2018年10月27日土曜日

Dutch Design Week(オランダ・デザイン週間)2018


去年までは、学校で開かれていた作品展、今年からは1kmほど離れた牛乳工場の跡地に移りました。

先週末(10月19日〜22日)は、妻と二人でオランダのオランダ最大のデザイン・イベントと言われているDutch Design Week(オランダ・デザイン週間)に行ってきました。

主な目的は同イベント開催地であるのアイントホーフェン市にあるデザイン大学(Design Academy Eindhoven)の卒業生の作品展を見ること。同校を今夏卒業した長女の作品が展示されています。

子供が大きくなるのは早いですね。喜ばしい反面、ちょっと寂しい気持ちでもありました。

Dutch Design Weekに関するリンク:

http://www.ddw.nl/en/



2018年10月19日金曜日

MC 昇圧トランスのインピーダンスを調整




我が家では、どちらかと言うとデジタル再生の方に音質向上の努力を注いでいますが、最近はアナログ盤を聴く時間もかなり増えてきており、音質にちょっと気になるところも感じるようになりました。カートリッジは2年ほど前にDL103Rからそのスタンダード版であるDL103に替えて以来、特に大きな不満も無くすごしてきたのですが、最近、ピアノや一部の弦楽器の音にちょっと気になるところが出てきて、買い替えようか?と思い始め、どれが良いかと吟味するまでに至っていました。その前にまず昇圧トランスのインピーダンスを調整してみようと、ふと思いついて、抵抗器を3ペア購入し試してみました。 

僕が使っているMC昇圧トランスは、スウェーデンのルンダール(Lundahl) トランス使用のキット (こちら と こちら)。同トランスアメリカ輸入代理店でもあるK&K Audioの製品です。このトランスは抵抗器を差し込むことで負荷インピーダンス(Load Impedance) を調節できるようになっています。同社のサイトにトランス毎にインピーダンス値とそれに必要な抵抗器の値の表があります(こちら)。デンオンのDL103の説明書には負荷インピーダンス (Load Impedance) 100Ω以上とありますがトランス使用の場合は別と書かれており、ではいくらか?ということはかかれていません (こちら)。 現状(抵抗器なし)では、負荷インピーダンスが160Ωですので、とりあえず、100,80、40Ωあたりを試してみようと思いました。

K&K Audio を主宰するケヴィンさんの話だと、聴いてみて個々のシステムで好ましいと思う音になるように調整すればよい、音質的にはシンコーかAudioNote UKのタンタル抵抗がお薦めであるとのこと。僕の経験では、シンコーのほうが音質的には好みなのですがだいぶ前に製造中止となっているので、パーツコネクションの在庫から上述の負荷インピーダンスをかけられる抵抗器値に出来るだけ近い値の15K, 30K, 56KΩを注文。

試聴には、Lilian Terry Meets Tommy Flanagan ‎– A Dream Comes True /  Soul Note ‎– SN 1047 (こちら) と フリードリッヒ・グルダとホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルによるベートーベンピアノ協奏曲5番「皇帝」(英デッカ初期盤)を使用。何がどう違うかと言葉で説明するのは難しいのですが、それぞれの抵抗値での音の違いはかなりハッキリ聞き分けられました。で、選んだのは56KΩの抵抗器。上述の表によれば、負荷インピーダンスを100Ωにするのに必要な抵抗器は60.4KΩとあるので、それより若干低めの値となっているはずです。

負荷インピーダンスを調整してからは、出だしに書いた、気になるところが無くなり、我が家のアナログ再生は、過去最高の音でなってくれています。 そのおかげで、今のところ、カートリッジを買い換えたいという気持ちは、収まり、失せてしまいました。

MCカートリッジと昇圧トランスの負荷インポーダンスの整合性は大切なのだということを認識させられました。


2018年10月16日火曜日

Vienna Mozart Orchestra / ウィーン・モーツァルト・オーケストラ



重なるときは重なるもので、関係者の方の御招待で、ウィーン・モーツァルト・オーケストラを見に行きました。先週の水曜日(10月10日)のことです。会場は楽友協会大ホール。妻と、ィーンを訪れていた長女と3人で伺って、なんと貴賓席に座って観ることが出来ました! プログラムは、モーツァルト名曲・名アリアの抜粋。そして、最後はヨハン・ストラウス2世の「美しく青きドナウ」とヨハン・ストラウス1世「ラデツキー行進曲」。

このオーケストラはモーツァルトの時代のかつらと衣装を着て演奏する、主に観光客をターゲットとしている楽団ですが、話によると主にウィーンの主要オーケーストラの奏者やフリーのプロの音楽家がアルバイトで演奏しているとのこと。それもあってか、一般観光客用と侮る無かれ、なかなかしっかりとした聴かせる演奏でした。歌手の方々も良くて、いかにウィーンには才能が多く集まっているかということを物語るようでした。

観客も、通常のコンサートにきている観光客たちよりもよほどまじめにお行儀良く聞いていた人たちが多かったように見受けられましたし、だれでも知っている超有名曲が流れるとどよめきが沸き、素直に喜んでいる姿には、楽しくさせられました。

「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」、楽友協会で生で聴くのは初めてだったねーと3人で語り合いながら帰宅。ほぼだれでも聞いたことのある、ウィーンを代表するこの2曲、これまたウィーンを代表する音楽ホールである楽友協会で聴くには、チケットが飛び抜けて高価で入手困難なウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートかウィーン・モーツァルト・オーケストラのコンサートしかありません。

