2017年12月29日金曜日

Season's Greetings from Wien


Graben通り

今年も僕のブログを読んで下さりありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。

 FreyungのBio (有機)クリスマスマーケット
プンチ・ホットワインスタンド (Schottentor)
Palais Ferstel Passage
Herrengasse

クリスマスツリー売り(Schottenkirche)

Cafe Landtmann


2017年12月11日月曜日

帰省中です



両親の様子見に帰省中です。父母ともに高齢なので出来るだけ帰ってくるように心がけています。 上の写真は首里の弁財天堂と円鑑池、小学校時代、ちょっと遠回りで帰りたい時に通った道のひとつ。美術の授業の写生でも時々行きました。両親の愛犬、 柴犬のアレキサンダーの散歩の途中で撮影。



2017年12月4日月曜日

ミハエル・シェンヴァント指揮 ニーダーエスタライヒ州トーンキュンストラー管弦楽団



さる水曜日(11月29日)に、デンマークの指揮者、ミハエル・シェンヴァント指揮 ニーダーエスタライヒ州トーンキュンストラー管弦楽団のコンサートに行ってきました。妻は他に用事が出来て、音楽好きな職場の同僚と行きました。プログラムは以下の通り:

Antonín Dvořák:
Konzert für Violoncello und Orchester h-Moll, op. 104 (ドヴォルザーク、チェロ協奏曲)

Carl August Nielsen :
Symphonie Nr. 3, op. 27, „Sinfonia espansiva“ (ニールセン、交響曲第3番ニ短調 『ひろがりの交響曲』)

ソリスト・歌手は、Clara Cecilie Thomsen (ソプラノ)、Stefan Zenkl (バリトン)、Andreas Brantelid (チェロ)。

このコンサート、当初はハリエット・クリーフ(Harriet Krijgh)(こちら)がソリストとして出演する予定で彼女を聴きたくてチケットを購入したのですが、手の怪我のためキャンセルとなり、デンマーク出身の新進若手Andreas Brantelidが代役となった次第。

肝心の演奏なのですが、みんな一生懸命にやっている様子は伺えたのですが、もう一歩という感じでした。残念。

で翌朝は、初雪でした!


2017年11月26日日曜日

The Corea/Gadd Band コンサート 




さる、木曜日(11月23日)は、The Corea/Gadd Bandのコンサートに行ってきました。会場はウィーン・コンツエルトハウス 大ホール。妻は都合が悪くて僕一人、メンバーは以下の通りです:

Chick Corea, Piano/ Keyboards;  Steve Wilson, Sax/Flute; Lionel Loueke, Guitar;  Carlitos Del Puerto, Bass; Luisito Quintero, Percussion; Steve Gadd, Drums

セットリストは以下の通り:
Night streets , Serenety, Chick's chums, Quartet Nr. 1, Return to forever, Spain と最新アルバム 「Chinese Butterfly」の収録曲に、 過去にガッドと活動していた頃の名曲 を織り交ぜたプログラムでした。僕は、往年の名曲がよかったかな。

ジャズの大御所の貫禄たっぷりの演奏。若手のサポートメンバーはみんな凄腕の実力派揃いでさすがでした。

観客と一緒にセルフィー

2017年11月18日土曜日

Furutech FI-11 ・FI-28 AC Plugs Review / フルテック FI-11 ・FI-28 電源プラグを試す


Supraの電源ケーブルについて、こちらで紹介しましたが、電源プラグでどのぐらい音が変わるか知りたくて 手持ちのもの、新規購入を含めここ一月ほど間に数種類試してみました。

今まで主に使っていたのはFurutech FI-11 Cu コンセント及びインレットプラグ、オーディオ用パーツとしては安価で太い繋ぎやすい構造になっており、音にもとくに不満はなく愛用していました。以下は、Supra (スープラ)電源ケーブル - LoRad 3x2.5 SPC (Silver Plated Copper)に装着、DACそしてプリアンプで試した場合の感想です。

(1)FI-11M Cu(コンセント)+ Furutech FI-11 Cu(インレット)今回の聞き比べのベース。素直でバランスの良い音質で大きな不満はないが、帯域がもう少し伸びて、情報量が上がってもよいかな?と思うこともあります。ただし、これはすべてプラグに起因するものでも無いかとも思われます。

(2)FI-11MGold(コンセント)+ FI-11 Cu(インレット):音がやや暖かめで芳醇、かつ情報量が若干上がったように感じるが、気のせいかも?と思える程度。

(3)FI-11MGold(コンセント)+  FI-28Gold(インレット):(2)と比べるとハッキリと判る音の違い。音は自然でどちらかと言うと暖かめ、帯域が上下共に伸びて情報量はだいぶ上がった感じ。好みの方向に良くなりました。

(4)FI-28MGold(コンセント)+ FI-28Gold(インレット):(2)→(3)と比べると程度は小さいがハッキリと判る情報量の向上。アコースティック楽器の質感があがりよりリアルで自然なニューアンスで聴こえます、(3)よりさらに好みの方向に良くなりました。

(5)FI-28M Rhodium(コンセント)+ FI-28 Rhodium(インレット):上記のどれと比べてもハッキリと判る、方向性の異なる音の違いです。我が家のシステムでは、若干高域のエネルギーが強くなり、メリハリのある、エッジがたった音になりますが、暫く使ってみても自分にとってはちょっと煩い感じが否めませんでした。情報量は高いですが、(3)や(4)とは違う方向でホール・エコーなどはよりハッキリ聞こえるようになりましたが、アコースティック楽器の質感はやや均一的になったように聴こえました。この音が良いと言う人は多いかと思いますが、僕にとっては残念ながら、好みとは異なる方向の音になってしまいました。出費は痛かったですが、我が家システムで聴かずには判らないことでしたので良い経験になったと思います。

