2019年8月5日月曜日
フォノイコ キット 作成中
今週のウィーンは、30度前後と暑さが戻るようです。
さて、9年近く前、アメリカを離れる際に買ってきて、まだ作っていなかったフォノイコ・キットを少しづつ作り始めました。もちろん、自分なりに色々と手を加えながらです。なぜ、今まで手をつけていなかったかというと、我が家のアナログ再生環境の問題を解決出来ずにいたからです。
家のアナログ再生はなぜか、音が全体的に左に偏る傾向があって、ウィーンに来てから、悩んであれこれ試していたのですが、それがやっと解決。 とても単純なことで、フォノイコの入力段の真空管のヒーター電源の配線を一対の組から左右に送っていたのを、左右個別、合計二組に変えただけ。ちゃんとキットの組み立て要領を元に配線していたので今まで疑問すら持たず、アームが悪いと思っていました。しかし、最近他のフォノイコを試す機会があって(こちら)、フォノイコのほうが疑わしくなり、開けて、ばらしていろいろと考え、調べた結果、疑わしきはヒーター電源の配線しか思い当たらず、こんなことで変わるか?と思いつつも変えてみたら大当たりでした。まあ、色々と調べると当然のようなことなので、自らの及ばないとろでもありますが、そんなこと最初から組み立て要領に入れといてくれと、いまさらながら文句の一つも言いたい気もします。
で、これがなぜ、8年以上眠らせていたフォノイコ・キットを作り始めさせるきっかけとなったかというと、2ヶ月ほど前に現役フォノイコの真空管を変えたこと(こちら)とも相成って、我が家のアナログ再生が俄然よくなって、欲がでてきた為。寝かせていたといえ、少しずつプレミア・パーツを集めていたのでちょっとワクワクです。オーディオ・マニアの性ですね。
再生環境が良くなったのでここ2ヶ月ほどの間、アナログ盤に散財してしまいました~。
ま、あせらず、ゆっくりとやっていますので夏の終わりごろにはできあがるかな?
2019年7月25日木曜日
「木ですら涙を流すのです」Even A Tree Can Shed Tears: Japanese Folk & Rock 1969-1973
今週のウィーンは最高が30度を超える夏の日が続いています。
もう一年半ほど前のことですが、NY タイムスの記事 ( https://nyti.ms/2iDzy2d ) を読んで買ったこの2枚組みレコード。主にアングラ・レコード・クラブ (通称: URC)などの日本のインディペンデント・レーベルから 1969~73年に出されたフォーク、ロックが収録されているこのコンピレーション・アルバムは自分にとってはとても新鮮でした。長い間、海外で生活していることもありますが、殆どの曲が初めて聞くものばかり。この時代、僕はちょうど小学校1年~5年生の頃なので、このレコードに収録されている曲になじみが無くても当然かという気もしますが、残念ながらその後も触れる機会がありませんでした。
僕も今までの60年近い人生の中、過ぎた年代の日本の映画・音楽といったいわゆるポップ・カルチャーに遭遇したのはいつも国外でした。黒澤明の「七人の侍」や小津安二郎「東京物語」を始めて観たのはアメリカで、80年代後半だった当時、黒澤/小津の映画監督としての経歴と彼らのフィルムグラフィーを含む映画について書かれた最も包括的な本はドナルド・リチー氏のものしか見当たりませんでした。そして、このアルバムです。灯台下暗しというか、自らの良いところが見えにくいというのは、日本だけのものではなく、アメリカでもとくに50~60年代のジャズに関しては、レコード・CDはあまり多く出ていなくて本も学術的な音楽学の専門書以外、一般の人がジャズを知るための本というのは殆ど無く、日本に帰国するたびに本やCDを買っていました。身近な物に価値を見出せないというのは、ある意味で人の文化・芸術・工芸に対する姿勢の本質的なところにあるものかもしれません。「青い鳥」や「オズの魔法使い」もそのようなテーマでしたね。
さて、このアルバムには以下の曲が収録されています:
遠藤賢司「カレーライス」
山平和彦 & ザ・シャーマン「そっと2人で」
金延幸子「あなたから遠くへ」
古井戸「ろくでなし」
加藤和彦「アーサー博士の人力飛行機」
はっぴいえんど「夏なんです」
西岡たかし「満員の木」
南正人「夜をくぐり抜けるまで」
浅川マキ「こんな風に過ぎて行くのなら」
布谷 文夫「水たまり」
細野晴臣「僕は一寸」
吉田拓郎「蒼い夏」
赤い鳥「竹田の子守唄」
愚「マリアンヌ」
斉藤哲夫「われわれは」
ジプシーブラッド「過ぎし日を見つめて」
はちみつぱい「塀の上で」
加川 良「ゼニの効用力について」
ディランII「男らしいってわかるかい」
