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2015年8月16日日曜日

ウィーン市庁舎前広場の音楽映画フェスティバルとアルベルティーナ美術館 『Drawing Now 2015』、デイビット・シュリグリー


今日はほど2週間ぶりに最高気温が30度を切りました! やっと一息付ける感じです。
昨日までは35度を超えていましたので、一昨日(8月14日金曜日)の夜は、家族でウィーン市庁舎前広場の音楽映画フェスティバルへ、前にもこのブログで書いた(こちら)ウィーンの夏恒例の屋外映画祭です。上映されたのは、カサロヴァとカウフマン主演のオペラ『カルメン』詳細は:

 ヴェッセリーナ・カサロヴァ(メゾ・ソプラノ:カルメン)
 ヨナス・カウフマン(テノール:ドン・ホセ)
 イサベル・レイ(ソプラノ:ミカエラ)
 ミケーレ・ペルトゥージ(バリトン:エスカミーリョ)、他
 チューリッヒ歌劇場合唱団
 チューリッヒ歌劇場管弦楽団(フィルハーモニア・チューリッヒ)
 フランツ・ヴェルザー=メスト(指揮)
 演出:マティアス・ハルトマン
 2008年、チューリッヒ歌劇場でのライヴ。

演出には少し違和感を覚えるところがありましたが、歌手達は素晴らしかった。上の写真の用な巨大スクリーンでみると迫力があります。音も結構いいので十分に楽しめます。

で、昨日は家族でアルベルティーナ美術館に行って日中過ごしました。昨日で終わりのLee Miller の写真展を見て、「Drawing Now 2015」等を見てきました。Miller というとマン・レイのモデル・コラボレーターとして有名ですが、彼女が従軍カメラマンとして撮影した第2次世界大戦の写真はインパクのある物でした。

アルベルティーナで特に面白かったのは「Drawing Now 2015」展。美術・絵画においてDrawingは日本語では素描と訳されることがおおいと思いますが、英語ではPainting(筆と絵の具を使って書いた絵)という言葉に対しDrawingというと鉛筆、ペン、木炭などで書いた絵というふうに使われます。この展示会はこのDrawingという言葉を大きく解釈し、従来の定義に線を使った作品やパフォーマンスの要素を取り入れたもの、動画まで含まれていました。この中で特に紹介したいのが David Shrigley (デイビット・シュリグリー)、欧米では2000年代半ばから単にポップ・カルチャーとしてもにならず、ハイ・アート的にも大人気のビジュアル・アーチスト。ユニクロのTシャツのデザインにもなったようなのでご存知の方も多いと思います。シニカルでブラックなユーモアをふんだんに取り入れた、彼の作品はおおくの美術館で現代美術として取り上げられています。

展示会場の入り口に掲げられたシュリグリーの作品
シュリグリーのHP:http://www.davidshrigley.com/

シュリグリーのYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/Shrigleyfilms
(独特のユーモアではありますが、我が家では大人気でお薦めです)

上述のカルメンはDVDで出ています:Carmen [DVD] [Import] Amazon.co.jp

2015年3月5日木曜日

ウィーン医学大学付属ジョセフィーヌム博物館/JosephinumーCollections of the Medical University of Vienna



話は前後するが、先週、ウィーン医学大学付属ジョセフィーヌム博物館のツアーに参加。

ここにはもともと18世紀終わりに出来た、現代の医学教育の原型になったとも言われる医療教育機関がその前身。 医学生でアルバイトのガイドさんの話だと当時のオーストリアの医療従事者は、大学を出たけど臨床実務経験の無い内科医と、大学を出ていないけどマ徒弟制度で訓練を受けた実務経験豊富な外科医に分かれており、当時の皇帝ヨーゼフ二世はこの2つの異なる医療教育・訓練制度を統合した新しい教育機関の創る構想を立ち上げたが当時の大学教授たちの大反発にあい、結局は自らの指揮下にあった軍隊の軍病院を新たに創って、その付属機関としてスタートしたとの事。何時の時代も既得権を持つ保守的な人たちは新たな試みに反発するのだな、相手が皇帝であっても、というところが面白いエピソードであった。

当時新しく作られたこの教育機関はk. k. medizinisch-chirurgische Militärakademie となずけられたが一般的にはJosephsakademieと呼ばれていたらしい。ここでは、ラテン語では無くドイツ語で教える、選ばれて入ってきた学生は授業料がもちろん無料でさらに生活費も給付されてたとの事。当時としては革新的な教育機関であったそうだ。 

この博物館は、医療関係の歴史的書物や医療機器所を蔵物としているが特筆すべきが1200個近い蝋の解剖学用モデル。個々の臓器から等身大の全身人体モデル (5~6体)まで。医療教育のために皇帝ヨーゼフ二世がフィレンツェの工房に発注、ウィーンに搬入したもの。電気の無い時代には当然ながら冷蔵施設もなく、冬期以外はこのような蝋のモデルは当時としては画期的に重要な教材で医療教育の進歩に大いに貢献したとのこと。もともとはボローニャで作られ始められたものが、フィレンツェに渡り、さらにイギリスにも伝わったとのこと。尚、蝋人形で有名なマダム・タッソーはもともとこのような蝋細工で修行してとのことです。 暑いと溶け、寒いと硬くなってもろくなる蝋の解剖モデルを鉄道も無い時代に、アルプスを越えてウィーンに運ぶのは大変な偉業であったらしい。これも当時のオーストリア帝国の繁栄がいかにすごかったからを表す一エピソードである。

ちょうど啓蒙主義が台頭した当時、自然科学の研究が進み、人体の仕組みを明らかにしようとする試みも多く探究され、その結果としてこのようなモデルが作られていったとのこと。蝋モデルを作る職人は、解剖学者の解剖に立ち会い、石膏で臓器等の方を取りモデルを作っていたようである。上の写真ように如何にも教育教材といったものから、下の写真の様に芸術の域に達したかと思われる物まで数多く展示されている。

Josephinumの公式サイト(http://www.josephinum.ac.at/)より引用

代表的な啓蒙専制君主の一人とされる皇帝ヨーゼフ二世は、ここが設立された当時からこれらモデルを一般公開していたとのことである。

このような蝋の解剖モデルはフィレンツェ大学付属ラ・スコペラ自然史博物館ボローニャ大学人体解剖博物館でも展示されている様である。

ウィーン医学大学付属ジョセフィーヌム博物館のHPはこちら。:http://www.josephinum.ac.at/?L=1

一般開館日は毎週金曜と土曜日、10時~18時。入場料は4ユーロ。場所も旧市街から程近い場所なのでウィーンを訪れるさいには立ち寄られることをお薦めする。