2012年10月30日火曜日

ローマ


ローマの街 (M8/Summilux ASPH 53)

先週は、子供達の学校が秋休みだったので家族でローマに行って来ました。僕は仕事の都合で、水曜日に合流。今はハイ・シーズンとのことで観光客で溢れ返っており、バチカンなどは夏休みのディズニーランド以上の込みようでしたが、暑くもなく寒くもない理想的な気候で体はリラックス。2千年以上の歴史が街中に感じられつつも、活気があり、今を生きている街といった感じ。写真やテレビで何度も観たところでも、じかに観るローマ時代の遺跡にはインパクトがありました。

アメリカと比べると、ウィーンは垢抜けして食べ物もおいしいと思えるのですが、ローマは(当然ながら)それ以上。同じデザイナーブランドのお店にももっと格好がいいものがあり、ディスプレーもしゃれています。野菜料理が豊富なのもうれしかったです。おいしいイタリア料理を食いだめし、満足して帰ってきました。

パンテオン (Leica M8+Voigtländer Super-wide Helier 15mm Asph II)

2012年10月21日日曜日

VH-Audio V-Cap CuTF (銅箔 テフロン コンデンサ)



先日行った、パワーアンプの改造(と、いってもパーツアップグレードですが...)のエージングも進んで、好む方向で落ち着いたので、もう一つ工作をしました。プリのカップリング・コンデンサーをVH AudioのV-Cap CuTFに変更。このコンデンサ、実は発売当初に買って、Weiss 導入以降ほとんど使っていなかったAudio Note Kits DAC3.1 Signatureに取り付けてあったもの。それを外してプリアンプに入れてみました。

VH Audio は日本ではおそらく馴染みがないブランドだと思われますが、欧米のオーディオDIY派には高い評価を受けているブランドで、主に自作ケーブル用の配線材とパーツをネットで販売。特に配線材は独自に開発・発注した商品が目玉で、僕も電源ケーブルに始まりインターコネクト、スピーカーケーブル、デジタル同軸ケーブルにここの配線材を使った自作ケーブルを使っています。オーディオファイルを納得させる情報量を持ちながら、とても自然で音楽性の高い聴き疲れの無い音でとても気に入っています。多くのハイエンド・オーディオ製品にありがちな不自然な派手さなどはまったくありません。 

VH Audio は、独自に開発した錫箔テフロンコンデンサ(TFTF)を2004年ごろから発売、2005年にはオイルコンデンサ、そして2010年にこの銅箔テフロンコンデンサ(CuTF)を発売し現在に至っています。 TFTFは、発売当初から欧米、香港・中国等のオーディオ雑誌、ネット・マガジン、DIY 掲示板等で非常に高い評価を受け、今でもDuelund VSF・CAST PIO などと共に常にトップレベルの評価を受けてるフィルムコンデンサです。CuTFは、そのTFTFに温かみを加えより自然な音を目指した商品です。

今までは、Audio Note UKの銀箔・マイラー・コンデンサをつかっていました。これは、Audio Note UKのなかでは最上ものです。我が家のシステムはここ最近何かしっくりとしないところがあって、どうしたものかと考えていた所 CuTFを付け替えてみようと思った次第。パーツを2個換えるだけで何でこんなに音が変わるのだろうと思うぐらい変わりました。ケーブルや真空管を換えるより音の変化大きいかもしれません。曇ったメガネを拭いてとてもはっきりとものが見えるようになったような見晴らしいいの音になりました。取り付けてすぐはちょっと細身で高域が強調された音でしたが一週間ほどエージングをしたら、音の見通の良さはそのままで厚みが増してきました。当分はこれで行ってみようと思っています。僕が使っているプリアンプは、Audio Note Kits L3 Line でトランス出力なので音楽信号が通るコンデンサは各チャンネル一個づつだからこのコンデンサを変えることによって音が劇的に変化してのかもしれません。
グーグルで調べたのですが、ウェブ上に日本語でVH Audioのコンデンサに関しての記述があまりまりません。ここぐらいかな?:  79-Lab.HPのネットワーク用パーツ雑感 。これは 安くはない部品ですが、考慮するだけの価値はあると思います。

VH Auidioのサイト:http://www.vhaudio.com/




2012年10月19日金曜日

寒くなってきました




ウィーンは、先週から気温が急にさがって、秋深い感じになってきました。もうすぐ冬。 寒くて、日が短くなり、空が曇りがちで街も灰色に見えてくる、春が待ち遠しい時期になってきます。

2012年10月14日日曜日

Martin Grubinger


もう2週間ほど前になってしまいましたが、マルティン・グルービンガー (Martin Grubinger)とクシシュトフ・ウルバンスキ(Krzysztof Urbański)指揮ウィーン交響楽団(Wien Symphonikar)のコンサートに娘達と3人で行ってきました。妻は、実家の用事があって里帰り中。プログラムは、HK グルーバー(HK Gruber)のRough Music - Concerto for percussion and orchestraとドボルザークの交響曲7番。会場は、 コンッェルトハウス大ホール。

