2014年4月29日火曜日
パンノンハルマ大修道院ワイナリー、ハンガリー(Abbey Winery Pannonhalma, Hungary)
先日、妻の友人に夫婦でハンガリーのワインのテイスティングに誘われた。二人揃って行く予定だったが僕が体調を崩し妻だけ出席。一番美味しかったといって買ってきてくれたお土産がこれ、パンノンハルマ大修道院ワイナリーのピノ・ノアール。世界遺産でもあるハンガリーのパンノンハルマ大修道院で修道士たちが作っているワイン。
千年以上の歴史を持つワイナリーも第2次世界大戦後にハンガリーが共産主義化された時代にはブドウ畑や醸造設備を接収され中断をやむなくされた。しかし共産主義政権終焉後に復活。ブドウ畑には新たに苗を植え替え、設備を新たに整え今に至っている。フランスのブルゴーニュ地域と似かよった気候・土壌を持つと云われるパンノンハルマで育まれたピノ・ノアールが十世紀以上にわたって洗練され守り続けらてきたワイン醸造の技によって本場ものに勝るとも劣らないワインに生まれ変わっている。我が家にとっては久しぶりに大ヒットの赤。特にいいのは値段が手頃であるということ、ウィーンのショップで買って一本16ユーロ。もし、これだけの味のブルゴーニュ産の赤ワインを買うとしたら少なくとも3倍ほどの金額にはなると思う。
一緒に買ってきくれたリースリングも素晴らしい出来であった。
ウィーンからパンノンハルマまでは車で一時間半ほどでいけるとのことなので近々訪ねてみようと妻と相談中である。
パンノンハルマの大修道院について:ウィキペディア
パンノンハルマ大修道院ワイナリーHP:http://www.apatsagipinceszet.hu
2014年4月24日木曜日
カメラのための工作 (ダブル・レンズ・リアキャプ)
僕は工作が好きですが手先がそれほど器用でなく木等を真っ直ぐに切る自信がないので、本棚作り(アメリカでは結構やっている人が多かった...)とか オーディオでもスピーカーのキャビネットはやったことがありません。本当はスピーカーも自作してみたいのですけど...。
で、今のところ唯一の写真・カメラ関係の工作がこれ。レンズのリアキャップを合わせただけのものですが、m3/4のようにレンズが小さいカメラシステムでは、効率よくバッグにレンズを収納するためにはとても便利なものです。 これはアメリカで知り合ったライカ使いのプロカメラマンに教わったことで、ライカのM型レンズ用を作って使っていました。m3/4もレンズの大きさがM型ライカとそれほど変わらないので作ってみたらとても便利。今では2個作って愛用しています。 ちなみに同等な市販品もある模様ですが定かでありません。
作るに際してまず一番の悩みは接着剤。次がどのキャップを使うかと言うこと。縁取りが広めでロゴが浮き上がっていないルミックスのキャップをつかい、帰省した際に見つけて買ってきたセメダインPPXを使いました。この組み合わせは大正解でした。
出来上がりがこれ。 この写真をLight Roomで見ていてふと「W3」(ワンダースリー)を思い出しました(笑)。ゲームではなくアニメのほうです(懐かしい~)。
僕は以前ライカM型用で接着剤が合わなかったのか使用途中にポキリとなったことがありますので、皆さん自己責任で試してくださいね。僕の場合はポキリとなったのがたまたまテーブルの上だったので35mm Summilux ASPHを壊すことなくすみましたがこれが谷間にかかるつり橋の上だったら...と考えただけでも冷や汗たらたらでした。
もう一つの注意事項:出来上がってもすぐには使わず1~2日置いて接着強度が充分になったころで使い始めましょう。
2014年4月21日月曜日
ClarityCap MR
数ヶ月前にパワーアンプのカップリングコンデンサー(2ヵ所・2組計4個)をオーディオノート(Audio Note)UK社のCopper foil -Oil in Paper (銅箔・オイル含浸ペーパーコンデンサー)からムンドルフ社スプリームシリーズの銀箔・オイルコンデンサ(Mundorf Supreme Silver in Oil )に交換したのだが(その時のブログエントリーはこちら)どうもしっくりこなかったので、色々と調べたり・聞いたりしたらイギリスのClarity Cap社のMRという製品が良いらしいとのこと。値段もオーディオ用にしては安い方だったので試してみました。取り替えてから数週間経ち音もこなれてきたので僕の印象を書きます。
とにかく情報量と聴感上の帯域の伸び(特に高音域)の躍進が驚くほど顕著に判ります。まるで違うアンプを聞いているかのようです。オーディオノートやムンドルフとくらべると全くと言って良いほどに違います。それでいて煩さは感じられません。音に特に色付けも感じられません。いまさらなが部品2個(片チャンネル)でこんなに変わるなんて…という感じです。ただし、あまりにも蛇口全開と言った感じの情報量ですので、上流システム/アクセサリーの粗も聴こえてきて暫くは調整に気をとられてしまいましたが、今ではより好みの音になって良かったと思っています。欲を言うならほんの少しだけ温かみがあるといいのですが...まあ、いまのところこの情報量で温かみもあるのは価格が十倍近くするのDuelund CAST PIOしか聞いたことが無いので贅沢を言わないで我慢することにします。
