2012年9月28日金曜日
チャリティーコンサート
ウィーンは、ここ2週間ほど日々の気温差が大きく、26度でちょっと汗ばむの翌日は13度で肌寒いといった感じで風邪がはやっており、僕もやっと治りかけたところです。
先週の木曜日に、日本の震災復興のためのチャリティーコンサートが楽友協会ブラームス・ザールでひらかれ、風邪をおして家族で行って来ました。広島出身で国際的に活躍しているチェンバロ奏者、光井安子さんらの呼びかけで、日墺の音楽家の方々が中心となって開かれたもの。 パリ室内楽アンサンブル、ウィーン少年合唱団、男声合唱団コルス・ヴィエネンシス、Ildiko Raimondi(ソプラノ)、 Yun Hong Zhao(ソプラノ)、小林真理(メゾソプラノ)、 Andrea Eckert(朗読)、光井安子(チェンバロ) が出演。とてもすばらしい催しでした。PRが足りなかったようで、観客席に空席が目立ったのがとても残念でした。
2012年9月26日水曜日
歯医者さん (エレーヌ・グリモーのソロ・コンサート)
昨年の秋の暮れ、家族でエレーヌ・グリモーのソロ・コンサートに行ってきました。 場所は、ウィーン・コンツェルトハウス。アメリカから遊びに来ていた妻の従妹2人も一緒です。プログラムは、グリモー2010年のアルバム『レゾナンス』全曲。モーツアルト、リスト、アルバンベルグ、そしてバルトーク。
会場は満席。著作もすべてドイツ語訳が出版されている彼女はウィーンでも大人気のようです。 休憩時間トイレに行く途中、どっかで見た顔にバッタリ。僕の顎の噛み合わせの問題と次女の歯列矯正で親子ともどもお世話になっている歯医者さんのDr. Ronayです。いつもの開襟シャツとジーンズという格好とはうって変わって、今日はダークグレーのスーツに真っ赤なネクタイ! 先生は、『あ、僕の患者だけど名前が出てこない…』 という表情でしたがにこやかに握手。 『明日予約が入っているので、よろしくお願いします。』と別れました。
翌日、診療室に入るなり、『昨日の演奏はどう思いましたか?』 面白かったけど、モーツアルトは変わっていましたねと答えると、先生はニヤリとして、『そうなんだよ~彼女は、作曲家の意図を完全に無視して自分を表現するタイプだからね。 そういう意味では、グールドと一緒』 ...『昨日のバルトークは、ダイナミックスが足りなかったね。あそこのホールなら、もっとフォルテシモが出るはずだけどな~、ピアノのせいか彼女が疲れていたのかわかないけどね』...云々と診療後回しでしばらく音楽談義。
先生はウィーン生まれ・育ちで思っていたよりだいぶ年上であるらしいということ、小さいころから音楽に親しみよくコンサートに行っていた。 グルダのベートーベン・ピアノ・ソナタ全曲演奏のコンサート・チクルスをすべてみた, ブレンデルが好きだ、などなど、15分程度で終わるはずの予約が40分近くかかってしまいました。 外に出ると患者さんが3人ほど待っていました。
グリモーが弾いたリストのピアノ・ソナタ・ロ短調を14歳のときにはじめて聴いて以来 好きな曲だという、DR. Ronayが一番好きだという ジョルジュ・シフラの演奏のCDをこれまた、先生に教えてもらった、jpc.de から早速買って聴きました。録音は、古いけどよかった。
グリュモーの『レゾナンス』も持ってなかったので一緒に買いました。 このCDのモーツアルトも独創的ですがコンサートの演奏はこれよりも格段にわが道をいっていました。
2012年9月20日木曜日
2012-13 コンサート・シーズンの始まり (クラウディオ・アバドとルツェルン祝祭管弦楽団とマウリツィオ・ポリーニ)
いよいよ、2012-13 コンサート・シーズンが始まりました! 日曜日はシーズン始めにクラウディオ・アバドとルツェルン祝祭管弦楽団を聴きに行って来ました。 プログラムはモーツアルトピアノ協奏曲17番ト長調(KV 453) とブルックナー交響曲一番。会場は楽友協会大ホール。 ソリストは、マウリツィオ・ポリーニ。妻と長女は別の用事があったので、次女と二人。
ウィーンはだいぶ日が短くなってきましたが、開演まえの7時ちょっとすぎでもまだ明るいです。 |
今回は2階のバルコニー席です。 |
拍手に応えるアバドとオーケストラ |
数年前の出張で、生まれて初めてウィーンにきたのが丁度この時期で、そのときに初めて楽友協会でコンサートを聴き、その際の演奏者が、アバド、ルツェルン、ポリーニだったので、感深いものがありました。そのときは、まさかウィーンに越してくるなぞ夢にも思わず。今度来れるのはいつのことやらと思っていたので人生わかりません。
コンサートはとてもすばらしいものでした。ブルックナーの一番は初めてだったのですが、とても楽しめました。アバドとルツェルン祝祭管弦楽団の演奏は特にすごいものだと思います。CDもいいのがありますが、ライブはもっとすごい。世界トップの名指揮者と技術・音楽性・経験を兼ね備えた世界トップクラスの音楽家達が音楽祭とこのツアーの為だけに集まって繰り広げる渾身の演奏は、バイタリティーと成熟を兼ね備え、音楽の魂を熱気を添えて観客に伝える類まれなものだと思います。
