2019年5月16日木曜日

Grahame Slee Revelation Phono Eq/Amp  (グラハム・スリー社レヴェレーション フォノ・アンプ)


ウィーンは相変わらず、寒い雨模様の日々が続いています。久しぶりのオーディオの投稿です。

オーディオ友達のノベルトさんや音響エンジニアのダヴィッドさん宅を訪ねたさいに、聴かせてかせていただいた音源は主にアナログ。あまりにも音が良いので、我が家もアナログ環境も良くしたいな~と、最近はついつにそちらのほうに目がいっています。

ここひと月ほど、ノベルトさんにお借りしたイギリスのGraham Slee社のRevelationというフォノイコを試しています。 本体は写真のように小さく手のひらサイズで別途外付けのスイッチング電源がついています。ウィーンでは、名演・名盤とされる古い録音のクラシック音楽の初期盤LPが比較的簡単に廉価で入手できるのですが、再生すると音がいまいちな場合が多く、イコライザー・カーブを変えられるフォノイコにとても興味がありました。ノベルトさんにそれを話したら、使っていないのがあるから試してみると良いよと貸して下さった次第。Graham Slee社のフォノイコは欧米のオーディオ雑誌で非常に高い評価をうけています。

お借りして初めのうちは、通常のRIAAカーブの比較的近年(といっても60~70年代)のLPをききました。我が家の管球フォノイコとはだいぶ違った傾向の音で、カートリッジで拾った音がストレートに出てきているという感じです。音のエッジがハッキリと立ち、見晴らしが良くなりますが、若干きつめかなというのが我が家のシステムで聴いた僕の印象です。でも、とくに煩くは感じず、音量を上げて数枚LPを聴いても特に聴きづかれるということはありません。

フォノイコ自身の音の傾向がわかってきたので、古いLP(モノラルとステレオ、主にクラシックとジャズ)を出してきて、取り扱い説明書に載っているレーベル・年代別のイコライザー・カーブの設定で聴いてみたり、自分で設定の組み合わせを変えたりして試してみました。とりあえずの感想は:

  • 弦楽器のキーキーが軽減されたり、ピアノの重厚感が増すなど、音の変化は割合とハッキリとわかる。
  • どれが良いかは判断しやすいものとそうでないものがある。
  • もともとの録音・マスタリング・プレスが余りよくないものは、カーブを変えてもすごく音が良くなるわけではない。
ということでした。ネットで調べるとイコライザー・カーブの調整ができるフォノイコは機器によって若干設定パラメーターや方式が異なるようなので、一般論としては述べられませんが、イコライザー・カーブの設定ができるフォノイコがどうしても欲しいという気持ちはだいぶ薄れました。ステレオ・モノ切り替えスイッチもあるのですが、モノは単に左右のチェンネルを合成するもののようでした。


で、自分が使っているフォノイコに戻してきいてみると、温かみがある、より聴きやすい音ですが、若干ベールがかかった感じでスカッとしません。ロックやポピュラーはGrahame Sleeが良くて、クラシックやアコースティックジャズは我が家のものが良い。甲乙つけがたしで、Grahame Sleeと我が家のものとの良いとこ取りをしたのがベストかなと思ってしまいました。あくまでも我が家のシステム環境で僕の好みの観点で、ということです。

今の興味の対象は、オーロラサウンドのVIDA。残念ながらオーストリアには扱っているショップがないので、欧州の輸入元に問い合わせています。


僕の現在のアナログ環境は以下の通り (こちらもどうぞ):

ターンテーブル:VPI HW-19 Jr. (スピンドルとプラッターは上位機種のものにアップグレード)

アーム: VPI JWM-9

カートリッジ: Denon DL-103

フォノイコ:Audio Note Kits L1 Phono (改)

トランス:K&K Audio Premium MC Step-Up (こちら

ケーブル:VH Audio V-Quad Cu24 をつかった自作 


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