2020年6月25日木曜日

RCA ライン・ケーブル 自作 (つづき)




前回(こちら)の続きです。KLE Absolute Harmonyを付けた、この自作ライン・ケーブルを使っていて、煩いという事ではないのですが高域のエネルギーの強さが気になっていました。最初はエージングすれば収まるかと思っていたのですが…。DAC⇔プリアンプ間です。で、Neotech DG-201 RCA(こちら)をもう1ペア注文して、交換してみました。何どう違うのか上手くかけないのですが、絶対Neotechの方が好みの音です。しいて言うなら、KLEより線が太めと言うことでしょうか。

これだけ違うとやはり、NeotechのUP-OCCバージョンがとても気になります。よし、と思ってボルドーに拠点を置くネットショップを見てみると品切れ中。イギリスのネット・ショップは、在庫があるもののなぜか値段が4割ほど高い。フランスのショップに入荷するまで待つことにしました。





2020年6月20日土曜日

コロナ・ロックダウン段階的解除 ウィーン・フィル コンサート




運良くチケットが取れたので、昨晩はコロナ・ロックダウン段階的解除後に再開された楽友協会のコンサートに行ってきました。チケットは一人2枚の制限があり、ロックダウンでイギリスから引き揚げてきた次女と二人。オーケストラはウィーン管弦楽団、指揮はFranz Welser-Möst(フランツ・ウェルザー=メスト)。会場は大ホール。プログラムは以下の通り:

Richard Strauss:Four symphonic interludes from the opera "Intermezzo", op. 72 (歌劇「インテルメッツォ」からの4つの交響的間奏曲)

Franz Schubert:Symphony No. 3 in D major, D 200

とても久しぶりのコンサート。ソーシャル・ディスタンシングで観客は100人限定(こちら)なので、会場はすかすか。その為、音はだいぶ違ったような印象を受けました  (硬めの音で、より響きが聞こえる感じ)。演奏はとても良かったです。2〜3箇所、「アレ?」と思った箇所もありましたが、盛り上がりが凄かった。シューベルトのシンフォニィーは18歳の時に作曲したというが信じ難い、完成度の高い曲だと思いました。

ウィーン・フィルの楽団員は、入場と退場の際に全員マスクを着用していました。

演目2曲目のシューベルトの交響曲3番では、追加の団員が入場しフルオーケストラで演奏されました。観客数とオーケストラの団員数が同じぐらい(?)というような感覚でした。


楽友協会でのソーシャル・ディスタンシング

2020年6月19日金曜日

ジョージ・フロイド氏殺害と人種差別抗議行動

By Lorie Shaull - https://www.flickr.com/photos/number7cloud/49959004213/, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=90963059

ミネソタ州で黒人のジョージ・フロイド氏が警察官に過度な拘束手段により死亡した事件(その後、当該警察官は殺人罪で起訴、こちら)に端を発し、世界中に広がった反人種差別の抗議行動と暴動。



この事件でまず頭に浮かんだのは、アメリカ在住の時に見た二つの映画。スパイク・リー監督の『ドゥ・ザ・ライト・シング』(原題: Do the right thing、1989、予告編上)と第78回アカデミー賞作品賞受賞作品 『クラッシュ』(原題:Crash、2004、予告編下)、そして、1991年のロドニー・キング事件と事件の判決に対する抗議行動と暴動(こちら)。そして思ったのは、結局、何も変わっていないじゃないかという失望感。

アフリカで捕らえられ、奴隷商人の商品としてアメリカの(主に)農場主に売るために連れてこられた人々の子孫。奴隷解放問題が主な引き金となりアメリカを2分し75万人の死者を出したとされる南北戦争、リンカーン大統領による奴隷解放宣言と彼が押し通した奴隷禁止を定める米国憲法第13修正、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が率いた公民権運動の結果1964年に制定された人種差別を禁ずる公民権法など、アメリカではその歴史上人種差別を無くすために、時としては多くの犠牲を伴う、多大な努力がなされ、法制度が整えられてきました。

しかし、法制度改革はあくまでも建前であって、アメリカでの黒人に対する差別は無くならず、彼らの生活も良くならなかった。世代を重ねても生活レベルは向上するどころか低下し、最近ではグローバリゼーション、インターネットなどによる産業構造の変革により、もともとアメリカの中流階級を支えた、いわゆるブルカラーの仕事は大幅に現象したと、直近ではコロナによる大量解雇でさらに大多数の黒人が失業。絶望と不安と不満が満ち溢れて今までに無いぐらいに大きく膨らんできたとき、ジョージ・フロイド氏殺害が起爆剤となり史上もっとも大きく広範囲な抗議行動と暴動につながった。人種差別は3世紀以上、何世代にもわたって黒人の人たちを苦しめてきた、根深い問題。それに昨今の大幅な所得・資産格差の問題、若者たちの高い失業率などの問題が抗議行動を大きく広げた要因だと思う。