今回、電源プラグを試すにあたり、よく利用するオンライン・オーディオ・パーツショップ、VH AudioのオーナーであるChrisに、電極部の素材が大切だからと、インレット・プラグをFI-28すると良いと薦められました。FI-11はコンセント・プラグの電極部は純銅素材なのですが、インレットプラグは燐青銅素材となっています。FI-28はコンセントもインレットプラグも電極部は純銅素材で、今回の試聴では、Chrisのお薦め通りの結果になりました。これから少しずつ、電源プラグをFI-28/FI-28M Gold にアップグレードしていきたいと思います。

一通り、電源プラグを試した後、ふと思いついてFI-28/FI-28M RhodiumをSupra  - LoRad 3x2.5 SPC を導入するまで、使っていたVH Audio Flavor 4 電源ケーブル(こちら) に使われているVH Audio Star Quad  (12 AWG X 4) ワイヤーに取り付けて聴いてみました。すると、上述の煩さが消え、より自然で重心の低い音が出てきました。それなりに聴きごたえのある音で、ちょっと迷いましたが、自分の好みはやはりSupra  - LoRad 3x2.5 SPC +FI-28/FI-28M Goldだと落ち着きました。電源プラグも取り付けるケーブルとの相性が大切というなのでしょう。



2017年11月15日水曜日

クリスマス・シーズンの準備

Graben通りのイルミネーションの取り付け

11月も半ばになり、ウィーンはクリスマス・シーズンの準備が始まっています。一部のクリスマス・マーケットは今週末からオープンするようです。一年たつのは早いですね。


準備中のクリスマス・マーケット(Am Hof)

2017年11月4日土曜日

Supra CAT8 Ethernet cable with Telegärtner RJ-45


Supra CAT8  Ethernet ケーブルに関しては先日書きましたが (こちら)、大阪の友人がFacebookでテレガートナーのRJ45プラグが良いと書いてあって、たまたま、上のケーブルを買ったイギリスのウェブショップを見ていたら、切り売りSupra CAT8  Ethernet ケーブルに、Optionでつけられる『Metal Pro RJ45』プラグというのがテレガートナーであること見つけて早速注文。 しかし、プラグを取り付けを行う外注先の技術者が休みであるという理由で遅れ、さらに出荷前のテストで一本不良が出たとの事で再度遅れ、先週の半ばにやっと届きました。SUPRAのプラグ付き既製品と同じ値段。

テレガートナーはドイツの通信・ネットワーク関連のパーツ、プラスチック・金属成型パーツを電話・携帯ネットワーク会社、医療機器・自動車メーカー、鉄道、放送局などに提供している基本的にはB-to-Bの会社です。

そのテレガートナープラグは上の写真のようにゴッつくて、今まで結構しっかりしていると思っていた既製バージョンが頼りなくみえます。狭いスペースに入るかなと心配していましたが、全く問題はありませんでした。業務用機器のパーツを作る会社だけあって規格にきちんと準拠しているのでしょう。

早速、テレガートナー付きSupra CAT8を取り付けて、Qobuzの高品位/ハイレゾ・ストリーミング(こちら)を聴いてみました。まず驚いたのが、ハッキリとした音の違い、そして、音質の向上でした。音が全体にすっきりして透明感を持った感じで、情報量も上がり、全体的に僕の好みの方向に良くなりました。

電源ケーブル、インターコネクトケーブル等でプラグによる音の違いは経験していますが、Ethernetケーブルのプラグの違いでこれほどまでに変わるとは…。こちらで買うと1m30ポンド。日本からですと20%の付加価値税がかからないので1m25ポンド。コストパフォーマンスもとても良く、お薦めです。

ここから注文できます:https://www.futureshop.co.uk/supra-cat8-flame-retardant-ethernet-cable-custom-length



2017年11月1日水曜日

Concert: Herbert Blomstedt Conducting Gewandhaus Orchestra Leipzig ・



ウィーンは、季節並みに寒くなってきて、今日は一日中、一桁の気温の予報です。さて、さる日曜日、10月19日に、Herbert Blomstedt (ヘルベルト・ブロムシュテット)指揮、Gewandhaus Orchestra Leipzig(ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団)のコンサートに行ってきました。会場は楽友協会大ホール、妻は疲れたからということで僕一人。ソリストはLeonidas Kavakos(レオニダス・カヴァコス)、プログラムは、ブラームス バイオリン協奏曲 と シューベルト 交響曲8番 D.944、「ザ・グレート」。 ソリストのアンコールはバッハ無伴奏バイオリンソナタ2番 サラバンド。

2曲とも、クラシックを聞き始めた頃に好きになった曲。ブラームスは家でも時々聞いていますが、シューベルトの8番を聴くのは数年ぶり。僕にとってブロムシュテットは、CDが出始めた頃に初めて買ったCDの一枚が彼の指揮するドレスデン・シュターツカペレのブルックナー4番(こちら)であったことから思い出のある指揮者ですが、ライブで聴いたのはこれは初めてでした。

ブラームスのバイオリン・コンチェルト、シューベルトと共にある意味でオーソドックスな演奏といえるかもしれませんが、曲の良さを引き出し僕の頭の中にあるイメージとぴったりくる演奏でとてもよかったです。いまとくに調子絶好で人気上昇中といわれているカヴァコスのバイオリンも凄かったです。

シューベルトは出だしから、いいな~と忘れていた感激を思い出し、曲に浸ることができました。一時間を越える長い演奏でとくにテンポが遅いわけでもなかったので、こんなに長い曲だったかなと思っていたら、たまたま、たまたま会場であった音楽に造詣の深い友人が、リピートをすべて演奏していたと教えてくれました。雄大でダイナミックな演奏でした。

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は今までに何度か聴いたことがありますが、今回が一番良かった。高齢にも関わらず力強く、活気溢れる指揮をする 90歳になった二代前のカペルマイスターのブロムシュテットに全力で応え盛り上げているようでした。