このコンデンサー、僕としてはお薦めの一品ですが、VH Audio CuTF ほどではありませんがエージングに多少時間がかかり(100時間以上、あくまでも自分の実感です)最初の20時間ほどは煩い感じがするので評価される際にはその旨考慮されると良いかと思います。 また、上述のようにシステムの粗を隠さず、音に色付けも殆ど無いので人によってはムンドルフ社スプリームシリーズの銀箔・オイルコンデンサのほうが良いと言う方もいらしゃるかと思います。僕はしばらくこのClarityCap MRでいこうと思っています。
Clarity Cap 社のMR商品紹介ページ:http://www.claritycap.co.uk/products/mr.php
日本国内の販売者:http://www.maronieaudio.com/item.html(海外だと名の知れたAudio DIY パーツのネットショップでは大体どこでも売ってます)
BBS Audio Circle にアップされたレビュー(的を得たものだと思います) : http://www.audiocircle.com/index.php?PHPSESSID=k85ot11df7ct9205deeao3qcrremdj7j&topic=54218.msg906143#msg906143
2014年4月18日金曜日
ウィーンのイースターマーケット(Ostermarkt)・Easter Market in Vienna
2014年4月17日木曜日
Weingut Josef Fritz(ワイングット・ヨーセフ・フリッツ)
ワインを買う時はウィーン近郊のワイナリーに行くことが多い。出来るだけ色々なところを試したいので毎回違う所に行くように心掛けているのだが唯一の例外が此処、Weingut Josef Fritz (ワイングット・ヨーセフ・フリッツ)。ウィーンから車で小一時間ほど北に行ったWagram地区にある。小さいながらここ数年間、毎年必ず当地の本や雑誌のワイン・セレクションの上位にランキングされているワインを造リ続けているっているワイナリー。 それでも商業主義に流されず、一部の輸出用廉価ワインとレストランへの卸を除いてワイナリー直売にこだわる。そのためか値段はとてもリーズナブル。工芸家が作品に対してこだわりを持つようにワイン造りにこだわるオーナーのフリッツ氏は気さくな性格でワインを買いに行くと必ず自ら対応してくれる。訪ねていく客に対しては、希望のワインのみならずその時点で販売している全てのワイン(大体10~15種類程度)を一通り試飲してから納得して選ぶことをやんわりと主張。ついついあれもこれもと気がつくとリストは丸印だらけで最後には何を買って帰るか決めるのに苦労してしまう。
試飲の最中はフリッツ氏がとても楽しそうに色々と説明をしてくれ、『...これは大きな樽に入れて熟成、こっちは小さい樽ね...同じ畑の同じブドウでもこんなに違いが出るんだよ...』とか、『...これらは全く同じ品種で同じ方法で醸造し熟成させただけど味が違うのはそれぞれ違う畑で違う土壌だからだよ...』等々。
ワインが美味しいのは言うまでもないが、フリッツ氏のそういう人柄に我々は惹かれ、買ってきたワインが無くなるとまた出かけていくのである。
ここの看板品種はローター・ヴェルトリーナーという薄紫の皮のブドウ。ウィーンに来て知り合った音楽家の方が『...赤いブドウでも白ワインが出来るんだよ...』と言って紹介してくれたのがこのワイナリーだった。このブドウ、古い品種らしいが栽培が難しいこともあり、最近では栽培条件が似通っているオーストリアを代表する白ワインのブドウ品種であるグリューナー・ヴェルトリーナーへの植え替えが進み栽培面積は減少しているらしい。最初はグリューナー(緑)・ヴェルトリーナーに対し、赤い皮を持つヴェルトリーナー種のブドウがローター(赤)・ヴェルトリーナーだと僕達は思っていたが、遺伝子鑑定の結果のグリューナー・ヴェルトリーナーは他のヴェルトリーナー種とは関係のないものであることがわかっているらしい。
最近伺ったのは2月の終わりのこと。この時のご自慢は去年の品評会で一位になったシャルドネ。フリッツ氏曰く、「みんな(業界の仲間)は、僕が珍しいローター・ヴェルトリーナーでワインを造るからいつも賞を取れるんだと陰口を叩くから、腕の違いを見せるため奮起したんだ」と笑顔ですすめてくれた。
Weingut Josef Fritz HP: http://www.weingut-fritz.at/index.php?lang=en
2014年4月15日火曜日
アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団 マーラー交響曲2番「復活」(Mahler #2 Abbado/Lucerne)
先ほど亡くなったアバドがルツェルン祝祭管弦楽団を指揮したマーラー2番。この曲のCD・LPは数枚持っていますがこれを聴くまでこんなに感激したことはありませんでした。 ごくまれに特別の何かを持った素晴らしいレコーディングに出会うことがありますが,これはその一枚。 音も良いので出来れば大音量で聴いてみてください。
2014年4月11日金曜日
ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス マタイ受難曲コンサート ・ St. Matthew Passion concert performed by Nikolaus Harnoncourt and Concentus Musicus Wien
ウィーンではイースター(復活祭)の時期になると色々な場所と演奏者により受難曲のコンサートが開かれます。教会、アマチュアのグループ、学校、等など。当然ながらプロの演奏家による受難曲の公演も行われます。おそらくその中でも頂点にたつのがニコラウス・アーノンクールとウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの演奏だと思います。ウィーンに来てから毎年聴きに行きたいと思っていたのですが、チケットは早々と売り切れになるのでいつも行きそびれ、今春やっとそれが実現しました。もう先週の4月5日土曜日のことです。場所は楽友協会。本来は家族全員で行くつもりでしたが、長女が試験勉強のため都合が悪くなり、妻と次女と3人で行きました。
合唱と独唱は:
Arnold Schoenberg Chor
Wiener Sängerknaben (ウィーン少年合唱団)Michael Schade, Tenor、Florian Boesch, Bass、Christine Schäfer, Sopran I、
Martina Janková, Sopran II、Bernarda Fink, Alt I、Elisabeth von Magnus, Alt II
Mauro Peter, Tenor II、Christian Immler, Bass I、Gerald Finley, Bass II
出だしにちょっと足並みが揃わない感じがした部分がありましたが、そんなのお構いなしに素晴らしい演奏でとても感激しました。もう数日たつのですがまだ頭の中でこの曲のアリアや合唱の旋律がリピートされています。
長い曲で通常より一時間早い開演時間でもあったので、妻と次女は疲れた様子でした。
2014年4月5日土曜日
ビリー・ジョエル「ニューヨークの物語」ハイレゾ 版 Billy Joel Turnstiles (24/96)
僕がビリー・ジョエルを聴き始めたのは、高校2年の時、「ニューヨーク52番街」(52nd Street)のアルバムをから。交換留学でアメリカ滞在中に旅行で行ったニューヨークで、たまたまレコード店でかかっていて気に入って買ったという思い出のあるLP。その後、「ニューヨークの想い」(New York State of Mind)という曲が好きになって「ニューヨークの物語」(Turnstiles) をよく聴くようになった。ビリーのピークとされる「ストレンジャー」(第5作)から「イノセント・マン」(第8作)までのアルバムに比べるとまだ発展途上な感じがするが逆にそれが飽きをこさせない理由でもあるような気もする。
フランスのハイレゾ音源ダウンロードサイトでオーディオウェブマガジンもやっているwww.quobuz.com を見ていたらなんと、Turnstilesの24bit/96Khz版が出ているではないか。早速、HDTracksをみるもここには無い。www.quobuz.comでは、以前アルファ・レーベルのCafe Zimmermanの最新アルバムのハイレゾ版を買ったことがあるので購入しようとしたのだが残念ながら同国内限定であった。運良く音楽好きのフランス人の同僚(オーディオファイルではないがリンのシステムを使っている)が一時帰国するというので頼んで買ってきてもらった。
早速うちにある1998年リマスター版CD と LP(多分初期版)と比較。結果としてはハイレゾ版が一番音が良いかもしれないと思った。 特に「ニューヨークの想い」(New York State of Mind)は、ハイレゾ版が断然良かった。これはLPだとこの曲がA面一番最後(最内周)にあるということが影響しているのかも知れない。
ちなみに「ニューヨークの想い」(New York State of Mind)のスタジオ録音版にはサックス・ソロ奏者が異なる2バージョンあり、LPと初期CDがビリーのツアーバンドの一員であったRichie Cannata。ビリー・ザ・ベスト 1&2(Greatest Hits Volume 1 & Volume 2)と1998年リマスター版CDはPhil Woods。これはレイナーノートに明記されている訳ではないが実際にソロのテイクは異なっているの多分確実な情報であろう。 ハイレゾ版はソロがLPと同じであったのでRichie Cannatanの演奏。比べてみるとやはりPhil Woodsのソロの方がかっこいいしハマっていると思う。
