2016年12月18日日曜日

今週後半は音楽三昧でした

聖ペテロ教会でのリハーサル (Nikon D750, 24-70AF-S Nikkor F2.8で撮影)

過去2年ほど暖冬だったのですが今年のウィーンは普通に寒く、連日氷点下の気温が続いています。なんだかんだと忙しいのですが、今週後半はコンサート三昧でした。

まず、12月15日木曜日は、妻がマスタークラスで写真を撮った縁で知り合ったウィーン・コンセルヴァトリウム音楽大学(Musik und Kunst Privatuniversität der Stadt Wien)でピアノを学ぶGülce Sevgenさんのクラス発表会を聴きに同校のスタジオ(MUK.podium)に行ってきました。ベートベン、シューマン、リストといったプログラム。若い音楽学生たちの真摯で若々しい演奏はいつ聴いても心が洗われるような気がします。


ウィーン・コンセルヴァトリウム音楽大学クラス発表会のプログラム

12月17日土曜日は、帰省中の次女の母校であるVienna International School (ウィーン・インターナショナル・スクール)のオーケストラと合唱部がウィーン旧市街にあるとても美しい聖ペテロ教会(こちらをご参考)でクリスマス・コンサートをやるのに急遽バイオリンの助っ人として参加するというので、そのリハーサルを妻と二人で観に行きました。

なぜリハーサルだけかというと、この日は3時半からのウィーン・フィル定期公演会を楽友協会に聴きに行く予定だったからです。当初、次女も一緒に行ことになっていましたが、夜に友達と約束があるとかで次女の分は翌日、日曜日の午前中のチケットを買っていました。ダニエル・バレンボイムの指揮でスメタナの「わが祖国」を演奏。文句なしの素晴らしいコンサートで妻も僕も大感激でクルスマスのイルミネーションに明るく灯されたウィーンの街を歩き帰途につきました。


久々に高校時代の友人たちに会った娘は午前様のご帰宅(オーストリアでは16歳からお酒が飲めます)、でも翌朝9時半に起きて、寝ぼけ眼で11時からのコンサートに出かけて行きました。久々に聴いたウィーン・フィルの演奏と楽友協会大ホールの音の素晴らしさに大感激しニンマリとした笑顔で帰ってきました。


2016年12月12日月曜日

ウィーン・フィル定期公演のキャンセル・チケットを買いに行きました


今更ではありますが、師走とはよく言ったもので12月に入ると公私ともに慌ただしく更新が滞っています。書きたいことはいろいろとあるのですが、コンピューターの前に座ってじっくりと書くという余裕がありません。

さて、今朝はボスに遅出の了解をもらって、ウィーン・フィル定期公演のキャンセル・チケットを買いに行きました。妻が好きなスメタナの「わが祖国」をやるので、妻も、冬休みで帰省中の次女も、是非見に行きたいと言って、僕も聴きに行きたっかったのでウィーン・フィルの事務所に並びに行きました。今は、電話でもネットでも買えるのですけど、行って買うのはなんとなく安心感があります。

前にも書きましたが(こちら)定期コンサートはウィーン・フィル会員のシーズンチケットのみ販売でそのウェイティング・リストが数年~十数年といわれています。でも、コンサートのある週の月曜日にウィーン・フィルのオフィスでは、コンサートに行けない会員のチケットの委託販売が行われます。

無事に3人分の割合と良い席のチケットが入手できました! 公演が楽しみです!





2016年12月6日火曜日

DISC SOX CD スリーブの22周年記念大セール

https://mmdesign.com/より引用

ウィーンはだいぶ寒くなって、今朝の通勤時は-5度でした。オーストリアの大統領選挙ではリベラル派候補のファン・デア・ベレン氏が極右のホーファー氏を破って当選。よかった。でも結果は53%対46%、同国人口の半分程度の人たちはネオ・ナチとのつながりが強いという極右・自由党に投票したという事は憂うことであると思います。(日経新聞の記事はこちら:http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H0G_V01C16A2MM0000/

さて、しばらく前に紹介した、僕愛用のCDスリーブ、DiscSox Pro (こちら)。製造・販売もとのmmDesign社からメールがきて同社22周年記念で22%割引を12月15日までやっているとの事です。 チェックしてみてください。本拠地アメリカですが、海外発送もやっており、オーストリアには問題なく届きますので、日本も大丈夫だと思いますよ。

詳しくはこちら:https://mmdesign.com/

僕は同社のアフィリエイトでもなくなんの利害関係もありません。ただ気に入った商品が長く続いて欲しいと思っているだけです。念のため...

https://mmdesign.com/より引用

2016年12月1日木曜日

リー・リトナー コンサート ・Lee Ritenour Concert




一昨日(11月29日火曜日)は、ウィーンを拠点に活躍しているジャズが好きな画家の友人とリー・リトナーのコンサートに行ってきました。会場はPorgy and Bess.   バンドのメンバーは Jesse Milliner (KeyBoard), Reggie Washington(Bass) and Martin Valihora (Drums)。

まだ高校生だった70年代終わり「Captain Fingers」を聴いてぶっ飛んで以来、彼のファンですがライブで聴くのはこれが初めて。前半は最新アルバム「A Twist Of Rit」からの曲とスタンダードが中心、後半はフル・アコからレスポールに持ち替えて往年のCross-over サウンドを披露。ティネージャーだった頃に僕を痺れさたギターサウンドに大感激!嬉し涙が出そうでした。行ってよかった!

ギグの後はサイン会があって、僕も最新のCDを買ってサインをもらってきました。この「A Twist Of Rit」は錚々たるメンバーで聴きが応えがあります!

僕がお気に入りのリー・リトナーのアルバム:




リー・リトナー公式HP:http://leeritenour.com/

画家の友人のサイト:http://miurakenichi.weebly.com/




2016年11月26日土曜日

Anne Sophie Mutter Concert・アンネ=ゾフィ・ムターのコンサート


11月24日(木曜日)は妻とAnne-Sophie Mutter(アンネ=ゾフィ・ムター)のコンサートに行ってきました。会場は楽友協会大ホール。ピアノ伴奏は:Lambert Orkis (ランバート・オルキス)。 プログラムは以下の通り:

Sebastian Currier:Clockwork (1989) für Violine und Klavier
Wolfgang Amadeus Mozart:Sonate für Klavier und Violine A-Dur KV 526 (1787)
Francis Poulenc:Sonate für Violine und Klavier FP 119 (1942-43, rev. 1949)
Maurice Ravel:Sonate für Violine und Klavier G-Dur (1923-27)
Camille Saint-Saëns:Introduction et Rondo capriccioso a-Moll op. 28 (1863)

僕も妻もムターが好きなのでウィーンでリサイタルをするときには行くようしているのですが、去年も一昨年も僕の仕事関係のイベントと重なり行けませんでしたので、3年ぶり。期待通り、前回同様(こちら)素晴らしい演奏でした。

観客の大拍手に応え4曲のアンコール(ガーシュインのサマータイム、ブラームのハンガリー舞曲、3曲目は曲名わからず、シンドラーズ・リストのテーマ)。 特にシントラーズ・リストのテーマは感動的な演奏でした。

妻と二人、大満足で帰途につきました。

Anne-Sophie Mutterの公式サイト:http://www.anne-sophie-mutter.de/home.html?L=1

楽友協会公式サイト:http://www.musikverein.at

2016年11月23日水曜日

Bryston BCD-1 CD プレーヤー





先日、当地のオーディオショップに注文したパーツをとりに行ったら、Bryston BCD-1 CD プレーヤーの店頭展示機処分の大セール品があって、お店で聴いてとてもよい音だったので、頼んで借りてきました。

ここ数日試聴していますが、納得のいく僕の好みの音。オリンパスのレンズ12-100mm(こちら)の注文をキャンセルしてこれにしようかと悩んでいるところ...。

これを逃すとこのCDPをこの値段買えないような気がします。このショップはBrystonのオーストリア・東欧地区の輸入総代理店でもあるのでスペアのドライブ・メカの在庫も譲ってくれるというし...


