2012年11月29日木曜日

Martin Grubinger with Camerata Saltzburg



Grubinger (左)Axelrod (中央) Hofstätter(右)


11月26日月曜日の夜は家族でMartin Grubinger(マルティン・グルービンガー)とCamerata Saltzburg(カメラータ・ザルツブルグ)のコンサートに行って来ました。前回のコンサートで子供達はすっかりマルティンのファンになってしまいました。 会場はコンツェルトハウス大ホール。指揮はJohn Axelrod (ジョン・アクセルロッド)。今回のソリストは、グルビンガーに加えてもう一人の打楽器奏者のManuel Hofstätter (マヌエル・ホーフシュテッター)とトルコ出身の双子姉妹のピアノデュオFerhan &Ferzan Önder(フェルハン&フェルザン・エンダー)という豪華版。

プログラムは
トルコの作曲家 ファジル・サイ (Fazil Say) の「2台のピアノと打楽器のための変奏曲 Op.32 (2010年作)」を4人のソリストで演奏。

オーケストラが加わり、

ベッラ・バルトークの「2台のピアノと打楽器と管弦楽のための協奏曲 Sz 115: (1940年作)」

休憩を挟んで
      
コダーイ・ゾルターンの「ガランタ舞曲 (1933年作)」

イスラエルの作曲家アヴネル・ドルマン(Avner Dorman)の 「スパイス、香水、毒素!(オーケストラと2人の打楽器奏者のための協奏曲、2006年作)」
でした。

ソリストたちもオケも平均年齢が若く、生き生きと情熱的に近代と現代の曲を演奏したのがとてもよかった。現代曲とはいっても芸術性のみならず娯楽性も兼ね備えた聴き応えのある楽しい曲でした。前にも言いましたが、クラシックが歴史にとどまる単なる伝統芸能ではなく、現在進行形のパフォーマンス・アートであるということを示す演奏とそうあることを支える人々に触れるとうれしく思い感動します。 

アンコールは2曲(曲名不明)、一曲目は舞曲を主題にしたクラシック曲のさわりの部分をつないだような曲。物悲しいバイオリンソロに始まりだんだんと盛り上がって観客は熱気と興奮の渦に巻き込まれます。2曲目にはFerhan &Ferzan Önder姉妹も参加、最後に太鼓と金管奏者で会場をねり歩いてパレード。観客も総立ちで手拍子を打ち大騒ぎの大喝采! 会場を去る人々の足取りも陽気で軽々しく楽しいコンサートでした。

アンコールの模様がYouTubeにアップにされていました!

アンコールのあとにマルティンが記念に皆さんの写真を!といってカメラを取り出しパチリ。みんな大騒ぎでした!


カメラータ・ザルツブルグのオフィシャルサイト:http://www.camerata.at/en/

ファジル・サイのオフィシャルサイト:http://fazilsay.com/en/

ファジル・サイのプロファイル(日本語):http://www.kajimotomusic.com/jp/artists/k=84/

アヴネル・ドルマンのオフィシャルサイト:http://dormanavner.com/

フェルハン&フェルザン・エンダーの オフィシャルサイト:http://www.ferhan-ferzan.com/

ジョン・アクセルロッドのオフィシャルサイト:http://www.johnaxelrod.com/

ジョン・アクセルロッドのプロファイル(日本語):
http://amati-tokyo.com/artist/pdf/John-AXELROD.pdf

マルティン・グルービンガーのオフィシャルサイトは工事中のようですので、ユニバーサル・ミュージック・ジャパンのサイトを載せて起きます:  http://www.universal-music.co.jp/martin-grubinger/


2012年11月28日水曜日

よく見るとちがうけど...

Urania Strasse 運河を望む (ウィーン1区と3区の間)


トラム(路面電車)に乗っていてふと外をみるとどっかで見たような景色。急いでいなかったので次の駅で降りて歩いて戻り写真を撮りました。よく観ると全然ちがうのですが、なんとなく御茶ノ水駅付近の神田川の景色を思い出してしまいました。


2012年11月26日月曜日

栗屋さん


国立歌劇場(バック)近くの焼き栗の屋台


秋終りからから冬かけてウィーンの街角の至る所に焼き栗の屋台が出てきます。焼き栗と一緒にkartoffelpufferというジャガイモでできたパンケーキとせんべいの間のような物やジャガイモ(せんべい見たいなもの)、bratkartoffel という焼きジャガイモ(日本ではジャーマンポテトとも呼ばれているようです)などもうっているのが一般的です。 小腹が空いている時にはちょうど良いおやつになります。寒い中、ほくほくの栗やポテトをつまみながら街を歩くのは我が家の冬の楽しみの一つになりました。屋台毎に値段が若干異なり、味(というか出来工合)も微妙に違います。でも、ウィーンの人たちは特に 『この屋台で!』というこだわりはないようです。

2012年11月22日木曜日

冬の始まり

ウィーンの冬の始まり。クリスマスシーズンの目前です。

 出勤時にクリスマス・イルミネーションの飾り付けをやっていて...