前のほうに座っていたので、開演時にオーケストラ着席したのち、楽屋からバイオリンの音が聴こえてきて、指揮者とソリストが数分でてきませんでした。こんなことは初めてだったのですが、あとで、Wikipediaを読んだら『(部ロムシュテッドが)NHK交響楽団へ客演した際(マーラーの交響曲第9番)、首席ホルン奏者に「もう1回吹いてくれないだろうか」と言って、本番ギリギリまで指揮者室で練習をさせた。』と読んで、もしかすると、今回もぎりぎりまでカヴァコスとリハーサルしていたのかな? と思いました。



2017年10月28日土曜日

Gülce Sevgen Piano Recital



10月24日火曜日はウィーン音楽院で学ぶトルコ出身のピアニストGülce Sevgenのリサイタルに行ってきました。セミプロ フォトグラファーの妻が、依頼されてあるマスター・セミナーの撮影をした際の受講生で、これが縁で妻と娘たちが彼女と知り合いになりました。今回は、妻が長女を訪ね、オランダに行っていたので僕一人で行きました。 

会場はGesellschaft für Musiktheater。 Palais Khevenhüller という元貴族の宮殿だった建物(ウィーンはこのような建物だらけでなので特筆することでもないのですが)にあるこじんまりとした会場。若手音楽家に演奏する場所を設けることを趣旨としたコンサート・スケジュールが組まれています。

この日のプログラムは、ベートーベン、シューベルト、ショパン、ドビッシー、ガーシュイン。一年半ほど前に学校の発表会で聴いたときに比べ、技術・音楽性ともに飛躍的に成長しており、これからが楽しみな才能溢れる十代の音楽家です。







2017年10月25日水曜日

Brendan Goh with I Maestri


10月21日土曜日は、お招きを頂き、妻と二人でI Masteri と Brendan Goh君のコンサートに行ってきました。会場は楽友協会ブラームス・ザール。

I Masteriは、60人ちかくの韓国出身のプロの男性声楽家で構成される声楽オーケストラ・合唱団。一緒に出演したのが、このブログでも何度か紹介させて頂いたBrendan Goh(ブレンダン・ゴー)君は、ウィーンで学ぶシンガポール出身の17歳の新進チェリスト。今年のThe New York International Artists Competitionsで一位(Category B ・15~17歳部門)を獲得したそうです。そのGoh君のブラームス・ザール・デビューであったので、久しぶりに彼の演奏を聴くことを楽しみに行ってきました。

プログラムの中心は、オペラのアリアをソリストが歌い、残りのメンバーが合唱・オーケストラのパートを歌うと言うもの。ブレンダン君は、以下の2曲をソロで演奏

Franz Schubert:Sonata "Arpeggione" in A minor, D 821
Gaspar Cassado:Requiebros

そして、韓国の民謡を一曲、I Masteriと合奏しました。久しぶりに聴いたブレンダン君は、背が高くなって、演奏も背丈に勝るとも劣らぬ成長ぶりで素晴らしかったです。

I Masteriの演奏特にソリストの方々はとても良かったです。ウィーンでは、韓国出身のオペラ歌手が主役・準主役でよく歌っていますが、このコンサート聴いて、韓国における声楽のレベルの高さ、底辺広さを感じました。ただ、ブラームス・ザールは小さいホールで、そこで60人ちかい男声合唱団が歌うのはかなり音圧で、曲間には耳鳴りを感じました(苦笑)。

本ブログのブレンダン君の関連記事:http://isakusphere.blogspot.co.at/search?q=brendan

2017年10月21日土曜日

プリアンプのB+電源の整流管(6X5)から出川式電源整流素子に交換


クロック導入して音源ソースの音質が上がったので、システムの全体のポテンシャルも上がったようで、色々と試しています。 2週間ほど前になりますが、プリアンプのB+電源の整流を整流管(6X5)から出川式電源整流素子に交換しました。一年半ほどまえにパワーアンプのB+電源の整流を出川式にして以来(こちら)、プリアンプも替えたいと思っていました。いままで色々と出川式パーツを入れてきましたが、今回も同様の音質の向上で満足しています。

とくに良くなったのが低域の質感。ピアノ、弦楽器(チェロやベース)、打楽器の低い音がよりリアルに実在感を持って聴こえるようになりました。もうひとつの向上は音場感。より奥行きを感じられるようになりました。

本ブログの出川式電源パーツ導入に関する記事はこちら:http://isakusphere.blogspot.co.at/search/label/出川式電源

A&R Lab (出川式電源部品製造発売元): http://www7b.biglobe.ne.jp/~degawa/index.htm

僕はいつもここから出川式電源パーツを購入してます: http://www.practsoundsystem.com 

2017年10月19日木曜日

Joshua Bell + Lahav Shani + Wiener Symphoniker Concert & We're X premier with YOSHIKI ・ ラハフ・シャニ指揮ウィーン交響楽団、ジョシュア・ベルコンサートとX Japan, の 『We'reX』ウィーン・プレミア


10月15日 日曜日は音楽的にとても充実した一日でした。午前中~午後にかけては、幼年の頃からピアノをやって、ジュリアード音楽院の指揮科で学ぶも進路を変更して物理博士となった同僚から電話で、奥さんがいけなくなったから、と誘われてラハフ・シャニ指揮ウィーン交響楽団のマチネコンサート。ソリストはジョシュア・ベル。会場はコンツェルトハウス大ホール。 プログラムは以下の通り:

Sergej Prokofiev: Symphony No. 1 in D major op. 25 «Symphonie classique» (1916-1917)
Jean Sibelius:Concerto for Violin and Orchestra in D minor op. 47 (1903-1904 / 1905)
Wolfgang Amadeus Mozart:Symphony in G minor K 550 (1788)

