我が家では、どちらかと言うとデジタル再生の方に音質向上の努力を注いでいますが、最近はアナログ盤を聴く時間もかなり増えてきており、音質にちょっと気になるところも感じるようになりました。カートリッジは2年ほど前にDL103Rからそのスタンダード版であるDL103に替えて以来、特に大きな不満も無くすごしてきたのですが、最近、ピアノや一部の弦楽器の音にちょっと気になるところが出てきて、買い替えようか?と思い始め、どれが良いかと吟味するまでに至っていました。その前にまず昇圧トランスのインピーダンスを調整してみようと、ふと思いついて、抵抗器を3ペア購入し試してみました。
僕が使っているMC昇圧トランスは、スウェーデンのルンダール(Lundahl) トランス使用のキット (
こちら と
こちら)。同トランスアメリカ輸入代理店でもあるK&K Audioの製品です。このトランスは抵抗器を差し込むことで負荷インピーダンス(Load Impedance) を調節できるようになっています。同社のサイトにトランス毎にインピーダンス値とそれに必要な抵抗器の値の表があります(
こちら)。デンオンのDL103の説明書には負荷インピーダンス (Load Impedance) 100Ω以上とありますがトランス使用の場合は別と書かれており、ではいくらか?ということはかかれていません (
こちら)。 現状(抵抗器なし)では、負荷インピーダンスが160Ωですので、とりあえず、100,80、40Ωあたりを試してみようと思いました。
K&K Audio を主宰するケヴィンさんの話だと、聴いてみて個々のシステムで好ましいと思う音になるように調整すればよい、音質的にはシンコーかAudioNote UKのタンタル抵抗がお薦めであるとのこと。僕の経験では、シンコーのほうが音質的には好みなのですがだいぶ前に製造中止となっているので、パーツコネクションの在庫から上述の負荷インピーダンスをかけられる抵抗器値に出来るだけ近い値の15K, 30K, 56KΩを注文。
試聴には、Lilian Terry Meets Tommy Flanagan – A Dream Comes True / Soul Note – SN 1047 (
こちら) と フリードリッヒ・グルダとホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルによるベートーベンピアノ協奏曲5番「皇帝」(英デッカ初期盤)を使用。何がどう違うかと言葉で説明するのは難しいのですが、それぞれの抵抗値での音の違いはかなりハッキリ聞き分けられました。で、選んだのは56KΩの抵抗器。上述の表によれば、負荷インピーダンスを100Ωにするのに必要な抵抗器は60.4KΩとあるので、それより若干低めの値となっているはずです。
負荷インピーダンスを調整してからは、出だしに書いた、気になるところが無くなり、我が家のアナログ再生は、過去最高の音でなってくれています。 そのおかげで、今のところ、カートリッジを買い換えたいという気持ちは、収まり、失せてしまいました。
MCカートリッジと昇圧トランスの負荷インポーダンスの整合性は大切なのだということを認識させられました。