Brystonの日本代理店のサイト:http://www.hibino-intersound.co.jp/bryston/36.html


2016年11月19日土曜日

Amazing! Joey Alexander (ジョーイ・アレキサンダー)



インドネシア出身の神童ジャズ・ピアニスト、Joey Alexander  (ジョーイ・アレキサンダー)くん、13歳。Joey Alexander  (ジョーイ・アレキサンダー) 。10日ほど前にぼくのFacebookでも紹介したので、すでにご覧いただいているかもしれません。

彼はすでに2枚のアルバムを発表しています。この2枚のCDを彼のことを全く知らないで聴いたとしても、ジャズが好きな人の多くは久々に正統派のすごい若手が出てきたなと思うかと思います。ピアノの技巧のみならず卓越する音楽性を持ち備えていることが感じられるからです。それほどの桁外れな天賦の才能も持った音楽家だと思います。『…この歳でこれだけ弾けるのはすごい…』ではないのです。

上のビデオは彼が11歳の時の演奏だそうです。最近アップされたのが下のビデオ。多分、彼が12歳か13歳の時のもの。技術的にも音楽的にも大きな成長が聞けると思いますが何よりもすごいと思ったのは、リーダーとしてトリオのアンサンブルを先導する役割を見事に果たしていることです。このまま、行けるところまで登り詰めってくれることを願いつつ、ファンになって応援したいと思います。






2016年11月16日水曜日

映画「ドクター・ストレンジ」と ワールドカップ・サッカー予選 オーストリア対アイルランド



オーディオショーに行った翌日(11月12日土曜日)に、妻と一緒に映画「ドクター・ストレンジ」を見てきました。 ベネディクト・カンバーバッチ主演。痛快なエンタテーメント・ムービーとても楽しめました。CGもここまできたか!という感じですごかったです
日本では来年早々公開のようです。映画館で大きなスクリーンで見ることをお薦めします:http://marvel.disney.co.jp/movie/dr-strange.html

当日はワールドカップ・サッカー予選 オーストリア対アイルランド戦がウィーンで行われた日でもあり、アイルランドから飛んできたファンが、試合前に我が家のあるビルの一階のアイリッシュ・パブに集結し、ビール片手に応援歌(アイルランド民謡など)を歌って大合唱。事前に許可をとってあるのか、道路も片側通行止めにして、警察の警備もあってすごかったです。(下の写真)




試合、一時間前にには終結・解散。そのあとにウィーン市の清掃局がやってきて道を切れいいにお掃除して、30分後にはゴミひとつ無く何起こらなかったようにきれいになっていました。大きなイベントのときはいつもこんな感じでとても手際のよりウィーン市。いつもながらに妻と二人ですごいねと感心してしまいました。



2016年11月14日月曜日

ウィーンのオーディオ・ショー Klang Bilder 2016 に行ってきました

アナログブームで急成長の当地メーカーのPROJECT AUDIOは会場入り口に大きくターンテーブルを展示

11月11~13日の間、ウィーンのオーディオ・ショー 「klang Bilder (音と映像)」2016が開かれました。会場がオフィス向かいのホテルで、知り合いのディーラーから招待券をいただいたので、金曜日の夕方、仕事を早めに切り上げて一回りしてきました。 

このショーは、ウィーンに来て翌年に一度行きましたがそれ以来今回が初めて。規模が小さくなっているのにビックリ。5年前はもっと街中の大きなホテルのフロア数階を貸しきって開かれていましたが、今回は1.5フロア分程度で出品メーカーも大幅に減少。ローカルのディーラーが自ら扱っているものを展示している部屋が殆どでした。パナソニックは広いスペースでテクニクスを展示していましたが、音はちょっと期待はずれでした。残念。

下の写真は、僕が一番音がよかったと感じた ayon audioの部屋。ただしスピーカーは同社のものではなく、イギリスのlumen white。ま、市場価格で一千万円以上の組み合わせですから、音もよくないと困ってしまいますよね。


ポスターの写真はバルセロナの「カタルーニャ音楽堂」。オーストリアのメーカーなのに肖像権の問題で楽友協会の写真を使えないと嘆いていました。

2016年11月12日土曜日

作例が凄い - Olympus OM-D -EM1 Mark IIとM.Zuiko 12-100mm F4 IS PRO のレビューの紹介 

https://www.olympus-europa.comより引用

まえにも紹介した(こちら)Robin Wong氏のブログにOlympus OM-D -EM1 Mark IIのレビューが出ており、主なしようレンズが前評判のとても高いM.Zuiko 12-100mm F4 IS PRO であったので再度紹介 (こちら)。マレーシアをベースにセミ・プロの写真家でオリンパス愛好家でもあるWong氏は、オリンパス好きが高じて(?)なんと2年ほど前から同社に就職。

作例をみてぶっ飛んでしまいました! でも、ここまでよく写るとハイパーで超現実。長岡 秀星が70~80年代のロックのアルバムのカバーを思いだしました。氏曰く、手持ちでも、壁に寄りかかったりして工夫すれば5秒まで大丈夫だという手振れ補正はすごいですね。M.Zuiko 12-100mm F4 IS PROの写りもすごいですね。是非、Wong氏のブログをご覧ください。ちなみにこのレビューの作例はすべてカメラからのJPEGとのことです。

カメラのほうはこの値段だと諦めがつきますが、 レンズはちょっと欲しくなってしまいました。



2016年11月9日水曜日

アメリカの大統領選挙 - トランプ氏の勝利で考えた


トランプ氏の勝利は、イギリスのEU離脱に続いて予期せぬ投票結果になった。

私見を述べると、この選挙は、クリントン対トランプというより、エスタブリッシュメント対アンチ・エスブリッシュメント あるいは「改革」対「現状拡大路線」として見ると理解できる結果かと思われる。

