催しは毎年2~3行われており、次女にとってはこれが4度目、楽友協会大ホールでの演奏は3度目になります。


この催しに関する過去のブログはこちら:
http://isakusphere.blogspot.co.at/2013/02/china-meets-austria.html

http://isakusphere.blogspot.co.at/2013/02/china-meets-austria_11.html

さすがに4日連続は疲れました。僕も妻も疲労困憊!


2016年2月16日火曜日

IAEA職員組合主催のチャリティー・バル(舞踏会・Ball)2016

ウィーンのバルでは、踊る時間の始めにデビュタントといって若者のバルのデビューのお披露目が行われます。歴史的には、これがすなわち若者の社交界デビューでもあった訳です。女の子は白のドレスでお披露目をし、いったん着替えてその後の舞踏会に参加。

もう恒例となりましたが、今年も妻と2人で2月13日土曜日に行われたIAEA職員組合主催のチャリティー・バル(舞踏会・Ball)に行って来ました。会場はホーフブルク宮殿。毎年、国ごとのテーマでオープニング・セレモニーのメイン・イベントが行われるのですが、今年は日本。ヒダノ修一と太鼓マスターズというグループが和太鼓のショーを披露。凄い迫力でみんなに大受けでした。



夜通し踊り続けるというのがウィーンの舞踏会。僕たちは午前3時頃に帰宅。一緒にいった娘と友達は5時半に帰ってきました。

過去のバルのエントリーはこちらです:



2016年2月14日日曜日

Krapfen / クラッフェン


当地にはクラフェン(Krapfen)というお菓子があります。粉砂糖がかかっている穴の無いドーナッツに杏のジャムを入れたものがその典型ですが、バニラクリームが入ったものもよく見かけます。アメリカのジャリー・ドーナッツと同じようにも思えますが、おいしさは断然こちらのほうが上。クラッフェンはやや小振りで甘さを控えめにした軽めの生地と果物味を生かした甘酸っぱい杏のジャムとの絶妙なコンビでついつい2~3個ぺろりと食べてしまいます。

このお菓子、もともとは謝肉祭(カーニバル)の季節に食べるというのが習慣で、11月11日(オーストリアでのカーニバルの季節の始まり)から 四旬節が始まる日(今年は2月9日)までの間はどのベーカリー(パン屋さん)でも店頭で見かけるお菓子です。特に謝肉祭の最後の日には必ず食べるというのが習慣のようで、その日にはどのお店でも山積みにして売っていますが、翌日には殆どの店先から消えてしまいます。

ウィーンに来て間もないころ、クラッフェンに魅されて週に2~3回近所の行きつけのパン屋さんで買って家族で食べていましたが、ある日忽然と姿を消し、お店の人にクラッフェンは無いのと聞いたら、不思議そうな顔をされ、すぐに、あ、外人だから知らないのかという納得した表情でこのお菓子のことを説明してもらったのがもう5年前、良い思い出です。昨日のことのように感じますが時がたつのは早いですね。

最近は、謝肉祭の時期以外でもより多くのお店で見かけるようになりましたがこの時期に食べるクラッフェンのほうがなぜかおいしく感じます。こちらの知り合いに聞いてもみんな同じ事を言います。味覚というのは不思議なものですね。


2016年2月9日火曜日

Brendan Goh in Berlin

先週前半はひどい風邪をひいて仕事を休み、週末は職場の研修があったのでブログの更新が遅れてしまいました。

さて、このブログで以前に紹介したウィーンで学んでいるシンガポール出身の16歳のチェリスト、Brendan Goh (ブレンダン・ゴ)君 が ベルリン・カメラータとベルリン・フィルハーモニー(Berliner Philharmonie)で演奏したハイドンのチェロ協奏曲第1番ハ長調の動画がYouTubeにアップされていたので紹介します。堂に入った素晴らしい演奏もさることながら、自ら音楽に没頭し、アンサンブルを楽しんでいるようすが彼の器の大きさを表しているような気がします。

