2018年1月26日金曜日

クロック導入後日談ーBNCターミネーター

出典:https://www.thomann.de
先日、クロックの導入に関する記事を書きました(こちら)、読んでいただいた方はお気づきになられたかもしれませんが、その結果に関して、ちょっと踏ん切りがつかない思いもありました。もっと大きな変化があるはずだという気持ちがぬぐえなかったのです。

で、12月に帰省した際に、オーディオで知り合った友人に相談すると、どうもBNCチェーンの入口・出口に抵抗値の入ったターミネーター(上の写真)をつけると良いらしいとの事。でデジタルオーディオの大先輩からそれを一個頂き、ウィーンに戻ってきました。高周波の信号の反射を抑えるには、信号経路のインピーダンスを整えることが大切らしいと教わりました。

家に帰ってよく見ると、このターミネーター見覚えがある。あ、そうだ、クロックと一緒に一個ついてきていたと思い出し、念のためとをマニュアルを読み返しました。こんな複雑で多機能の機械だとたいそうなマニュアルかと想像される方もいるかもしれませんが、表紙、裏表紙、仕様スペック、保証、安全の注意などのページを入れてもたったの11ページ。業務用の機器なので使い方は知っていると言う前提のようです。読んでいくと、4ページの下のVideo Loop through という箇所に、この入力端子と使用しないときにはターミネーターを差し込んでおくべきと書いてありました。でも、入れないとどうなるとは、書いていません。

とにかく、まずはここにと思って、Thru と表示のあるBNC端子に差し込んで聴いてみると、まるで魔法をかけたように音が激変! その後、AC周りをちょっと変えると、これでまた、音がだいぶ変わりました。 気のせいか?と思い、最近オーディオのテスト試聴用に良く使っている、Diana Krallの『Turn Up the Quiet』のハイレゾ版(24/192)でクロック注入と無しとをききくらべ、同じ演奏というのに、全く別のレコーディングあるいは全く異なる機器で再生しているのか?と思えるぐらい音が変わりました。念の為にと帰省中の次女にも聴いてもらいました。まずは、クロック無し、『これは結構いい音だね~』で クロックを入れて同じ曲をかけると、娘はプッと噴出して、へへへと笑い声が(本当の話です)『何でこんなに違うの~』、マジに笑ってしまうぐらい変わるのです。3歳からバイオリンを弾いていた次女は、現在英国ヨーク大学電子工学部のMusicTechnology科の2年生なので、サンプルレート、クロック等といったある程度の知識としてはもっていたようなのですが、こんなに音が変わるとは想像もつかなかったようです。

その後、いろいろと聴き比べ、レコーディングにより、差がより大きなものとそうでないのがある、音は大きく変わるが、どちらが好きかと聞かれると、それぞれに良いところがあると思われるのも結構ある、ということがわかってきました。娘とは、『どうしてこんなに音が変わるのかは良くわからないけど、クロックは大切なんだね~』ということがとりあえずの結論。これで、クロックに関しても興味をもってくれるようになると思います。

一箇所でこんなに変わるのだからと、他の入力端子にも使ってみようと、BNCターミネーターの追加を買おうと探してみると、RFシールドがされた物もあったのでそちらを取り寄せてみました、(下の写真)。気のせいかより良い感じもするのですが、上述したような驚く変化はありませんでした。

出典:https://www.thomann.de

Audio Design Reading 社 SyncroGenius HDはヨーロッパではどちらかと言うとリーズナブルな価格設定なので我が家でも導入できたのですが、それでも自分にとっては大きな投資であったので、やっとこれで元も取れてそれ以上の効果が得られた!という嬉しい気持ちになることができました。

いや~、無知であったことは恐ろしいというか、恥ずかしいいと言うか…。教えて頂いた友人たちには大感謝です。今更ですが、説明書はちゃんと読んで、書かれたとおりにするものですね。

上の写真のRFシールドされたBNCターミネーターはドイツDagmar &Hagen社のもの。商品番号は1-8566-13120-1。75オームです、

ここから買えます:
https://www.thomann.de/gb/damar_hagen_1_8566_13120_1.htm?ref=search_rslt_BNC+terminator+75+ohm_412152_1 


2018年1月20日土曜日

スピーカー・ケーブル 試聴



少し前のことですが、スウェーデンのケーブルメーカーSupra の スピーカー・ケーブルが気になって、ショップで借りてきて試してみました。店員さんが、効き比べるといいよと他に2本貸してくれて、今使っているケーブルとそれまで使っていたものを含め以下の5種を試聴してみました。

