一時帰国の際に買って、読んで面白かった本。僕は、本を読むことが大好きですが、主に娯楽としての読書なのでフィクションが多く、いわゆるエンタテーメント物もよく読みます。これらは、上の四冊はこの夏、帰国した際に買って読んで面白かった本。
最近は両親のこともあって一年に2回ほど帰国していますが、それでも海外に長く住んでいると、無性に面白い和書が読みたくなるのですが、あまり情報が無いので、いざ帰国し本屋にいってもいったい何を買って読みたいのかまったくわからないといった状況に陥ります。 そういうときに頼るのが、何とか賞受賞という表示。
この
宮下奈都の「羊と鋼の森」も2016年本屋大賞 大賞受賞作とあったので手に取ったもの。アマゾンを見ると評価は分かれているようですが、僕はとても面白く読みました。ピアノ、調律師という設定の後ろにある、一人の少年がある偶然のきっかけを境に様々な過去をもつ多くの暖かい人々に支えれて、迷いながら、疑問を抱きながら自らの人生を見つけていくというストリーそれが他の登場人物の同様なサブ・ブロットと重なり、交わり、進んでいく物語。淡々と静かに黙々と語られる文章と相成って秀作となったと思いました。強いて言えば、ちょっと急いだような本の終わりが僕にとっては残念。もしかすると作者はもっと長いものを書きたかったのかな?とも思ってしまいました。
伊坂 幸太郎 「死神の精度 」は短編・連作という形のほんで、一気に読み切るというより、一作づつじっくりと味わう形で読ませられた本だったと思います。ストイックでちょっとシニカルな主人公の周りで繰り広げられる人間くさいドラマとのコントラストが面白い上に、よく書かれた、うまいストーリー・テリングの本だと思いました。エンディングもよかった。うまく翻訳すれば欧米で受けるのでは?と思いながら読み、後で調べたらフランス語訳が出ていました。
宮部 みゆき「ペテロの葬列 」は、「誰か」、「名も無き毒」に続く「杉村三郎シリーズ」の第3弾。前2作が面白く、文庫版で発売されていたので購入。アマゾンなどのレビューでも書かれているようにシリーズ・物語の流れからは想像し得ない、意外で悲しい結末はちょっとショックで尾を引き、読後の爽快さは無かったのですが、読んでいる間は面白かった。第4弾の「希望荘」も買って読みました。これはこれで面白い本で、今後のこのシーリーズの方向性が見えてくるものでしたが、ちょっと中継ぎ的かな?僕としては次の長編に期待したいです。ちなみに、第3弾まだ読んでいないのであれば、アマゾンで「希望荘」のページを観ないでくださいね、ネタバレです。知らないほうが「ペテロの葬列」の読みがいがあると思います。