今回の目的はグルービンガー。彼はザルツブルグ出身のパーカッショニスト。一年ほど前にウィーン・フィルの公開リハーサルを見に行った時のソリストで、それまで彼のことを知りませんでした。そのときの彼の演奏ぶりはとにかく凄くて強烈なインパクトを受け、それ以来彼に注目。スーパー・パーカッショニストと呼ばれているようですが、まさに超人的。テクニック以上に高い音楽性と演奏中は水を得た魚のように生き生きと楽しそうに演奏するエンタテイナーの資質も持ち備えた類希な音楽家。まずは下のYouTubeのビデオを見て下さい。







今回のコンサートは、グルービンガーが健康上の理由で十分な準備ができていないとのことで当初予定のHK Grubers氏の新作から旧作にプログラムが変更されたのですが、期待以上に良かった曲と演奏でした。もちろん2部のドボルザークの良かったです。演奏後には、作曲家のHK Grubersもステージに上がって観客の拍手に応えていました。

ウルバンスキ(左)、グルーバー(中央)、グルービンガー(右) 

お薦めのグルービンガーのCD。現代音楽です。

2012年10月6日土曜日

久々のオーディオ工作




つい最近まで、ウチのオーディオシステムはハム・ノイズに悩まされていて、多分グラウンドループであろうと思われたのだが、決め手となる解決方法がなく困っていた。オーディオ工芸家のマーチンに相談。結果的には、プリとDAC のグランドの取り方を変えてかなり改善された。 パワーアンプのノイズは、大阪の友人のアドバイスで信号系のワイヤーをしっかりとしたツイストペアにして、アルミ箔を巻いて、これも大幅に改善された。あとは、300Bのヒーター電源をいじってみようと思っている。

さて、ハム・ノイズの問題が大幅に解決されたので、音質の方が気になって来た。ふと思いたって、パワーアンプの電源回路の高圧電源平滑用に Continental Capacitor Incの Oil-Filled Polypropylene PS Capsを追加し、その回路の電解コンデンサーのうち手持ちのブラックゲートと耐圧・容量の値があっていたものが一個あったのでそれを付け替えた。これだけなのだが、パワーアンプ(Audio Note Kits のKit 1)はもう5年ほど前に作って以降ほとんどいじっていないこともあってか、ねじが緩んでいたり半田の付け方が悪かったりなどの不具合見つかったのでそれらを直したりしていたら結構時間がかかってしまった。まだエージング中だけどいい感じです。

2012年10月4日木曜日

Youth Orchestra of Caracas



9月29日土曜日に、バイオリンを習っている次女とユースオーケストラ・オブ・カラカスを聴いてきました。プログラムは、ワーグナー:「リエンツィ」序曲、アルベルト・ヒナステラ: エスタンシア組曲 Op. 8a、そしてチャイコフスキー交響曲4番。会場は、ウィーン・コンッェルトハウス 大ホール。指揮は、Andres Rivas (アンドレ・リーバス)。デュダメルを生んベネズエラのエルシステマの一部を担うオーケストラです


椅子を外したメインフロア

このコンサートでは、メインフロアの椅子を取り去って立ち見席にして16ユーロ。しかも、子供と若人(26歳以下)は、半額という粋な計らい。家族連れや若者達がたくさん来ていました。このようなことは、新たなクラシックの観客層を獲得するのに役に立つのではないかと思います。 僕達も立ち見席でしたのでステージの近くに陣取りました。その辺りだと、みんな床に座って、いい雰囲気です。

とても楽しいコンサートでした。若い演奏家達が楽しそうに、持つ力をすべて出し切ったかのような演奏。まさに、『音楽』そのものです。荒削りかもしれないけど、ラテン気質全開で聴衆に凄くアピールしていたとおもいます。この中から、どれだけプロになる音楽家が出てくるのか楽しみです。ベネズエラは、クラシック音楽を未来に継承して行く重要な国となってくるでしょう。

アンコールでは、ホールが真っ暗になり、灯が着いたら全員がベネズエラ国旗のジャケットを着て、シュトラウスのラデツキー行進曲で観客を沸かせます。大喝采の観客に応えて、ティコティコやマンボなどのラテンの曲を演奏。音楽に合わせて演奏者達は楽器をまわしたり、踊りだしたりして、立ち見席の観客も身体と手拍子でリズムを取って、まるでロックコンサートのような盛り上がりでした。アンコール5曲の大サービス。


アンコールのあとは、メンバーがジャケットを脱いで、客席に投げてプレゼント。娘は運良くキャッチして、ぶかぶかだったけどそれを着て家路に着きました。

2012年10月1日月曜日

アメリカの学生ローン




 夏休みに帰省した際に買った本の一冊 『知らないと恥をかく世界の大問題 3』(池上彰著)に 「第2のサブプライムローンか?」との見出しでアメリカの学生ローンのことが書かれていた。 その章の締めくくりの方に『...サブプライムローンを組んで無理してマイホームを買ったように、無理してでも大学に進んでる人たちがおおいのですね。』(p.101)と記されている。なぜアメリカで大学に行くには借金する必要が出てきたのか、なせそれまでしてでも大学に行かなければならないと思う人たちが多いのかについて、23年のアメリカ滞在の経験と大学進学を2年後に控えるアメリカ生まれアメリカ育ちの子供を持つ親の観点から、説明を付け加えてみたいと思う。尚、この本に書かれている事に対して批判しているのではないので誤解のなきようにお願いします。