Supra Sword (写真 左上)ーー>日本ではSword M6として売られているようです(こちら
Vertere Pulse X - mini(写真 右上)
Black Rhodium Encore(写真 中央右)
前使っていたBlack Rhodium Samba (写真下、こちら
そして写真には写っていませんが、今使っているDuelund社のDCA-16 awgワイヤーで作ったケーブル(こちら)です。 ちなみにこのリストは高い方から価格順になっています。

スピーカー・ケーブルの選択は、それぞれの良し悪しというよりは機器との相性と聴き手の好みのほうが大きく影響すると経験上感じてきているので、ひとつの目安としてこの記事を読んで頂ければ幸いです。前書いたこととちょっと違ってきてる点もありますが我が家のシステムも大分成長した(?)と思われるので、その旨御理解いただけれ幸いです

これらのケーブルで、おそらく多くの人が良いと感じるのはSupra Sword だと思います。全帯域にわたり、強調感のないバランスがとれた、高解像、ストレートで癖の無いトランスペアレントなケーブルだと思いました。自分の好みからするともうちょっと温もり感が聴こえれば最高であったのですが、『良かったら買いたいかも』と思っていたので散財に至らなくて結果的にはホッとしました。

相対的に一番好みであったのは、Duelund社のDCA-16 awg。解像度はSwordより落ち、低域、とくにクラシックのドラマチックなピアノソナタではSwordにくらべるとやや力強さにかけ団子状態で聴こえるレコーディングもあるものの、我が家のシステムでは温かみとHiFi度がちょうど良いバランスで均衡していると思われました。

Vertere Pulse X - miniはRoksanの創業者でCEOであった、Touraj Moghaddam 氏が興したハイエンドブランドのエントリーレベルの商品。それでも自分がいままで買ったどのスピーカーケーブルより高額。タンノイのターンベリーとパスラボのアンプを使っていた、前の上司がこのケーブル使っていて良い音がしていたのですが、我が家のシステムとの相性は残念ながら良くありませんでした。

Black Rhodium Encoreは、前に使っていたSambaの上位モデルなのですが、これも残念なが相性が悪く、落ち着いた良い音ではあったのですが、我が家のシステムではゆったり感がだいぶ勝りスピード感がなく、英米のオーディオ誌が言うところのPRaT (Pace, Rhythm and Timing) と言うのは何かが判る、反面教師のようでした。(あくまでも我が家の機材との相性の問題だと思われますので誤解のなきようお願いします。)

DCA-16 awgを導入するまで使っていたBlack Rhodium Sambaは、似たようなケーブルでありながらEncoreとはだいぶ異なる音でシステムを鳴らしました。好みの方向ではあるのですが、DCA-16 awgのほうが解像度と音楽性の高い音に聞こえました。

結果としてDCA-16 awgを使い続けるということにしたのですが、他を聞いてしまうとこのケーブルの至らぬところも良く判り、悩みも出てきました。  <つづく>


Supra社ケーブル各種に関する当ブログの記事はこちら:http://isakusphere.blogspot.co.at/search?q=supra


2018年1月15日月曜日

グスターボ・デュダメル指揮ウィーン・フィル コンサート



ウィーンはようやく寒くなってきて、週末から氷点下で昨日は雪でした。

さて、先週の木曜日 1月11日に妻と次女と3人でグスターボ・デュダメル指揮ウィーン・フィルのコンサートに行ってきました。会場は楽友協会大ホール。プログラムは、マーラー10番第一楽章「アダージョ」とベルリオーズの幻想交響曲。このブログを読んでいただいている方はご存知かと思いますが、我が家は一家そろってグスターボの大ファン。長女は年明けに早々とオランダの大学に戻ったのですが、次女は、このコンサートのためにイギリスの大学に戻る日を1日遅らせて、空港から直接講義に行くだという入れ込み様。

いつも通りの素晴らしい演奏でした。マーラーは金管が特にすばらしく、ウィーン・フィルのようなトップクラスのオーケストラでなければあのような演奏はできないであろうと思いました。ベルリオーズは気のせいか、出だしがちょっとだけ危ういような感じ、でも第3楽章あたりからは完璧な演奏で第4、第5楽章は演奏、音響ともに圧巻でした。あのようは音はライブで無いと聴けませんね。


先日、出勤途中に通ったグラーベン通りではクリスマス・イルミネーションの片付けが行われていました。娘たちもそれぞれ大学に戻り、妻と二人、エンプティーネスターの生活に戻ります。