帰宅時にはこんな感じに灯がともっていました。




2012年11月21日水曜日

真空管製造 -その2- KR Audio





前回、ムラード最盛期のビデオを紹介しましたが、これは今。 チェコのKR Audioでの製造工程のビデオ。この手工業はまさにボヘミア・ガラスの伝統を受け継ぐかのようですね。 先日のムラードと比べると、真空管のタイプは異なるとはいえ隔世の感じです。作家物の工芸品のような価格になっているのも仕方の無いことかも知れませんね。 

2012年11月19日月曜日

秋の終わり


今年は例年に比べ暖かかったというウィーンの秋も終わり、冬になってきています。上の写真は先週末、職場のハイキングクラブにゲストとしてついていったときのもの。ウィーン南東のブルゲンランド州まで電車で行って、五時間ほど歩き、レストランでガチョウ料理を食べ、電車でウィーンに戻ってきた。オーストリアでは11月11日の聖人マルティンの日の前後にMartiniGansl といってガチョウ料理を食べる習慣があるのです。皮はパリパリで身はジューシな、オーブンで焼いたガチョウに紫(赤)キャベツの料理とポテトかパン粉でつくった団子(クネーデル)が添え物としてついてくるのが主流なようです。11月11日はワインの新酒解禁の日でもあるので、今年の新酒と一緒に食べたガンスルはとてもおいしかったです。

ウィーンの街の公園の木々すっかり葉がなくなりました。木の実が落ちているのか鳩がたくさん群れていました。

2012年11月16日金曜日

やっぱり、Snow Leopard

Mountain Lion(マウンテン・ライオン)に替えてみて、真空管やケーブルを替えたり、スピーカーセッティングをいじったりとここ2週間ほどいろいろと試してみましたが、やはりどうもしっくりとこなくて音楽を聴くことを楽しめないでいました。システム・リインストール用のDVDが見つかったこともあって、ダウン・グレードをすることを決断! ちょっと面倒でしたが、我が家のMacMiniは音楽・映像再生専用としてあったこともあって、特に大きな問題もなくSnow Leopard (スノー・レパード) に戻すことができました。失った音が戻ってほっとしているところです。

あくまでも我が家のシステムで僕の耳が感じた音という前提で述べますが
Mountain Lionは良く言うと情報量、鮮度のたかい見通しの良い音で低域の量感も増します。録音のエコー感やホールトーンが良く聞こえ、コントラバスのぶるん・ぶるんという感じも良く出てきます。シンバルを打つカツーンという音も良く聞こえます。その反面、高域がきつくなって中域が細身、とくにバイオリンやギターなどの音は厚みがなくなり弦だけが鳴っているように聞こえます。そのせいか、生楽器が本来の音色とは違った不自然な感じに聞こえます。 小さめの音だとシャカシャカした感じが強く、音量を上げるとドンシャリ傾向になります。

それに比べるとSnow Leopardは落ち着いた音でより中域に厚みがあり、リラックスして聴き疲れの無い音です。ボーカルはより肉感的になり、弦楽器は胴の響きがいい具合に加わったより自然な音に聞こえます。オーケストラの音は分厚くかつ個々の楽器をちゃんと聞き分けられる情報量は保たれています。全体的にバランスよくまとまっており、音量を変えても大きく音の傾向が変わらないような気がします。高域が余り強調されないのかシンバルは後ろに引いた感じ、エコー感やホールトーンは弱くなり、スピード感・リズム感も若干劣る感じもします。低域は押しが弱まり録音によっては若干やさしめな感じすらします。ダウン・グレードして直後は若干物足りない感じがしたことも否めません。でも、しばらく聴いていると自分にとってはSnow Leopardのほうが好みであるということがハッキリしました。

OSの変更で音がだいぶ変わるということは前にも経験したことがあるのですが、家で実験したのは初めてだったので聴きなれたシステムの音がOSをアップグレードそしてダウングレードしただけでこんなに変わると驚かざるを得ませんでした。アンプを変えたほどの違いはあるかと思われます。僕にとってMountain Lion とSnow Leopardは音の傾向・方向がだいぶ違う様に感じられ、必ずしも同一線上で比較し良し悪しを論じられるものではないように思えました。アンプに例えると真空管 対 半導体とでもいう感じでしょうか? どちらが完璧ということではなく、どちらがより自分の音の好みにあっているかということであるような気もします。でも、旧バージョンのOSが良いという事は悩ましいことですね。