 アメリカ人が借金までして大学や大学院に行くというのにはアメリカの雇用環境の変化、高等教育学費の高騰などの背景があると考えられる。1970年代終わりごろまでは、大学に行かなくてもそれなりの生活水準を保てる職につくことができる可能性が高かった。これは、工場労働者に対する需要があり、その多くで労働組合に高いレベルの賃金と福利厚生が守られていたからである。工場以外にも水道工、電気工のような様々な職種で組合が組織され賃金、福利厚生その他の既得権が保全されていた。 そのような雇用環境を脅かしたのがオイルショックであり、経済のグローバル化であり、経済環境の変化や技術革新に触発されて起きた様々な産業の再編成・再構築であったと思われる。たとえば、アメリカ人々を生活を支え経済の原動力であった製造業は、その多くが低賃金の国に生産拠点を移し、残った工場はロボットの導入などで求める労働力が肉体労働から知的労働に大きく変化したのである。結果的に、組合によって保障されていた賃金体系と福利厚生が大きく崩れ、より良い仕事、より良い報酬を得る為の競争が過当化し差別化要因の一つとして学歴の必要性が見直されてきたのだと思う。日本のように国民健康保険が一般化している国では想像しにくいことかもしれないが、アメリカでは良い待遇の条件の一つに充実した健康保険があげられる場合が多い。 もともと医療費が極端に高いうえ、健康保険のほとんどが民間保険会社によって提供されている実情では、各々の雇用主がどのような条件の保険に加入しているかによって、自己負担金額も異なれば、保険の対象となりうる治療、検査、薬も異なるのである。加入している健康保険に限りがあるため病気の発見が遅れた、治る病気も治らなかったという悲しい話を聞くのはそれほど珍しいことではない。それでも保険があればいい方で雇用されていても保険が無いという人たちも多くそれらの人々の悩みは深刻なものであろう。このことは中小の自営業者にとっては特に深刻な問題であり、アメリカの選挙で健康保険制度が大きな争点・公約として取上げられているのはこのためである。 

 もう一つの背景は、学費の高騰。 端的な比較で日本の慶応大学と同校と姉妹校のスタンフォード大学と比べると、慶応が年間100万円ちょっとであるのに対しスタンフォードは4万ドル、今の為替レートで換算すると320万円程度でおよそ3.2倍。国民一人当たりの平均GDPと比較すると、慶応が日本のそれに対し約28%、スタンフォードがアメリカのそれに対し約83%。公立は学校によって違うが、アメリカでトップ水準とされるカルフォルニア大学バークレー校は、州民に対する学費は年間1万3千ドル、州民以外の学生に課される学費は3万6千ドルである。それに対し東京大学は年間54万円。

学費の高さもさることながら、日米間の課税後の所得を差ということも見落とせない。一概にアメリカのほうが中所得者層の個人所得の実行税率が高く、たとえば年収1千万の子供が2名いる家庭の場合、日本の11.3%に対しアメリカは18.6%。その上に、健康保険の自己負担分、年金積み立てなどの費用もアメリカのほうが一概に高いことを考えると、同じ所得レベルでは一般的にアメリカの家庭の可処分所得のほうが低いことが多く、其の中から日本より明らかに高い学費を捻出するのは容易でない。これのため、大学に行くのに奨学金やローンに頼らざるをえない人々が大多数であるという現状があるのだと思う。 

ローンを組んで大学にいった人々が卒業後にその支払いに応じられるだけの報酬を得られる仕事に就けるかというと、そうでない場合のほうが多いので学生ローンが次のサブ・プライムになるのではという警告が発せられているわけである。学生ローンを払える人でも、可処分所得はそれだけ減るわけであり、アメリカ経済の足枷の一つともなっている。

付け加えだが、高額所得者に対する累進課税率の上限はアメリカのほうが日本よりだいぶ低く、そのうえ様々な控除により節税手段がありことから、高額所得者の実効税率は一概にアメリカのほうが更に低い。このような現実が、ウォール街占拠運動、1%対99%運動を引き起こし、共和党の候補者ロムニー氏の納税率が大統領選挙の争点になるのである。


個人所得課税の実効税率国際比較(財務省)




Call Me Maybe...


たまたま、旅先のホテルで娘達とみていたMTVでオチが面白かったミュージック・ビデオ。 Cary Rea Jepsenは、カナダのシンガーソングライター。この曲もアメリカのiTunesストア上位に位置いています。



若い人たちによるとYouTubeにはこのビデオのパロディーがたくさんあって面白いのだそうです。