2014年9月30日火曜日

マキシム・ヴェンゲーロフのリサイタル・Maxim Vengerov Solo Concert




 昨夜(9月29日月曜日)は、親子3人で僕が大好きなマキシム・ヴェンゲーロフのリサイタルに行って来ました。彼のCDはほとんど持っています。伴奏はイタマール・ゴラン。会場は楽友協会大ホールです。プログラムは、以下の通り:

エルガー(Edward Elgar):ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 op. 82
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ヘ短調 op. 80
ブラームス:スケルツォハ短調 (FAE.ソナタより第3楽章)WoO 2
ブラームス:ハンガリー舞曲 第2番
ドヴォルザーク(クライスラー編):スラヴ舞曲 第2番
ヴィエニャフスキ:レゲンデ(Légende) op. 17
クライスラー:美しきロスマリン(Schön Rosmarin) op. 554
クライスラー:愛の喜び(Liebesfreud)
パガニーニ:24の奇想曲より第24番
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 二短調「バラード」op. 27/3
サン=サーンス(イザイ編):ワルツ形式の練習曲(Ètude en forme du valse) Op.52/6

言葉で表すことが出来ないぐらいの文句無しの素晴らしいコンサートでした。超技巧的な演目を難なく、卓越した音楽性で演奏し観客の心捉えるところは彼が類稀な音楽家であることの証だと思いました。数年前の右肩の故障もすっかり完治/克服し、観衆の前でバイオリンを弾けることに対する喜びにあふれたヴェンゲーロフの様子がコンサートを一層と楽しいものにしてくれました。長めのプログラムであったに関わらず疲れも見せずに3回のアンコール(ハンガリー舞曲1番、5番、タイスの瞑想曲)で観衆の大喝采に応えてくれました

僕が特に好きなヴェンゲーロフのCD です:



 
ブラームスとベートーベンのコンチェルトはヴェンゲーロフによるカデンツァです。とくにベートベンは好みが分かれるかもしれませんが、今日日、有名な曲に自らのカデンツァで挑んだヴェンゲーロフにはエールを送りたいです。





2014年9月24日水曜日

Audirvana Plus 2.0 導入

新しくなったアイコン

Audirvana Plus 2.0が出たと聞いて先週アップグレードしました。早くも2.0.1になっていました。
ここ数日、1.5.12との比較をしてみましたが、大まかに言って音は同じ傾向、我が家のシステムではちょっとだけ2.0.1のほうが重心が低くなり、ほんの少しだけ穏やかになった感じ。新バージョンはより自然で聞き疲れないと感じるか、若干エッジが鈍ったと感じるは好みとオーディオ対する考え方の違いかと思います。ただしこれはあくまでのオーディオファイルの議論で普通の人はiTunesで充分ということになるかもしれません。結果として僕は2.0.1で行くことにしました。無料のお試し版もありますので是非トライしてみてください。試す価値は充分にあると思います。

2.0アップグレード一番の目玉は独自のミュージックライブラリー管理機能で、こちらのほうが音が良くなるとの説明がついてましたが僕はまだ使っていません。僕はiPadとiPhoneでApple社のRemoteというアプリを使ってオーディオ用のMacMiniを操作していることもあって、まだiTunes Integrated Modeで使用しています。いずれ試そうとはおもいますが面倒くさいというのが正直な気持ちでもあります。

尚、Mavericksとの相性は今のところ上々で、音が切れるとか旧バージョンで時々起きていた問題が今のところ起きていません。

Audiravanaサイト: http://audirvana.com/


2.0.6へのアップテードに関する関連記事(2014.11.25) はこちら:http://isakusphere.blogspot.co.at/2014/11/audiravana206.html


2014年9月21日日曜日

レコードフェア、ウィーン(Internationale Vinyl und CD-Börse)



ウィーンはここ一週間、日中最高気温が20〜23度で快晴という季節外れだけど最高に快適な日々が続いています。 日曜日の今日はウィーンで年に3〜4回開かれるInternationale Vinyl und CD-Börseというレコードフェアに久しぶりに行ってきました。Moses Recordsという地元の中古レコード店の主催ですがヨーロッパの各地からディーラーが集まり結構充実したレコードフェアです。最近ドラムスを始めてロックに凝っている次女も行ってみたいと言ったので二人で行きました。