数々の暴言、脱税疑惑・女性問題といったスキャンダルにもかかわらずトランプ氏が勝利を収めたということは、いかにアメリカ国民の多くが抜本的な改革・変化を求めているかということの表れだと思う。要するに、米国政界にしがらみも無く、経済的に誰にも頼る必要のない財力があり、選挙戦で従来の政治家にとってのタブーをことごとく破って勝ち抜いたトランプ氏を多くの米国民は強烈なアンチ・エスブリッシュメント候補だと捕らえ、改革の旗手として選んだのであろう。米国議会の上院・下院とも議席の過半数を氏の政党である共和党が獲得したというは、トランプ政権の政策が実行される下地が出来たということであり、大統領選の結果と同じかそれ以上にこれからのアメリカの動きに大きな含意を持つことであると思う。

数年前にこのブログでも書いたが(こちら)この背景にはアメリカにおける、富の格差の拡大とそれに伴う、中産階級の消失。限定的である分野では完全に欠落している社会保障制度、高等教育費の高騰などにより、中・下位層の人々にとって、自らあるい次世代の経済的状況を改善させうるであろう機会損失による希望の喪失があると思う。

さらには、「Audacity to Hope(大いなる希望を抱く)」という理想を掲げ、国民から現状改革を期待されて初のアフリカ系アメリカ人として大統領に選ばれたオバマ氏の政権8年間の結果に対する失望もあったのではないかと思う。この間、米議会は共和党主導でことごとくオバマ政権の政策実行を阻止したということはもちろん周知のことではあり、その結果、国民のアンチ・エスブリッシュメント感情は高まり、トランプ氏が共和党候補として選ばれた主な要因のひとつであると考える。昨日、ドイツ国際公共放送(Deutsche Welle)のニュースを見ていたら、オバマ政権下では富の格差が拡大したとアメリカの過去8年のジニ係数推移をもとに報道していた。

クリントン氏、共和党の有力者、マスコミ、有識者などがトランプ氏や氏の支持者を軽視・侮辱するような言動は、トランプ氏をサポートする人々にとっては自らにむけて発せされた侮辱であり、ある意味では民主主義化における正当なプロセスを批判し民意を無視・軽視したと考える人々がいたとしても不思議ではない。

格差の拡大により、一部の上位層の人々を除き多くの人々が生活の質(Quality of Life)が改善するどころか逆に下がってきているということに痺れを切らしているという現象はアメリカ特有のものではなく、ヨーロッパ、新興国、途上国でも顕著になってきていることである。 このような状況の中、民主主義の正当なプロセスの得てポピュリストが台頭し権力を手中に収めている世界的な傾向は、過去の歴史を振り返ると世の中が乱れる時代に突入している過程との類似点も多く、憂うものである。

ここ数年、多くの著名経済学者が格差による負の影響を明らかにし警告を鳴らしているが、それらを真摯に受け止め、格差拡大により苦悩を強いられている人々の現状を理解し、それらを抜本的に解決していけるような指導者・体制が生まれてくることが理想なのであろう。世界の一市民として、二人の娘の親として、これからの世の中が歴史の轍を踏まずに破壊につながらない改革が進むことを望み祈らざるをえない。


御参考:『ピケティ、大御所2人と「格差」を語る』:http://toyokeizai.net/articles/-/62725




秋の終わりーウィーン


ウィーンの気温は一桁。早朝は氷点下。もう冬の始まりです。

2016年11月5日土曜日

Julian Rachlin Recital / ジュリアン・ラクリン リサイタル




一昨日(11月3日水曜日)は、妻と二人でJulian Rachlin(ジュリアン・ラクリン)のリサイタルに行ってきました。 

数年前にジョシュア・ベルのリサイタルに来ていた職場の同僚とジョシュアはよかったねと話したら、彼女曰く『…よかったけどジュリアン・ラクリンのほうがもっと素晴らしくて最高…』。 それなら是非聴いてみたいと思っていたのですが、ウィーンでは協奏曲のソリストとしてか室内楽の一員としてのコンサートしかなくて、どうせだったらソロ・リサイタルで聴きたいと思っていたのですが、やっとその希望が叶いました。

会場は楽友協会大ホール。ピアノはデニス・マツーエフ(Denis Matsuev)。 プログラムは以下の通り。第一部はビオラ、第2部はバイオリンでした:

Schumann:Märchenbilder. Vier Stücke für Klavier und Viola op. 113 (「おとぎの絵本」ビオラとピアノ版)
Brahms:Sonate für Klavier und Viola Es-Dur, op. 120/2 (ビオラ・ソナタ第2番 変ホ長調)
Debussy:Sonate für Violine und Klavier (ヴァイオリン・ソナタ ト短調)
Franck:Sonate für Klavier und Violine A-Dur (ヴァイオリン・ソナタ イ長調)

期待と想像をはるかに超えた素晴らしい演奏でした。それぞれの曲に対しの新鮮なアプローチ、かといって、自らのスタイルを押し付ける出なくそれぞれの作曲家のスタイル、曲の良さに脚光あて、他の著名演奏家があまりに表に出さなかったような隠れた美しさが引き出されたりと、聴きなれた曲がこんな風にも聴こえるのかと発見も多かったリサイタルでした。ビオラとバイオリンのトーンも甘美でつややか。テクニックは、今までライブで聴いた演奏家の中では一番すごかったのではないかと思いました。

ピアノのマツーエフも素晴らしく二人の息もピッタリ、単なる伴奏の域にとどまらず
、各々が互角に曲の中で自らの役割を熟知し、それぞれを刺激しあい相乗効果で曲の音楽性を高めていっていたと思います。曲の原題でバイオリン・ビオラとピアノのためのソナタというのはこういうことなんだということをはっきりとわかられてくれたかのような共演でした。

アンコールは、僕の大好きなサン・サーンスの「序奏とロンドカプリチオーソ」、クライスラーの「愛の悲しみ」・「愛の喜び」、そしてワックスマンの「カルメン幻想曲」。コンサートの第3部とでも言ってもよいほどの演目。「序奏とロンドカプリチオーソ」は彼の超絶テクニックをショーケースするかのような演奏。何度聴いたかわからない「愛の悲しみ」は、なぜわからないけど聴いていて思わず涙が流れ出してきそうになるも、「愛の喜び」で有頂天なハッピーさに一転のマジカルな演奏。 「カルメン幻想曲」では、ピアノのイントロが始まると共に客席から手拍子で会場が沸きました。妻も2人もすっかり、ジュリアンのファンとなり帰途につきました。


ジュリアン・ラクリン公式HP:http://www.julianrachlin.com/

デニス・マツーエフの公式HP:http://matsuev.com/

五嶋みどりによるバイオリン器楽曲作品解説のページ、このリサイタルで演奏されたバイオリン器楽曲のほとんどの解説が載っています。著名演奏家による作品解説はあまりないかと思いますのでぜひご覧ください。曲を聴く楽しみが増えるかと思いす。 :http://www.gotomidori.com/program-notes/?lang=ja