シャニは弱冠28歳の新進気鋭のイスラエル人指揮者(詳しくはこちらこちら)。今シーズンのウィーン交響楽団の首席客員指揮者で来シーズンからロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に任命されることが決まっています。

ウィーン交響楽団は、シャニのもと気合の入った素晴らしいい演奏でした。でも、このコンサートの白眉はジョシュア・ベル。シベリウスのバイオリン協奏曲のソロは凄かった。我が家は彼のファンで何度もコンサートに行きましたが、いままで聴いた彼の演奏では一番インパクトを受けたものでした。

休憩時間のサイン会でファンと歓談するジョシュア・ベル

この日の夜は、X Japanの映画 『We're X』のウィーン プレミア。YOSHIKIも来て彼との質疑応答があるというので、暫く前に切符を買って楽しみにしていました。



会場はウィーンの旧市街にあるGartenbaukino。ウィーンで唯一マルチプレックス化されていない映画館。巨大なスクリーンのある736座席の上映ホールが一つだけの場所です。1960年に出来たほぼそのまんまの状態が保たれており、それを見るだけでも行く価値のあるところだと思います。

ローリング・ストーンズのドキュメンタリー映画『Stones in Exile』のスティーヴン・キジャック監督による『We're X』は、よく出来ており、ロック・ドキュメンタリーとしてX Japanのファンでなくても多くのロックファンにアピールする思える良い映画だと思います。お薦めです。


上映後の質疑応答で質問した殆どの若者たちが、いかにX Japanの音楽が辛かった境遇から自分を救ってくれたかということを真摯に語り感謝の意を表すことからはじまったことと、YOSHIKIさんの人間性溢れる穏やかで優しい受け答えにとても感銘を受けました。僕が小さかった頃、両親が『…〇〇さんは、善い人だねきっと苦労されたんだね…』とよく言っていたことを思い出しました。僕もすっかり、YOSHIKIのファンになってしまいました。


イベント終了後、思い思いにX Japanの歌を口ずさみながら満足そうに帰途につく若者たちに心が温まり、日本人として、とても嬉しく誇らしい気持ちにさせられました。


2017年10月16日月曜日

オーストリア下院選挙 2017

投票日前日(10月14日土曜日)の街頭演説を行っているNEO党(中道左派)

ウィーンは、先週半ばから、日中20度をこえる春のような陽気です

昨日(10月15日 日曜日)オーストリアの下院選挙が行われました。速報によると、いけ面でカリスマ的人気の弱冠31歳のクルツ党首のもと、反難民を政策前面に打ち出し、より右寄りになった国民党(OVP)が一位、第二次世界大戦以降、OVPと共にオーストリア二大政党のひとつであった社会民主党(SPO)が2位、ネオナチと関連があるといわれている極右の自由党(FPO)が3位との結果でした。ちなみに、国民議会の選挙は比例代表制で政党に投票します。

この選挙、右傾化したOVPとSPOとの仲違いによって前倒しになったとのいきさつがあることもあり、OVPはFPOと連立し政権を組むと言われています。欧米に台頭しているポピュリズムの波は衰えず、勢いがより大きく確実なものになってきているような気がします。懸念する歴史的トレンドに抗えずに呑み込まれていくことに無力感を感じざるを得ません。

本件に関する日経の記事:




本ブログの関連記事:





2017年10月10日火曜日

Audio Design Reading 社 SyncroGenius HD Pro+ を導入 




9月の初めから、我が家のシステムの外付けクロック・ジェネレーターを導入しました。5週間ほどちょっとたって、機器も落ち着いてきたようだし、僕の感想などもまとまってきたのでこのブログの記事を書きました。

いきさつ
去年暮れに急に辞めるといって退職した元上司は僕に負けずとも劣らぬ音楽愛好家で、オーディオ・ファイルでもありました。クラシック音楽、とくにバロックに関しては博学で色々と教えてもらいましたが、オーディオに関しては僕のほうが良く知っていたので機器購入の相談にのったりしていました。その上司が退職するにあたり、オーディオ・システムを一新、Tannoy のTurnberry、Pass Labのアンプ、そして、Schiit  AudioのYGGDRASIL DACを購入。それを聴かせてもらって以来、我が家のシステム、とくにデジタル再生に不満ができてどうにかできないものかと考えていました。いっそのこと、僕もYGGDRASILを買おうか?なんて思ったりしていました。

そんな中、今年五月に帰省した折にオーディオの大先輩である大阪の友人と会った際にクロックの話になって、イギリスのAudio Design Reading(オーディオ・デザイン・レディング)社のSyncroGenius (シンクロ・ジニアス)のことを教えてもらいました。ウィーンに戻り、色々と調べて、考えた結果、導入することにしました。

デジタル音源再生においてクロックの有無を聴き比べたことは2回ほどしかなく、我が家のシステムで試したわけではなく、もう十年ちかくまえのことなのでクロックを入れると音はどうなるのか? なんて全く憶えていませんし、何を期待して良いのかもわかりませんでした。事前に、取り扱い説明書をダウンロードして読んだのですが、業務用の機器であるので音源、映像編集のプロが使うということを前提に書かれており、あまりにも簡潔でその知識も経験も無い僕にはチンプンカンプン。英語にtake a leap of faithという言い回しがありますがまさにそんな感じでした。

オーストリアには代理店が無かったので、同社に問い合わせたら、在庫切れで、次のロットの生産が部品の納品待ちで遅れているとのこと。高精度10MHz恒温槽付水晶発振器へのアップグレードも依頼。前述の大阪の友人がクロックケーブルを送ってくれたので準備万端で待つこと数週間、8月末にようやく我が家に届きました。


