知る人ぞ知る、ジャズ・バイオリンの草分け、エディ・サウス(1904-1962)。 妻の従姉のご主人で若い頃はセミプロのジャズドラマーだったボブに初めて教えてもらいました。もう数年も前のことです。 エディ・サウスは、幼少のころクラシックバイオリンの天才として認められシカゴ音楽院に学びますが人種差別の壁は厚く、黒人であったためクラシック界では職を得ることができずにジャズに転向。不遇な人生を辿ったようです。今の時代に生まれていたら、クラシック界のスターになっていたかもしれません。
1920年代終わりから30年代前半のパリ国立音楽院留学中に録音された ジャンゴ、グラッペリとのセッションなどをLPにまとめたもの。 70年以上も前の録音とは思えないすごく良い音でLP化されています (フランス盤)バッハの2つのバイオリンのための協奏曲第一楽章をジャズにアレンジした演奏は、エディのクラシック演奏家としての力量を感じさせます。でも、この曲で一番すごいと思ったのはジャンゴ。ギター一本の伴奏でこれだけ、バッハを再現できるとは...。みつけたらこのアルバムはお薦めです。
エディ晩年の作品、ライナーノートに、プロデューサーがエディの好きなようにやってもらったと書いています。ジャズあり、クラシックありで、エディー・サウス才能のあらゆる側面が集約されたようなレコードです。彼の演奏はクラシックの奏法を多用し、あたかも自らがクラシック・バイオリニストになるべく生まれてきたのだということをアピールしているかのように感じられます。