立派な小冊子がついており、それには解説、それぞれの歌手・バンドの紹介、そして日本語の歌詞と英語での対訳が含まれています。日本という異文化と歴史的時代背景が異なるコンテクストで書かれた示唆に富む歌詞がそのソウルを失わずにとても巧みに英訳されていると思いました。
さて、このアルバムには以下の曲が収録されています:
遠藤賢司「カレーライス」
山平和彦 & ザ・シャーマン「そっと2人で」
金延幸子「あなたから遠くへ」
古井戸「ろくでなし」
加藤和彦「アーサー博士の人力飛行機」
はっぴいえんど「夏なんです」
西岡たかし「満員の木」
南正人「夜をくぐり抜けるまで」
浅川マキ「こんな風に過ぎて行くのなら」
布谷 文夫「水たまり」
細野晴臣「僕は一寸」
吉田拓郎「蒼い夏」
赤い鳥「竹田の子守唄」
愚「マリアンヌ」
斉藤哲夫「われわれは」
ジプシーブラッド「過ぎし日を見つめて」
はちみつぱい「塀の上で」
加川 良「ゼニの効用力について」
ディランII「男らしいってわかるかい」
立派な小冊子がついており、それには解説、それぞれの歌手・バンドの紹介、そして日本語の歌詞と英語での対訳が含まれています。日本という異文化と歴史的時代背景が異なるコンテクストで書かれた示唆に富む歌詞がそのソウルを失わずにとても巧みに英訳されていると思いました。
Even A Tree Can Shed Tearsは、一昔前の失われた名盤・珍盤・迷盤を発掘し正式にライセンスを取ったリイシューとして世に出しているアメリカ、シアトルのインディペンデント・レーベル、Light In The Atticが日本の過去の名作を復刻するシリーズ「Japan Archival Series」発足の第一作目。コンピレーション・プロデュースは Jake Orrall (DJ)、Yosuke Kitazawa (北澤洋祐) 同社Reissue Producer 兼フリーランス・ライター/編集者、 Matt Sullivan 同社創立者・共同経営者、そしてPatrick McCarthy, 同社 Project Manager and Reissue Producer(敬称略)とクレジットされています。ジャケットはイラストレーターの北澤平祐(きたざわへいすけ)氏、上述の北澤洋祐氏のお兄様だそうです。
ちなみに、前述のNYTimesに記事によると、このアルバムを出すにあったって一番大変だったのは、『こんなのがいまさら海外で売れるのか?』という懐疑心から版権を持つ日本のレーベルがライセンスすることを渋ったということだったらしいです。残念というかなんと言うか...。
第一作目に売れ行き・評判が良かったと思われ、同社からは次々と70~80年代の日本のポピュラー・ミュージックのコンピレーション・再発盤が発売されています。(海外在住の邦人を含む)海外の若者達によって、集められ、再び世に出され、紹介されている、これらの音楽を、まだ聴いたことが無い日本の若者から我々の年代の中年層までの方々に是非聞いていただき再発見して欲しいと思います。忘れられた宝物です。
関連リンク
Discogs Blog ”Your Guide To Japanese Music, By Light In The Attic’s Yosuke Kitazawa”
https://blog.discogs.com/en/your-guide-to-japanese-music-by-light-in-the-attics-yosuke-kitazawa/
細野晴臣インタビュー:http://www.vinylmeplease.com/magazine/interview-haroumi-hosono-brian-wilson-japan/
2019年7月18日木曜日
Bill Charlap Trio (ビル・チャーラップ・トリオ)コンサート
ウィーンは今のところ天候に恵まれ快適です。先週の土曜日(7月13日)の晩は、帰省している次女とBill Charlap Trioのコンサートに行ってきました。妻は友人たちと小旅行中なので二人。会場はPorgy&Bess。ピアニスト、ビル・チャーラップを支えるのはピーター・ワシントン、ケニー・ワシントン、元トミー・フラナガン・トリオのリズム・セクションであるとのこと。
ジャズが好きな今の職場の同僚に教えてもらったこのトリオ、往年のメインストリームなジャズに70~80年代のスパイスを加えたような他とは一線を画した独自なスタイルが面白いと感じています。
この日のコンサートは、ジャズピアノトリオの本流という感じで始まり、だんだんとノリが高まるにつれて独自のスタイルが前面に出てくる流れでした。
夏休みでウィーンの人々は街を離れているのか、お客さんは少なめでしたが、その分ジャズ好きとビル・チャーラップのファンが殆どだったようで、数を少なさを補って余りある熱く盛大な拍手と歓声を送っていました。
2019年7月14日日曜日