Audio Design Reading 社に関して
1960年代半ばに主に録音スタジオ用機器を作る専業メーカーとして設立。当初の社名はAudio Design (Recording) 。70年代にはコンプレッサー・リミターの名機といわれるCompex F760X RS、SCAMPなどのプロセッサー機器で揺るがぬ地位を築いた会社。録音のデジタル化が進んだ80年代初頭には民生用のソニーのデジタル・レコーダーをベースにプロ用に改良した機器やコンパクト・デジタル・ミキシング・コンソールなどを開発したようです。その後の詳しい沿革は不明ですが、徐々に放送局用の機器の開発・製造、それら機器および関連ITシステムの導入・設置のコンサルティングに業務をシフトし、その過程で社目をAudio Design Reading に変更し現在に至っています(ちなみにReadingは同社所在地名)。

写真左端のスイッチでクロックレートを選択

SyncroGenius HD Pro+ に関して
日本の輸入代理店のサイトに、『全てのポストプロダクション、スタジオ、そして放送業界にとってまさにジーニアス=守護神となる、 ビデオ/デジタルオーディオのシンクを司るクロックジェネレーター』と書かれているように、映像・音声といった異なるデジタル信号を編集などの過程で同期させることに使うのが主たる機能の機器です。同期信号を発生させる機器でもあるので、当然、デジタル・オーディオのマスター・クロック・ジェネレーターとしても使えるわけです。機器本来の機能のごくわずかな部分しか使わないのでちょっと勿体無いきもするのですが、ぼくが調べた限り市場に出でいるクロック・ジェネレーターの多くは映像対応で同様な機能を持っているようでした。

この分野のことは全くの素人なので十分な説明はできませんが、以前次女のバイオリン教室のコンサートをボランティアで録画をしていたプロの映像技師で父兄の方の話を思い出しました。その際、マイク・録音機器はステージ近くに設置し、映像は2階バルコニーから撮っていました。コンサート後のリレプションでどうやって映像と音声を合わせるのか聞いたら、あとでクロックジェネレータを使ってシンクさせるんだよと説明してくれました。デジタル・オーディオにおけるクロックの位置づけのことは読んだり・聞いたりしてなんとなく知っていたので、概念的になんとなく判ったような気になって聞いていたのです。

SycroGeniusの現行機にはHD ProとHD Pro+(Broadcast Pack付きとも呼ばれる)があり、Pro+モデルは電源が二重化され、内蔵リファレンス・オシレーターが、高精度10MHz恒温槽付水晶発振器(OCXO) にアップグレードされています。仕様書によると、このOCXOの周波数誤差は:<0.7ppm(1年後) <4ppm(10年後), 温度による周波数誤差:±0.015ppm(0~60度)となっています。 

音の変化
導入後5週間ほどして思ったのは、クロックによる音の変化・向上は、僕が今までオーディオで色々とアップグレードしたりしてきて感じてきた変化とは違う次元・軸上にあるような気がするということです。したがって、どのように音が変わったかを書くに際し、クロックの是非について誤解を招くといけないと考えたので、まず結論を先に書きます。

いまの感想を一言で表すなら、「クロックを入れないデジタルオーディオなんて…」という言葉が頭に浮かびます。一昔前、「クリープを入れないコーヒーなんて…」というコマーシャルがありましたよね、そのイメージです。 もう少し具体的に言うと以下の通り:

  1. 我が家のシステムにとってクロックの一番の効果は、音がよりリアルになってきたという事だと思います。ここで言う『リアル』とはより録音された元の音に近いのではないかということです。これはクラシックやジャズのライブ録音で顕著に感じました。ロックやポップスのスタジオ録音に関しては、よりマスタリング技師が聴いて作り上げた音に近いのではないかと感じました。
  2. 定位がより明確になり、ハッキリと聞き分けられる音像感、音場感の向上。
  3. 今まであまりハッキリ聴こえなかったレコーディングの音のニューアンスが聞き取りやすなった。
  4. 全体的に見通がよくなった。
8月末にSyncroGenius HD Pro+が我が家に届き、どんな凄い音になるだろうかとの期待でわくわくしながら、セットアップ、そして電源を入ました。心配とは裏腹に使い勝手がよく、迷うこともなく、すぐに音がでてきました。でも、正直いって、最初に聴いた音は、期待にそわず、あっと驚くほど顕著に違いが判るというものではありませんでした。クロックは、高精度になればなるほど安定するのに時間がかかるりとくに新品はひと月ほどかかると聞いていたので暫く聴いてみてないと気をとりなして、腰をすえて聴き込むことにしました。 

最初の数日で感じたのは、クロックを入れてから音が自然でしかもダイナミックになった、音を大きくしても煩さが殆ど感じられず、ついついボリュームを上げて聴く傾向になった、低域の質感およびインパクトがかなり上がったということでした。もっと聴いていくとこの傾向はより顕著になっていきました。

導入後2~3週間たってからいろんな音楽を聴き、クロックを入れたり、入れなかったりと聴き比べをしたりしました。差が大きいこともあれば、そんなに大きくないような気がすることもありました。一貫して感じた違いというのは、クロックが入ると音がより本物ぽくなったということです。 例えば、我が家のシステムでクロックを入れると(入れない場合に比べ)


Angela Hewittの「ゴールドベルグ変奏曲  (2015年録音盤)」のVariation 29 (トラック30):クロックを入れるとピアノの低音部分が音が団子にならないで一音一音よりはっきりと弦のうなりを伴り、ピアノの『ガツン』という感じが良くわかり、かなり生演奏に近い印象で聴こえます。 (24/96のハイレゾ音源)。


『The Roy Haynes Trio featuring Danilo Perez and John Patitucci』のSippin' At Bells(トラック7):ドラムスの音、ベースの音が、これもライブで聴くようニューアンスを持ち、強弱の幅が広いダイナミックな迫力をともなって聴こえます(CDのリッピング音源)。