2012年9月16日日曜日
PSY
いま、YouTube でバイラルになっているPSY(サイ)の「Gangnam Style (江南スタイル)」ミュージック・ビデオ。韓国で今年の7月15日に発売された同曲はYouTubeにオフィシャル・ビデオが公開され2ヶ月ほどで1億8千300万回の再生。34歳のK−ホップのラッパー (本名:パク・ジュサン)は、この成功でアイランド・レコード、そして、ジャスティン・ビーバー のマネージャー Scooter Braun (スクーター・ブラウン)と契約。アメリカで数多くのテレビ・ラジオ番組でインタービューを受け、同曲はiTunes シングルチャート一位を記録する等の快進撃。アメリカでは、オーバー・ナイト・サクセスとして大きな話題になっているようだ。 アメリカの公共放送NPRのインタビューでは、ボストン大学とバークリー音楽院に留学経験を持つサイが今後も韓国語で歌って行きたいと答えたことに、僕としては好感が持てた。英語以外でも世界に歌を広められるということは、ポップミュージックがインターネットによりグローバル化している証だと思う。
このビデオ、かっこよさを追わずにユーモアたっぷりでわかり易いということとキャッチーで聞覚えやすい「♫〜 ガンナム・スタイル〜♫」というリフレインが言葉の壁を越えて受けているのだと思う。
日本のミュージシャンもオフィシャル・ビデオをYouTubeでどんどんと公開すればいいのにと思う。サイのようにグローバルにブレイクするアーチストが出てくるかもしれない。どうせ海賊版がでまわるのだから、ケチらずに広告・PRに一部だと思えば良いのだ。
NPRのインタビュー:http://www.npr.org/2012/09/15/161147846/k-pops-new-king
PSY YouTube チャンネル、累計再生回数2億7千8百万回!: http://www.youtube.com/user/officialpsy?feature=results_main
本ビデオ関する楽天InfoseekWomen記事:http://woman.infoseek.co.jp/news/k-pop/kstarnews_kpop1305186175
2012年9月14日金曜日
Ruggiero Ricci (ルジェーロ・リッチのパガニーニ)
Ruggiero Ricci(ルジェーロ・リッチ)が先月亡くなった。享年94歳。アメリカ生まれのリッチは幼いことから神童として活躍。10歳でカーネギー・ホール初演、その際に花束の代わりに模型飛行機を送られ、楽屋にはおもちゃとお菓子が山のように届けられたと言う逸話もある。第二次世界大戦時に徴兵され、 “entertainment specialist” (娯楽専門兵)として慰問公演で各地を回った。そのときの経験が彼が多くの無伴奏曲をレパートリーにしたことに寄与しているという。パガニーニの再評価に貢献し、世界で初めてカプリース全曲を録音。彼は生涯で合計4回、この曲のレコーディングを行っている。
リッチ4度目のカプリースはパガニーニが使っていた、グルネリ・デル・ジェスの「カノン」を弾いて録音。五嶋みどりのCDを聴きなれていたので、初めて聴いた時は荒々しく感じた。でもアクロバティックでスリリングな演奏は、まさに、悪魔かと称されたパガニーニの意図する所だったのであろう。録音は、ちょっとラフな感じがしないでもないが、雰囲気は良く録れていると思う。 |
米ザ・アブソリュート・サウンド誌主宰のハリー・ピアソン氏絶賛のJVC/XRCD盤。ピアソン氏によるとオリジナルに匹敵するらしい、残念ながらオリジナルを聴いたことがないので何とも言えないが、いい音のCD。演奏も素晴らしい。オリジナルのデッカLPはかなりのプレミアムがついているようだからこのCDはお薦め。 お薦めのRicciのアルバム: |
2012年9月13日木曜日
夏休みも終ったー2
次の小旅行は、8月半ばの3連休を利用してイタリア北部フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のCormons (コルモンズ)へ。スロベニアの小さな町で、白ワインが有名なコリオ地方の中心です。ウィーンから車で4時間半ほどのところ。ついたのが夕方だったので、一休みして宿のオステリアで食事。とてもおいしかったのですが、思ったよりもたくさん料理が運ばれてきておなかは120%。こんなはずではと思ったのですが、イタリアのこのあたりでは英語はあまり通じないようです。
泊まった宿(Terra &Vini)
宿の裏は葡萄畑が続きます。 |
バジリカ、モザイクの床の上1mほどの高さににガラスの通路 |
4世紀後のに作られたというモザイクの床。表情豊かな動物達がキリスト教の教えもモチーフとなっているとの。 |
