僕のパワーアンプ、Audio Note Kits のKit One (300Bシングル)で今使っている出力管。一年ちょっと前に、カナダのParts Connexionのセールで購入、38%引きでした。1958年に設立の中国の大手電子部品製造会社 曙光電子がその設立50周年を記念して発売した「珍品」シリーズ 英語ではBlack Treasure (ブラック・トレジャー)シリーズのひとつ。立派な化粧箱に入っています。
上の写真のように、管内部は真っ黒にコーティングされています。高分子複合炭(HPCC)であるとのことで、これをカーボン・スート、バルブ・スートといって、電子がプレート等に捉えられずに直接バルブの内壁にぶつかり二次電子放射が発生し悪影響があるのでその放射をなくすためのものなのだそうです。 実際にアンプに挿入すると、「珍品」というロゴが後ろ向きになるので、個人的な好みとしては、良かったとおもっています(笑)。
中国製の真空管の品質は上がってきているようですが、まだ不良品も多いようで、さらには検査ではじかれた球を仕入れて売ったりしてる業者(主に中国ベースのようです)もいるようなので信頼できるショップでテスト・チェック済みの商品が安心です。
WEの復刻版を含めて、8種ほどの300Bを使ってきたのちに落ち着いていたのが曙光電子の300 B-SB (ナス型)であったので、この300B-Zは前々から試してみたいと思っていました。 結論から言うと、今まで使った中で一番好みにあった球でした。僕がこの球から受ける印象は、300Bの特徴とされる豊かでディテールに富んだ中音域を保ちつつ、高域と低域が伸びてワイドレンジとなった感じです。抜けの良い音ですが、痩せた感じはしません。全体的により中庸になった感じでレコーディングによる音の違いがよりはっきりと聴こえますが、音の悪いものでもそれなり楽します。
真空管の値段をあがってきて、特に300B は中国・東欧製でもペアで1000ドルを超えるものがざらになってきました。僕が十年ほど前にKit Oneを作ったころは、破格に高かったWE300Bの復刻版ですらペアで700ドル程度であったことを考えると隔世の感を禁じえない感じです。その中にあって、ペアで実売価格280ドル程度で買える、曙光電子300B-Zは、僕にとってはその価格を大幅に上回る音質でお値打ちものだと思います。
曙光電子 300B-Zは、カナダのPartsConnexionにまだ在庫があるようです。 (2016年4月6日現在)
参考にさせていただいたサイト: 遠い昔の ラジオ少年 H , Tube Collection HP
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