2016年11月2日水曜日

Panasonic Lumix G8 / G80 / G85 / G81

ウィーンに戻ってきました。職場復帰しましたが、懸案が山積みでちと大変です。
http://news.panasonic.co.uk/より引用
息抜きにネットを見てたら、これを見つけました。あまり、チェックしていなかったカメラでしたが、Digital Photography Rewiewのレビュー (こちら) を読んで俄然欲しくなってしまったカメラです。なによりも、サンプル画像(こちら)の写りが僕の好みにはまったもの。このサイトの画像が特にそうなのかと思い、他のサンプル画像を探してみましたがどれもとても好ましいものでした。  (例えば、こちら  こちらキットレンズとして組み合わされている12−60も多くの作例を見る限り良さそうなレンズですね、
http://news.panasonic.co.uk/より引用
カメラ自体は、やや大柄のようですが、トップ、背面のボダンやダイアルの配置、デフォルトの機能が記されているところなど、使い勝手も良さそうです。欲しいと思っていたニコンのDL18−50(こちら)は発売が延期されいつになるのか全く発表がないので、こっちにしようかとの衝動に駆られています。

http://news.panasonic.co.uk/より引用

でもこの機種、日本ではG8、アメリカではG85、イギリスではG80、イギリス以外のヨーロッパ諸国ではG81と違う型番で売られているのは紛らわしいですね、それぞれの地域のパナソニックのサイトを見ると、メニュー言語の数が異なるのが主な違いのようです。

パナソニックの公式HP:http://panasonic.jp/dc/g_series/g8/



2016年10月31日月曜日

York, England ・イギリス ヨーク

ハリー・ポッターの映画セットのイメージになったと言われるThe Shambles(シャンブルス通り)

長女のいるEindhovenを後に、この秋から大学に進学した次女を訪ねイギリスのヨークに来ています。次女は、ヨーク大学の Department of Electronics (電子工学部)で学んでいます。

ヨークは長い歴史を持つ北イングランドの都であった街。多くの中世の街なみが取り壊され、近代化が著しく進んだ19世紀に市民による史跡保護運動のおかげでヨークの街並みは保存され今に至っていると、妻と二人で参加した同市有志家による旧市街ワーキング・ツアーのガイドさんから聞きました。

生憎、次女は風邪で我々のホテルの部屋で寝込んでしまい、妻と二人で街を観光しました。

ヨークの見所はこちらをご参考: http://london.navi.com/special/5035411




2016年10月26日水曜日

Dutch Design Week in Eindhoven (アイントホーフェンのダッチ・デザイン・ウィーク)

Design Academy Eindhoven の卒業生の作品展示ー学校の教室が会場です。
妻と二人でオランダのオランダ最大のデザイン・イベントと言われているDutch Design Week(オランダ・デザイン週間)が開かれれいるアイントホーフェンに来ています。
主な目的は同市の大学(Design Academy Eindhoven)に通っている娘に会う事。本来だと秋休みでウィーンに戻ってくる予定だったのですが、今年は休みがこのイベントと重なり、この間は働かないといけないとのことで、二人で訪ねることにした次第。とてもスケールの大きなイベントで、2日目ですがまだほんの一部しか廻れていません。

Dutch Design Weekに関するリンク:





2016年10月25日火曜日

映画 「インフェルノ」



ちょっと話は、前後しますが先週の火曜日(10月18日)の夜に妻と映画『インフェルノ』を観てきました。ダン・ブラウン原作のロバート・ラングドン教授シリーズ、『ダ・ヴィンチ・コード』及び『天使と悪魔』の続編です。主演は、トム・ハンクス。僕の好きな俳優さんです。

仕方が無い事かもしれませんが、原作に比べストーリーはだいぶ短絡化されており物足りず、映画としてももっと痛快活劇的な娯楽性があってもよかったかな?少し期待しすぎたっだかも知れません。

日本でのオフィシャルサイトはこちら:http://www.inferno-movie.jp/site/#!/


2016年10月23日日曜日

ケーブルをシールドしてみました



ばたばたと忙しく、更新が遅れています。

ひと月ほど前にルンダールのトランス使用のK&K オーディオ MC 昇圧トランス 導入の顛末(こちら と こちら)のなかで、トランスとフォノイコの間をシールド線に代えて、ハムが無くなった旨を書きました。その後、どうしても、音質的にVH Audio から発売されたV-Quad Cu24という24 AWG のUniCrystal OCC (単結晶OCC)単線をつかった4芯スタークワッドのケーブルを使い続けたくて、錫メッキ銅編組シールドチューブを買って、シールドしてみました。

完成後、ケーブルを接続。恐る恐るプリアンプのセレクターをPHONOにしてボリュームを上げます。やった~!ハムは出ません! 2枚ほどLPを聴いた限りでは音も良好。やれやれです。

近々、VH Audioのワイヤーの紹介、音の感じなど書きますので乞うご期待!

2016年10月15日土曜日

Burson Audio Soloist Pre-/ Headphone Amp ・バーソン・オーディオ・ソリスト プリ/ヘッドホンアンプ




一年半ほど前、カナダのDIYオーディオマニア向けの通信販売ショップ、パーツコネクションが生産完了に伴う在庫整理と称して4割引で売っていたもの。録音技術をイギリスかオランダの大学で専攻したいと言っていた、次女のために購入。妻には、『…自分が欲しくて買ったんでしょう?』と散々言われましたが、娘はこれに、キットで自ら作ったいわゆるチップアンプとMonitorAudioのRadius 90をつないで彼女のマイ・オーディオとして聴いていていました。とりあえず進学先には持っていかず家に置いておくとのことだったので、ちょうどプリアンプのパーツをアップグレード(詳細後日)をしている間、使ってみようと思いメインシステムのプリアンプと入れ替えました。

バーソン・オーディオは、オーストラリアのオーディオ・マニア仲間が趣味が高じて立ち上げたブランド。プリ・ヘッドフォン・アンプ以外にも、パワーアンプ、ディスクリート・オペアンプ等を作っているブランド。彼らのこだわりは、高級パーツ、部品数を少なくしたシンプルでICを使わないディスクリート回路で音のよい製品をリーズナブル価格で提供すること。Solist は たった21一個のパーツで構成されたフルディスクリート・純A級出力段に加え抵抗切り替え式のステップアッテネーター等の購入パーツが採用されている価格不相応な贅沢さ。内部の写真はこちらをご覧ください:
http://www.6moons.com/audioreviews/burson9/2.html

音を出してみると、想像が裏切られる(笑)ほど凄い音の良さ。正直言ってショックで唖然としました。だって、Solistは定価でも、メインシステムのAudioNoteKitsのL3 プリアンプキット価格の半額程度。今までアップグレードに投資したパーツ代を考えると、Solistが何台買えるのか? それでいて、Solistは辛く観てもL3の80%の音質は確保できている!こういうときには、オーディオマニアをやめたくなってしまいますよね。でも、ここは腹をくくって、L3の部品アップグレードは延期し、Bursonをじっくりと聴いてみることにしました。

