2015年11月7日土曜日

Leica Summilux / ライカ ズミルクス 50mmF1.4 追記



先日、ライカのレンズを売りに出したことを書きました(こちら)。そこで最初期型、二期型云々とかきましたが、この分類は人によって多少意見が異なる場合があるので、誤解の無いように私なりの理解と分類を述べさせていただきます。

まず写真一番左が最初期モデル。1959年から1961年の間製造販売。どちらかと言うと珍しいものだけど、人気がそれほどでもないので、相場は比較的安い。写りは柔らかくクラシックな傾向。カタログの型番はSOOME。最短撮影距離は1m。フィルター径43mm。重量325g。

左から2番目が第2期モデル。1961年から1968年の間製造販売。新設計の光学系で外見は最初期型と変わらないが中身はまったくの別物。(描写に関しては下記の第3期モデルを参照)シルバークローム仕上げ。カタログ番号は発売当初SOOMEで11 113 となる。特注でブラック・クローム仕上げもあったようでこちらの型番は11 114。ちなみに第2期型の特注ブラック・クローム・バージョンのデザインは今年になった復刻され「ライカ ズミルックスM f1.4/50mm ASPH. ブラッククローム」として発売されている。最短撮影距離は1m。フィルター径43mm。重量301g。

真ん中が第3期モデル。光学系は第2期モデルと同じ。1969年から1991年の間製造販売。ブラックのみで鏡筒ローレット加工が変更された。上記写真のように50と鏡筒に記されたのは後になってから。初期のものにはこのように記されていない。光学系が同じであるためこのモデルを第2期型のクロームモデルと同じモデルとして分類をする場合も多い。気が抜けるほど第2期モデルと同じ写り。このレンズはぼくが最初に入手したSummilux 50mmで、開放から今でも十分通用するほどシャープであるが、微妙にやさしさが加わる描写でボケも綺麗、これぞライカ・マジックであるというような気がして僕をSummilux 50mmの虜にしました。人物を撮るには最高なレンズのひとつだと思います。二人の娘たちの成長を記録するのに活躍しました。カタログ番号は初めは11 114でのちに11 113 となる。最短撮影距離は1m。フィルター径43mm。重量360g。

左から4番目が第4期モデル。レンズ構成は第2期モデルと同じだが描写は違うのでコーティングなどの変更・改善の結果によるものだと思う。1992年から2004年の間製造販売。鏡筒のデザインが大幅に変更され、フードは内蔵。発売当初はブラックのみであったが1999年からシルバーが発売された。最短撮影距離は0.7mに変更。30cmの違いはたいしたこと無いと思われるかもしれないが、至近距離で人物を撮る際に画像一杯に人物を入れられるかどうかの差につながるので、ポートレート撮影にはかなり有利な改善だと思う。写りはより現代的。特に発色が前のモデルに比べると色の彩度が高くなり、印象としては色が濃くなった感じ。コントラストもだいぶ高くなったような気がする。個人的には前述のライカ・マジックがなくなり普通の優秀なレンズの描写になったような気がして、あまり出番は無かった。カタログ番号は11 868 (ブラック)、 11 856(シルバー) 。最短撮影距離は0.7mに変更。フィルター径も46mmに変更。重量は、275g(ブラック)/380g(シルバー)。チタンカラーの限定品も発売されている。

右端が現行の第5期モデル。非球面レンズ、フローティングエレメント、特殊ガラス等を採用し技術的に最先端を行くものであったレンズ(いまもそうかもしれませんが...)。2004年から製造販売。色はブラックとシルバー。カタログ番号は11 874(ブラック)、 11 883(シルバー)。最短撮影距離は0.7m。フィルター径は46mm。重量は、335g(ブラック)/460g(シルバー)。上述した、昔ながらのブラック・クロームのデザインを周到したバージョンが2015年4月より発売された。写りは、発色、解像度など異次元のものだとでもいえる素晴らしさ。このように優秀な性能を持ちつつもガチガチなシャープさではなく綺麗なボケとライカ独特ともいえる優しさと味のある描写をする素晴らしいレンズ。35mm Summilux ASPH と並びライカ・マジック新世代を産み出せるレンズだと思います。M8を使い始めてから殆ど出番が無く(やや望遠になってしまうので)、当時M9はあまりにも高く買い換えるたくらみをする気すら起きなかったので、手放しましたが、今でもそれを後悔しています。 ライカ社HPズミルクス50mm商品案内はこちら


<参考文献・サイト>

中村真一著「新M型ライカのすべて」

http://www.kenrockwell.com/leica/50mm-f14.htm

https://www.cameraquest.com/mlenses.htm

http://www.overgaard.dk/leica_lens_compendium.html

http://www.l-camera-forum.com/leica-wiki.en/images/3/3a/Puts-2002-M-lenses.pdf

「ライカを買おう」http://leica.xxxxxxxx.jp/kaisetu_lens_m_50lens.htm

この記事を書くに際し上記サイトは、2015年10月29日~11月3日の間にアクセスしました。

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