2018年10月12日金曜日

ヒラリー・ハーン 「バッハ無伴奏」 リサイタル




ここ数日のウィーンは、快晴で日中最高気温が20度前後の気持ちの良い秋の日々がづついています。

さった火曜日(10月9日)は、妻と二人で、ヒラリー・ハーンのリサイタルに行ってきました。会場はコンツエルト・ハウス、モーツァルト・ザール。プログラムは、JSバッバ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータから:

ソナタ第1番ト短調 BWV1001
パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
パルティータ第2番ニ短調 BWV1004

アンコールは、JSバッバ ソナタ第2番イ短調 BWV1003の第3楽章「アンダンテ」

全曲版ではなくパリティータ2番・3番、そしてソナタ3番のみなのですが、ヒラリーが21年前に録音したデビューCDのバッバ無伴奏 「Hilary Plays Bach (邦題:ラリー・ハーン デビュー! バッハ:シャコンヌ)」は、僕にとって大好きなバッバのバイオリン無伴奏のレコーディングの一つです。彼女はアンコールで、無伴奏曲の楽章の一つを弾くことも多く、そのたびに一度通しのライブ聴いてみたいと思っていました。今シーズン、ヒラリーの無伴奏バイオリン曲のリサイタルがあると知ったときはとても嬉しくて、チケットを発売と同時に購入、この日を楽しみにしていました。

すでに何度か書いていますが、コンサートでヒラリーの演奏を聴くたびに、完璧な技術に裏付けられた天性の音楽性に感激させられていました。技術的にどんなに難しい曲を弾いていても音楽しか奏でられていない、聴こえてこないという、類稀な演奏を体験出来てきたからです。今回のリサイタルは、共演者がいなかったということもあるのでしょうか、その音楽性がとくに顕著に表れ圧倒されました。白眉はリサイタル最後の「シャコンヌ。圧巻でした。たった一台のバイオリンからは信じがたく沸き溢れる音楽の波にのみ込まれ、まるで別世界にトランスポートされたような感覚にさせられました。

バッハ無伴奏のように馴染み深く、歴代巨匠による数多くの名演のある曲の伝統の重みの下から新たな名演を奏で出すということは、どんなに才能に恵まれた音楽家にとっても困難で乗り越えがたい挑戦であると思います。ヒラリーの無伴奏をきいているとそれを苦渋せずにやってのけたという、天才の爛漫さを感じざる終えません。むろん、あるレベルを超えた音楽演奏は主観的な基準でしか良し悪しの判断をし得ないものなので、各々の好み・価値観によって、ヒラリーの無伴奏の演奏・レコーディングの評価は分かれるかとも思いますが、僕と妻にとっては、この日、無伴奏の演奏の一つの頂点を体験できた気がしました。

演奏中に客席で何かが倒れたような大きな音したアクシデントがありました。突然で僕は凄く驚いたのですが、ヒラリー全く反応を見せず、テンションをあげて、観客を演奏に引き戻し、引っ張っていってくれました。その集中力、プロフェッショナリズム、ミュージシャン・シップにも脱帽させられてました。

このリサイタルは、ヒラリー・ハーン バッハ無伴奏演奏世界ツアー初日。未録音であった、ソナタ1番、2番そしてパルティータ1番を収録したCDの発売に合わせたものです。彼女は、来年6月にウィーンに戻りソナタ2番、3番、そしてパルティータ3番を演奏する予定で、今からとても楽しみにしています。

ヒラリーは、12月の初めに東京でも二日に亘る無伴奏全曲リサイタルをするようです。都合がつくのであれば是非両日行かれることをお薦めします。詳細はこちらをどうぞ:https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=690


ヒラリーが21年前に録音したデビューCDのバッバ無伴奏に関しては以前このブログで書きましたのでご覧ください(こちら)。 母が入院・手術したため、92歳だった父のサポートをするために一時帰国したときのものですのでその文脈で読んで頂ければ幸いです。

ヒラリー・ハーン公式HP: http://hilaryhahn.com/

僕が好きなヒラリーのCD:

2018年10月9日火曜日

エヴゲーニイ・オネーギン




急な出張でいけなくなったと、職場の同僚がチケットをくださり、一昨日の10月7日 日曜日は、オペラ「エヴゲーニイ・オネーギン」を観て来ました。

会場は、ウィーン国立歌劇場、主なキャストなどは以下の通り:

指揮 Louis Langrée
監督 Falk Richter
舞台 Katrin Hoffmann
衣装 Martin Kraemer
振付 Joanna Dudley
照明 Carsten Sander

Tatjana: Olga Bezsmertna
Olga: Elena Maximova
Eugen Onegin: Alexey Markov
Lenski: Dmitry Korchak
Fürst Gremin:  Ferruccio Furlanetto

この、プロダクションのオネーギンは、プレミアのシーズンに際、オペラ座のOper Live am Platzという場外スクリーン生中継で観ましたが(こちら)、客席から見るのは初めて。現代的な設定なので好みは分かれるかもしれませんが、僕はこのようなミニマリスト的舞台も好きです。 歌手も実力は揃いでしたが、白眉は後半にのみ出演した Ferruccio Furlanetto(フェルッチョ・フルラネット)素晴らしいアリアでした。

座席もこれ以上は無いと思われる凄くよい場所で、同僚にはひたすら感謝するのみ。
ありがとうございました!