次女の収穫品。僕が中学生のころの人気バンドですが、2010年に公開された映画、The Runaways (邦題『ランナウェイズ』)を観て彼女らのファンになった娘。 CDで持っているアルバムのアナログ盤を買い求めるというところは父親似です:


これは僕の収穫。クラシックはあまり人気が無いのか3枚10ユーロで売っていたテーブルがあってついついたくさん買ってしまいました。チョッと得した気分です。


主催者 Moses Recordsのサイトです:http://www.schallplattenboerse.at/index.php










2014年9月18日木曜日

フーバー・陽子さんバイオリンリサイタルとオペラ:チャイコフスキー:チャロデイカ(魔女)


去った週末は、2つ音楽のイベントが重なって楽しく・忙しい週末でした。まず、9月13日土曜日は、このブログではおなじみのフーバー・陽子さんのバイオリンリサイタルがウィーンから車で90分ほど北西のWaidhofen/Thayaという町にある旧公爵の館でありました。シューベルトのプログラムで前半はピアニストで伴奏もしたRobert Pobitchka氏がピアノソナタD.959を演奏、後半はフーバーさんがバイオリンソナタD.574を演奏。オーストリア・ハンガリー帝国の栄光の残影を感じさせる雰囲気の会場で素晴らしいコンサートでした。その町で一泊した翌朝は公爵の子孫に当たる方が館を案内してくださいました。


で、翌日9月14日日曜日の晩はオペラ。Theater An Der Wien (アン・デア・ウィーン劇場)でチャイコフスキー:チャロデイカ(魔女)を観ました。今シーズンは妻と相談してオペラをもっと観ようということにしました。ただし、コンテンポラリーな演出のオペラのほうが好きな我々は、古い演出・舞台設定のものが多くチケットが高くで入手が難しいものが多い国立歌劇場ではなくTheater An Der Wienのシーズンチケットを買うことにしました。ここは、主に現代的な設定・演出でオペラが上演されその多くがこの劇場で上演するためにコミッションされたものです。しかも、シーズンチケットを買うとバラで買うより最高で3割引き!もともと手ごろな価格であったので、ちょっと奮発して割引率がちょっと低めのプレミア(初日)シリーズにしました。ウィーンで知り合ったオペラ関係の方々の話だとオペラはプレミアも見るのが一番と聞いたからで、プレミアの後は演出家・監督などが別の仕事に移ったりして元々意図されたことから少しづつズレが出てくるのだそうです。

こんな感じ演出と舞台設定です:


Theater An Der Wienのオフィシャルビデオです

熊(もちろん人が入ったぬいぐるみ)がでてきたり、今年のユーロ・ソング・コンテスト(アバやセリン・ディオンを選出した由緒あるもの)で優勝した髭の女装をしたオーストリア人歌手Conchita Wurstを模したメークアップの女装男性のカンカンダンスがあったりとちょっとオフ・ビートな洒落もありましたが実力派ぞろいの出演歌手とウィーン放送楽団(ORF- Radio-Symphonieorchester Wien)による素晴らしい演奏で音楽にすかっり浸れて楽しめました。耳の良い妻は、主人公の一人のテノール(ユーリー役)は音程がずれて今ひとつだったようですが、そこまで聞き取れない僕はちょっと盛り上がりに欠けるかなといった程度の印象でした。


アン・デア・ウィーン劇場に関して(東京2期会サイト):http://www.nikikai.net/enjoy/vol297_03.html

チャイコフスキー:チャロデイカ(魔女)に関して:http://blog.livedoor.jp/ot521/archives/52009015.html







2014年9月12日金曜日

グスターボォ・デュダメル指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 コンサート




一昨日(9月10日水曜日)は、グスターヴォ・デュダメル指揮/ウィーン・フィルのコンサートに家族で行って来ました。我々にとっては今シーズン最初のコンサート。

プログラムは:
リムスキー=コルサコフ ロシアの復活祭序曲 op.36
ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ版) はげ山の一夜
リムスキー=コルサコフ シェエラザード op.35