2014年4月4日金曜日
ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)とフランクフルト放送交響楽団 コンサート
CanonS95 |
去る日曜日(3月30日)は、ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)とフランクフルト放送交響楽団 (Frankfurt Radio Symphony Orchestra/hr-Sinfonieorchester)のコンサートに行って来ました。指揮はネーメ・ヤルヴィ(Neeme Järvi)もともとパーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Järvi)が指揮の予定だったのですがキャンセルになってお父さんが代わりに出演。会場は楽友協会大ホール、プログラムは:ブラームスのバイオリン協奏曲とブルックナー交響曲第3番(1889年版)。
我が家は家族揃ってヒラリーの大ファンなので、最近はバイオリンよりもドラムスに夢中の次女も珍しく行きたいといったので急遽チケットを購入して妻と3人で行って来ました。そんなこともあって僕の席はステージ後方、真上。でも音は素晴らしく最高でした。
ウィーンの森(OM-D E-M5, Lumix G Vario 12-140mm F3.5-5.6) |
この日は、ウィーンを去る友人の送別を兼ねてお昼にウィーンの森でハイキングと昼食会をしてきたので、小一時間ほど昼寝の後コンサートへ。ウィーンは小さい場所に色々なところが詰まっているので、我が家からはこの写真のような自然に行くのも30分程度、楽友協会に行くのも30分程度なので一日でこのように違うことが出来ます。
コンサートに話に戻りますが、ヒラリーは何時聞いても素晴らしい演奏をします。清楚で生命感溢れそれていて音楽的には成熟している、ちょっと矛盾するようですがそのように感じます。ブラームスのバイオリンコンチェルトは好きな曲なのでレコーディングも色々と持っていますし、ライブでも色々と聴いたことがあります。その中でもこの日の演奏は特筆すべきものでした。ネーメ・ヤルヴィ指揮のフランクフルト放送交響楽団の演奏も息がぴたりと合った素晴らしいサポートでした。
個人的に僕はブルックナーの交響曲をレコーディングで聴くことが苦手なので、コンサートもあまり積極的には行かないのですが、このところなぜかブルックナーを含むプログラムが多く聴く機会が増えています。それで思うのはやはり、ライブのほうがレコーディングより僕にはしっくりくるということです。お陰で少なくともライブ聴くブルックナーのシンフォニーに関しては食わず嫌いのところが無くなりました。この日の3番も素晴らしい演奏で楽しく聴いて音楽に浸ることができました。
CanonS95 |
今まで行ったどのコンサートでヒラリーは必ずファンへのサイン会を行います。この日のコンサートは、オーストリアで若者に音楽の啓蒙活動を行っているJeunesseという団体の主催で、若い観客が多かったこともあり長蛇の列でした。Jeunesseは、クラシックだけでは無く、ジャズやワールド・ミュージックのコンサートも主催し26歳以下は半額の若者料金でチケットを買うことが出来ます。
Jeunesse HP: http://www.jeunesse.at/no_cache/home.html
ヒラリー・ハーンHP: http://hilaryhahn.com/
僕が好きなヒラリーのCD:
2014年4月2日水曜日
ウィーンフィル・サマー・アカデミー学生さんの発表会
毎夏、ザルツブルグで行われるウィーンフィル主催のサマー・アカデミーの学生の発表会が3月29日土曜日にあって、知人がご厚意でチケットを入手してくださって妻と次女と行って来ました。会場は、国立歌劇場のマーラー・ザール。プログラムは全て室内楽で3重奏、4重奏、6重奏などなど。現代曲が多かったが、ブラームスやモーツアルトもあり楽しめました。学生と言ってもこちらでは20代半ばまでは学生とみなされるので、技量・表現ともに成熟した演奏でした。このサマー・アカデミーは教鞭をとるのが全てウィーン・フィルの現役団員ということもあってか、息の合った絶妙なアンサンブルで楽器の音色・音量ともに最適なバランスの演奏でした。
サマーアカデミーに関する情報はこちら :
http://www.wienerphilharmoniker.at/youth/summer-academy
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