2015年12月27日日曜日

Audirvana 2.3 でQobuz 高品位ストリーミングを聴く




12月24日にAudirvan Plus  2.3 (version 2.3.1)が正式にリリースされました。 2.3の目玉は、Qobuz(コーバズ)のロスレス・高品位・オンライン・オンディマンド・ミュージック・ストリーミング・サービスとの統合。QobuzのFLAC 16 bit /44.1KHz ストーリーミングがAudirvanaを使って再生できるようになりました! 

設定は至って簡単。ライブラリーのメニューでユーザーネームとパスワードを入れるだけ:

Audirvana.comより引用
コネクトされると下の写真の様にQobuzがソース(音源)として表示されます:


昨日から色々と聴いて試していますが、音質は至って良好。Qobuz Desktop Appより遥かに音が良いことがはっきりと判ります。Spotfiyとは比べ物になりません。 CDをリッピングした音源と比べると、リッピングの方がいい場合もありますが、リッピング音源はCDの音質の善し悪しも割とはっきりとわかるので、Qobuzストリーミング音源の方が良い場合もあり、一概にどっちが良いとは言えません。ソフトとハードにそれなりにこだわってリッピンッグした音源のほうがエッジがたって解像度がちょっとだけ良いのが多いような気はしています。ただし、この違いはあくまでオーディオマニアとして聴いた場合での違いであり、音楽ファンとして聴けば申し分の無い音質です。デミアンさんからの素晴らしいクリスマス・プレゼントですね。 A+RemoteでQobuzを検索するのは未対応のようなので、そちらのアップグレードが早く出ることを期待をしています。

ストリーミングされている音源のビットレートの表示

前にも書きましたが、市場さえ広がれば、高品位ストリーミングは今後のデジタル・オーディオの主たる媒体となりうるものだと思います。あとは、オーディオ機器との統合化、より多くの音源がストリーミングで配信されるよう、アーチスト、レコード会社、ストリーミング・サービス・プロバイダーがどうコラボレートできるか?  オーディオ・マニアとしては楽しみではありますが、Qobuzの財務状況がさらに悪化していること等を考えると先行きは平坦な道のりでは無いのかもしれません。

Qobuzに関しては僕の過去のブログ記事をご参照ください: http://isakusphere.blogspot.co.at/search/label/Qobuz

2015年12月20日日曜日

Season"s Greetings!

ウィーンからクリスマスと新年のお喜びを申し上げます。







(Olympus OM-D EM-5 + Panasonic Lumix G Vario 14-140 F3.5-5.6)

2015年12月13日日曜日

アナログ周りのアップグレード

夜のウィーンは氷点下。去年は暖冬だったのですが、今のところより冬らしい、冬です。でも、こちらの人に言わせると、例年の11月の寒さなのだそうです。アナログの話題が続きます...。



数ヶ月前に、プリアンプのアップグレードのまとめを書きましたが、それと並行してアナログ周りも少しづつ手を加えてました。プレーヤーはVPIのHW-19 Jr. というモデルのスピンドルとプラッターを上位機種のものにアップグレードしたものです。


まずやったのが、フォノイコのカップリングコンデンサーの交換。Audio Note UKの銅箔紙・オイルコンデンサーからムンドルフ社スプリームシリーズの銀箔・オイルコンデンサ(Mundorf Supreme Silver in Oil )へ変えました。前に書きましたが(こちら と ちら)、パワーアンプ用に使ってその後、交換したものの再利用です。このムンドルフのコンデンサーはバランスがよくて煩くなく聴きやすいけどちょっと音をマッサージする傾向があるというのが僕の印象ですが、僕はアナログに求めている音の傾向に合っているのではないかと思って使ってみることにしました。音に関してはやはり、どちらかというとコンデンサーの色がよりはっきり判る傾向があるのではないかと思いますが、アナログをいったりと聴いて音楽を楽しむのにはいいかな?という気がしています。



次にやったが、カートリッジをGoldRing 1042 (MM) からDENON DL 103Rに交換。昇圧トランスはDENONのAU-300LC。 いろんな人からMCは良いと聞いていたのですが、やっとMCを導入。もっと早くからMCにしとけば良かったというのが正直な気持ちです。

カートリッジを替えて気になってきたのが、ノイズ。ランブリングのようなハムのようなノイズがターンテーブルに針を落として無音の部分で聞こえて気になりました。カートリッジからノイズがきているのか?とも思いましたが、針を上げると聴こえません。もしカートリッジがノイズを拾っているのであれば針の上げ下げには関係ないはずと暫く悩みましたが、ネットをサーフしていて思いついたのがベルト。どっかのサイトにベルトは5年程度で交換した方が良いと書いてあったのです。案の定、我が家のプレヤーのベルトはだいぶ硬直がすすんでいました。硬くなるとその分モーターの振動等不要な動きが伝わりノイズとなるのではないか?と思いベルトを交換。気になっていたノイズが嘘のように無くなりました。ベルトは定期的に交換すべきなのですね。

ここまできても、まだ音にはチョッと気になるところがあって (高めの帯域にちょっと煩く聴こえるところがある)、で色々と悩み、プレーヤーとトランス間のケーブルを交換してみることにしました。今まではVPIの別売り純正シールドケーブルをつかっていたのですが、それをVH Audio から今年発売されたV-Quad Cu24という24 AWG のUniCrystal OCC (単結晶OCC)単線の4芯スタークワッドのワイヤーを使って自作したものに交換。これがうまく当たって、気になっていたところが全く無くなりました。このワイヤーはシールド線ではありませんが、スタークワッドのお陰で懸念していたノイズは聴感上全く問題はありませんでした。

ノイズが無くなり、音に気になるところがなくなると、定位がやや左寄りになっているのがよりはっきりと判って、アームの設定、テーブルの高さなどを再調整。これも気にならないところまで持って来れたかなというところまでやりました。

その後、4ヶ月ほど経ち、特に不満はなく、快適にアナログ盤を聴いています。変わったことと言えば、メイン・システムを聴く時間の大部分がアナログ盤再生になったということでしょうか? それでも満足しないのがオーディオ・ファイルの悲しい性。昇圧トランスをアップグレードしようかな等と企んでいます(笑)。

2015年12月7日月曜日

実家のアナログ再生環境の復活?