2018年1月6日土曜日

JSPC Audio Accessories システムエンハンサー SE1-USB とシステムエンハンサー専用USBケーブル UOC-SE




こちらでは1月2日から通常に営業日で、わが組織のオフィスも開いているので二日から出勤、クリスマスマーケットが跡形も無く片付けられて、こころもち人通りもへった、街を通り、まだ休暇から戻っていない職員のおおい、静からオフィスに行くとちと寂し感じがします。でも、スポーツ/フィットネス・クラブだけは、新年の決意をしたらしき大勢の人たちでとてもにぎわっていました。

今週のウィーンは季節はずれの暖かさで、昨日は12度まで気温が上がり、なんか、気分が乗ってきません…。

さて、上の写真は、先月帰省した折に買ってきたJSPC Audio Accessories システムエンハンサー SE1-USB です。 音楽再生用に使っているMac MiniのLANケーブルをテレガートナー端子付きのSUPRA CAT8に替えてから(こちら)、どうしてもストリーミング音源の方が、外付けHDD/SSD音源よりいい音に聴こえてくるので、どうしたものかと悩んでいたので、試してみることにした次第。一緒にシステムエンハンサー専用USBケーブル UOC-SEも購入しました。

「高機能なものをお求めやすく」という社是を掲げているだけあって、JSPC Audioのアクセサリーは、これだったらいいかな思うリーズナブルな価格設定。実際に届いた製品は、がっしりと重たく、文句なしの仕上げ、これだけでも価格以上のクオリティーが感じられます。

ウィーンに戻り、我が家のステレオをしばらく音楽をかけてならしたのち、SE1-USBをMacMiniにつないでみました。すると、しょっぱなからはっきりとわかる音質の向上にビックリ!音がよりスッキリと自然な感じで、低域のいわゆるマッシブ感が格段に向上、ピアノや交響曲の再生がよくなりました。低域に関して特筆すべきは、MacMiniを通して観るストーリミングの映画のlow-frequency effects (LFE) 効果が抜群に良くなったこと。我が家では、ステレオ(2ch)のメインシステムを動画再生にも使っていますが、今までにない迫力で、まるでLFE用サブウーハーを使っているような感じが出るようになりました。

一見音質に関係のなさそうな箇所でも、こんなに音質向上に貢献するもんだと、つくづくとオーディオというのは不思議だなあと、再認識しました。

それなりに音源・機器・アクセサリーによる音の違いがはっきりとわかるオーディオシステムを持っていて、デジタル/PCオーディオの音源再生環境をある程度詰められた方にはおすすめ。とても有効なアクセサリーになると思います。


JSPC Audio Accessories のサイト:http://jspcaudio.net/index.html

オンラインショップ、システムエンハンサー SE1-USBのページ:http://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000039/


オンラインショップ、システムエンハンサー専用USBケーブル UOC-SEのページ:
http://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000049/





2018年1月2日火曜日

オペレッタ 『こうもり』


明けましておめでとうございます!

大晦日の夜は、久しぶりに揃った家族全員でヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ 『こうもり』を観てきました。会場はVolksOper。ウィーンでは年末・年始にこのオペレッタを見に行くことが恒例の行事となっているようです。監督・指揮および主なキャストは以下の通り:

監督・指揮:Gerrit Prießnitz
Gabriel von Eisenstein:Rainer Trost
Rosalinde:Ursula Pfitzner
Adele:Beate Ritter
Ida:Juliette Khalil
Dr. Falke:Marco Di Sapia
Prinz Orlofsky:Martina Mikelić
Alfred:Vincent Schirrmacher
Iwan:Mamuka Nikolaishvili
Frank:Martin Winkler
Frosch:Robert Meyer
Dr. Blind:Christian Drescher

今回の公演は、知り合いのオペラ歌手、Rainer Trostが出演するので行くことにしたのですが、とても面白く、アドリブでお笑いの台詞も多く追加されていたので、ドイツ語が堪能な娘たちにはとくに大うけで した。Trostさんは、いままではAlfredが持ち役でウィーン国立歌劇場でも良くその役で出演していましたが、年齢あった、アイゼンシュタイン男爵を初めてやるので、そういう場合は、ちょっと格下の劇場でまず演ずるのが慣例とのことでした。しかし、『こうもり』のようなドタバタでコミカルなオペラッタは、国立歌劇場のようにかしこまったところでなく、VolksOperのようにこじんまりとした肩がこらない劇場のほうがあっている感じがしました。

オペレッタ 『こうもり』にかんして:ウィキペディア