2020年3月20日金曜日

オーストリアのCOVID-19状況 - 3月20日

旧市街の中心にあるHerrengasse

オーストリアは、3月16日月曜日からより厳しいCOVID-19 対策を講じており、食料品店・薬局・銀行などの生活に不可欠と指定されている一部の除く店舗の営業停止、外出制限、出入国制限、イベントなどの中止の処置を当初の4月3日までから十日間延長し13日までにすることが先ほど発表されました。

ウィーン一の目ぬき通り、Kärntner Straße(写真上)とGraben (写真下)も人が疎ら
僕は水曜日まで出勤していましたが、オフィスでしか出来ない当面必要な業務もほぼ片付けたので昨日から在宅勤務。このページの写真は出勤・帰宅時に撮影したものです。

いつもなら人で埋まっているGrabenのカフェ

この数日は、快晴。気温も20度近くまで上がり、ウィーンの桜は満開です。




2020年3月16日月曜日

Rustでの週末


3月6日(金)から3月8日(日)の間、妻の友人に誘われて二人でRustに行ってきました。世界遺産に登録されたノイジートラー湖畔の街で、その歴史はローマ時代に遡りコウノトリの繁殖地としても知られるています。ウィーンから車で一時間弱でいける場所です。



なんと、8年近くぶり。(そのときのブログはこちら


オーストリアの多くの町には、このような第一次世界大戦で戦死した兵士のための慰霊碑があります。


旧市街のいたるところに日時計があります。



今シーズン、最初に飛来したコウノトリのペア。巣作りに励んでいました。



良い天気に恵まれもう春の気配が感じられました。



2020年3月13日金曜日

オーストリアのCOVID-19状況 - 3月13日

https://www.nature.com/articles/d41586-020-00190-6 より引用

こちらでの状況は刻々と急激に変化しています。オフィスは来週から一部を除き全面的に在宅勤務。 今日、さらにオーストリア政府の対策強化が示されて、来週から、食料品店、薬局、銀行、ガソリンスタンドなど一部を除く、商店・商業施設が閉店。学校もすべて休校。レストラン、カフェは15時まで営業可能。スイス・スペイン・フランスからのフライトをすべてキャンセル。感染が最も集中しているチロル地方の封鎖などです。


今、最も危惧されているのは重症患者のための集中治療室・人工呼吸器などの設備が足りなくなることのようです。イタリアで死亡患者が急激に増加しているのは、それらの設備が足らなく、医学的には助けらたであろう患者さんを充分に治療できなくなっているという現状に拠るとことであるようです。そのような状況で亡くなられた患者さんとそのご家族はさぞ無念であろうと察します。

日本人のマスコミ・ネットでは、日本の対応のまずさを批判する記事・書き込みも多いですが、海外から見ていると、日本が行ってきたことを海外各国は追従しているようにも見えます。観客無しでスポーツ試合を行うこと、学校を休校にしたこと、イベントの中止などなどです。

人口一億2千6百万の日本では国内感染者が668人ですが、八百八十万人のオーストリアでは(3月12日現在)ですが、442人。日本の対応は功を奏しているといえると思います。

Concert : Martha Argerich with Wiener Symphoniker conducted by Lahav Shani




前回に引き続き、ブログのキャッチ・アップです。

3月2日(月)には、コンツエルト・ハウス大ホールで、ラハフ・シャニ指揮 ウィーン交響楽団のコンサートに行ってきました。妻は都合が悪く、クラシック好きの職場の同僚を誘っていきました。ソリストは、マルタ・アルゲリッチ。プログラムは以下の通り:

Sergei Prokofiev:Concerto for piano and orchestra No. 3 in C major, op. 26 (1917-1921)

Encore: Maurice Ravel:Laideronnette, impératrice de pagodes (Ma mère l'oye / version for piano four hands) (1908-1910)・Pavane de la belle au bois dormant (Ma mère l'oye / version for piano four hands) (1908-1910)

Sergei Rachmaninoff:Symphonic Dances op.45 (1940)

アルゲリッチのコンサートは、急な出張と重なったり、健康の理由でキャンセルされたりと今まで僕は縁が無く。今回が初めて。音楽的にも技術的にも素晴らしい演奏。もう78歳のピアニストのプレイとは信じがたいものでした。自らが、ソロ・ピアニストとしても活躍するシャニ指揮は絶妙で、コンチェルトの醍醐味を味わうことが出来ました。
アンコールは、二人の連打でラベルの作品を2曲。これも良かった~
後半のラフマニノフも素晴らしかったことはいうまでもありません。 

ラハフ・シャニ指揮のコンサートはこれでまだ2度目ですが (前回はこちら)、31歳でこれだけオーケストラを歌わせられるということは、今の若手の中で最も有望で今後が楽しみな指揮者かもしれないなと思いました。

このところ、仕事でストレスが溜まる事が多く、音楽に心を癒された夜でした。これから暫くコンサートにいけなくなるのはとても残念です。



2020年3月11日水曜日

Jazz at Lincoln Center Orchestra with Wynton Marsalis



今日、オーストリア政府が更なるCOVID-19対策を発表し、参加者100人以上の屋内のイベントはすべて中止することとなりました。特に期限は発表されていないのでこれから暫くの間、コンサート・オペラなどすべて中止です。