追記: 
僕は以下のアップル・サポートの記事にしたがって、HDを消去しSnow Leopardを再インストール(いわゆるクリーン・インストール)することによりダウングレードができました。この方法ですとHDを完全に初期化するのでソフトの再インストール、各種設定のやり直し、ユーザーファイルのバックアップとリストアなどが必要です。Boot Campを使っている場合、OSX以外のOSのパーティションもすべて無くなってしまいます。

そこまでしても必ずしもダウングレードが成功しない場合もあるようですし、Lion やMountain Lion下でハードのファーム・ウェアのアップグレードをしてある場合、Snow Leopardを再インストールするとコンピュータが正常に動かなくなることもおおいに考えられます。したがって、それぞれのシステム環境、バックアップ、ファームウェアアップフレード歴などを考慮し、正常に作動しなくなる可能性のリスクをよく検討することを薦めます。OSのダウングレードはアップルもサポートしていないことなので、各々の自己責任で行ってください。自分にはこれ以上の知識も経験もありませんので、なんらサポートはできませんし、当然ながら責任をとることもできませんのでご了解ください。

僕は、うまく動かなかったらもう一台買うさと腹をくくってダウングレードを敢行しました。

http://support.apple.com/kb/HT3910?viewlocale=ja_JP






2012年11月13日火曜日

Meet Me in London (naim label)

イタリア出身のギタリストAntonio Forcine(アントニオ・フォルチオーネ) と ボーカリストのSabina Sciubb (サビナ・シウバ)が 1997年にNaim Label に録音したジャズ・ボーカル・アルバム「Meet Me in London」。 このレーベルは、文字通りイギリスのオーディオメーカーNaim社の音楽レーベル。同社サイトによると、1991年にNaim初のCDプレーヤー「CDS」を発売した際にその音質を十分に発揮させることができるCDがなく、自らCDを作ったのがその始まりだという。 当然、高音質が売りであるので欧米のオーディオ雑誌でNaim Labelはよく試聴音源としてでてくる。

Naim Label 初の24bit/192KHz音源となったのがこのアルバム。リミックス・リマスタリングを担当したのはローリング・ストーンズやレッド・ツェッペリン等の録音に関わり、自らボブ・マーリーやAC/DC らを手掛けたプロデューサー/エンジニアのTony Platt (トニー・プラット)氏。 高音質と音楽性との両方を伴ったレコーディングはそれほど多くないが、これはその一枚だと思います。日本では.e-onkyo.comからも購入できるようですので興味があれば試聴してみてください。 ちなみに、僕が購入したのはWAVファイルです。

このアルバムのマスタリング・プロジェクトのショート・ドキュメンタリーがYouTubeで観れます(以下)。イギリスの名エンジニア・プロデューサーがDA やADで音が変わるからまずは最適な機器を選択することが大切、マスター・テープを保護するために一旦デジタル化するが、デジタル・ドメインのみでのミックス・マスタリングだとすべてが24bit/192KHzで行えるとは限らないのでないので、いったんアナログに変換して処理を施し最後にデジタルに変換する、などということを淡々と説明しているのは説得力があり、オーディオファイルとして興味をそそられるものでした。とくにプラット氏が、「...普段はあまり良くない再生装置でもそれなりの音に聞こえるようにすることに気を使うのだが今回はその逆だったので気持ちの切り替えが必要だった...(拙訳)」と述べているところはなるほどな~と納得させられました。

リマスタリング・プロジェクトのショート・ドキュメンタリー


2012年11月8日木曜日

Mac OSX Mountain Lion に変えて音は?

Mac OSX 10.8 Mountain Lion(マウンテン・ライオン)の音はそんなに悪くないらしいとの噂。思い切って音楽再生とビデオストリーミング用に使っているMac Mini (2010年モデル)をアップグレード。今までは友人のアドバイスもあって 10.6 Snow Leopard(スノー・レパード)のままにしていたもの。 本来だと、聴き比べテストをしてからしたほうが良いのでしょうが、ちょっとめんどくさかったでエイヤーとやってしまった。 (笑)

ダウンロードとインストールには結構時間がかかり、夜にダウンロードして、翌朝インストールを走らせて出勤、帰宅後に試聴くという段取りだったが、来客・接待があったりとなかなか時間がとれず、結局数日後に聴いてみました。 最初の印象は、この変化は好みと違ったなということでした。情報量は増えて、よりエッジの立った音で、低音の量感もまずますなのですが、僕の耳には中・高域の線が細くなって温かみが減った様にも聞こえます。楽器の音色もなんとなく違って違和感あり。これは、あくまでも僕個人の好みの問題で客観的には。こちらが良いと思う人も多いのではないかとも考えられる変化ですので簡単に良し悪しを論じられないところが悩ましいところでもあります。

