2018年12月19日水曜日

ブリューゲルとウェス・アンダーソン



ウィーンは寒さが増し、冬らしい日々が続いています。ブログの更新が遅れ気味ですが…

繰越限度を超える有給休暇日数は出来るだけ消化すべきとの御触れがあり、先週の水曜日(12月12日)はお休みを貰って、ウィーン美術史美術館の二つの特別展を観てきました。

まずはブリューゲル特別展。ピーテル・ブリューゲル(父)没後450年を記念して
現代に保存されているこの巨匠の作品のおよそ二分の三にあたる、絵画28点、素描26点、版画33点が展示されている『歴史的規模』と評された特別展。 個人的にはめったに見ることのできないデッサンや巨匠みずから彫って刷ったという版画が白眉。作品のみならず、X線、赤外線分析などから想定されてたブリューゲルの絵画技法、そして以下の写真のようにその時代の靴や調理器具なども並べられておりとてもとても興味深いものでした。

展示作品などはこちらで観れます:https://www.bruegel2018.at/?L=1

当時の靴、絵画の中の人物が履いているのと同じ形です。


同時に開催されているのが、ウェス・アンダーソンと彼のパートナーである文筆家・デザイナーのジュマン・マアルーフによって構成されたウィーンにある美術館・博物館所蔵品の特別展。


『棺の中のトガリネズミのミイラと、そのほかの秘宝』と題されたこの展示会は、奇抜で面白く、アンダーソンの映画の世界に通ずる用に感じられるところが多くて、展示というよりはアンダーソンとマアルーフの作品だといっても差し支えないかと思いました。 

カサ・ブルータスに記事が載っているようです: https://casabrutus.com/art/92474

ちなみにこの展示は、ウィーン美術史美術館が、現代のとくに若い世代の人たちと
美術館とのつながりを創って深めるという戦略的なイベント。これ以外にも館内でモダンダンスやパフォーマンスのイベントを開いたりという、常に新たな世代を取り込もうという姿勢はとても素晴らしいものだと思います。

トガリネズミのミイラの棺

ウィーン美術史美術館の中央階段

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