L3は真空管増幅トランス出力型でBursonは半導体プリアンプ。まず驚いたのはSolistの音が豊かで滑らかであること。音楽的にまとまりのあるとてもバランスのよい自然な音です。聴感上S/N比はL3より上。そのせいか、録音されているエコーやホール・トーンがより明瞭にきこえます。低音は力強さが増した感じですが音源によってはちょっとツーマッチな感じがしたこともありました。バイオリンは時々音が細めかなとも思いましたが、全体的にボーカルやクラシックやジャズのアコースティック楽器構成のレコーディングが特によく、ロック・ポップスなどエレクトロニック楽器によるレコーディングは若干ざらつきが気になることも多かったです。下手な真空管プリアンプより真空管らしい音がするような気がしました。部品数の少なさなら、L3も負け無いけど、コンパクトな個体のショートシグナル・パスが効いているのかL3とはやや違った観点からの情報量の多さを感じました。

Soloist は生産完了のようなので市場在庫品か中古品になってしまいますが、手頃な出物があればサプ用にでも購入をお薦めしたくなる稀に出てくるお手頃価格の特別な逸品だと思いました。


日本ではこちらがバーソン・オーディオの現行製品を扱っているようです:  http://www.aiuto-jp.co.jp/burson/

バーソン・オーディオのホームページ:https://www.bursonaudio.com/

同社HPSoloistのページ:https://www.bursonaudio.com/products/soloist/




2016年10月12日水曜日

オペレッタ 「白馬亭にて」フォルクスオーパー ・”Im weißen Rössl (The White Horse Inn)” at VolksOper



10月10日 月曜日は友人ご夫婦のお誘いで、妻と共に「Im weißen Rössl(白馬亭にて)」というオペレッタをフォルクスオーパー(国民歌劇場)で観てきました。この劇場は我が家から徒歩でも15分程度のところにあるのですが、今まで機会が無くて僕は初めて。ウィーンにある他の歌劇場に比べ、ややこじんまりとして、オペラだけではなく、オペレッタ、ミュージカル、バレエのなかでもより広い層の観客にアピールするプログラムが上演される劇場です。

友人御夫婦の話だと、「Im weißen Rössl(白馬亭にて)」はドイツ語圏では知らない人はいないというほどに有名な喜劇とのこと。もともとは1897年制作されてもので、その後、映画化もされ大ヒットとなったそうです。このオペレッタはラルフ・ベナツキーとローベルト・シュトルツによりつくられ1930年に初演されたもの。詳細はこちらをどうぞ:
https://classicworld.at/vienna/opera-and-operetta

とにかく楽しいショーで、オペレッタというよりはミュージカルを観ている感じでした。こじんまりとした劇場によくこれだけの歌手・役者さんが出演するなと関心するほどに大規模な演出で客席も巻き込みとても華やかでした。英語の字幕はあったのですが、劇中のジョークはドイツ語圏の様々な地方の面白い言い回しや風習・習慣・人々の性格違いを揶揄したものが殆どで日本人の私たちにはわからないユーモア。周りが大爆笑するなかきょとんしていたことも多かったです。この劇に使われている歌も大ヒットたみんなが知っている歌のようで、観客の多くは役者さんが歌うのにあわせ、一緒に口ずさんでいました。

オペレッタの後は、近くのレストランで遅い食事。会話が弾み4人でワイン2本を空け家に着いたのは午前様。さすがに翌日の出勤はつらかったです。

フォルクスオーパー(国民歌劇場)について:http://www.austria-fan.com/

フォルクスオーパー HP:http://www.volksoper.at/


2016年10月7日金曜日

アカデミー室内管弦楽団 (Academy of St. Martin-in-the-Fields)+ ユリア・フィッシャー (Julia Fischer) マリナー追悼公演


コンサートのポスターでサー・マリナーの名前をみるのはこれが最後です

ウィーンは今週から急に冷え込み、今日は最高11度、最低1度とのこと。先週の土曜日は28度まで上がり、半そで短パンだったのですけど...

10月4日火曜日は妻と二人でアカデミー室内管弦楽団 (Academy of St. Martin-in-the-Fields)のコンサートに行ってきました。ソリストは、Julia Fischer (ユリア・フィッシャー) 会場は楽友協会大ホール、プログラムは以下の通り:

Felix Mendelssohn Bartholdy Ouvertüre Die Hebriden“, op. 26 (『フィンガルの洞窟』)
Ludwig van Beethoven Konzert für Violine und Orchester D-Dur, op. 61
Wolfgang Amadeus Mozart  Symphonie Es-Dur, KV 543 (交響曲第39番)

サー・ネヴィル・マリナー追悼公演となったこのコンサート、第一曲目のあと一分間の黙祷。 そのあとのベートーヴェンバイオリン協奏曲フィッシャーの演奏はこれ以上は望めないと思うぐらい冴え切っており、休憩後のモーツァルト交響曲第39番はマリナーを送るのにふさわしい熱演だった思いました。

コンサート・マスターがマエストロをおくる曲ですとアナウンスして、はじまったアンコールの「ダニー・ボーイ」、涙を誘う感動的な演奏でした。


2016年10月3日月曜日

訃報:サー・ネヴィル・マリナー

Wiki Media Commons:  Werner Bethsold, CC-BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=51237360

アカデミー室内管弦楽団 (Academy of St. Martin-in-the-Fields) を結成し長年指揮者として率いてきた、サー・ネヴィル・マリナーが 昨日お亡くなりになったそうです。享年92歳。

映画「アマデウス」のサウンド・トラックを担当した、氏の演奏には、クラシック・ファンでなくとも触れた方々が多いはず。

2012年初めに、ウィーン楽友協会で氏の指揮するアカデミー室内管弦楽団をコンサートで初めて聴いたときの美しい弦楽器の音色ときらびやかな演奏はまだ印象強く僕の記憶に残っています。プログラムは グリンカ(ルスランとリュドミラ序曲、メンデルスゾーン(曲目失念)、ドボルザーク(新世界)でした。このブログをはじめる数ヶ月前のことでした。

氏は明日ウィーン楽友協会でアカデミー室内管弦楽団の演奏指揮する予定で、チケットはかなり早い時期に完売状態だったので立見席ながら僕たちもチケットを入手していました。楽友協会からのお知らせでは、明日は指揮者不在のアカデミー室内管弦楽団による追悼コンサートとなるとのことでした。

御冥福をお祈りします。

ガーディアン誌の追悼記事:
https://www.theguardian.com/music/2016/oct/02/conductor-sir-neville-marriner-dies-academy-st-martin-in-the-fields-amadeus?CMP=share_btn_link

2016年9月29日木曜日

マキシム・ヴェンゲーロフ リサイタル / Maxim Vengerov Solo Concert

彼のコンサートはこれで3度目ですが、今回はだいぶ貫禄がついたように思いました。

一昨日の夜(9月27日 水曜日)は、マキシム・ヴェンゲーロフのリサイタルに行って来ました。妻は急にフィレンツエの義妹のところに行くことになったので、今回は僕一人。会場は楽友協会大ホール。彼は僕が大好きなバイオリニストの一人で彼のCDはほとんど持っています。伴奏はMarios Papadopoulos 。 オール・ブラームのプログラムで演目は以下の通り:

