2013年3月8日金曜日

ショパン夜想曲

先週はコンサートが重なった週でLang LangPaul Badura-Skoda、そしてウィーンで活躍する日本人演奏家の方々が集まって行った震災で活動したウィーンのボランティア機関の為のチャリティーコンサートに行って来ました。これらのコンサートで共通して演奏されたのがショパンの夜想曲20番。先週はショパンの夜想曲にご縁があったねと言って妻と2人で聴いたのが以下の2枚のCD。

Angela Hewitt Chopin Nocturnes

カナダ出身でロンドンを拠点に活躍するAngela Hewitt(アンジェラ・ヒューイット)は日本よりも欧米でのほうが評価も人気も高いピアニスト。とくに彼女が演奏するバッハは評価が高くイギリスの音楽雑誌グラモフォンなどでも多くの賞を受賞しています。僕もアルバムを数枚持っていますがその全てがよく聴く愛聴盤です。このアルバムは現時点ではHewitt唯一のショパン。夜想曲全曲のほか即興曲1~4番と幻想即興曲が収められており、夜想曲に関しては20、21番と始まり1~19番まで続くという順序になっています。僕はこれはこれで良いと思います。 Hewittの演奏は静かで穏やかで満ち足りた夜を連想される、夜想曲という言葉から受けるイメージにぴったりな演奏。初めて聞いたときは感情の抑え淡々と弾いているかのような印象を受けましたが充分にロマンティシズムが感じられ、聴けば聴くほどにHewittの内向的な思慮深さが伝わってくる演奏です。

Maria Joao Pires The Nocturnes

ポルトガル出身のMaria Joao Pires (マリア=ジョアオ ピレス)は日本でも知名度が高いので説明は不要かとおもいますが、特に彼女のモーツアルトは評価も人気も高く有名です。このショパンの夜想曲のCDも評価が高い・人気のある演奏で欧米の評論家の多くがショパン夜想曲レコーディングのトップに良く上げているものでもあります。Hewittの録音とは対象的でより表現豊かでロマンティックな演奏。抑えつつも感情的起伏もより大きく聴き応えがあります。初めて聴いたときはちょっとやりすぎかとも思ったのですが、何度か聴くうちにHewittのとは違った意味での思慮深さとピレスの内にあるのであろうと思われる表現したい何かが感じられてくるような気がします。

これらCDは2枚のとも我が家の愛聴盤です。単なる表面的なロマンティズムに溺れることなく心がこもった深みのある何度聴いても飽きがこない演奏です。2枚あることによってそれぞれの良さがよりハッキリとそしてより明らかに聴こえてくるような気がします。

尚、ピレスのショパン夜想曲CDには全曲版と抜粋版がありますのでもし購入される場合にはお気をつけください。もちろんお薦めは全曲版です。最近でた廉価版もありますが音にこだわりを持つ方にはちょっと高めですが廉価版でない発売月日が古い物の方をお薦めします。HewittのChopinはハイブリッドSACD盤もありますがこちらは廃盤のようで残念ながらプレミアムがついているようです。

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