VH Audio V-Quad™ Cu24 と V-Twist™ Cu24ケーブル
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| 24 AWG UniCrystal OCC 銅単線4芯スタークワッドのV-Quad™ Cu24 (https://www.vhaudio.com/ より引用) |
今のところウィーンは、日中23度前後、夜は15度前後ととても快適な日々が続いています。 さて、今日は我が家のアナログ周りで使っているVH-Audio V-Quad™ Cu24 とV-Twist™ Cu24ケーブルの紹介。
日本ではおそらく 馴染みがないVH Audioは、2000年代初めにインターネットで自作ケーブルの作り方を紹介していたChris VenHausが、あまりの反響に応えるために起こしたネットショップ。今では自社ケーブル、独自に開発した自社ブランドのコンデンサー、各種アクセサリー、自社開発・特注の配線材等を自作派やメーカーに販売するまでに成長しています。欧米では非常に高い評価を受けているブランドです。VH Audioの製品は僕好み音質傾向なので、もう15年近く、愛用しています。
V-Quad™ Cu24は、上のイラストのようにフッ素発泡樹脂で被覆した24 AWG UniCrystal OCC (単結晶OCC)銅単線4芯スタークワッドで構成されたケーブル。実際には下の写真のように見えます。
日本ではおそらく 馴染みがないVH Audioは、2000年代初めにインターネットで自作ケーブルの作り方を紹介していたChris VenHausが、あまりの反響に応えるために起こしたネットショップ。今では自社ケーブル、独自に開発した自社ブランドのコンデンサー、各種アクセサリー、自社開発・特注の配線材等を自作派やメーカーに販売するまでに成長しています。欧米では非常に高い評価を受けているブランドです。VH Audioの製品は僕好み音質傾向なので、もう15年近く、愛用しています。
V-Quad™ Cu24は、上のイラストのようにフッ素発泡樹脂で被覆した24 AWG UniCrystal OCC (単結晶OCC)銅単線4芯スタークワッドで構成されたケーブル。実際には下の写真のように見えます。
僕は、このケーブルをターンテーブル(こちら)から昇圧トランス(こちらとこちら)そしてフォノイコとの間に計2組使っています。このケーブルはシールドされていないので、両方ともハム対策でシールドを施しました(こちら)。 一般的にシールドされていないピンケーブルのほうが僕好みの音であるほうが多いのですが、ハムを抑えるためには仕方ありません。RCAプラグはEichmann Silver Bullet、KLECopper Harmony (こちら) 、とWBT - 0102 Cu を試した結果、WBT - 0102 Cuのほうが僕の好みでした。
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| 4 AWG UniCrystal OCC (単結晶OCC)銅単線2芯のV-Twist™ Cu24 (https://www.vhaudio.com/ より引用) |
フッ素発泡樹脂24 AWG UniCrystal OCC (単結晶OCC)銅単線2芯で構成されてV-Twist™ Cu24はフォノイコとプリアンプの間に使っています。上のイラストでは4芯のように見えますが、2本と導線と2本テフロンスタビライザー(実際には太目の釣り糸のように見えます)を撚って作られています。こちらのほうはシールド無しで使用。プラグはWBT - 0102 Cuです。
肝心の音ですが、V-Quad™、V-Twist™共に中庸でバランスの取れたストレートで素直な音質のケーブルだと思います。僕がDAC-プリアンプ間とプリアンプーパワーアンプ間につかっているVHオーディオの木綿被覆OCC銀単線で作ったケーブル(後日紹介します)のほうが帯域レンジ感が広く、解像度の若干高い気がします。しかし、比較しなければV-Quad™、V-Twist™共に十分に満足のいく音です。エージングには時間がかかるほうだと思いますが、それが終わると煩さもまったく無く、自然な音で音楽を楽しめるケーブルだと思っています。
V-Quad™ と V-Twist™を比べると同方向の傾向ながら、前者のほうがより落ち着いて豊かで滑らかな音、後者はより解像度が高く、機器・音源の違いをハッキリと聞き分けやすい音であるかと思っています。どちらかというとV-Quad™のほうがより僕の好みかな。しかし、いずれもお勧めです。
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