1970年代から業務用のアンプの設計に携わっていたエンジニアのRichard Dunn氏が1982年にNene Valley Audioとして興したブランドがネット直売のNVA HiFiとして今に至ったもの。80・90年代には同社の商品が英国オーディオ誌の表紙を飾る事もあったようです。しかし、オーディオ業界が衰退してきてる現在、独創的な技術的見地に基づく製品を作っているということもあるのか、イギリスのオーディオ業界ではかなり個性的な存在として扱われているようで、ネットでもあまりレビューは見受けられません。しかし、イギリス・ヨーロッパでは多くのファンの根強い人気とに支えられているようです。僕もノベルトさんに教えてもらうまでは全く知りませんでした。
お宅に伺った際に彼のシステムの音の向上に驚き、ノベルトさんに尋ねるとスピーカー・ケーブルが一つの大きな要因であるとの事。僕はずっとスピーカー・ケーブルに関してはではこれだ!というものにめぐり合えずに常に妥協してきたような気がしていたので、ネット直売だけど商品到着後30日は返品可能だからと背中を押されで試してみることにしました。
彼も友達に教えてもらったというノベルトさんは、NVAの製品にゾッコンの様子で、同社のプリアンプ(パッシブのみ)、パワーアンプ、フォノイコ、スピーカー・ケーブルを購入。特にフォノイコとスピーカー・ケーブルはお気に入りで今でも常用されています。ノベルトさんは同社のフラッグシップであるTSCS(The Speaker Cable Statementの略)を使ってましたが値も張るので、まずは1ランク下のLS-6で試したらと薦められてそちらを購入。もしこれが気に入って、2年以内にTSCSにアップグレードする際には、LS-6は購入代金で下取りしてくれるのだそうです。
ケーブルが届き、いそいそとつないで音だしをしたときには正直いってがっかりしました。いままで使っていたDuelund DCA-12GAをつかった自作のケーブル (こちら)とあまり音が変わりません。で、LS-6はその倍以上の値段!
早速ノベルトさんに連絡を取って聴いてみると、NVAは同社のケーブルには方向性がないといっているけど、向きで結構音が変わるしエージングでも音がだいぶ変わるとの事。ケーブルの向きを逆にしてみると、あら不思議、全く違う音になりました。ちょっと煩い音でしたが経験上これはエージングでよくなると思ったので暫く我慢して大き目の音量で聴いているとだいたい50時間ぐらい使用した辺りから音が大きく変わり、このケーブルのよさが表れてきました。
我が家のオーディオの音がどのように変わったかというと、顕著にどこがどうなったという言い方は難い変化なのですが、全体的に楽器、声の質感が上がった感じなので情報量は増えているとは思います。しかし高解像というよりも、より音楽性が上がったというのが大きな結果かと思います。より明らかだったのが低域の充実。多少ルースながらより重厚で安定したライブで聴くような感じになりました。中域はより温かみを増し、ボーカルの実体感、ストリングスのつややかさが向上、金管はよりふくらみが感じられるようになりました。高域は、十分に伸びているもののホール・トーンや響く部分はとくに明らかに聴こえるというわけではないのですが、煩くなく、聴きやすいかんじです。今までよりさらにオーディオで音楽を聴くのが楽しくなりました。
NVA HiFiのHP: https://www.nvahifi.co.uk/
同社eBay Store: https://www.ebay.co.uk/str/nenevalleyaudio
同社の製品はフラッグシップラインを除き、こちらから購入できます。