会場はアン・デア・ウィーン劇場(Theater An Der Wien)です。この劇場はモーツアルトが亡くなって10年後の1801年落成した劇場でその4年後にはベートベンのフィデリオが初演された劇場。外装は当時と異なるが、中は綺麗に修復され当時の様子が保たれているとのこと。楽友協会大ホールの座席数がおよそ1800座席(+立ち見)なのに対しアン・デア・ウィーンは1000座席程度(+立ち見)なので、このような素敵にこぢんまりとした劇場で気鋭の若手指揮者デュダメル率いるウィーン・フィルを聴くのはとても贅沢な感じでその幸運に感謝しました。

我が家はアメリカに居た頃から一家揃ってグスターボの大ファン。追っかけまではしないものの、ワシントンそしてウィーンと彼が振るコンサートには出来るだけ行っています。殆どの曲は暗譜し譜面なしというのもすごいけど、演奏の音楽性の素晴らしさは今まで聴いたことのあるどの著名な指揮者にも勝るとも劣らないところがあると思います。最近は奥深さも感じられる演奏になってきていると思います。

過去にロスアンゼルス・フィル、ベルリン・フィルそしてウィーン・フィルを彼が指揮するコンサートに行きましたが、いつも彼が振ることでオーケストラが奮い立ったような印象を受けます。ウィーンフィルは指揮者を招く際にデュダメル迷うことなく一回の会合で選んだと言うことを著名な音楽評論家の方に聞いた事がありますし、ロスアンゼルス・フィルの楽団員の方とお話する機会に恵まれた際にデュダメルはミュージシャンのミュージシャンだと聞いた事もあります。デュダメルがこのように一流の音楽家を惹きつける魅力を持っているという事を考えると、奮い立ったオーケストラと言う僕の印象もあながち間違いとは言えないのではないかと思っています。

さて、一昨日の演奏も期待通り、前半はちょっとしっくりこないところがあるかなとも思いましたが、後半のシェエラザードはすごく良い名演でした。グスターボ率いるウィーンフィルは来週から日本公演を行うようなのでまだチケットが入手できれば是非ご覧になられることをお薦めします。前にこのブログでも書きましたが彼の魅力はライブで特に発揮されると思います。


デュダメル・ウィーンフィル日本公演の情報: http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/wph2014/ticket/

デュダメル公式HP:http://www.gustavodudamel.com/


2014年9月7日日曜日

Mavericks にアップグレードしたらAudirvanaから音が出なくなった!




もうそろそろいいだろうと思って、つい最近、我が家のiMacをMavericksにアップグレード。もう数年前のモデルなんだけど、動きがよりスムーズで速くなった。iTunesでBGMを流していると音が妙によく聞こえる。それではと思い、オーディオ用に使っているMacMiniもアップグレードしてみることにした。 このMiniは前に一度、マウンテン・ライオンにアップグレードしたのだけどなんか音がしっくりとしなくて気に入らなかったのでスノー・レパードに戻したということがあってそのまんま。(その一件に関してはこちら と こちらをどうぞ)もうすぐヨセミテが出るようだしいくらなんでも4世代まえのOSを使い続けるのはどうかなとちょうど考えてたところだった。

ダウンロード、インストールに2時間半ほどかかった後、ちょっとワクワクしながら音出してみる。お、これはいいかな?と思うと同時に音がとまって、「Releasing play back to iTunes 」との表示、その間約5秒。何回やっても、曲やアルバムを替えても同じ。Audiravanaは最新バージョンだし、どうしよう?と考えて「Audiravana Maveriks」とグーグルすると一番上で出てきたのがAudiravanaのサイトのFAQ。Maverick と互換性はあるがDACによってはドライバーのアップデートが必要なこともあると書いてあったので、こんどはWeissのサイトへ。とりあえず現行バージョンのFirewireのドライバーとFirmwareをダウンロードしインストール。Miniを再起動して曲をかける。5秒ほどでストップ。Audiravana やドライバーの設定も変えてもよくならない。Audirava から音が出ないんだったらiTunesだと大丈夫かと思い試すとこちらは全くダメ。