大貫妙子の『ATTRACTION(アトラクシオン)』、Cosmic Moon (トラック1)、雷雨が鳴り響き、嵐が吹き荒れる感じがより現実の音のように聴こえます。(1999年版CDのリッピング音源)


Kristóf Baráti "Mozart Complete Violin Concertos"  、ホールエコーがハッキリと聴こえて、おケーストラの弦楽器が滑らかでつややかに聞こえる。きれいなハーモニーをかもしながらも一音ずつハッキリ聞き分けられる。(CDのリッピング音源、日本のアマゾンにはありませんでしたが、ライブ・レコーディングでとても音がよいCDだと思います。演奏も良い意味で現代的な解釈で僕の愛聴盤のひとつです)


おなじみNorah Jones 『Come a way with me』, Don't Know Why, Seven years (トラック1と2)。ボーカルのダイナミックレンジが大きく、声の強弱の移り変わりがハッキリとタイミングよく再生されます。歌い手がしっかりと真ん中に定位し、その後ろあるバックの配置がよりはっきりと聞きわけられます。(24/96のハイレゾ音源)


Steven Isserlis (cello) &  Robert Levin (fortepiano) のベートーベンチェロソナタ集。チェロがより前面に出てきて、低音の弦・胴鳴りがよりハッキリと迫力のある音で聴こえます。イッサリスはガット弦をつけたストラディバリを弾く事で有名なようですが、ガット弦の音の感じ、フォルテピアノの繊細さがよくわかります。(24/96ハイレゾ音源:我が家のシステムでは、チェロの力強さを表現することが一概に苦手だったのですが、このレコーディングでは別格に聴こえます。)

クロックを入れないと、入っている場合に比べて大概の場合、以下の印象を受けます:

  1. 音の拡がりがだいぶ劣る。
  2. 音が若干がさついてとげとげしく感じられる。
  3. 音量を上げると煩く感じる。
  4. アコースティック楽器の音のリアリティがだいぶ劣る。
  5. 音が若干こもった感じ、複数の音が団子になってより聞きわけにくい感じ。
  6. 写真の表現をつかいますが、定位(音像感・音場間)のピントが甘くなった感じ。

たまに、音楽聴き始めると、どうしても音がおかしく、煩く感じられたり、システムのグレードが一段階落ちたように聴こえ、どこかおかしくなったか?と思ったりすることがあったのですが、調べると必ずDACの設定を内部クロックにしてあったことを忘れていたということでした。その都度、今まで聴いていて良いなと思っていた音はなんだったんだ~と落ち込んだ気持ちになってしまいました。

ちなみに、上述のレコーディングは、我が家のシステムではとても良い音で再生できる音源で、僕としてはお薦めのものです。ジャケット写真をクリックするとアマゾンのページにリンクします、御参考まで。

むすび
クロック導入を決めるまでにネットなどでいろんなレビューを読みました。多くは、記事は外部クロックを入れるメリットは肯定してもその変化の度合いに関してはあまり大きくないというものでした。

今の時点で僕が考えることは、従来のオーディオ・ファイルの尺度からすると、クロックを入れた場合の音の変化は顕著なものではないかもしれないということです。例えば、低域が図太くなる、高域がスッと伸びたような感じになる、演奏者の息継ぎ音・うなり声などの付帯的な音がよりハッキリ聴こえるようになった云々という変化とは違う変化だと思いました。

我が家のシステムで感じたことは、前述のとおり、音がよりリアルになったということです。そして、クロックを入れた音に耳が馴染んでしまうと、無しの音は、少なくとも物足りなく感じて、場合によってはシステムが1~2グレード下がったような気がするということです。

ヨーロッパではSyncroGeniusは正規ルートから比較的リーズナブルな価格で販売されているので、クロックとしてはコストパフォーマンスが高いといわれている機器ですので、自分としては導入してとても良かったとおもっています。電源周りの変化や設置環境にわりと敏感に反応するので、使いこなしでもっと音質を詰めていけるかと考えており、末永く付き合っていこうと思っています。

ネットで調べると、いまは色々なクロックジェネレーター製品が出ており、かなりリーズナブルで購入できるのも多くなってきているので試してみる価値はあるのではないかと思います。

後日談を書きました。こちらです:http://isakusphere.blogspot.com/2018/01/bnc.html

クロックは常時通電がよいと聞いたので電源は入れっぱなし、機能盛りだくさんのSyncro Geniusはこの写真のようにLEDライトが沢山ついてます。妻には「クリスマスになってもリビングにイルミネーションはいらないんじゃない~」と揶揄られてしまいました(苦笑)

2017年9月28日木曜日

Shiela Jordan Concert / シーラ・ジョーダン・コンサート



今週のウィーンは寒さが引っ込み気持ちの良い秋の気候です。

もう1週間ほど前のことですが先週の金曜日(9月22日)は、妻と次女と3人でシーラ・ジョーダンのコンサートに行ってきました。会場はPorgy and Bess。バックは、ベースのPeter Herbert とPianoのRenato Chicco。二人ともオーストリアのジャズ・ミュージシャンです。 2年近く前に彼女のコンサートに行ってとても感動したので(こちら)、コンサートがあるとわかった時点で、是非行こうと行って、すぐにチケットを購入しました。

11月に89歳になるという彼女、全くの衰えも見せずに堂々たる歌いっぷり。ジャズ・レジェンドの貫禄たっぷりの素晴らしいコンサートでした。

今まであまりジャズボーカルには興味は無さそうであった次女ですが、コンサートの翌日、僕のハードディスクにリッピングしてあったジャズボーカルのディスクをかたっぱしからコビーしてました。大学に戻ってから聴くとのこと。こういう時は父親冥利に尽きますね。