一昨日の夜にウィーンに戻りました。低い日でも20度を超える気温の沖縄から、一気に2度の寒さです。

今回の帰省は、両親の様子見が目的でしたので大部分の時間を実家で過ごしました。そのこともあって、時間を見つけて実家のリビングにあったアナログ・プレーヤー(Sony PS-X3)を使える環境に整えるべるやってみました。実家には僕と弟のレコードが多分二,三百枚ほどあるので出来れば聴けるようにしたいとおもったわけです。


前に書きましたが、リビングにあった山水のAU-D707G Extraの代わりにオンキョー CR-555をリビングに設置し、山水のアンプは僕の部屋においてありましたがそれも宝の持ち腐れだったので今年1月に帰省した際に友人に引き取ってもらっていたので、フォノイコが必要でAudio TechnicaのAT-PEQ3を導入。家でアナログ盤をかけるとすればせいぜい僕か弟が帰省したときだけですのでこの程度でよいかなとおもいました。(これでも贅沢!という声も聞こえてきそうですが...。)


あとは、おそらく駄目になっているのではと思われたカートリッジをシュアーのM-97XEに変えました。アメリカにいたときオーディオファイルの同僚が結構良いといっていたのを憶えていたからです。

わくわくと期待に胸を膨らませて、高校時代に小遣い貯めて買ったLPを聞きはじめました。音はちょっと硬い感じでしたが、多分エージングで良くなりそうな予感をさせるのも。でも2枚目、3枚目を聞いていくうちに音がホワン、ホワンとしてきます。盤に大きなそりでもあったかなと見てみると、なんと回転数が安定せず、それを検知するストロボがついていない! その後、何度か試しましたが表は何とか回せても裏が駄目、そうこうしているうちに、表も半分ぐらいから駄目になってくるようになったので、ギブアップ。 せっかくのフォノイコとカートリッジが無駄になってしまいました。残念。

次回の帰省では程度のよくて安い中古プレーヤーでも探そうかなと思っています、見つけられると良いのですが...

一般的にカートリッジ(特にコスパが良かったもの)は値上がりしていますね。買うのは今のうちかもしれませんね。

2015年12月1日火曜日

Leica M Type 262 発売!


http://jp.leica-camera.comより引用
11月19日に発売されたLeica M Type 262。シャッターは改良されより静かになったけど、ライブビューなし、動画録画機能無し。アナクロだけど、まさに、往年のライカファンの心をくすぐる新製品です。ライカ社もやっとファンのつぼを認識してくれたか、という感じですね。トップカバーにアルミを採用下との事で軽くなるのはウェルカムですが質感がどうなのか?シャッターはどのくらい静かなのか?早く触ってみたいです!

ライカカメラジャパンHP Type 262のページ:http://jp.leica-camera.com/フォトグラフィー/Mシステム/ライカM-Typ262

さすがにアマゾンでは売っていないだろうと思いましたがM-P Type 240がありました! 新品はとんでもないお値段。こんなのアマゾンで買う人いるのかな〜?




2015年11月29日日曜日

シンクタンクフォト アーバンアプローチ5 / thinkTANK Photo Urban Approach 5 (11/29 一部改訂)

http://joerivanderkloet.comというオランダの写真家のサイトでライカレンズのレビューを読んでいたら、そこにビリンガム・ハドレー・デジタルのレビューがあって、レンズ付きM型ライカと交換レンズ2本を持ち歩くのにちょうど良いと書かれており、またいつもの悪い癖でついつい欲しくなって検索していると、そういえば首里の実家から徒歩10分ぐらいの所に写真機材のお店があったな〜と思い出しまた検索して見つけたのが、「オリエンタル・ホビー。」 自ら写真用品を輸入し通販を行うネット・ショップ。サイトを見ていると色々と使えそうなグッズが沢山あり、もっと早く思い出しておけばよかったとちょっと後悔。ハドレー・デジタルもあって、値段もヨーロッパで買うのとそんなに変らず。通販が主体であるがオフィスでも商品販売しているとのこと。ウィーンにはビリンガムの代理店がないのでこれは帰省の際に見に行くしかないと思いながら、同店取り扱いの各種バッグをみているとシンクタンクもあって、またもや僕のアンテナに引っかかったのが「アーバンアプローチ5」と「アーバンアプローチ10」今年の3月に発表された新製品。 一昨日の午後、散歩をかねてオリエンタル・ホビーに行ってきました。

○ ○ ○

店長の小倉さん自らに商品を見せてもらい、見て、触って納得し購入。バッグはハドレー・デジタル、アーバンアプローチ5、アーバンアプローチ10と見て、どれもそれなりによくて迷いましたが一番欲しいと思っていたコンパクトなバッグのイメージに近かったアーバンアプローチ5に決定。


デジタル・ハドレーの横幅 220 × 奥行 135 × 高さ 225 mmという大きさ(外寸)に対し、アーバンアプローチ5は横幅 260 × 奥行 140 × 高さ 180 mm(外寸)。プロポーション(寸法の比率)は異なるものの、体積はほぼ同じ。バッグのデザインで想定された用途の違いでレイアウトが異なり、M型ライカ機材の収納力には大きな違いがあります。


前にも似たようなことを書きましたが(こちら)、Mライカのカメラやレンズは、マイクロフォーサーズの多くボディ、レンズと似たような大きさであり(でも断然ライカは重たい)、そのためだと思いますがミラーレスカメラ用にデザインされたというアーバンアプローチ5はM型ライカ用にも大きさはぴったり。外見上も僕が好きなカメラバッグ然としないデザイン。雨の日のためにレインカーバもついてきます。

M9+Summilux 35mm ASPH, Elmarit 21mm+view finder, Summilux 50mm with hood,Tele-Elmarit 90mm, Batteries, SDカードホルダー, MicroFiber cleaning clothを入れてもさらに8インチタブレット(iPadMini等)、メモ帳などが収納可能

昨日から実際に使っていますが良い感じです。唯一、気になる点がショルダー・ストラップが長めである事。これは、アメリカ製の多くのバッグに当てはまる事ですが、僕のように背の低い者(160cm)にとっては、作りの上でこれ以上短くならないところまで短くしてもちょっと長めで、たすきがけにしてちょうどいいぐらいです。

シンクタンクフォト アーバンアプローチ5は、ライカM型、マイクロフォーサーズをお使いのカメラマンにはお勧めのバッグ。ボディを2台持ち歩きたい、マイクロフォーサーズのプロ用レンズを使っている方、ボディを2台持ち歩きたい方、旅行等でカメラ以外の物も入れて持ち歩けるショルダーバッグをお探しの方は、アーバンアプローチ10をご覧になられる事をお勧めします。

オリエンタル・ホビーさんもおすすめです。ネットショップをチェックしてみてください。色々と面白いものがあります。バッグの他に僕は前から興味のあったGami Light(ガミライト)のディフューザーとfreehands(フリーハンズ)フォトグローブ (自分の分と妻へのお土産)も購入しました。