もう一度スノーレパードに戻さないのいけないのかな?でも果たしてMavericksから可能かなとの思いが胸をよぎリ憂鬱な気持ち。でも念のためにと思い、Audiravanaをアンインストールして、アプリをダウンロードしてインストール。Miniを再起動し音楽をかける、3秒、4秒、5秒とたっても音が消えない!よかった。でも喜ぶのは早いとおもい,Pieter Wispelweyのバッハ無伴奏「チェロ組曲」のアルバムをかけてみた。止まることも途切れることも無く通してアルバムを聴けた。音も良くなったし、本当によかった。思い悩むことなく床に就くことができた。やれやれ。

コンピューターの世界は不思議なもんです。何でこうなったか判らないけど、トライ・アンド・エラーの結果、直ったからよしとしましょう。


我が家のPCオーディオ環境はこちら

今のところ一番気に入っているバッハ無伴奏「チェロ組曲」のCD: ピーター・ウィスペルウェイのバッハ無伴奏チェロ組曲





2014年9月3日水曜日

300Bシングル・パワー・アンプのヒーター電源を出川式電源化


夏に入る前の話なのですが、パワーアンプのヒーター電源を出川式電源に取り替えました。
アンプはAudio Note KitsのKit1という300Bシングルのパワーアンプバージョンです(詳細はこちら)。 もともとはインテグレーテッド・アンプでもう8年以上使っていますが、プリアンプ導入時にパワー・アンプ・バージョンに改造。2年ほど前にB電源に平滑コンデンサーを追加したのと今年に入ってカップリングコンデンサーを取り替えた(こちら と こちら を参照)以外はそんなにいじっていませんでした。直熱管はヒーター電源の音質に与える影響が大きいと最近どっかで聞いて、なんとなく(文系ですので...)メイクセンスするな~と思い、最近プリアンプの真空管ヒーター電源に出川式電源モジュールを導入してとても良い結果がでたので、懐は痛みましたが奮発してパーツを購入しました。


Kit1は文字通りキットなので、既製品のアンプをいじるよりは楽だと思うのですが...それでも新しいパーツを付け加えるのには工夫が必要で、それを考えるのに最も時間を要したかもしれません。今回はフルに出川電源化するためにLCMとCPMも取り付けましたし、Kit 1のピーター電源は整流回路が個々の出力管にそれぞれあるので(と言っても合計2個ですが)手間も部品代も余計にかかりました。


CPMの取り付けは負荷に近いほうがより効果があるとプラクトサウンドシステムさんに伺ったので出力管のソケットにじかに取り付け。超電解接続した手持ちのBlack Gate コンデンサも追加。さて肝心な音の方ですか、プリアンプに出川電源パーツを導入して時のような驚くほど大きな変化は無かったものの (これはプリアンプのほうがパワーアンプよりより音を左右すると言うことなのかもしれませんが...)、以下のような音質の向上がはっきりと判りました:
  • 音がさらに自然な感じになった。
  • 情報量が上がり鮮度も高くなったが温かみも増した印象。今まで一部のレコーディングでちょっと気になる煩さがあったが無くなった。
  • 自然な膨らみをあまり失うことなく低音がよりよくコントロールされている。
  • 小さな音でもバランスがとれ充分な情報量でボリュームをかなり上げても音が破綻しない。
今度は、プリアンプの真空管ヒーター電源回路にCPMとLCMを追加しようと思っています。



BlackGateの超伝導接続に関して:http://sharksystems.narod.ru/blackgate/bg6.htm


A&R Lab (出川式電源部品製造発売元): http://www7b.biglobe.ne.jp/~degawa/index.htm

プラクトサウンドシステム HP: http://www.practsoundsystem.com/  (出張チューニングサービスを始められたとのことです。)