2014年7月24日木曜日

Made in Ryukyu


 欧米の大きな美術館・博物館でアジア美術というと必ずと言っていいほど展示されているのが漆器。作られた国の名前には、China、Japanと並んでRyukyu Kingdom、The Ryukyu Islands、あるいは単にRyukyuいう表記をよく見かける。明治時代に県として日本の一部として併合される以前の沖縄で作られた漆器には史実に基づいた正確な表記がされているのである。もう大分前の事であるが、ニューヨークに住んでいた頃、メトロポリタン・ミュージアム開催されたアジア漆器特別展を見に行ってRyukyuの表記を見たときには胸に熱いものを感じた。

 昨日、里帰り中の沖縄の実家で娘たちに、「このフォークの裏にRYUKYUて書いてある、沖縄でつくたものかな?」と聞かれ初めて気がついたのがこれ(上の写真)。両親が結婚のお祝いに頂いたというカトラリーセットのフォーク。立派なヴィンテージものである。僕が物心付いたときから使っていたが半世紀近く発った今、これがMade in Ryukyuであったということを初めて認識した。多分、米軍やその関係者を主な顧客対象として製造/販売していたのであろう。第2次大戦後、西側ドイツの工業製品に表示された原産国名が「Western Germany」、「West Germnay」、「Germany」、そして「EU」と歴史の動きとともに変わって来たように、これらカトラリーも沖縄の歴史を反映したものであると言えるのかもしれない。

 

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