2012年8月21日火曜日

HIGA TV

去る、6月28日付けNew York Times Magazine (ニューヨークタイムスの日曜版についてくる小雑誌)に On You Tube, Amateur is the New Proという記事があった。いかにアマチュアのビデオ作家達(その多くはティーネージャー)がYouTubeから得る収入によって自活したり(記事によると推定年収10万ドル以上は、ざらだとか)、YouTubeでの名声がキャリアの登竜門となっているかということを書いた記事ですが、これはYouTubeがエンタテーメント・メディアとしての地位を確立してきたということの現れで、インターネットによるパラダイムシフトが進んでいることを示していると思おう。

数年前のことだが、『...ライアン・ヒガ(Ryan Higa)の親戚?って、よく聞かれるよ、ハハハ...』 といいながら娘たちが教えてくれた、nigahiga(ライアン・ヒガのYouTubeアカウント名)。いまや再生回数12億回以上、チャンネル登録者530万人以上のYouTubeセレブリティー。YouTube nigahiga チャンネルはこちら 本ブログ投稿のタイトル、HigaTVは、彼の新しいチャンネル名。

nigahigaの初期(2007年)のヒットビデオ『How to be Ninja』


最近(2012年)の作品



 最近では、2011年2月投稿したミュージックビデオが『♪~金曜日、金曜日、その次は土曜日~♪』という他愛なく、くだらないが一度聞いたら忘れらないキャッチーな歌詞で、数週間で一億七千万回近い再生回数をえるも、史上最悪のポップソングと酷評され、『...300万以上のdislikeと100万以上の中傷コメント...』(Wikipedia による) に耐えられずに一時はビデオを削除したレベッカ・ブラック(Rebecca Black、当時14歳)は、ポップスターへの道を歩み始めている。

2011年YouTube#1ビデオになった『Friday』。 Rebecca Black は、2011年に世界中でもっとも多くグーグルで検索された言葉にもなりました(Google Zeitgiestによる)


このような例は、いくつもあり始めた人たちがほとんど投資せず、宣伝もせず、人々が単に面白いといったことが有機的に広まりそれが億単位の回数でアクセスされているということがインターネットが媒体となったことによる大きな変化であろう。まさに、投稿者・ビデオ作者の個人の感性が見ている人たちの個々の感性で評価されているという個人の感性の世界である。個人が自由に自己の感性と想像力の表現をビデオという形で世界中に発表でき、また観客はリアルタイムで感想を使えられる媒体。その技術によってフィードバックやアクセスの数が瞬時に正確にわかるということがYouTubeでバイラルな(Viral: まるで ウィルスが人々に病気を感染させ一気に広めるように人気が出るということからきた表現)ビデオとセレブリティーが生まれることを促進しているのだと思う。

インターネットに代表されるIT革命は、農業革命、産業革命に次ぐ第3の人類の生き方の転機として位置られており、インターネット革命などはまだ始まったばかりといわれている。娘達を通して今のティネージャーの世代を見ていると、インターネットがラジオ、テレビそして印刷媒体を凌駕するほどに情報と娯楽の源となってきつつあることが実感される。そのインターネットは十数年前には考えも及ばなかったほどの大きな変化をポップカルチャーにひきおこし、ある意味では娯楽そのもの概念を変えていこうとしている。このような変化をわれわれの周りのいろいろな分野で引き起こしているのであるから、これからどんな風に世の中が変わってくるのか想像もつかない。まさに人間のアイディアと想像力の限界がIT革命の限界という感じとなるような気がする。

アクセス数が瞬時にわかるというな技術の裏には、誰がこれを見ているかを特定できるという技術もはらんであるから、このような変革と技術革新が世の中を全体主義のような悪い方向にむかっていくのに使われずに、個人の想像力と独立性を重んじ有機的に運営されていく世の中へ変わっていくことに使われることを望む限りである。

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