Sonate für Klavier und Violine Nr. 2 A-Dur, op. 100 (ヴァイオリンソナタ第2番 イ長調 )
Sonate für Klavier und Violine Nr. 3 d-Moll, op. 108 (ヴァイオリンソナタ第3番ニ短調)
Scherzo für Violine und Klavier c-Moll, WoO 2; 3. Satz der F-A-E-Sonate
(スケルツォ ハ短調 ) 
Sonate für Klavier und Violine Nr. 1 G-Dur, op. 78
(ヴァイオリンソナタ第1番ト長調『雨の歌』)

僕はブラームスのバイオリンソナタが好きで、それを大好きなバイオリニストのヴェンゲーロフが弾くとあってとても期待していきましたが、それに応えてくれたとても素晴らしいコンサートでした。彼のバイオリンの音色の素晴らしいこと! ただ、伴奏がもうちょっとよければという気がして残念でした。2人で録音してブラームスのバイオリンソナタ集のCDが今年出るようなのですが...。

でも、一晩のコンサートで大好きなバイオリニストによるブラームス・バイオリン・ソナタ全曲というのはとても美味しいご馳走を食べ過ぎた感じがしないでもなかったです。 な~んて、言いながら 翌日には復習がしたくなって、早速 ジョコンダ・デ・ヴィートのブラームス ソナタ集 CDを聴きました。

アンコールもブラームスででハンガリー舞曲第一番と第二番でした。 


僕が好きなヴェンゲーロフのCDです:

 
ブラームスとベートーベンのコンチェルトはヴェンゲーロフによるカデンツァです。とくにベートベンは好みが分かれるかもしれませんが、今日日、有名な曲に自らのカデンツァで挑んだヴェンゲーロフにエール!

2016年9月27日火曜日

ウィーンのレコード市 ー Internationale Vinyl und CD-Börse

先週の土曜日(9月24日)は、早起きしてイギリスの大学に進学する次女を空港に見送りにいってきました。イングランドの大学は新学年が10月から始まります。これで妻と僕は、エンプティー・ネスター。こうなってみると、なんかあっけない感じですね。まだ実感はわきませんけど…。

当日は素晴らしい秋晴れの天気だったので見送った後、妻は友人たちとテニスに行くと出かけ、じゃ、僕はレコード市があるからそれにいってくるね、とそれぞれ家を出ました。あまりにも気持ちのいい良い天気だったので、『こんな日にレコードのエサ箱を漁るのは…』と気が引けなかった訳でもないのですが、やはりマニアの性に勝てず会場へ。

この日に購入したレコードの一部。この写真のクラシックは一枚3か4ユーロ。このぐらいの値段だとついつい色々を買ってしまい、いつも妻には『…こんなにレコード増してどうするの…』と言われてしまいます。
特にこれはという掘り出し物には巡り合えませんでしたが、なぜか以下の日本盤のレコードを見つけて、大した値段ではなかったので購入。後の3枚はどう見ても日本からやってきたとしか思えなく、YMO以外は欧米のレコード店・市見るのは初めて(そんなにいろいろと回った訳ではないですけど…)なので、どういう経緯でウィーンにやってきたのか? 盤のコンディションは悪くなかったのですが、ジャケットはだいぶ年季が入ってました。


週末に早速、4枚、聴いてみました。サディック・ミカ・バンドの「黒船」はCDで初めて聴いたアルバムで、その時はあまりピンとこなかったのですが、LPで聴いてその名盤たる所以に納得。YMOはさすがにちょっと色褪せたかな? 近田春夫&ハルヲフォンの「電撃的東京」は、初めて聴きましたが、歌謡曲を、今でいうパワーホップ的にアレンジした小気味良いサウンドに脱帽、大学時代に良く聴いていた思い出多き山下達郎の「For You」、CDもLPも持っているのだけどついつい買ってしまった。しばらくぶりに聴くと、プレスの違いなのか、なんとなく持っているLPと違った印象。早速、聴き比べると、こちらの方が若干鮮度が高いような...。今までだとこういう時にはご意見番の次女に聴いてもらっていたのですけどね、冬休みに帰省してくれる時の楽しみにしましょう。「For You」はアナログ盤のほうがだんぜん良いですね。20年ほど前にCDを買ってワクワクしながらかけて出てきた音にがっくりきたことを思い出しました。 

2016年9月25日日曜日

<続き>ルンダールのトランス使用のK&K オーディオ MC 昇圧トランス /K&K Audio MC Phono Step-Up -ハムも解決!ーその2

出来あがったMC昇圧トランスキット
ウィーンは今週に入り、急に気温が下がり、明け方は一ケタ台。 やっと秋になった感じです。

前回からの続きです...

ハムとの戦い
ちょっと大げさな見出しですが、ハムをなくそうと試行錯誤している間は、まさに戦っているという気持ちでした。アースのとり方、つなぎ方を色々と変えたり、長めのケーブルを買ってトランスの置き場をかえたり、奥向き・方向を変えたり、ケーブルをまとめたり、離したり、アルミフォイルで巻いたり などなど。

トランスを元のDenonのAU-300LCにかえるとピタリとハムはなくなるものの、何か物足りない音。値段が3倍近くちがうのですから当然ですよね、そうでないと僕は困ってしまいます。全くたちの悪いオーディオのどつぼにはまってしまいました。

別のトランスに買い換えるか、いっそのことヘッドアンプにしようか、あるいはフォノイコそのものを変えような?でもキットの昇圧トランスは高く売れそうにないし、無駄な出費だったかな?などと思いは悪い方向に進んでいきました。

で、あるときふと思いつき、DenonのAU-300LCのケースを開けて中を観察してみました(もっと早く思いつくべきでしたが...)。むろんトランスそのものは違いますが配線はK&KAudioと殆ど同じ、唯一感じたのは、AU-300LCはトランスからフォノイコ・プリアンプまでのケーブルが固定式になって変えられないようになっています。でそのケーブルのシールド線でその結線方法が違うような…

で、また思ったのは、我が家ではターンテーブルからトランスまでとトランスからフォノイコまでのケーブルは両方とも去年VH Audio から発売されたV-Quad Cu24という24 AWG のUniCrystal OCC (単結晶OCC)単線をつかった4芯スタークワッドのケーブルを使った自作品。シールド線ではありません。こちらで書いたように、ターンテーブルからAU-300LCの間で問題がなかったのだから、昇圧されたより高い出力では問題がないであろうと思ってトランスからフォノイコの間も同じものを使っていたのです。これをシールド線に変えるとどうであろうか?