第一楽章Moderato

第2楽章Adagio

第三楽章Allegro molto

Brendan Goh君に関する当ブログの記事はこちらです:

http://isakusphere.blogspot.co.at/2015/06/all-for-autism.html

http://isakusphere.blogspot.co.at/2015/10/brendan-goh-cello-recital.html

Brendan GohのデビューCD:http://ml.naxos.jp/album/ARS38752

2016年2月2日火曜日

Olympus Pen-F の詳細で率直なレビューの紹介 (追記ありー2/2 午後)


Source: http://www.olympus.co.uk/より引用

噂どおり発表されたOlympus Pen-Fの詳細でストレートなレビューが早速でていますので紹介します。Ming Thein氏とRobin Wong氏とのレビュー。世界的に活躍するプロ・フォトグラファーのMing Thiem氏は、オリンパスのみならずライカ、ニコンなどのカメラのレビュー・写真に関する話などで世界的にインターネットのフォロアーがいます。セミ・プロでオリンパス愛好家であるWong氏は、オリンパス好きが高じて(?)かなんと2年ほど前から同社に就職。二人ともマレーシアをベースに活躍。二人ともプロのブロガーではないこともあるのか、率直で歯に衣を着せない面白いレビューが読めるので、時々訪れる僕のお気に入りサイトの一つです。

http://robinwong.blogspot.co.at/2016/01/olympus-pen-f-review-part-1.html

http://blog.mingthein.com/2016/01/27/review-olympus-pen-f/

元英国領のマレーシアは英語教育がしっかりしているのか、下手なアメリカ人のブログよりも読みやすく、きちんと書かれています。簡潔に要点をまとめると以下の通り。

二人とも更なる進化を成し遂げた、程よい大きさの魅力的なデザインのカメラであるとの位置づけ、Thiem 氏は確かな手応えで迅速に反応し手堅く信頼性の高いカメラと評価。Wong氏のレビューはPart Iであり、PartIIまで結論は保留としながらもAF速度の向上と総合的なパフォーマンスを評価しています。 追記:このブログの掲載とほぼ入れ違いにWong氏のレビューのPart IIが掲載されました。

二人共通の辛口ポイントしては:
  • ダイヤルやボタンは増えたもののユーザー・インターフェイスがこなされていなくて、従来のオリンパスm4/3ユーザーにとっても使いづらく慣れが必要。
  • 20mpへの画素数アップでの画質の向上は見られるが、大幅なものではない。
  • 高ISOでの画質は特筆に値する向上はみられない。
  • ボデイが握りにくいので別売りのグリップがあった方が確実にホールドし易い。
Thiem氏は結論として、写真家が撮影に集中できる良いカメラとしながらもJPEG出力重視のカメラでRAW撮影が中心のユーザーには必要ない機能が多い。高めの価格設定であるので同じ価格帯での競争対象にとなる他社製品にはよりハイ・パーフォーマンスなカメラもあると指摘しています。

Wong氏は結論として、カメラとしてのデザイン美しさ、Penシリーズ初のEVF搭載、イメージ・スタビリゼーションの優秀さ、モノクロ・カラープリセットの新機能を評価しつつも、外見のデザインに良さに反して使い勝手はあまり良くないこと、センサーの画素数の向上が期待していたほどの画質向上には繋がっていないことを上げています。

Wong氏のレビューの実写サンプルはすべて素晴らしくシャープで鮮やかな色の作品ばかり。m4/3カメラの画質の可能性の極限に近いとも思わせるような画質を良くブログと言う媒体で表せていると思います。これをみるだけでもサイトを訪れる価値はあると思いますよ。氏のブログサイト見て思うのですが、今のところ、すくなくともm4/3に関しては (他のフォーマットにも当てはまるかもしれませんが)、通常のISO(100~800ぐらい)まではカメラよりレンズの画質への影響の方がだいぶ大きいような気がします。カメラよりレンズに投資するほうが良いのかもしれませんね。

いずれにせよ、Olympus Pen F、早く実際に手に取ってみたいです。