ウィーンは昨日からやっと暑さが和らぎ今日は最高気温が26度です。
さて、先週の木曜日(6月13日)は、妻と二人でヒラリー・ハーンのリサイタルに行ってきました。会場はコンツエルト・ハウス、モーツァルト・ザール。プログラムは、JSバッバ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータから:
ソナタ第2番イ短調 BWV1003
パルティータ第3番ホ長調 BWV1006
ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
アンコールは、JSバッバ パルティータ第2番ニ短調 BWV1004の第3楽章「Sarabande(サラバンデ)」と第4楽章「Gigue(ジーグ)」
このリサイタルは、ヒラリーが未録音であった、ソナタ1番、2番そしてパルティータ1番を収録したレコーディングの発売に合わせ行ったバッハ無伴奏演奏世界ツアー最終日。ウィーンではツアー初日の2018年10月9日に行ったリサイタル(
こちら)の続きです。
このリサイタルの前夜(6月12日 水曜日)には、同じくコンツエルト・ハウスで開かれたヒラリー・ハーンがバッハ無伴奏について語るというイベントにも行ってきました。その際にも ソナタ第2番を演奏、アンコールはパルティータ第3番 第7楽章「Gigue(ジーグ)」でした。ヒラリーが語ったことで特に強い印象を受けたことは以下の通りです:JSバッバ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの楽譜には演奏記号がほぼ皆無であるので、演奏家はどう弾くかという多くの判断を迫られる。彼女の場合はいろいろと試すも最終的には自らの直感に頼り自分らしさが出る表現を選ぶとのこと。ただし、それは毎回同じではなく、コンサート会場とお客さんの雰囲気で代えることも多いとのこと。ただし、これは観客の望む表現を忖度するということではなく、いかに曲に弾きこむかを考えてやるとのことで、例として、観客の集中力が散漫であると感じたときには敢えて弱くソフトに弾いて顧客の傾注を促すといったことだとのことでした。
リサイタル当夜の演奏は、去年10月の演奏よりもさらに感激的で、3曲目が終わると客席は大喝采。アンコール2曲を弾き終えた後は、いつも通りのサイン会。毎回同じことを書きますが、いつでも疲れも見せずににこやかにファンに対応してくれるヒラリーには感服の極みです。僕たちは、12日のトーク・イベントのあとに、バッハ無伴奏のLPとプログラムにサインを頂きました。
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6月12日のトークイベントで |
ヒラリー・ハーン公式HP:
http://hilaryhahn.com/
僕が好きなヒラリーのCD: