2015年2月24日火曜日

ジョヴァンニ・パイジエッロの「セビリアの理髪師」/Il barbiere di Siviglia Il Barbiere di Siviglia by Giovanni Paisiello



これまた、一週間前の話なのですが、アン・デア・ウィーン劇場(Theater An Der Wien)で「セビリアの理髪師」を観てきました。シーズン・チケット=プレミア(初日)シリーズの一環。妻と娘は大学の下見でオランダに行っていたのでオペラ好きの友人と一緒に言ってきました。(欧米では高校2年~3年生の間に大学の下見に行くのが習慣のようで多くの大学はそのためにオープン・デーを設けてあります)。

あまり上演されない演目が中心のアン・デア・ウィーン劇場が「セビリアの理髪師」か、と思いながらいったら、上演前の音あわせでチェンバロが聞こえる。?と思ってプログラムをみたらなんとロッシーニではなくてパイジエッロ作のオペラでした。家に帰ってから調べたら、4人の作曲家がこのリブレットでオペラを作っており、今ではロッシーニ以外作品はほぼ忘れられた存在となっているとのこと。なるほどでした。

オペラそのものは期待に違わぬ面白いものでした。喜劇なので思わず吹き出してしまうシーンもあった楽しかったです。知り合いのオペラ歌手の方が、オペラは歌曲なのでは無く、歌がせりふの劇なのだから演技力が必要とよく言っていたのですが、今回のオペラは、歌唱力も演技力も備えた実力派のキャストで満足がいくものでした。

オーケストラとキャストは以下の通り:

指揮・音楽監督: René Jacobs
 Rosina :Mari Eriksmoen
 Bartolo: Pietro Spagnoli
 Figaro: Andrè Schuen
 Don Basilio: Fulvio Bettini
 オーケストラ:Orchester Freiburger Barockorchester
 

2015年2月17日火曜日

ダニエレ・ガッティ指揮ウィーンフィルコンサート/Vienna Philharmonic Orchestra conducted by Daniele Gatti



仕事が忙しくて更新が遅れてます。

さて、先週、2月11日水曜日は久々のコンサート。妻とダニエレ・ガッティ指揮ウィーン・フィルのコンサートに行ってきました。会場はコンツェルト・ハウス大ホール。プログラムはブラームスの交響曲三番と一番。2つとも聞き慣れた好きな曲ですが、ライブで聴くのはとても久しぶり。3番をウィーンで聴くのは初めて。しかも、ガッティは2016年秋から、あのアムステルダム・ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者になることが昨年10月に発表されたばかりでとても楽しみにしていきました。

あいにく取れた席はオーケストラの後ろでオルガンの横。ガッティが指揮する様子、特に彼の表情や時々出す唸り声(合図にもなっている?かとも思ったのですが...)がよくわかって面白かったのですが、音は、写真でご覧の様にホルンの後ろだったのでホルンを吹かない部分では良かったのですが...ホルンのパートが出てくるとホルンてこんなにでっかい音で吹いていたのかと言う感じでした。妻は別に気にならないと言ってましたが...。

特筆すべきはその演奏。妻も僕も大感激。時々、楽章と楽章の合間に思わず拍手をしたい衝動にかられる熱演をきく幸運に授かることがありますが、このコンサートはすべての楽章毎に拍手をしたくなるのを我慢しなければなりませんでした。僕はそれほど良かったと思います。しかも良く知った曲でこれだけの熱演だと思える演奏は極稀だと思います。コンセルトヘボウでもガッティの活躍が楽しみです。皆さん注目されたし!

ガッティのオフィシャルサイト:http://danielegatti.eu

2015年2月11日水曜日

IAEA職員組合主催のチャリティー・バル(舞踏会・Ball)

今年のオープニングセレモニーはアルゼンチンがテーマ。ピアソラの音楽でタンゴのデモンストレーション

今年も、妻と2人でI2月7日土曜日に行われたIAEA職員組合主催のチャリティー・バル(舞踏会・Ball)に行って来ました!会場はホーフブルク宮殿。もとオーストリア・ハンガリー帝国の皇帝の宮殿ですが、いまはいくつかの博物館、オフィス、イベント会場となっています。当日の朝、、正に泥縄でダンスのレッスンを受けに行きましたが、当然ながらの結果でした...。


去年と一昨年のバルのエントリーはこちらです:






2015年2月7日土曜日

牛嶋としこ「ジャズで聴く昭和歌謡/MY FAVORITE SHOWA STANDARD」




ちょっと前に大阪の友人のブログで紹介されいた、牛嶋としこさんの「ジャスで聴く昭和歌謡」を先の帰省にあわせて購入。ウィーンに戻り先日やっとうちのシステムで聴くことが出来ました。

同一音源で2種類の音質をお楽しめるという2枚組CDセット。このアルバムの説明を読むと、録音ソースは同じで異なる仕上げ、幅広い再生装置でお聴きいただける音質に仕上げた【通常版】と、自然な佇まいのストレートな音を狙った【特別版】とかかれています。早速、聴き比べ。

特別版:
我が家のシステムでは音が穏やかで、自然で情報量が多い(ボーカルや楽器などの質感がよくわかる)と思いました。 曲によっては違いがより顕著に聞こえるのもあって、同じ音源でなんでそんなに違うのか?と思うほど。演奏者の位置もよりはっきりとわかる様に聴こえました。音量をだいぶ上げても煩いという感じは全く無く、むしろリアリティーが上がる感じです。ただし、BGMとしての小音量で聴いたり、ミニ・コンポ、ラジカセ、iMacの内蔵スピーカーで聞くとボーカルはよく聞こえるけど伴奏があまり聞こえないという感じがします。

通常版:
派手目の音でよりインパクトがある感じ。でも、ある一定音量以上にすると聴き疲れがします。エッジが立つというか、個々の楽器・ボーカルの音の輪郭がはっきりしている様に聞こえるので、よりHiFi的な音という印象を受ける人も多いのではと思います。

写真に例えると、通常版がコントラストが高くシャープネスがかかった画像、特別版は階調豊かで自然に近い画像という感じでしょうか?僕は比べてどっちかというと特別版の方好きです。生演奏で聴く音の印象に近いからです。たとえば、「ブルーライト・ヨコハマ」を我が家のシステムで聴くと、特別版はウッドベースのボディ全体が鳴っているという感じが良く判り、より低い音は拡がっていくという感じがするのですが、通常版は極端に言うと弦が鳴っているという感じで低めの音も高め音も定位置から聞こえてくる感じ。弦を指ではじく音などが顕著に聴こえるので「おっ」とは思うのですが...。ま、オーディオに関することは最終的には人それぞれの好みですから、通常版が良いと言われても判るような気もしますが...。

演奏は肩肘を張って奇を衒うことなく、歌の良さを生かした自然でジャジーな感じ。自然に音楽に浸ることができます。子供の頃テレビやラジオでよくかかっていた懐かしい曲を違った表現で再体験することで記憶の引き出しにしまわれていたその頃の思い出が甦ってくるようでした。

このCDに収められている曲の多くは、単なる懐メロというだけではなく時の流れに堪えてきた名曲で立派なスタンダードだなあと思いました。忘れ去られた日本の歌謡曲の中にもそのような名曲がまだ数多くあるのでは?ピンク・マルティーニと由紀さおりのアルバム「1969」の世界的ヒットでもそれは明らかだと思います。

このCD作成に関して:http://www.wadatokki.co.jp/WP/

ここから買えます:http://shop.aiqualia.jp/products/detail.php?product_id=43




2015年2月4日水曜日

ヴェルディ作曲「シモン・ボッカネグラ」@ ウィーン国立歌劇場 / Verdi's Simon Boccanegra @ Wiener Staatsoper




オペラファンの知り合いに強く勧められて、去る日曜日(2月1日)に妻と2人でウィーン国立歌劇場でヴェルディの「シモン・ボッカネグラ」を観てきました。

キャストは以下の通り:Philippe Auguin (指揮)、Peter Stein (監督)、Leo Nucci : Simon Boccanegra、Ferruccio Furlanetto:  Fiesco、Stefano Secco :  Gabriele Adorno 、Barbara Frittoli : Amelia、Marco Caria : Paolo等。

初めて聴くオペラに自然にのめり込めたというのは初めての経験でした(僕はオペラより、器楽曲を聴くことのほうが多いということもあるのでしょうが...。) こんなに引き込まれたのはキャストの技量と魅力によるものだったとしか考えられません。当然のことではあるのですが、出演者如何によってオペラを観るという体験がいかに素晴らしいものになりうるかということを強く感じさせられた公演でした。行って良かった。勧めてくれた方に感謝する限りです。

公演後、楽屋出口で待っていたファンの人たちと疲れも厭わずに気さくに歓談しサインに応える両主役、Leo Nucci(レオ・ヌッチ)と Barbara Frittoli(バルバラ・フリットリ)を目にし(下の写真)、彼らの歌と演技の素晴らしさもさることながらそのファン思いの暖かい人柄に、すっかりこの2人のファンになってしまいました。機会があれば是非、彼らの歌声を聴いてください。

公演後、楽屋出口で待っていたファンと歓談するBarbara Frittoliさん
同じくファンと歓談するLeo Nucci さん
Leo Nucci 公式サイト:http://www.leonucci.net/

Barbara Frittoli略歴:http://tower.jp/artist/705062/Barbara-Frittoli

早速以下のCDを注文しました!