2019年2月8日金曜日

AudioQuest(オーディオクエスト) JitterBug USBノイズフィルター


去年の年末、ふと衝動買いしてしまった、オーディオクエストのJitterBugと名づけられた、USBノイズフィルター。仕事が忙しくなかなか時間が取れなかったのですが、ちょっとゆとりが出来た先週末に試してみました。

もうお馴染みだとは思いますが、オーディオクエストは80年代に出てきたアメリカのオーディオファイル・ケーブルメーカー。僕が初めてケーブルで音が大きく変わるという体験したのは同社のライン・ケーブルによってでした。もう30年近く前のことです。

さて、このJitterBug、Wavelength Audio を主宰する、かのGordon Rankin氏が設計を主導したとの事でだいぶ気にはなっていた製品でした。もともとコンピュータ・通信のエンジニアであった氏の知名度は日本では低いかもしれませんが、PCオーディオ黎明期のパイオニアの一人でオーディオ用アシンクロナスUSBインターフェース(Asynchronous USB)いち早く実用化し一般ユーザー向けに商品化した事で欧米のオーディオ界では著名な方です。氏が開発したAsynchronous USB のインターフェイス・プログラムは、その後Streamlength™という商品名のファーム・ウェアとしてライセンス供給され、今でも欧米の多くの大手オーディオ・メーカーの機器に組み込まれています。

オーディオ・クエストとRankin氏のコラボは、これが初めてではなく、DRAGONFLYというとても高い評価を受けたUSBメモリー・スティックの形と大きさのUSB DAC/ヘッドホンアンプが最初です。

さて、実測できるジッターとノイズ軽減効果を持ちパケットエラーも減らすというこの製品。音質的にはどの程度の影響があるのかが自分にとっては興味があるところでした。しかし、いざ買おうかと思ったときには、同様な機能を持つ多くの製品がでており、ネットなどのレビューを読み結果としてJCAT/Intona USB Isolator (こちら)を購入したからです。 それでもまだ、気になると事があって、他のUSBノイズフィルターを試してみようと思いました。

同様な効果を謳った商品は多くありますが、特にJitterBugを選んだのは、USB A端子を両側にもち、基本的には、パソコン側に取り付けるというものであったこと、音質的には有利といわれているUSB2.0であることからより大きな効果が期待できるかな?と思ったからです。

https://www.stereophile.com/ より引用

我が家のシステムでJitterBugを挿入し試した箇所は、 音楽ファイルを保存している外付けSSD(Samsung 500GB SSD + Ratoc RS-EC22-U3Rケース)へのMacMini側のUSB接続端子。以下の組み合わせを試してみました。USBケーブルはすべてSupraのUSB2.0ケーブルです。

  1. MacMini→USBケーブル→外付けSSD
  2. MacMini→JitterBug→USBケーブル→外付けSSD
  3. MacMini→USBケーブル→JCAT/Intona USB Isolator →USBケーブル→外付けSSD
  4. MacMini→JitterBug→USBケーブル→JCAT/Intona USB Isolator →USBケーブル → 外付けSSD

1.と2.とでは、はっきりと判る違いで、2.の方が好ましい音。全体的にクリアでストレートではっきりした音になり、ダイナミックレンジが上がったように感じました。

1.と3.もはっきりと判る違いで、3.の方が好ましい音 (前回のブログ記事を御参照ください→こちら)2.と比べるとストレートさに欠けますが、上品で洗練された感じです。

しかし2.と3.は、それぞれ方向性がやや異なる変化で、どちらかを選ぶとなると好みが分かれるかと思います。

最も良いと思ったのは、4.でした。今まで、若干気になるところがあったデジタル再生ですが、それがあまり顕著でなくなりました。JCAT/Intona USB Isolatorのみ入れたときの上品な洗練さはそのままで、音がよりクリアになり、情報量が増したかんじです。ボーカル、アコースティック楽器の音のニュアンスがよりはっきりと聞き分けられます。全体的に音のリアルさが上がった感じ。こういうのを付帯音が軽減したというのかな?と思いました。いままでは、特にハイレゾ音源でたまに音とびをする現象があったのが無くなりました。再生の忠実さが増したともいえるのか、レコーディングによっては粗もよりはっきりと聴こえるようになり、今まで音がよいと思っていたレコーディングでも気にところが聴こえるようになった事には複雑な気持ちがしないでもありません。

欧米ではとても高く評価されているJitterBugですが、ネットで見る限り日本での評価は分かれているのかなという印象を受けました。 もっと早く試してみればよかったというのが僕の一番の気持ちです。オーディオのアクセサリーとしては廉価なものなので、御興味があればとりあえず試されることをお薦めします。使いこなしによる音の違いが顕著に聞き分けられるシステムであれば、JitterBugの効果は、はっきりと判るものであると思いますし、その違いはUSBケーブルを変えたときと同じかそれ以上のものかと思います。

好みに合うか否かということもあるかとは思いますが、良い結果が得られるケースのほうが多いのではないかと思います。高価なUSBケーブルに買い替える前に試す価値はあると思いますよ。

他のオーディオ機器・アクセサリー同様、JitterBugもエージングが必要で、我が家では挿入して直ぐは音がドライで粗さが感じられました。しかし、20時間程度のエージングだいぶ音質が向上しましたので、その点を御留意ください。


御参考までに(実測グラフが載っています):

英国HiFiNews誌のレビューのリンク:
http://www.zs-acoustics.com/hfn_oct_audioquest_jitterbug_reprint-nomarks2.pdf


米国ステレオファイル誌のレビューのリンク:
https://www.stereophile.com/content/audioquest-jitterbug-usb-noise-filter






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