次女は一昨日イギリスの大学に戻りました。妻と二人のエンプティー・ネスターの生活です。


2017年9月22日金曜日

ダイアナ・クラール・コンサート、Diana Krall Concert



ウィーンは、先週半ばからめっきり寒くなり、日中の気温が14度前後、雨が数日続き、昨日はちょっと晴れましたがそれ以外は曇りがち。日照時間も短くなり、暖房も入れています。

去る火曜日(9月19日)はダイアナ・クラールのコンサートに行ってきました。会場はウィーン・コンツェルトハウス 大ホール。彼女のウィーンでの人気は高いようで、二日続けてのコンサートの妻は行かなくて良いといったので僕一人です。バンドのメンバーは以下の通り:

Stuart Duncan , violin、Anthony Wilson , guitar、Robert Hurst , bass、Carrie Riggins , Drums

前に書きましたが(こちら) 僕はとくにクラールの歌・演奏が好きだという訳でなくどちらかと言うと、彼女のアルバムがなぜこんなに売れているのか判らないと思うことのほうが多かったのですが、最新の「Turn Up the Quiet」をとても気に入っていて、ヘヴィー・ロテーション盤となっているので、ニュー・アルバム・ツアーのポスターを早速チケットを買ったのが2ヶ月ほど前のことです。

コンサートはとても良かったです。とくに、いわゆるジャズのスタンダードの曲がいいと思いました。バークリー音楽大学を奨学生として卒業したクラールのバックグラウンドはジャズだからなのか? 単に僕がジャズを好きだからなのかは判りません。Tom Waitsの
「Temptation」や Joni Mitchellの「A case of you」なども歌ったのですが僕にとってはインパクトが少なかったです。でもアンコールで歌ったThe Bandの「Ophelia」は良かったな。

売れている著名なアーチストのコンサートに行っていつも感じるのはバンドのレベルの高さです。クラールも例外でなく、バンドのソロ、とくにギターとバイオリンの掛け合い、ドラムとベースの掛け合いなどは名演で、そういう観点からもとても楽しめました。

座った席は、ステージ真横のバルコニー。ちょうど、ピアノに向かうダイアナの真正面で目があったような気がしてゾクゾクとするようなヴィジュアル的には最高の場所でしたがなんと、PAスピーカーの後ろで音響的には最悪の場所だったのがちと残念でした。 

クラールのオフィシャルHP: http://www.dianakrall.com/ 「Video 」のタブをクリックすると「Turn Up the Quiet」挿入曲の動画が見れます (こちら):

コンサートでの演奏はこんな感じでした (バンドは上記のメンバーです):










2017年9月15日金曜日

クリスティアン・ティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 コンサート・Christian Thielemann Conducts Sächsische Staatskapelle Dresden at Musikverein


今シーズン初コンサートはクリスティアン・ティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団でした。先週末(9月9日土曜日)のこと。妻は次女と一時帰国中、長女はすでにオランダで新学年が始まっているので、僕一人で行ってきました。会場は楽友協会大ホール、プログラムは以下の通り:

Felix Mendelssohn Bartholdy: Overture "The Hebrides", op. 26
Max Bruch:Concerto for Violin and Orchestra in G minor, op. 26
Johannes Brahms: Symphony No. 2 in D major, op. 73

ソリストはNikolaj Znaider (ニコライ・ズナイダー)

数年前、著名な音楽学者の方にお目にかかった際、曲の演奏・解釈は口授で引き継がれて、それが伝統になっているというお話をされて、ティーレマンは現役の指揮者の中では数少ないウィーンの伝統を引き継いでいる指揮者だから是非聴きに行った方が良いと伺ったことがありました。以来、聴きたいと思いつつも日程があわず、ようやくその希望がかないました。

そんな事もあってとても期待して行った演奏ですが、まず感じたのはテンポの幅がとくに大きい。速度記号で速くと指示されている部分ではこれでもかといったように飛ばしているといことでした。とにかくブルッフではソリストもガンガン飛ばしてオケが必死でついって行っているという印象。ゆったりとした部分では感情のこもったロマンチックな感じでしたが...。後半のブラームスもそんな感じ。ブルッフもブラームスも好きな曲でいろんなレコードを持っているし、ライブで何度も聴いたことがある曲なのですが、今回の演奏は僕が色々と聴いてきた結果、持っている曲のイメージとはだいぶ違うものでした。好きか?と言われると、わからないというのが正直な答えです。でも一度ティーレマンが指揮するウィーン・フィルを聴いてみたいです。

ティーレマンはウィーンでは大人気のようで、オーケストラが退場してからも、何度も何度もカーテンコール(カーテンはないのですが)に応えて出てきておじきをしていました。僕は7度目まではいましたけど、ちょうど見に来ていた友達にバッタリあって、一杯飲みにいこうということになってコンサート・ホールを後にしました。

ちなみにニコライ・ズナイダーのアンコールは、バッハ無伴奏ソナタBWV 1003 - 3rd movement (Andante)。これも割と個性的な演奏だったと思いました。


2017年9月8日金曜日

Supra (スープラ)電源ケーブル - LoRad 3x2.5 SPC (Silver Plated Copper) - 続きを付記 (9月11日)



今年5月に「Supra Cables」のブランドのスウェーデンのケーブル・メーカー、Jenving Technology AB CAT 8 LAN ケーブルを買った際に(こちら)見つけて一緒に買った同社の電源ケーブル  LoRad 3x2.5 SPC (Silver Plated Copper) 。 創立40周年記念商品
で初期ロットのみの限定生産とのこと。欧米での同社の電源ケーブルの評判はとても良いので試してみようと思って買ったのですが忙しさにかまけてほってあって、2週間ほど前からようやく試用開始。