僕にとっては機器を替えたときのエージング不足の音を聞いたときの印象に近い感じです。思わずエージングで直る?という思いがふーっと頭をよぎったのですが、ソフトウェアのエージングなんてあるわけ無いしとお馬鹿な考えを振り切って、システム・レストアのDVDはあったっけ?・ 引越しでどっかいってしまった!・ じゃ~10.6 Snow Leopardのインストールディスクは?・ なんと、アマゾンで120ユーロ!・ 友人のアドバイスにもかかわらず血迷ったことをした...てな感じでしばらく悶々としていたのでした。(涙)

数日たった今、聴き続けると耳が慣れるのか少しは冷静なって、もうしばらく聞いてみて他のどっかで調整してみようという気になってきました。パソコンのOSアップグレードはあまり遅れると将来的に困ることもあるし避けて通れないことなんだと正当化。面倒でもアップグレードは不精せず聞き比べのテストをして納得した上でしなければいけませんね。 パソコンを介さなくても良いWeiss Man 3.1 がとても欲しくなったここ数日でした。先立つものが無くてよかった。(笑)

ちなみに再生ソフトはAudirvana ディレクトモード・ベータ版1.3.9.10。他のソフトも試したのですが、Mountain LionでもAudirvanaディレクトモード・ベータ版が一番好ましかったです。

2012年11月6日火曜日

The XX -Coexist



ここ2〜3年の間に出てきたバンドの中で特に気に入った、ザ・エックス・エックスのセカンドアルバム。 ファーストのサウンドを継承しつつ新たな境地も切り開いた秀作。  一般的にはミニマルなエレクトリック・インディー・ロックとも呼ばれているようです。僕にとっては80年代にでてきたFra Lippo Lippi を思い出させてくれたちょっとメランコニックなサウンド。でも彼らほど暗い感じではなく、どちらかというと癒される心地の好い継続性という感じかな? ファースト・アルバムと共にお薦めです。





参考まで、Fra Lippo Lippiを試聴できます:


2012年11月3日土曜日

真空管製造 Mullard



最盛期のムラードの工場での真空管製造のビデオ。当時の最新製造技術を誇示しているよう。 こんな映像が残っているのですね!



2012年11月1日木曜日

Hauskonzert



ローマに行く前の話なのですが、Jazz Corner というジャズトリオのハウスコンサートに行って来ました。妻と長女は先約があったので、僕とバイオリンを習っている次女と2人。ハウスコンサートは文字通り誰かの自宅で開かれるプライベートなコンサートで、今回は画家のスタジオ兼アパートで彼女の個展も兼ねて開かれました。ウィーン近郊のワインナリーを経営する若いカップルがPRとしてワインとおつまみを提供。20人ほどのお客さんでとてもリラックスした集いでした。

Jazz Cornerは、オーディオ工芸家のマーチンさんの紹介で知り合った、ウィーン放送交響楽団( ORF Radio-Symphonieorchester Wien)の首席ビオラ奏者のMario Gheorghiuさん率いるバイオリン、ベース、ギターからなるグループ。本人は趣味だといっているものの一流ジャズプレーヤーに勝るとも劣らぬすばらしい演奏でした。特にスタンダードの演奏でのソロはすごかった。ぜんぜんクラシック奏者臭くない。それに、小さい空間での演奏に合わせた音量であったにもかかわらず力強く美しいトーンで弾いていたこと。 次女のバイオリンの先生が小さな音量で弾くということはは弱くということでな無いとよく言っていたけど、まさにその通り。 技術と耳のよさはさすが。プログラムもオスカー・ビーターソンのSushi の後にパガニーニのカプリースを弾き始めたかと思ったらそれがLover Manに続いたり、ビートルズのアレンジがでてきたりと面白かったです。次女が宿題がたくさんあるとかでファースト・セットの後に出てきたのでそれが心残り。でも今月末には、Jazz Landで演奏するとの事で楽しみです。

Jazz Corner の演奏

Jazz Corner のオフィシャルフォト(先頭がマリオさん)

追記:ローマに向かう飛行機でスチュワーデスのお姉さんに 「あんた知ってる(I know you!)」 といわれて、!?。  なんとこのコンサートでワインを提供していたワイナリーの若奥さんでした。本業の傍らスチュワーデスをしているとのこと。

 
Jazz Corner オフィシャルサイト:http://www.jazz-corner.com/

ウィーン放送交響楽団オフィシャルサイト:http://rso.orf.at/orchester