新たなバッグを買ってもFoggのカメラバッグは手放したくないし、ウィーンに戻ったら家人にバッグが増えた事をどう言い訳しようか悩んでいるところです...。

オリエンタル・ホビーHP:http://oriental-hobbies.com

thinkTank Photo HP (Urban Approach5のページ): thinkphoto.jp (Urban Approach 5)

thinkTank Photo HP (Urban Approach10の ページ): thinktankphoto.jp-Urban Approach 10

2015年11月26日木曜日

帰省中

実家の裏庭から隣家をみる

いま、両親の様子見に沖縄に帰省中です。大正生まれの父は季節の変わり目に体調を崩す事が多いから、と母から連絡があり休みがとりやすい時にと思って急遽、里帰りする事にしました。最近はだいぶ便利になって乗り継ぎが2回はあるもののストップ・オーバなくウィーンから沖縄にくる事ができるようになりましたが、全行程20時間ほどかかるので結構疲れました。未だ時差ぼけです。昨日までは日中最高気温が25度を超える、沖縄でも季節外れの暖かさ、今日からは時期並みに20度ちょっとです。ウィーンを発ったときは3度だったので、僕にとっては初夏の陽気です。

2015年11月23日月曜日

Antonio Sanchez and Migration Concernt /アントニオ・サンチェスとマイグレーション コンサート


先週の 木 曜 日 (11 月 19 日) は, 次女 と 二人 で Antonio Sanchez and Migration の コ ン サ ー ト を 観 に 行 っ て き ま し た。先週から今週にかけてコンサート続きなのですがスーティーブ・ガッドと同じく、バイオリンとドラムスをやっている娘にせがまれたのです。 場所 は, Porgy and Bess 、バ ン ド の メ ン バ ー は 以下 の 通 り:

Antonio Sanchez: drums
Seamus Blake: tenor-, soprano saxophone
John Escreet: piano
Matt Brewer: bass


ご存知だと思いますが、サンチェスは昨年度のアカデミー作品賞をとった『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のサントラを担当し自らドラムスを演奏したジャズ・ドラマー。

プログラムは新作の『Meridian Suite』演奏時間が1時間以上の大作! その後アンコールを兼ねて数曲演奏。 バードマンをみていたのでもっとドラム主体のちょっとワイルドな感じのコンサートを期待してのですが、どちらかというと60年代後半の新主流派(ニュー・メインストリーム)時代のハービー・ハンコックのリーダーアルバムを思い起こさせるスタイルの曲でした。それは、それで面白かったです。

娘は前回同様、買ったCDにサインをしてもらって、ツーショットもとらせてもらってご満悦でした、


アントニオ・サンチェス 公式HP:http://www.antoniosanchez.net/

アントニオ・サンチェス インタビュー:  http://www.hmv.co.jp/news/article/1506030010/

アントニオ・サンチェスのCD:



2015年11月20日金曜日

ハリエット・クリーフ チェロ リサイタル / Harriet Krijgh Cello Recital


今週の月曜日(11月15日)は妻と、ハリエット・クリーフ (Harriet Krijgh)のリサイタルにいってきました。会場は楽友協会ブラームス・ザール。伴奏はマグダ・アマラ(Magda Amara)。 プログラムは:

Felix Mendelssohn Bartholdy:Sonata for cello and piano in D major, op. 58
Johanna Doder: "Break On Through" for piano and cello, DWV 95
(ウィーン楽友協会とヨーロッパのコンサートホール機構がEU文化プラグラムの援助のもとコミッションした新作 )
Sergei Vasilievich Rachmaninoff : Sonata for Cello and Piano in G minor, op. 19


楽友協会とコンツェルトハウス共同で行っている「ライジングスター」プログラムの一環。 クリーフは今年5月のチャリティーコンサートで聴いていいなと思ったチェリストでした(その時のブログの記事はこちら。新進の若手ならではの情熱のある期待通りの素晴らしい演奏でした。注目していきたい若手音楽家です。

Harriet Krijgh HP: http://www.harrietkrijgh.com/index.php?id=49

Magda Amara HP: http://magdaamara.com/


クリーフのCD:



2015年11月18日水曜日

サイモン・ラトル指揮ベルリンフィル コンサート (ベートベン交響曲4番と7番)・ Concert Simon Rattle conducting Berlin Philharmonic Orchestra Beethoven Symphony 4th and 7th


観たいコンサートというのはなぜが続いたり重なったりするもので、先週の金曜日(11月13日)は、サイモン・ラトル指揮ベルリンフィルのコンサートに家族3人で行ってきました。会場は楽友協会大ホール。プログラムはベートーベン交響曲4番と7番。ベルリンフィルのベートーベン交響曲全曲演奏チクルスワールドツアーの一環です。

ぎりぎりまでいけるかどうか判らなかったので、買おうと思ったら、高いけど余良くない席か立ち見券しか残っていなくて、一人、6ユーロの立ち見券を購入。ホールの最後列の後ろに立ち見の場所があります。何度か立ち見で聴いたことはありますが、ステージ正面なので、とくに真ん中辺りで聞くと音は楽友協会大ホールの中では、とても良い場所の一つであると思います。人が入ると下の写真の用な感じなので、観ることにはこだわらず後方の壁によっかかるかそこで床に座って、目をつぶって聴くことに専念することが得策。むろん、会場1〜2時間前から並んで立ち見エリアの一番前の手すりの場所に陣取れば、ちゃんと観て・聴くことが出来ますが、僕はそこまでするのはめんどくさいと思ってしまいます。6ユーロで、しかもステージ正面でベルリンフィルをきけるのですから贅沢は言えません。

楽 友 協会 大 ホ ー ル の 立 ち 見 エ リ ア

肝心の演奏ですが、4番も7番も小気味良いテンポとリズムの取り方で切れ味の良い演奏。全体的にペースは早めでしたが、ゆったりと聴かせる部分では十分に感情をこめてそれぞれのパートを歌わせていたと思いました。ラトルが特に個性を出したのが7番。多分、変わった演奏をするだろうと期待はしていたのですが、第一楽章の出だしは割と普通でチョッとがっかりしていたのも束の間のこと、3分の1を過ぎたあたりから、テンポ・間の取り方が大きく変化し、語弊を恐れずに言うならばアクロバチックなリズムとスピード、頭に浮かんだのは変幻自在という言葉。ここをこんなに早く弾いちゃうのかと思いきや実にゆったりとした旋律になったりと...。しかも一糸乱れずオーケーストラ全体がピッタリとあった演奏。こんな演奏はおそらく世界最高峰の技量をもったベリリンフィルでないと出来ないであろうと思わせる斬新で超技巧的ともいえるもの。これだけ有名で演奏され尽くされたであろう名曲にまた新たな解釈の名演が加わったと思わせられた凄い演奏でした。まさに、ラトルのベルリンフィルでの有終の美を飾ると言える物だと思いまた。

そのような凄い演奏も好みが分かれるようで、僕と次女は凄いと感激したのですが、妻は違和感があったようで、『...余感動しなかったわ、高い席でなくてよかった...』と言って(笑)、3人で音楽談義をしながら帰途につきました。

この日聴いた7番は以前このブログで書きましたが、ぶっ飛んでしばらくはまってしまったラトルのベートーベン交響曲5番のCD以来、久々に驚かされたベートベンの名演だったと思います(エントのりそーはこちら)

翌朝、ニュースでパリの事件のことを聞きました。この痛ましい事件にやるせない気持ちでいっぱいです。

僕 が 暫 く ハ マ っ た CD は こ れ で す:






2015年11月14日土曜日

スティーブ・ガッド・バンド・コンサート/Steve Gadd Band Concert



一 昨日 の 木 曜 日 (11 月 12 日) は, 次女 と 二人 で Steve Gadd band の コ ン サ ー ト を 観 に 行 っ て き ま し た 場所 は, Porgy and Bess バ ン ド の メ ン バ ー は 以下 の 通 り..:

Steve Gadd (ティーブ·ガッド): drums (http://www.drstevegadd.com/)
Larry Goldings (リー·ラゴールディグス): keyboards (http://www.larrygoldings.com)
Jimmy Johnson (ミー·ジジョンソン): Bass (ウィキペディア)
Michael Landau (イケル·マランドウ): guitar (http://www.mikelandau.com)
Walt Fowler (ォルト·ウファウラー): fluegelhorn, trumpet (http://www.waltfowler.com)

まさに往年のスーパー・セッション・ミュージシャン・オールスター・バンド。文句無しの素晴らしい演奏。ガッドは今年70歳になったそうですが年齢を全く感じさせないどころかまだ40代としか思えない熱演。天才の誉れのたかいランドウのギタープレーは凄かったの一言、他に賞賛する言葉は見つけられません。ファウラーのメロディアスなリードプレーに、ゴールディングスは滅多にジャズクラブでは聞くことの出来ないハモンドオルガン(C−3?)でブリージー感じを醸し出し、ジョンストンのアレンビック5ベースの絶妙なサーポートも相成って、テクニックはもちろんのこと音楽性も素晴らしく音楽に没頭し楽しめました。プログラムはそれぞれのメンバーのオリジナルが中心でどちらかというとブルージーなクロスオーバーの曲が多かったでした。


コンサートのあとはすべてのメンバーによるサイン会もあって、買ったTシャツとCDにサインをしてもらい、スティーブとのツーショットも撮らせてもらってニンマリ顔の娘と二人、ウィーン旧市街の石畳の道を帰途につきました。

Porgy and Bess (ウィーンのジャズクラブ) HP: http://www.porgy.at/

Steve Gadd band の CD:

2015年11月11日水曜日

温暖化進む!? ウィーン

Leica M9/Elmarit 21mm

去る土曜日からウィーンは季節はずれの暖かさ。最高気温が17度以上、最低もせいぜい13度。
5年前、転職が決まってから妻と2人で下見に来たのがちょうど今頃の時期でした。そのときはとにかく寒くて二人でオーバーの襟を立てて暗いウィーンの街を歩いたこともまだ記憶に新しいことです。ここ2~3年の冬はとてもマイルドで寒くてもせいぜいマイナス7~8度程度。越してきた2010年12月のマイナス20度にはとても及びません。

11月なので日は短く5時ごろには真っ暗になってしまいますが、暖かく天気もよかったので、妻と2人でウィーン19区のワイン畑のある丘を散歩してきました。


Leica M9/Summilux ASPH 35mm
もともとワイナリーだった場所を改装して最近出来たレストラン(上の写真)で遅い昼食。

Leica M9/Summilux ASPH 35mm
レストランの前にあるこれもまた最近、修復・改装されたアパートには、ここにカール・ベームが住んでいたとの銘版がありました。


Leica M9/Summilux ASPH 35mm

2015年11月7日土曜日

Leica Summilux / ライカ ズミルクス 50mmF1.4 追記



先日、ライカのレンズを売りに出したことを書きました(こちら)。そこで最初期型、二期型云々とかきましたが、この分類は人によって多少意見が異なる場合があるので、誤解の無いように私なりの理解と分類を述べさせていただきます。

まず写真一番左が最初期モデル。1959年から1961年の間製造販売。どちらかと言うと珍しいものだけど、人気がそれほどでもないので、相場は比較的安い。写りは柔らかくクラシックな傾向。カタログの型番はSOOME。最短撮影距離は1m。フィルター径43mm。重量325g。

左から2番目が第2期モデル。1961年から1968年の間製造販売。新設計の光学系で外見は最初期型と変わらないが中身はまったくの別物。(描写に関しては下記の第3期モデルを参照)シルバークローム仕上げ。カタログ番号は発売当初SOOMEで11 113 となる。特注でブラック・クローム仕上げもあったようでこちらの型番は11 114。ちなみに第2期型の特注ブラック・クローム・バージョンのデザインは今年になった復刻され「ライカ ズミルックスM f1.4/50mm ASPH. ブラッククローム」として発売されている。最短撮影距離は1m。フィルター径43mm。重量301g。

真ん中が第3期モデル。光学系は第2期モデルと同じ。1969年から1991年の間製造販売。ブラックのみで鏡筒ローレット加工が変更された。上記写真のように50と鏡筒に記されたのは後になってから。初期のものにはこのように記されていない。光学系が同じであるためこのモデルを第2期型のクロームモデルと同じモデルとして分類をする場合も多い。気が抜けるほど第2期モデルと同じ写り。このレンズはぼくが最初に入手したSummilux 50mmで、開放から今でも十分通用するほどシャープであるが、微妙にやさしさが加わる描写でボケも綺麗、これぞライカ・マジックであるというような気がして僕をSummilux 50mmの虜にしました。人物を撮るには最高なレンズのひとつだと思います。二人の娘たちの成長を記録するのに活躍しました。カタログ番号は初めは11 114でのちに11 113 となる。最短撮影距離は1m。フィルター径43mm。重量360g。

左から4番目が第4期モデル。レンズ構成は第2期モデルと同じだが描写は違うのでコーティングなどの変更・改善の結果によるものだと思う。1992年から2004年の間製造販売。鏡筒のデザインが大幅に変更され、フードは内蔵。発売当初はブラックのみであったが1999年からシルバーが発売された。最短撮影距離は0.7mに変更。30cmの違いはたいしたこと無いと思われるかもしれないが、至近距離で人物を撮る際に画像一杯に人物を入れられるかどうかの差につながるので、ポートレート撮影にはかなり有利な改善だと思う。写りはより現代的。特に発色が前のモデルに比べると色の彩度が高くなり、印象としては色が濃くなった感じ。コントラストもだいぶ高くなったような気がする。個人的には前述のライカ・マジックがなくなり普通の優秀なレンズの描写になったような気がして、あまり出番は無かった。カタログ番号は11 868 (ブラック)、 11 856(シルバー) 。最短撮影距離は0.7mに変更。フィルター径も46mmに変更。重量は、275g(ブラック)/380g(シルバー)。チタンカラーの限定品も発売されている。

右端が現行の第5期モデル。非球面レンズ、フローティングエレメント、特殊ガラス等を採用し技術的に最先端を行くものであったレンズ(いまもそうかもしれませんが...)。2004年から製造販売。色はブラックとシルバー。カタログ番号は11 874(ブラック)、 11 883(シルバー)。最短撮影距離は0.7m。フィルター径は46mm。重量は、335g(ブラック)/460g(シルバー)。上述した、昔ながらのブラック・クロームのデザインを周到したバージョンが2015年4月より発売された。写りは、発色、解像度など異次元のものだとでもいえる素晴らしさ。このように優秀な性能を持ちつつもガチガチなシャープさではなく綺麗なボケとライカ独特ともいえる優しさと味のある描写をする素晴らしいレンズ。35mm Summilux ASPH と並びライカ・マジック新世代を産み出せるレンズだと思います。M8を使い始めてから殆ど出番が無く(やや望遠になってしまうので)、当時M9はあまりにも高く買い換えるたくらみをする気すら起きなかったので、手放しましたが、今でもそれを後悔しています。 ライカ社HPズミルクス50mm商品案内はこちら


<参考文献・サイト>

中村真一著「新M型ライカのすべて」

http://www.kenrockwell.com/leica/50mm-f14.htm

https://www.cameraquest.com/mlenses.htm

http://www.overgaard.dk/leica_lens_compendium.html

http://www.l-camera-forum.com/leica-wiki.en/images/3/3a/Puts-2002-M-lenses.pdf

「ライカを買おう」http://leica.xxxxxxxx.jp/kaisetu_lens_m_50lens.htm

この記事を書くに際し上記サイトは、2015年10月29日~11月3日の間にアクセスしました。

2015年11月4日水曜日

ブリックファングデザイン見本市・Blickfang design fair

Leica M9/Elmarit 21mm

さる週末の土曜日(10月31日)オーストリア応用美術博物館MAK(デザイン博物館)で開かれている毎年恒例のブリックファング(Blickfang)と呼ばれるデザイン見本市に行ってきました。秋休みで帰省中の長女とひさしぶりに家族四人で出かけてきました。ヨーロッパ中から集まる主にインデペンデント・デザイナー達が自ら作った作品の展示即売会です。一部をのぞき毎年異なるデザイナー達が集まるので見て回るだけでも楽しいイベント。僕は何も買いませんでしたが、妻と娘達はそれぞれ気に入った物を買って帰りました。 今年は3Dプリンターを使った作品が特に目につきました。下の写真のようにプリンターを持ち込んで、「プリント」しながら販売しているブースもありました。


Mostlikely のブース (http://www.mostlikely.at/)

ブリック・ファングの説明(ウイーン市公式観光サイト、日本語です):https://www.wien.info/ja/lifestyle-scene/blickfang-design-fair

オーストリア応用美術博物館MAK(ウイーン市公式観光サイト、日本語):https://www.wien.info/ja/sightseeing/museums-exhibitions/top/mak

フリックファングHP:http://www.blickfang.com/

Mostlikely ウェブストアhttp://mostlikelyshop.com/

2015年10月31日土曜日

Leica M9 が やってきた (中古ですが...)


前に書いた、写真集とレンズの処分(こちらこちら)は、M9を入手する為のことでした。レンズと写真集のほかにもM8のボディー、コシナ・ヴォクトランダーのレンズ、若干のアクセサリーも下取りに出しました。ライカショップ(こちら)にもっていった際、お店にはM9の在庫が無く。M(Type 240) なら中古をさらに3割引するよ~(近々、M240の後継機が出るとの噂は本当なのか?)といわれたけど、それでもM9中古の相場価格より6割以上高かったので、M9の中古が入荷したら連絡をくれることで話がついた。なんにも連絡が無いので先日電話してみると一点入荷があったとのこと、早速、オフィスを早引けしてお店に行ってきました。仕事を早引けするほどの事かって? オーストリアではお店は早く閉まるので仕方の無いことなのです。しかも、休日は当然のこと土曜日も空けていないところが多く、ライカショップもご多分に漏れず、平日午前10時から午後6時まで、中古部門は土日、休日はお休み。隣りだけど別店舗になっている新品のセールス部門のみ土曜日半日営業なのであります。

心ワクワクで行ったのですが、現物を見てみてちょっとカッガリ、だいぶ使い込まれた個体でした。でも在庫はこれしか無いし、更にまけてくれると言ったので、購入することに(といっても、当方の持ち出しは処分した機器と写真集のみ)。ついでにElmarit 21mmF2.8もゲット。レンズの方は箱無しの新古品でした。ライカショップ経営者のピーター氏がライツカナダ(通称ELCAN)の在庫を最近すべてひきとってきたとのこと。こちらもだいぶ勉強してもらいました。ピーター氏曰く、ELCANは当時からライツ米軍向けの軍事用光学器機の製造も担当していたとのことで製造技術はドイツ本社に勝るとも劣らないものであったそうです。

ライカのレンズをフルフレームで使えるというのは良いですね。35mmを35mmの画角で使えるのはうれしいです。APS-HサイズのM8だと45mm相当でしたから...。写真を撮るのがまた楽しくなってきそうです。

尚、写真集の内の一冊はライカショップのオークションに出品することになっています。ご興味のある方は是非こちらをご覧下さい:http://www.westlichtauction.com/fileadmin/kataloge/photoauction13.pdf


ライカショップのHP:https://www.leicashop.com/

2015年10月28日水曜日

秋のウィーン




今月の始めは急に冷え込んで、ずっと曇りで薄暗く雨のよく降って、木々もまだ緑なのに今年は秋をすっ飛ばして冬になるか?と思わせられたのですが、先週末頃から例年の秋の気候になってきました。最高気温が12〜15度程度、最低が8度前後です。 先週末で夏時間が終わり、日もだいぶ短くなってきました。

