2013年1月12日土曜日

Brahms - Violin Concerto · Beethoven - Symphony No. 5 / Kyung Wha Chung · Wiener Phil. · Sir Simon Rattle





 暫く前に買ったCDなのですが久しぶりに聞いてみました。2000年12月の録音。元々はチョン・キョンファのブラームス・バイオリン・コンチェルトを目当てにかったCDですが、ラトルの「運命」にぶっ飛んでしばらくはまってしまいました。 実はこのCD、 べートーベンの5番 とのカップリングという不可解な組み合わせだったのでしばらく買うのをためらっていたんですが、わからんもんです...。

2曲ともウィーン楽友協会ホールでの録音ですがベートーベンの第五はライブ録音。イギリス出身の音楽学者Jonathan Del Mar(ジョナサン・デル・マー)氏が校訂し  Bärenreither(ベーレンライター)社から1999年に出版された楽譜を使っての演奏。ライナーノートによるとこの楽譜はベートーベン没後書き加えられて来た様々な変更をわかりうる限り削除時ベートーベンの意図してあろう形に直された原典版(urtext edition)。 今ではかなり多くの指揮者に好まれて使われているようです。ちなみに楽譜には原典版のほかに作家の自筆譜や初期版を複写印刷したファクシミリ版や編者の個人的な解釈が含まれた解釈版があるようです。

この第5は好みが別れる演奏だと思いますが、楽譜の版の影響かライブ録音の為なのか、スピード感・躍動感溢れる演奏が何度聞いてもエキサイティングに感じられ好きです。アメリカ滞在中に家族ぐるみでお付き合いをしていたプロのオーケストラバイオリニストの方に聞いてもらったら彼女もとても驚き感嘆していたことが思い出されます。ベートーベンに比べるとブラームスのバイオリン・コンチェルトは、オーソドックスで手堅い演奏で対照的です。 

ラトルはこのCDのあと、2002年にJonathan Del Mar 氏校訂の楽譜を使ってウィーン・フィルと全曲録音しています。ということは、このCDはパイロット・スタディの様な物だったのでしょうか? 全集も楽友協会ホールでのライブ録音です。これは2000年の演奏とは若干違いますがそれなりに楽しめます。

ウィーンに越して来てからベートーベンの交響曲の演奏を幾つかのオーケストラ聞く機会があったのですが、ここで聴いた演奏で特に観客が好意的に反応するのはこのラトルのような歴史的演奏(よりベートーベンが生きていた時代にされていたであろう)が多いような気がします。

以下のリンクを作っていてビックリ。ラトルの全集が5枚組でなんと¥1,669! 僕はいくら払って買ったか考えたくないです、とほほ...。

<参考資料>

原典版に関して
 ウィキペディア: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%85%B8%E7%89%88
鍵盤楽器奏者筒井一貴氏のサイト:http://www.h3.dion.ne.jp/~bergheil/Urtext-J.html

ベートベン交響曲楽譜の版(edition)に関して
Kenichi Yamagishi氏のサイト: http://classic.music.coocan.jp/sym/beethoven/edition/index.htm

ベーレンライター社の同楽譜のページ
https://www.baerenreiter.com/en/sheetmusic/product/?artNo=BA9000




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