幸い、使っていなくても手放せていないAudioNote UKの2芯+シールドのケーブルが2組あったのでそれを使って試すことに...。まずはターン・テーブルとトランスの間をシールド線にかえてみる。若干、ハムは収まった感じだけど気のせいと言われてもおかしくない微量。次にトランスとフォノイコの間を変えてみると、「あれ~、何で?」ハムは忽然として消えたのでした。

念のため、トランスをはずし、ターンテーブルとフォノイコと直結して、プリアンプのボリュームをあげどの時点から残存ノイズが気になるか?トランスを入れて同じようにするとどうなるか?AU-300LCと比べてどうかとか試してみて本当にハムがなくなったのかを確認。でもハムがなくなるとオーディオ・マニアの悪いところで、V-Quad Cu24のほうがAudio Note UKのケーブルより音がいい?なんて思ったりして、恐る恐る、ケーブルを戻すとハムの再来。でも、ターンテーブルとトランスの間はV-Quad Cu24でも大丈夫であるということを確認したところで、タイムアウト、一時帰国の出発日となってしまいました。

トランス本来の音の良さ
家族より2週間ほど早くウイーンに戻ってきたので、しばらく色々とレコードをかけて本当にハムがでなくなったことを確認。そうすると、このトランス本来の実力がもっとわかるようになってきました。多分、今まではハムにかき消されていたであろう音量の小さな音楽情報もよく聴こえてくるようになり、このレコードにはこんな音も入っていたのか?と驚く事もしばしば。これがこのトランス本来の音の良さだったのでしょう。

毎度ながら月並みな表現でもうしわけありませんが、AU-300LCと比べてどのようによくなったかというと、情報量が上がり鮮度も高くなったということだと思います。前述したように今まで聴こえなかった音が聴こえるようになりました。音量を上げなくてもはっきりと音のよさがわかります。レコーディングの違いもよりはっきりわかるようになりました。アナログ盤を聴く楽しみがさらに増えてきました。

MC昇圧トランスをアップグレードして本当によかったと思えるようになりました! やはり、MC昇圧トランスがよくなるとカートリッジの実力も十分に発揮されているようで、DL103シリーズがなぜ世界的なロングセラーなのかよくわかったような気がしてきました。

欲が出てくる...オーディオ・マニアの悪い癖
一時期あんなに悶々としていたのに、問題が解決すると現金なもので色々と欲が出てきます。やはりV-Quad Cu24のほうがよさそうだから、それを使ってシールド・ケーブルをつくろうか、カートリッジを替えるともっと音がよくなる? といったものです。

よい音を求める旅は続く? なーんて書くとキザで気恥ずかしいですが、そんな気持ちです。

高音質なMC昇圧トランスをお探しであれば、このK&K Audioのトランスを御検討されてもよろしいかと思います。

K&K Audio に関してはアフィリエイトでもなくその他の利害関係もまったくありません。念のため...


僕の現在のアナログ環境は以下の通り (こちらもどうぞ):

ターンテーブル:VPI HW-19 Jr. と(スピンドルとプラッターは上位機種のものにアップグレード)

アーム: VPI JWM-9

カートリッジ: Denon DL-103R

フォノイコ:Audio Note Kits L1 Phono (改)

トランス:K&K Audio Premium MC Step-Up

ケーブル:
ターンテーブル、トランス間:VH Audio V-Quad Cu24 をつかった自作 
トランス、フォノイコ間: Audio Note UK AN-V
フォノイコ、プリアンプ間: VH Audio V-Quad Cu24 をつかった自作


K&KAudioのHP: http://www.kandkaudio.com/




2016年9月22日木曜日

フーバー・早乙女・陽子さんとPatricia Pagnyのリサイタル / Yoko Saotome Huber Violin Recital



今シーズン初コンサートはフーバー・早乙女・陽子さん(バイオリン)とPatricia Pagnyさん (ピアノ)のリサイタルで、昨日 (9月21日)に家族三人で行ってきました。会場はGesellschaft für Musiktheater。 Palais Khevenhüller という元貴族の宮殿だった建物(ウィーンはこのような建物だらけでなので特筆することでもないのですが)にあるこじんまりとした会場。我が家から徒歩5分ほどのところにあるのですが、僕は今回が初めて。若手音楽家中心のコンサートが定期的に行われている場所です。

プログラムは以下の通り:
モーツアルト:バイオリンソナタ第26番 変ホ長調 K.302 
ベートーヴェン:ロマンス第2番ヘ長調 Op.50
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第8番ト長調 Op.30/3
シューベルト:バイオリンソナタ イ長調 D.574
ブラームス:スケルツォ ハ短調 WoO 2  

久しぶりのコンサート。やはり、生演奏は良いですね。奇しくも昨シーズン最後のコンサートがフーバーさんのリサイタル(こちら)だったのですが、前回に勝るとも劣らぬ素晴らしい出来で、とくにピアノとのアンサンブルが絶妙だったと思いました。


2016年9月17日土曜日

ルンダールのトランス使用のK&K オーディオ MC 昇圧トランス K&K オーディオ MC 昇圧トランス /K&K Audio MC Phono Step-Up - ハムも解決!ーその1


今年の2月に購入、製作して使っていたのですが、ハムにずっと悩まされており、このブログで紹介するのを躊躇していました。それが6月末、日本に一時帰国するちょっと前に解決、ウィーンに戻ってから色々と聴いていますが、ハムは無事に退治できたようなので、記事を書くことにしました。

K&K Audio はスウェーデンのルンダール(Lundahl) トランスのアメリカ総代理店をやっている会社で、主にオーディオ用パーツ販売、自社製オーディオ機器、コンポーネント、キットの製造・販売もやっている会社です。アメリカのオーディオファイルの間では特に同社が開発したDACがとても評判になったことがありました。僕は同社のアッテネータも使っています(こちら)。

K&K Audio のMC昇圧トランスはキットでも完成品でもかえるようになっており、当然ながら、ルンダールのトランスを使用したもの。Basic とPremiumバージョンがあり、主な違いは使われているトランス。詳しく比べると以下の通り:

使用トランス:
Basic:Lundhal LL9226 (よりゲインの高いLL1678への変更も可能)
Premium:Lundhal LL1931(よりゲインの高いLL1941への変更も可能)

両方とも負荷抵抗は差し替え式で簡単に変えられる。

Premiumはさらに、
  • アースのとり方(つなぎ方)を基板上のコネクタの差し替えで簡単に変えられる。
  • ゲインを基板上のマイクロスイッチで簡単に変られる。
  • パーツも銀線リード、カルダスのロジウムメッキのRCAジャックといった一ランク上のものを使用。
価格:ベーシックのキットがUS$325、完成品は$385。
プレミアムはキットがUS$600、完成品は$650です。 

キットでもプリント基板がベースなので、ハンダ付けをやったことがある方であれば比較的簡単で短時間に組み立てることができると思います。

今使っているカートリッジはDenon DL-103R。昇圧トランスは同じくDenonのAU-300LCを使っていました。カートリッジを替えるかトランスを先に変えるか迷っていた際に、沖縄のオーディオの先輩に相談したところ、『カートリッジの音の傾向に特に不満が無ければトランスを変えると、その傾向で音のグレードが上がるよ』との助言を得て、一番コストパフォーマンスがよさそうであったK&K オーディオのMC 昇圧トランスを導入するすることに決めたのでした。ベーシックを買ってもいつかきっと欲しくなるのは明白であったので、奮発してプレミアムを選択。

2月に初めてこの昇圧トランスを使った際には音の変化にとても驚き、これはカートリッジを替えるのと同等かそれ以上の変化があると感激しました。その喜びから落ち着いて色々と聴いていくと、ハムが気になります。小さい音量ならまだしも、ちょっとあげるとはっきりと聴こえてきます。それからは常に頭の隅っこにハムのことが引っかかるようになり、悶々とした日々が始まりました...。


ちょっと長くなってきたので、続きは次回!