2015年10月24日土曜日

Leitz (Leica) Summilux/ライツ(ライカ)ズミルクス 50 1.4 最初期型と第2期型を売りに出した




先日、写真集を処分することにしたと書きましたが(こちら)それと一緒にレンズも2本売りに出しました。それが写真のライツ(ライカ) ズミルクス 50mm F1.4。前モデルとされるズマッリット50mm F1.5のレンズ構成を引き継いだと言われる最初期型(上の写真の手前)と 1966年頃から発売された、当時新設計の第2期型(上の後方)。外見はほとんど同じですが中味は全く別ものです。それぞれマッチング・フードとキャップ、UV フィルターつき。ちなみに、このレンズは特別仕様の薄くて表の枠に出っ張りの無いフィルターでないの(判りづらいかもしれませんが下の写真)フードを取り付けることが出来ません。あらかじめこのような設計したのか、後でつじつまを合わせたのか判りませんが、このような変わったところ(idiosyncracy)は、ライカファンの心をくすぐる物であるのは事実です。


特に第2期型の光学性能は非常に優秀だったようで、非球面・フローティング・エレメントの新ズミルクス50mmF1.4ASPHが2004年にでてくるまで、基本的には同じレンズ構成が引き継がれて行きました。勿論、コーティング等は進歩して変わってくるのでレンズの描写(特にカラー)は60年代のモデルと90年代モデルとではだいぶ違いがありました。

僕はズミルクス50mmがとても好きなレンズで一時期ASPHを含め5本の異なるバージョンを持っていたことがありますが、一番好きだったのが第2期型と第3期型でした(基本的には同じ物ですが第3期モデルはブラック・クロームです)。描写に関しては、僕が持っっていた個体での比較では第2期型と第3期型(70代生産)とではあっけないほど同じ描写でありました。もちろん、銀塩フィルムでの比較です。

左から年代順。
上の写真は2009年3月に撮影したもの。M8購入の為に一本下取りにだすことに決めたときの記念撮影。今手元にあるのは中央の第3期型のみとなってしまいました。

2015年10月21日水曜日

Mozart Piano Sonatas by Walter Gieseking /ヴァルター・ギーゼキングのモーツァルト/ピアノソナタ全集


もう一月ほど前のことですがちょっと立ち寄ったレコードショーで見つけたLP集。前から欲しかったのですが特に珍しいものではないと思うのだけど中古レコード屋では見つけられず、時々eBayで入札するもなぜか値段が僕が払いたいと思う価格よりいつもだいぶ高くなって競り落とせずにいたレコード。5枚組、全19曲です。一枚、一カ所だけ傷があったのでどうしようか悩んだのですが、ついていた値札が12ユーロでしかもクラシックはすべて値札の半額と書いてあったので、一応買っておくことにしました。少しづつ聞いていますが、期待に違わぬ演奏に大満足。1953-54年の録音のようですが、音も悪くありません。傷も聞いていて我慢できる範囲なのでよかった。今まで買ったDacapoのロゴのついた復刻版LPには音の良いのが多かったですがこれもその例に漏れませんでした。

だいぶ前にNY Times がマレイ・ペライアや内田光子の自己表現をふんだんに盛り込んだ演奏に対し、ギーゼキングのあまりにもシンプルで自己を消し去ったかのようなピュアな演奏は、彼が(モーツアルトの)音楽そのものに対する絶対的な信頼を置いて、曲そのものにその美しさを語らせているかのような演奏と評していましたが(筆者による要約・翻訳)、まさにその通りの素晴らしいレコーディングだと思います。
(”Review/Music; Playing Mozart Sonatas With 2 Opposing Styles By Edward Rothstein, New York Times, October 19, 1991:  http://www.nytimes.com/1991/10/19/arts/review-music-playing-mozart-sonatas-with-2-opposing-styles.html

CDもでてますがアマゾンではプレミアムがついているようですね...。

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2015年10月18日日曜日

Brendan Goh Cello Recital / ブイレンダン・ゴ リサイタル



昨晩 (10月17日 土曜日)は、16歳の新進チェリスト、Brendan Goh (ブレンダン・ゴ)のリサイタルに行ってきました。妻は帰省中で娘は友達の誕生日とのことで僕一人。シンガポール出身でウィーンで学んでいるブレンダンは今年の6月に初めて聴いて以来 (こちら)注目している音楽家です。会場は St. Johannes Nepomuk Kapelle (ネポムクの聖ヨハネ教会)。 ウィーンシフラ財団主催、国際シフラ財団協賛のコンサート・シリーズの一環。ピアニストは同じくシンガポール出身の Joo Ann Koh プログラムは:

Boccherini  Cello Sonate No.6
Dawidow: Allegro de Concert a-moll für Violoncello un Orchestra Op.11
Brahms: Rhapsodie h-moll, op.79 No.1 (piano solo)
Brahms: Cello Sonata No. 2, op.99

音楽的も心の琴線に触れる素晴らしい演奏でした。ブレンダンを聴くのは今年の6月以来これで3度目ですが、 聴くたびに、技術も音楽性も大きく成長しているのには驚かされます。才能に富んだ伸び盛りのブレンダンの音楽家としての成長を見届けられるといいなと思っています。

Brendan GohのデビューCD:http://ml.naxos.jp/album/ARS38752




2015年10月14日水曜日

Piano Recital by Ingrid Marsoner (イングリッド・マルソナーのピアノリサイタル) 



ウィーンは先週の金曜日の夜から急に寒くなって昨晩は氷点下。まだ木々の葉は緑が多いのですが、秋を飛ばして急に冬になった感じです。

もう一週間たってしまいましたが先週の水曜日(10月7日)は、Ingrid  Marsonerの
ミニ・リサイタルに行ってきました。会場はAltes Rathaus(旧市庁舎)Barocksaal、プログラムは
シューベルト (歌曲をピアノにアレンジしたものでしたが曲名を失念)とベートーベンピアノソナタ28番 Op.101。前にも書きましたが (こちら)私と妻は偶然にラジオで彼女のゴールドベルグ変奏曲を聴いて以来のファン。そんなに有名ではないこともあるのか、ウィーンでのリサイタルはあまり行われないようで、生で聴いたのはこれがはじめて。彼女のCDをだしているウィーンのインディペンデント・クラシック・レーベルのグラモラ(Gramola)主催で入場料は無料。

好きなピアニストなので当然ではあるのですが、素晴らしい演奏でした。特にベートーベンは印象に残りました。親しみがあまり無かった曲だったので、家にかえってから他の演奏家のも聞いてみましたが、マルナソナーは彼女なりに消化して、自らのスタイルを入れた良い演奏だったと確認できたような気がしました。いまさらですがベートベンの後期の作品には斬新なものが多かったのだということも再確認できました。

思っていたよりもだいぶ小柄で内気な感じのするマルソナーさんでしたが、アンコールで感極まったのか突然弾けなくなったアクシデントもあったのですがいいリサイタルでした。

もっていなかったCDを一枚お土産に買って雨のウィーン旧市街のなかを帰途につきました。

マルソナーのHP:http://www.ingridmarsoner.com/

ナクソスのストリーミングサイトで彼女の作品が聴けるようです:http://ml.naxos.jp/artist/158654

マルソナーのCD::


2015年10月9日金曜日

リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団+ ラドゥ・ルプ コンサート (Concert byt Leipzig Gewandhaus Orchestra, Riccardo Chailly(conductor), Radu Lupu (piano)




今週の月曜日(10月5日)の晩はリッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートに行ってきました。次女が音楽理論を習っている音楽家の先生が都合が悪くなったからとチケット頂いてきて、二人でいってきました。会場は楽友協会大ホール。プログラムは以下の通り:

Richard Strauss:  "Don Juan" -  Tone poem by Nikolaus Lenau for large orchestra, op. 20  (ドン・ファン)

Wolfgang Amadeus Mozart: Concerto for Piano and Orchestra in C major, K. 467  Concerto for Piano and Orchestra in C major, K. 467 (ピアノ協奏曲21番)

Richard Strauss  ”Ein Heldenleben” -  Tone poem for large orchestra, op. 40(英雄の生涯)


ピアノはラドゥ・ルプ(Radu Lupu)。

おそらく、楽友協会でシャイーが指揮するゲヴァントハウス管弦楽団を聴ける機会は暫く無くなるかもしれません。ご存知だと思いますが、今年1月からバレンボイムの後任としてスカラ座の音楽監督に、そして8月にはアバドの後任としてルツェルン祝祭管弦楽団の音楽監督任命されたことがあって、シャイーは任期半ばですが今シーズンを最後にゲヴァントハウス管弦楽団の楽団長を辞任することを発表しました。

僕は、ラドゥ・ルプが好きなのですが機会に恵まれず、ライブで聴くのはこれが初めて。わくわくと期待していきましたが、特にこれは!ということが無かったのでちょっとガッカリ。でもストラウスの演奏は良かったです。特に後半の「英雄の生涯」にはどっぷりと引き込まれました。



ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のHP: http://www.gewandhausorchester.de/

楽友協会HP (日本語): https://www.musikverein.at/?lang=jp

僕が好きなルプのCDです。特にシューベルトは僕のお気に入り、お薦めです:




2015年10月7日水曜日

Lee Friedlander(リー・フリードランダー)の希少な写真集2点ー「American Monument」と「CRAY at Chippewa Falls」 


アメリカに住んでいたころ、一時期写真集の収集を始めたことがあった。この2冊はそのときに買い求めたもの。当時はまだプレミアが殆ど付いていなくて普通の値段で買えた。僕の持っている写真集の中ではもっとも価値のあると思える2冊だが、ちょっと考えあって手放すことにした。

Lee Friedlander(リー・フリードランダー)は、アメリカを代表するファインアート・フォトグラファーの一人で、70年代の日本で起こったコンホラ写真・ムーブメントを触発した写真家の一人でもある。 

The American Monument はFriedlanderがアメリカ各地の名所・記念碑をとったもの。超大型の本で豪華な装丁で2000部限定の初版本200枚の写真がそれぞれ一ページ・片面のみで収録されている。CRAY at Chippewa Fallsは、1970~80年代に当時世界の頂点に立っていたスーパー・コンピューター・メーカーのCRAY Research(クレイリサーチ社)がその15周年記念に、Friedlanderに依頼し同社とその本社・工場所在地のChippewa Fallsを題材とした写真集を創り、従業員に配布したもの。したがって非売品。Friedlanderのサイン入り。

考えてることは何かって? それはうまくいって時のお楽しみ。

Lee Friedlanderについて
http://www.atgetphotography.com/Japan/PhotographersJ/Friedlander.html

「CRAY at Chippewa Falls」に関して:https://translate.google.at/translate?hl=ja&sl=en&u=http://museum.stanford.edu/news_room/friedlander.html&prev=search

アマゾンに出品されているフリードランダーの写真集へのリンクはこちらフリードランダーの写真集


ちなみに、Lee Friedlander は60年代にNYでレコードのジャケットの撮影をして生計を立ていてようです。アトランティックのコルトレーンやミンガスの有名なアルバム、ベラフォンテのカーネギーホール・ライブなど。暇なときにでもレコード・CDのクレジットを見て調べてみてください。

2015年10月3日土曜日

佐渡裕とニーダーエスタライヒ州トーンキュンストラー管弦楽団音楽監督デビューコンサート



一昨晩(10月1日)に佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団のコンサートに妻と二人で行ってきました。氏の音楽監督就任後、初の演奏会です。会場は楽友協会大ホール。もともとのプログラムではマリア・ジョアン・ピリスとのモーツアルトのピアノ協奏曲が入っていたのですが、彼女が公演直前に病気でキャンセルしたので、プログラムが以下のように変更されました。ピアニストは22才の新人、ベアトリーチェ・ラナ。

Joseph Haydn Symphonie D-Dur, Hob. I:6, „Le Matin”
Ludwig van Beethoven Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 C-Dur, op. 15
Johannes Brahms Symphonie Nr. 4 e-Moll, op. 98

僕にとっては今シーズ初めての楽友協会でのコンサート。出だしのハイドンで久しぶりに楽友協会で聴くオーケストラの音のよさに感激。 でも演奏に関して言えば、正直いってちょっと期待はずれで残念。自分としてはピリスとのモーツアルトが本来のお目当てだったということも影響しているのかもしれませんし、知り合いの音楽家から佐渡裕とトーンキュンストラーはすごく良かったときいて期待しすぎていたのかもしれません。とくにブラームスは出だしが危うく第一楽章のおしまいごろから持ち直してきたというところもありました。妻曰く、「...特にどこが悪いというんじゃ無いけど、味のある演奏では無かったね...」 まさに言いえて妙だと思いました。

ニーダーエスタライヒ州トーンキュンストラー管弦楽団は様々なオーケストラがあるウィーンにおいっても根強い忠実なファン層をもつと言われるオーケストラ。音楽監督が変わるに際し、トーンキュンストラーは様々な指揮者と演奏したのちに一番相性がよかったと判断された佐渡氏が選ばれたとの事。僕と妻にとっては、佐渡氏の指揮を聴くのもトーンキュンストラー管弦楽団を聴くのもはじめてなので、たまたまこの日の調子が悪かったのかどうかわかりませんが、音楽監督が正式に変わってからはじめての演奏会でものあるので、今後に躍進に期待します。

ベアトリーチェ・ラナに関して: http://www.pianohihyou.com/beatrice-rana

ベアトリーチェ・ラナHP: http://www.beatriceranapiano.com/

佐渡裕ファンサイト:http://yutaka-sado.meetsfan.jp/

トーンキュンストラー管弦楽団HP: https://www.tonkuenstler.at/en

2015年9月30日水曜日

ウィーン・フィル主催の難民救済チャリティーコンサート




ウィーンは日もだんだんと短くなり、肌寒く感じるようになってきました。9月のウィーンはミュージック・シーズンの始まりでもあります。

一昨晩(9月28日)は、ウィーン・フィル主催・オーストリア大統領共催のアフリカ・中近東からの難民救済チャリティーコンサートに行ってきました。会場はコンツェルト・ハウス大ホール。指揮はChristoph Eschenbach(クリストフ・エッシャンバッハ)。ソプラノはElisabeth Kulmanプログラムは:

Wolfgang Amadeus Mozart:Symphony in G minor, K. 550 (1788)
Richard Wagner: Five poems by Mathilde Wesendonck for a female voice and piano "Wesendonck-Lieder" (Arrangement for Soprano and Orchestra: Felix Mottl) (1857-1858)
Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony in C major K 551 "Jupiter Symphony" (1788)

中近東やアフリカからの難民流入の問題はヨーロッパでは我々の想像以上にとても大きな問題。大国の軍事・政治介入、宗教的対立という大儀、開発途上の経済と貧困、さまざまな要因が重なって引き起こされて終わりの見えない内戦とテロリズムから着の身着のまま命がけで逃げてきた難民の人々。ナチスドイツや元ユーゴスラビア諸国の民族排斥の歴史を教訓とし人道的な立場から難民を被害者として手厚く保護しようする大きな動き。それに対し、おそらく、過去の民族移動の歴史になぞらえるのか、ヨーロッパの文化・民族性を変えていく事象であると危惧する人たちも多いようで、ヨーロッパにおける政治の右傾化に拍車をかけている。まさに欧州の人々を分断するきっかけになりかねない、第二次世界大戦後最大の危機的状況に発展しかねない問題である。EU内では旧共産圏の東欧諸国が難民受け入れに難色を示しているが、同じくもと共産圏でEUに加盟していない(できない)旧ユーゴスラビア諸国からこの機に乗っかって西欧諸国に入国する多くの経済難民の存在がさらにヨーロッパの人々の民族的感情の問題を複雑にしているということもまた大きな問題となっている。

さて、チケットの売り上げは全額難民救済団体に寄付されるというこのチャリティーコンサート、チケットは普通より高めで、しかもたった2週間ほど前に発表されたにもかかわらず、ホールはほぼ満員。このような催しを即座に決めて、開催し、多くの観客を呼び集めることのできるウィーン・フィルの偉大さに関心させられました。

2015年9月23日水曜日

Volkhard Steude (フォルクハルト・シュトイデ)リサイタル


昨晩は、ウィーン・フィルのコンサート・マスターの一人、Volkhard Steude (フォルクハルト・シュトイデ)のリサイタルにいってきました。会場は、ウィーン少年合唱団付属のコンサートホール「Muth」(MuTHに関する前の投稿)。昨晩はシュトイデ氏が都度異なるウィーンを拠点に活躍する中堅実力派ピアニストを伴奏者として行うEncounterというコンサートシリーズの初回公演で、ピアノはBarbara Moser (バルバラ・モーザ)。アメリカから訪ねてきた友人と一緒に行って来ました。

プログラムは以下の通り:
モーツァルト:ヴァイオリンソナタ第28番ホ短調K.304
ドヴォルザーク:4つのロマンティックな小品 Op. 75
ポーリーヌ・ヴィアルド:Charakterstücke
ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番 ニ短調  Op. 108
Verdi/Liszt : Rigoletto-Paraphrase de Concert
Strauss/Prihoda Rosenkavalier-Fantasie

アンコールは、3曲(ドヴォルザークのスラブ舞曲、クライスラーのウィーン風小行進曲、もう一曲は余聴いたこと後が無い曲でしたが曲名を聞き漏らしました)。

モーツァルトは解釈が難しいようで好みが分かれるかと思う演奏でしたが、その他の曲は(当然ながら)技巧的には完璧で音楽性に富む素晴らしい演奏で、ブラボーのかけ声も。判りやすい曲が多かったこともあり楽しいコンサートでした。

ウィーンでは毎日様々なコンサートが開かれていることもあるのか、本日は一割ほどの空席があったのが残念。

2015年9月20日日曜日

ウィーンの虹


重なる時は重なると言いますが、今週末はまさに千客万来。アメリカからの友人、アメリカ在住の親戚そして東京からの知り合いが、ウィーンを訪れてました。上の写真は、アメリカから来た友人と我々家族とで食事に行く途中。凄い夕立がきて、そのあとの晴れ間に虹が。路面電車のガラス越しの写真なので余良く取れていませんが、とても珍しいかった。 ここ数日のこちらの気候は変化が激しく、水、木と35度近くまで暑くなって今日は20度の快適な天気です。

2015年9月14日月曜日

City Open House



こちらは中近東、地中海沿岸アフリカ諸国からの難民問題で揺れています。我々家族もニュース映像をみるたびみ寄付をする以外に何も出来なくやるせない気持ちで心落ち着きません。 でも、去る週末のウィーンは素晴らしく快適な秋の天気。ウィーンの街の建物880カ所以上を所有者が一般に公開するというOpenHouse Vienna というイベントがあったので友人を誘って出かけました。ネットで参加する建物を調べてそこに行くだけ。



この写真はエリザベス女王、日本の皇室、レディ・ガガ、そしてローリング・ストーンズも泊まったと言うインペリアルホテルのスィート・フロア。昔はエレベーターが無かったので特上の部屋は2階にあったとのことで、今もその伝統を引き継いでいます。歴史的建築物を残しつつ、時代に適応するホテルに改装するという姿勢には共感を覚えます。


これはウィーン工科大学の講堂の一つ。改装工事で壁を取り外したらこのように素晴らしい骨組みが出てきたので、それが見れるように計画を変えてこのようにしたとのことです。



夜は、ウィーン拠点に活躍するバイオリニストで娘もお世話になっているフーバー・陽子さんが友人達と作ったEnsemble Tokyoのコンサートに行ってきました。プログラムはヘンデルとヴィヴァルディでした。