このところ多忙で更新がままならず、いまさらながらですが、2月28日(火)に行われたコンサート。このブログはコンサート観賞備忘録もかねていますので悪しからず。ウィントン・マルサリス率いるジャズ・アット・ザ・リンカーンセンター・オーケストラ。会場はコンツエルトハウス大ホール。スペシャル・ゲストにオーストリア屈指のジャズ・トランペッターThomas Ganschが出演。其の他のメンバーは以下の通り:


Trumpet: Kenny Rampton, Marcus Printup, Ryan Kisor

Trombone: Chris Crenshaw, Vincent Gardner, Elliot Mason,

Sax/Clarinet /Flute: Ted Nash, Camille Thurmann,

Sax/Clarinet : Victor Goines, Sherman Irby, Paul Nedzela,

Piano:Dan Nimmer

Bass: Carlos Henriquez,

Drums/Percussion: Obed Calvaire,

Special Guest: Thomas Gansch, Trumpet


プログラムは以下の通りです。

Back to Basics (Blood on the fields. A history of American slavery) : Wynton Marsalis

The Creation (God's trombone): Chris Crenshaw

Sleepwalker's serenade (1958) Neal Hefti

Jump did-le bah: Dizzy Gillespie

Preludes for Memmon (Transformation): Ted Nash

Milestones (Miles Davis, 1958)

Salvation, serenity, reflection (Of thee I sing suite): Marcus Printup

Señor Blues: Horace Silver

Stardust (1929) :Hoagy Carmichael

Things to come: Dizzy Gillespie

アンコール:
Blues in G、Knozz-Moe-King:Wynton Marsalis

Prelude: Listen, Lord – a prayer (God's trombone):Chris Crenshaw

アメリカに住んでいた頃に、マルサリスはジャズの発展を止めて古典芸能として固定しようとしているという旨、70~80年代に活躍したアメリカの著名ジャズ・ミュージシャンたちが批判しているということをしばしば読みました。今回のコンサートでも確かに、新しい境地に挑むというよりも、ジャズ黄金時代の熱気ある演奏を継続し再現しようとしているのかなという風に感じないこともありませんでした。しかし、これはこれ面白く聴きがいがあったので、色んなアプローチがあってよいのではないかと思いました。聴き手にとってはどれが好きかといった問題かと思いました。

個人的には大きなホールで聴くビッグ・バンドより、小さなクラブで聴くコンボのほうが良いかな。



2020年3月9日月曜日

COVID19

Wikipedia Commons credit: CDC/Dr. Fred Murphy (https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Coronaviruses_004_lores.jpg / PD-USGov-HHS-CDC)

欧州でも大きな問題となっているコロナウィルス。COVID-19(Corona Virus Disease 2019)というのが正式名称です。昨夜の時点でのオーストリアの確定症例は102名です。
職場の緊急時対策委員会の一員でもあるので、対策に結構時間を割かれています。

こういうことが起きてみて、一番難しいと思うことは、人に対する対応です。どのようにして、情報疎通の透明化保ち、かつ、人々がパニックに陥るのを避けるかと言う事です。どのような文面と形で最新の展開を伝えるかで長時間議論し伝えても、多くの人たちは、自らで解釈・判断を下し、最も信じたいという思う情報を元に行動を起こす傾向がみられます。今わかっていることが、後々実は正確ではなかったことがあるかもしれないと思う人も多いようです。実際に状況は刻々と変化しています。僕の職場は科学者(自然科学の分野で博士号を持つ人達)や修士号以上を取得した高学歴者が多く働いているのですが、それでもこの傾向は顕著です。

あと興味深いのは、個人的な知り合いのお医者さんの間でも、それぞれ意見が異なり、『からだの免疫力・抵抗力を保ってさえいれば良い』という方もいれば、『深刻さが充分に把握されていない。身の回りの消毒を怠るべきではない』という方もいて、意見が一枚岩ではありません。

オーストリアにはもともとマスクをするという習慣が無い上に、犯罪・テロを防止する目的の覆面禁止法が3年ほど前に施行されており、医師の診断書がある場合を除きマスクの着用が禁止されているので、ここの人々がマスクを買いに走るということがありませんが、手等の消毒液は早々と店頭から消えてしまい、病院の在庫の不足が危惧されています。

ウィーンでは、2~3の学校が閉鎖されたことと、大きな学会の自主延期、中国、イラン、韓国、イタリア北部などの感染地区への直行航空便、列車、バス便の運休などの対策が講じられています。今のところ街に大きな変化が起きているという印象は受けません。コンサート・オペラなどは通常通り行われており、観客もそれほど減ったという印象は受けません。レストランなどもちょっと人が減ったかなというぐらいで普通に営業しています。しかし、街を歩くと、いつもは観光客で溢れかえっている旧市街も、明らかに人出が減っており、特に東洋人はほとんど見かけなくなりました。


まとまりの無い文章になってしまいましたが、僕の目からみた今のウィーンの様子はこんな感じです。