Supraのベストセラー電源ケーブルにLoRad 3x2.5Mk.II というのがあります。これは2.5mmの錫メッキ純銅線3本を半導電性のナイロン・カーボン繊維でシールドしたケーブル。欧米のオーディオ誌で高い評価を得ているのみならず、スウェーデン空軍のジェット戦闘機(JAS)、ヨーロッパの各地の主要航空管塔、病院など人命を預かるところへの導入実績がある信頼のおける優れものです。40周年バージョンは、このLoRad 3x2.5Mk.IIと同じ構造の電源ケーブルを銀メッキ純銅線を使って製造したものです、値段は通常品に比べておよそ3割増し。

端子が付いていない切り売りの物を買ったので、引き出しに眠っていたフルテックのFI-11M (G) とFI-11(Cu)を取り付けて、Weiss DAC2 につないで試聴しています。 ちなみに今まで使っていたのはVH Audio のスタークワッドケーブル(こちら)で作った自作品。水撒きホースの太さでガチガチに硬いケーブルです。プラグは同じくフルテックのFI-11M (G) とFI-11(Cu)のペア。

LoRad 3x2.5 SPC Jenving Technology AB HP より引用 
http://www.jenving.com/products/view/lorad-3x2.5-spc-grey-b50-3004000042

つないですぐに音だしすると、今まで聴いていた音とはハッキリと異なる音。電源ケーブルの違いは大きい!今更ながらびっくり。 でも、バランスが高域よりで低域のインパクトに欠けちょっと煩い感じなので、暫く通電して様子を見ることにしました。

3日ほどで音が落ち着きよい具合になってきたのでじっくりと試聴しました。情報量が増えて、今まで聴こえ無かったが音が聴こえきた音源もいくつか出てきました。もう7年ほど使ってきたWeiss DAC2 は詰められる所は詰めたと思ってきただけあって、電源をケーブルを変えただけでさらにここまで変わるとは夢にも思っていませんでした。煩さもなくなり、低域もVHケーブに比べると量感が若干落ちる気がするものの質感はあがった感じです。帰省している、イギリスの大学の電子工学部でMusic Technologyを学ぶ次女にも聴いてもらってこの違いが気のせいでない事を確認。次女は電源ケーブルを変えただけで何でこんなに音が変わるかということが不可解でならない様子。

こうなってくると、もっと良くなるのではないかと思い、プラグを替えるともっと良くなる?なんていろんなアイディア頭の中を走り回ります。で、思いついたのが今流行り(?)のファイメット・コアを使ってみること。VHケーブルとSupraの違いはシールドの有無だったので、ノイズ対策が効いたのかと考えたのです。で、早速以下の写真のようにIECコネクター側にファイメット・コアを挿入。とくに苦労も無くすんなりとできました。


これも、大正解! 若干ではありますが確実に情報量が上がりました。アコースティック楽器の質感がよりハッキリを聴こえてくる感じです。 

続きです(9月11日):

LoRad 3x2.5 SPCケーブルもAC端子も予備があったので、電源ケーブルをもう一本作ってプリアンプで試してみました。最初は、「ん?」音の傾向が違う、音が悪くなった感じがして、一日通電しても変化が無かったので、元のVH Audioの戻すと、こちらのほうが良い音。 適材適所かと思い、抜いたLoRad 電源ケーブルを見ると、なんと、端子の取り付けが印刷されている矢印と逆になっているではないですか? 

疲れているのかな(実際にとても忙しかったので)とちょっと落ち込んでしまいました。 電源ケーブルの方向性だけでそんなに変わるものなのか?と懐疑的な気持ちを持ちつつも、思い直して端子を付け替えて再挑戦。こういうときにはLoRad 3x2.5 SPCのようにほど良い太さで、柔らかいケーブルとFurutecの用に取り付け勝手がよい端子のありがたさが身にしみます。 

そして、音だしすると、「おお~」まずその音のよさに感心して、電源ケーブルでも方向性でこれだけ音が変わるのかと驚きました。今まで聴こえなかった音、楽器の質感、音場の空気感がより聴き取り易くなりました。

DACとプリアンプの電源ケーブルをかえてから2週間ほどたって、念のためにVHケーブルと付け替えてみると、今のシステムと今の自分にとってはLoRad 3x2.5 SPCのほうがだいぶ好ましいことが認識できました。LoRad 3x2.5 SPC と 通常バージョンを追加注文したのでパワーアンプ、フォノイコでもためし、通常バージョンと40周年記念バージョンの違いも追々試してみたいと思っています。

不思議ですね、もう詰めきったかと思っても意外なとこからブレークスルーが得られるのですね、これだからはオーディオは辞められません。

Jenving Technology AB サイトLoRad 3x2.5 SPCのページ :

Supraケーブルの日本の輸入元:http://www.saec-com.co.jp/product/index.html
 (安全基準の関係なのかSupra電源ケーブルは扱っていないようですね)

いまはポンド安・ユーロ高なので、ぼくはこのWebshopから購入:




2017年9月4日月曜日

Edward Burtynsky 写真展


8月後半は、来客が多く、長女が大学に戻ったりと気忙しくて更新が怠っていました。ウィーンはもうだいぶ涼しくなりすっかり秋の始まりといった感じです。

さて、もう2週間ほど前のことなのですが家族でEdward Burtynsky (エドワード・バーティンスキー)の写真展をThe KunstHausWien (クンストハウス・ウィーン)で観てきました。

人が自然に及ぼした影響を主題にいくつかの大きなプロジェクトを成しえたカナダの写真家バーディンスキー氏の今回の対象は水。氏のサイトでイメージの概要が見れますが(こちら)、高い社会性、問題意識を単なるドキュメントではなく、類稀な素晴らしいファイン・アートに昇華させてみる人を魅惑すると共に、その美しさの背景を知ることにより強い危機感を植えつけるとてもパワフルな作品たちでした。

中判・超高解像度センサーを取り入れたハッセルブラッドのデジタルカメラで撮影し、大きく引き伸ばされた写真の緻密さも凄かったです。どこかで見に行く機会があれば是非ご覧ください。