2016年9月14日水曜日

やり直し大統領選が延期に



極右自由党候補のホーファー国民議会(下院)第3議長

不正開票があったとして、憲法裁判所がやり直しを命じたオーストリアの大統領選挙(http://isakusphere.blogspot.co.at/2016/07/blog-post.html)、10月2日に投票が予定されていましたが、郵送票の封筒にのりが剥がれるという欠陥あったことがわかり、延期されることになったそうです。11月末から12月初めになるとのこと。

二週間ほど前のドイツのメルケル首相の地元の選挙で反移民を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勝利を収めるということがあったばかりですが、この延期はどのように影響を及ぼすのでしょうか? 

無所属として立候補したリベラル左派「緑の党」前党首のファン・デア・ベレン氏

2016年9月9日金曜日

ファーウェイ P9 /Huawei P9 スマートフォン を買いたくなった作例の紹介



ライカと共同開発したカメラ機能を備えたとの謳い文句で発売されたファーウェイ P9 /Huawei P9 スマートフォン。 マーケティングのためにライカの名前を使った? ライカも落ち込んだな?と勝手に思い込んで全く興味が沸かなかったのですが、前にも紹介した(こちら)、Robin WongさんのブログにあったP9レビューの作例を見て一転、気が変わりました。よく調べると、かなり大掛かりにライカが開発に関わっていたということ:
(https://www.dpreview.com/news/7828473307/huawei-clarifies-leica-involvement-inp9-camera-design) 。

百聞は一見にしかず、よく調べないで判断した思い込みはいけませんね、反省しました。是非、ロビンさんのブログの3回の連載記事をご覧ください。作例だけでもすごいです:

総論と「ワイドアパーチャ機能」によるボケ味:

https://robinwong.blogspot.co.at/2016/08/huawei-p9-review-is-this-photographers.html


ファーウェイ P9 で夜景を撮影

https://robinwong.blogspot.co.at/2016/08/kuala-lumpur-after-sundown-with-huawei.html


ファーウェイ P9 で撮った白黒写真

https://robinwong.blogspot.co.at/2016/08/a-full-monochrome-image-sensor.html



僕は職場から支給されたサムソンのスマホを使っていますが使い勝手よくないので自腹でiPhoneを買おうかと迷っていましたが、でもロビンさんのP9の作例を観たら、アンドロイドでも良いからにHuawei P9にすべきかと今真剣に悩んでいます。P9のほうが安いし、ヨーロッパではデュアルSIMバージョンなので一時帰国や旅行の時も便利だし...。


2016年9月2日金曜日

Canon キャノン PowerShot G9X ファースト・インプレッション


キャノン PowerShot G9X が届いてから2週間ちょっと。 ファースト・インプレッションをまとめました。作例はクリックすると拡大してみることが出来ます。

僕にとっての、G9Xは、日常的に使うサブ・カメラです。平日は通勤カバンの中、週末はケースをベルトに通して常に持ち歩いています。いままではS95の役割でした。旅行や行事、あるいは写真を撮影するために外出する際は、目的に応じ、ニコンD750、Leica M9, オリンパスOM-D EM-5がお供に加わります。

カメラの外見、手触りですが、とても質感が高く、高級感あふれるものです。デザインも、よい意味でレトロな要素も取り入れ、カメラ!という感じを前面に出した形。ローレット加工の金属を使ったダイヤル、樹脂に独特の塗装を施した革のようなグリップ、さりげない赤いラインのアクセント(上の写真を御参照)、持つ喜びを感じさせる逸品に仕上がっています。

Canon G9X , 1/250, F4.9, ISO 125 
今まで使ったデジカメで慣れ親しんだ カメラ背面のコントローラーホイール(十字コントローラー)が省略され、操作感はどうかと不安でしたが杞憂に終わりました。お店でカメラに触れ大丈夫だとは思っても実際に使うとチョッと?ということはよくあるので...。

Canon G9X, 1/60, F4.0,  ISO125, -1/3
レンズの周りのコントロール・リングとタッチパネルを各々あるいは組み合わせて行うカメラ及び設定メニューの操作は思った以上に快適でほぼ直感的にできるものでした。

とくに、ズームレバー操作感とズーミングの動きは同じくキャノンのS95やS120と比較し、はっきりとわかる違いでよくなっています。コンデジ一般にありがちな、ギクシャクした動きや、すぐ行き過ぎになったり、足りなかったりすることなく、とてもスムーズに思ったとおりに動いてくれます。



Canon G9X,  1/250, ISO 125、+1

僕は通常プログラム・モードとRAWフォーマットの組み合わせで撮影しています。現像はAdobe Lightroom。このページの作例は『忠実設定』で若干トリミングや露出補正をしてあります。

ポケットに入るコンデジとしては、ダイナミックレンジが広くなり、現像による絵作りの幅も広がりました。色合い、解像感、シャープさなど素晴らしく フルサイズ、APS-C, マイクロフォサーズなどの大きいフォーマットのカメラと比べても、ひけをとらない写りです。
Canon G9X , 1/60, F4.0, ISO800、-1 1/3
写真を趣味とする方のサブ・カメラの目的でも、スマホより一歩上のメインのカメラとしての目的でも十分に納得いく品質・画質です。特に価格を考えると、素晴らしいコストパフォーマンスだと思います。一ランク上のコンデジをお探し方はG9Xも検討されることをお薦めします。


2016年8月27日土曜日

訃報:ルディ・ヴァン・ゲルダー



あの、ヴァン・ゲルダー氏が8月26日に91歳でお亡くなりになったそうです。
その黎明期から数々の名盤の録音に携わってきた氏は、モダンジャズを創り上げた貢献者の筆頭の一人であったと思います。

マンハッタンで働いていた頃、氏のスタジオはニュージャージにあった僕の自宅から車で15分ほどのところにあって、どうしても行ってみたくて、奥まった路地を入り恐る恐る覗いてみたことは、今となっては良い思い出です。

ウィーンで知り合ったジャズマンの方がヴァン・ゲルダー氏に録音してもらったことが何度かあったとのことで、氏はモニター室ではあまりにも大きな音で再生するのでミュージシャンはそこには近づかなかったという逸話を最近伺ったばかりでした。

ご冥福をお祈りします。

ニューヨークタイムスに氏の追悼記事があり、代表的な録音のサウンドクリップも聞けます。リンクはこちら:http://nyti.ms/2bN14nM と http://nyti.ms/2bmk9iu

後者の記事はリバーサイド・レコードを興した、故オーリン・キープニュース氏の息子さんでNYタイムスの編集者のピーター・キープニュース氏が書かれたものです。