ここで紹介した2本の映画以外にも、『カラーパープル(1985)』、『大統領の執事の涙(原題: The Butler(2013)』、『グローリー/明日への行進(原題: Selma、2014)』、『13th -憲法修正第13条-(2016)』、『グリーンブック (2018) 』とアメリカの黒人に対する人種差別が描かれている映画は数に暇がありません。それらがすべて現実を反映していると言うことはとてもかなしことだと思います。

今回の一連の事件が、人種差別問題の真の解決につながる大きな契機となっていくことを望む限りです。




2020年6月13日土曜日

最近購入したお勧めアルバム

ロックダウン期間の在宅勤務では、仕事をしながらSONOSで色んな音楽をBGMとして流して聴いていました。そのなかで、何か引っかかったレコーディングは、メインのシステムでストリーミングで聴いて、特に良くてアルバムを購入したのが以下の3枚:



まずは、ファビオ・ビオンディによる、パガニーニのバイオリンとギターのソナタ。ギターはGiangiocomo Pinardi。演奏も音質も最高です。スペインのGlossaMusicというインディペンデント・レーベルから出されたアルバム。このレーベルは要注目です。





2枚目が、アリソン・クラウスの「Hundred Miles Or More: A Collection CD」、クラウスが主にソロで他のアーティストとのコラボレーションや映画のために歌った曲に5曲の未発表曲を加えたアルバム。単なるベストアルバムとは言い切れない完成度が高くまとまりのあるアルバム。オーディオマニアも大満足の最高の音質です。妻も娘も気に入った一枚。




最後がイタリア出身の女性ジャズ・ヴォーカリスト=ロバータ・ガンバリーニ。
「エラ、サラ、カーメンの系譜を継ぐ 」と賞賛されるだけのことはあって、奇をてらわず、王道を行くジャズ・ボーカルアルバムです。こちらも、とても良い音質です。




2020年6月9日火曜日

オーストリア COVID-19ロックダウン段階的解除―楽友協会のコンサート再開



日本でもニュースで報じられたようなのでご存知かと思いますが、6月8日から楽友協会でコンサートが再開されました! ただしソーシャル・ディスタンシングで観客は100人までとオーストリアのCOVID-19ロックダウンの段階的解除に係わる規制で限定されており、立客席1700と300人まで立ち見エリアで2000人の観客が入れる、大ホールでは上の座席表の濃い赤の席のみがチケット販売の対象となっています

2020年6月4日木曜日

最近読んで面白かった本

オーストリアは、今週からホテルとジムの営業が許可されました。段階的な職場復帰も始まり、通勤時の人出もかなり増えてきました。EU諸国外への渡・来航規制は続いているので、観光客がいない分、ウィーンの街は落ち着いた感じです。

さて、COVID-19 外出規制中に呼んで面白かった本の紹介。相変わらずミステリー物、すべてキンドル版です。

まずは、パリ警視庁迷宮捜査班  ソフィー エナフ著(フランス)



パリ警視庁の訳あり(元)エリート警視正アンヌ・カペスタンが厄介者・曲者ばかり集めて新結成された捜査班の班長として、未解決殺人事件解決に挑む物語。


もう一つは、特捜部Qシリーズ(全7巻)ユッシ・エーズラ・オールスン著(デンマーク)


シリーズ第一弾


コペンハーゲン警察のはみ出し刑事カール・マークが未解決の重大事件を専門に扱う新設の「特捜部Q」部署の統率を命じられ、ちょっと外れた(ような)部下が徐々に加わって事件を解決していく物語。

2つとも、いわゆる『アンダー・ドッグ』とされた主人公たちが、誰も解決出来なかった事件を解決していくと行く似たような設定でかかれた物です。特に前者は、アマゾンに「フランスの『特捜部Q』」と評される...と書かれていました。設定こそ似通っていますが、取り組んでいく事件、話の展開、登場人物と彼かに関するサブ・プロットなどは大きく異なり、それぞれ強い個性を持った作品だと思います。 両方ともランダムに散らばっているようにも読める細かい多くのポイント全てが最後に束ねられテイクと言う完成度の高い、読み応えのあるミステリ・サスペンスです。

「特捜部Q」シリーズは一気に7巻読み通してしまいました。それぞれの巻ごとのつながり、一貫性、登場人物たちの関係の進展など良く書かれており面白かったです。両方とも続編が待ち遠しいです。