アクイレイアには、町中がローマ時代の遺跡の上にあるので、まだ未発掘のところも多いようです。発掘品の多くは町の博物館に展示されており、ここは小規模ながら興味深いものがたくさんありました。
ほぼ、丸一日アクイレイアで過ごし、夜はコルモンズの町外れにあるLa Subidiaで夕食。ミシェラン一つ星のレストランだけあって、洗練されたサービスとクリエイティブな料理を満喫できました。
翌朝は、ワイナリーを回って変える予定でしたが、あまりにも暑くワイン試飲という気分にもならなかったので、それは次回の楽しみにとって置くことにしました。
アクイレイアに関して(ユネスコ・英文):http://whc.unesco.org/en/list/825
泊まった宿Terra &Vini(お薦めです):http://www.terraevini.it/
La Subidia(ここもお薦め・宿もあります):http://www.lasubida.it/
2012年9月10日月曜日
Benny Golson
先週の木曜日に妻とJazzland (ジャズランドhttp://jazzland.at/) で ベニー・ゴルソンを聴いてきました。どう見ても83歳とは思えない若々しさ。 バックのトリオと共にノリにのった演奏で、入れ替えもなかったので2セット聴いて、午前様。 NYにいた頃はしばしばジャズクラブに行っていたのですが、子供が出来てからちょっと遠のいて本当に久しぶり。やはり、ジャズをこじんまりとしたクラブで聴くのはいいですね。音も最高でした。
ベニー・ゴルソンもよかったですが、バックのピアニストDanny Grisett (ダニー・グリセット)も凄く良かったです。若手なので今後が期待出来ます。
Jazzlandは、今ウィーンで営業しているジャズクラブのなかでは最も古いクラブ。 フリードリッヒ・グルダも良く演奏していたと言う所。前から行きたかったのですが、やっと行けました。気取らない、とてもカジュアルでちょっとゆるい感じの店でリラックスして音楽を楽しめました。
ベニー・ゴルソンのウェブサイト:http://www.bennygolson.com/
ダニー・グリセットのウェブサイト:http://www.myspace.com/dannygrissett
2012年9月7日金曜日
夏休みも終った-1
9月に入り、ウィーンは日が短くなり夜も少し肌寒くなって来ました。子供たちは夏休みも終わり、もう学校が始まって3週間。 アメリカン・スクールに通っているので,現地校よりは一足早い新学期でした。今年の夏は、日本への一時帰国休暇の他、週末を利用して小旅行をしました。
その一つが、ウィーンから車で南へ一時間半ほどのSchneeberg(http://www.schneebergbahn.at) でハイキング。ここは、登山鉄道があり、山頂の高原までいけます。一番高い地点の標高は2075m。当日高原の気温は19度程度。真夏日だったウィーンからいくと寒く感じられました。
とても楽しい一日だったのですが、ちょっと欲張ってぎりぎりまで遊んでしまい、登山列車の下り最終便に乗るため走って、すっ転んでしまいました。(どんくさー)間に合ったのですがしたたか打った膝がクレープ・フルーツ大に腫れてしまい、月曜日はお医者さんへ...。 大事に至らなかったのですが、医者の指示で数日間自宅安静。もうだいぶ良くなりましたが、完治していません。やっぱり歳ですね〜。
その一つが、ウィーンから車で南へ一時間半ほどのSchneeberg(http://www.schneebergbahn.at) でハイキング。ここは、登山鉄道があり、山頂の高原までいけます。一番高い地点の標高は2075m。当日高原の気温は19度程度。真夏日だったウィーンからいくと寒く感じられました。
昔ながらの蒸気機関車による登山列車が一日一往復運行されます。 |
山頂からの眺めは絶景です。 |
(つづく)
2012年9月6日木曜日
2012年9月4日火曜日
でっかい 〇〇〇
最初に見たときはビックリしました!でっかい、う〇ち!どうやら、街をきれいにというキャンペーンポスターらしい...
去年の春に初めてみたポスター、「ウィーンはあなたの手の中にある...」
ウィーンは美しい街ですが何事も裏表があるように、それなりに『?』と思うところもあります。 その一つが、糞害。ちょっと人通りの少ないとおりでは飼い犬の後始末をしない人が多く、足元の注意が必要!よくしつけられた犬が飼い主と一緒にレストランに行ったり、お店に入ったり、地下鉄に乗っていたりするのをよく見かけるので、ちょっと意外な一面でした。
これは今年のポスター、 「些細なことではないですよ ... 」 |
もう一点驚いたのが喫煙。どこでもかまわず吸って、吸殻を投げ捨て。レストラン、バー、カフェなどは煙でもくもくのところが多いです。 公の場での喫煙がほとんど禁止されたアメリカから来たので思いもよりませんでした。 ちなみに、これらのポスターの吸殻バージョンもあります。